2019年7月3日水曜日

生まれ変わりⅠ

【生まれ変わり】







【一話】




 男の名前は木村拓哉、中堅商社のサラリーマン堅実な性格と勤勉さで二十七歳にして新築の一軒家を持ち、二歳年下の妻と二歳の長男と小さな幸せを築いていた。

 しかしながら堅実な性格と勤勉さ故か木村には妻の加奈子に隠れた秘密、それは女装だった。

 商品開発に関る木村は情報の保全から鍵の掛かるシャワー付の書斎を自宅に持ち、そこに隠し持つ女性用の衣類と下着を身につけてはウットリと癒しに浸っていた。

 元々、幼少の頃より女性に憧れを持っていた木村にとって今が最高の幸せな時だったようだ。

 憧れの戸建てと暖かい家族、そして女装の出来る環境。

 部屋に鍵を掛けタイトスカート姿で椅子に腰掛、黒いストッキングに包まれ脚を組み返しながら爪先に視線を向ける木村の心は女性だった。

 白いブラウスの胸元を少し開くように着こなし、白いスリップの胸元のレース部分を鏡に映せば重役の美人秘書になったつもりで口紅を軽く塗った。

 ある意味、順風満帆な木村に転機が訪れた。

「あなたあぁ! あなたあぁぁぁー!」
 妻の加奈子は救急病院のベッドに掴みかかるように泣き崩れた。

 木村は呆気なくその生涯を閉じた。

 突然の交通事故死で他界した木村と時同じくして他界した女性がいた。

 女性は自殺だったようだ。

 その女性は死亡と同時にそのまま天上界に登ったが、木村は天上界に登れず気付いた時にはその女性の身体に居た。

 医師はその女性の生還を奇跡と呼んだが女の身体に入り生還した木村の方はその何千倍も驚いたようだ。

「麗子!!」
 目を覚し視線で辺りを追えば、周囲にいる見ず知らずの大勢の人間と、自分に呼びかける聞き覚えの無い女性の名前に混乱した。

 奇妙な奇怪なそして神秘的な生還だった……

「俺は一体!!……」
 室内に一人残されベッドの上で自分の顔を両手で触り自分の顔ではないことに気付いた木村は頭の中が真空状態になった。

「何いぃ!」
 胸に手を押し付けた木村はプルンとした手触りに驚愕した。

「そんな馬鹿な!!……」
 股間に手を滑らせた木村の顔は強張り、ガクガクブルブルと全身を震わせ額には脂汗を滲ませた。

「クチュッ…」
 木村の股間には男のシンボルは無く代わりに湿り気を帯びた割目が付いていた。

「……」
 布団から出した指先にはツンと鼻を突く女の匂いと粘液が付着していた。

 その事実に木村はベッドの中で恐怖の余り気を失った。

 気を取れ戻した木村はその後も自分を女性として扱う女性看護師や医師に強い違和感を覚えた。

 ベッドの上で起き上がり窓に薄っすらと映る自分の顔から目を背ける木村。

 見知らぬ女性の顔。

 寝返りを打つ度、起き上がる度にプルプルプリンプリンと揺れる自分の身体。

「まだ尿道にクダが入ってますからねー♪ ベッドからは出られないけど暫くの辛抱ですからねー♪」
 女性看護師は木村を横に仕事しながら話しかけた。

 生還したとは言え直ぐに動くことが出来ない木村は他人の身体のまま、病院のベッドの上で不慣れな女性の身体で入院生活を送ることになった。

「クダ、外しますからねぇ~」
 女性看護師に下半身だけ布団を剥れ両脚を開かされた木村は経験したことのない違和感に震えた。

 木村から尿道に入っていたクダが外された。

 数時間後…

「我慢出来ない!」
 尿意を数時間前から覚えていた木村は我慢も限界に達した。

「!!」
 患者衣のままトイレに入った木村は慌てて前側を巻くりあげながら便器の前に立った。

「!」
 自分にペニスが無いことを思い出した木村は噴出しそうな尿意を必死に耐え無我夢中でパンティーを降ろし便座に座った。

「ジュバジュバジュジュジュー!!」
 小便が勢い良く自分から外に放たれた瞬間、木村は男と女の感覚の違いを割目の奥に感じた。

「次ぎはどうするんだっけ…」
 木村は初めてした座位での小便と小便の後始末に困惑した。

「そうか! そうだった! 女は小便の後…」
 木村はトイレットペーパーに手を伸ばすと生まれて初めての経験をした。

「これが女の…」
 怖い物を触るように上から見えない割目をペーパーで拭いた木村は、小便のために降ろしたパンティーの内側の生々しい女の汚れに目を奪われた。

「ウッ!」
 便座に座りながら膝まで降ろしたパンティーの内側に鼻を近付け匂いを嗅いだ木村は顔をしかめた。

 木村は顔を強張らせパンティーを履くとトイレを後にした。



【二話】





 病室のベッドの中で余りにも変異した自分の置かれた状況に木村の思考回路はショートしていた。

「コンコン、麗子さんー入りますよー♪」
 ドアをノックし入って来た女性看護師の中里は木村にシャワーを勧め着替えの下着をベッドに置いて立ち去った。

「シャワー?」
 木村は考えもしなかった中里の言葉に一瞬戸惑った。

「ドキドキドキ…」
 木村は自分の裸を想像すると胸の奥に高鳴りを覚えた。

「凄い…」
 脱衣場で裸になった木村は自分の身体を捻って何度も見回した。

 白くきめ細かくスベスベした肌と豊満で形のいい乳房に、撫でまわしたくなるような形の整ったヒップに木村は見とれた。

「何てキレイな女(ひと)なんだ……」
 大きな鏡に自分を映しだした木村は鏡の中にいるトップモデルのような美しい顔立ちとそのプロポーションに時間を忘れた。

 シャワールームで椅子に座りお湯を出した木村は鏡に映った形のいい乳房に見とれた。

「プルルルン♪」
 身体を少し揺らすとその柔らかさが木村の視線を釘付けにした。

「プリリリーン♪」
 両脚を上下に揺らすとムッチリとした太ももが男の物との違いを鮮明に木村に伝えた。

「ゴクッ!」
 鏡に映る自分の姿と開いた両脚の真ん中にある割目に見入った木村は思わず喉を鳴らした。

「クチュッ! ビクンッ!」
 恐々としながら指でナゾった割目、中の肉肌に伝わるエロチックな音の無い音と凄まじい衝撃(しげき)に失神しそうになった。

 木村は頭の上から降り注ぐシャワーの下でボディーソープを使いながら自らの身体に翻弄された。

 きめ細かい敏感な肌は指を滑らせただけで木村に激しいビク付きを与えヒップと太ももをプリンプリンと揺らさせ、豊満で形の整った乳房は揉む度に全身の隅々に凄まじい心地よさを与え姿勢を保つ気力を奪い去った。

 コリコリと適度な硬さに勃起した乳首を左右同時に抓んだ瞬間、木村の脳天を電撃が突き抜け床に倒れ失神させた。

 割目から透明な粘液が溢れていたようだ。

 そして木村が目覚めた時、木村はベッドの上に居た。

 シャワールームで気を失っている木村を女性看護師が見つけ数人の看護師たちで木村をベッドに運んだのだと言う。

 木村の頭の中はシャワールームでの壮絶な官能の記憶で埋め尽くされていた。

 夕方、看護師と医師の診察を受けているところに旦那がやってきた。

「大丈夫か麗子…」
 シャワールームで木村(れいこ)の気絶を知った旦那が数日振りに病室を訪ねた。

 ベッドに居る木村(れいこ)の横の椅子に落ち着いた表情で座る旦那は木村(れいこ)の頭を軽く撫で、木村は無言で小さく頷くだけだった。

 何を話していいか解からない木村にとって無言で頷くしか方法は無かったようだ。

「ワシもお前に付いていてやりたいんだが、お前も知ってる通り近々学長選挙もあってな…」
 二十代の麗子とは世代の違う五十代後半の旦那に違和感を覚える木村はチラッと旦那の顔を見て直ぐに俯いた。

「早く元気になってまたワシのところに戻ってきなさい♪」
 白髪の交じる五十代後半の旦那は木村の頭から手を肩に移すと笑みを浮かべた。

「それでは私達はこれで… カチャ…」
 診察を終えた医師と看護師が病室を出て行った。

「麗子! 馬鹿な真似は二度としないとあれほど誓ったはずなのに、お前というヤツは! 全く!」
 医師たちが病室を出て行った途端、旦那の笑顔は消え顔つきが一変した。

「いいか! 麗子! お前はワシの妻として生きて行くしか無いんだ! ワシからは逃げようと思うんじゃない! ムニュッ!」
 旦那は怒り顔で木村(れいこ)の頬を片手で掴むと別の片手を木村(れいこ)の胸元に入れ乳房を鷲掴みした。

「ビクンッ!」
 木村(れいこ)は思わぬ旦那の行動にベッドの中で全身をビク付かせた。

「お前はワシの妻(もの)でワシ以外の誰のものでもない! お前の身体もワシのものでお前のものではないから! わかったな麗子! ムニュムニュムニュ…」
 旦那は形相を変え木村(れいこ)を脅すように低い声を発すると、話しの意味のわからない木村(れいこ)の乳房を揉みまわした。

「バサッ!」
 旦那は布団の中に手を入れると木村(れいこ)のパンティーを降ろし突然、割目に指を入れると道筋に沿って滑らせた。

「ビクビクビクンッ!」
 何をどうすればいいか分からぬまま固まっている木村(れいこ)は激しい官能に全身をビクつかせた。

「ズニュッ! ヌプヌプヌプ!」
 突然、旦那の指が木村(れいこ)の穴の中に入れられた時、木村(れいこ)は何が起きているか分からぬまま全身に走った電撃のような感覚に両目を見開き、肩をすぼめ再び両目を閉じて身体を震わせた。

「ヌッチャクッチャヌッチャクッチャ…」
 閉じた両目の奥、下半身の肉肌を通じて聞こえる音の正体が、穴の中に入った物が旦那の指だとは木村(れいこ)には分かるはずもなかった。

 木村(れいこ)は割目の奥に凄まじい官能と同時に鈍い重圧感のような物を感じていた。

「ヌプ… クッチュッ…」
 旦那は木村(れいこ)から指を引き抜くと、その指の匂いを嗅ぎ口の中に入れチュパチュパと嫌らしくシャブッた。

 肩をすぼめたまま薄目を開けた木村(れいこ)は、透明な粘液の付着した旦那の指先を見て割目の奥に指を入れられたことを悟った。

「また来る!」
 旦那は肩をすぼめたまま動けない木村(れいこ)に言い残すと病室を出て行った。

「今の何?? 今のは一体?? 何??」
 木村は自分の身体に起きた出来事に思わず両手で顔を覆った。

 身体の中に熱い炎が燃え盛り愛液が溢れていることに木村は気付いていなかった。




【三話】




 
 看護師に付き添われながら病院の屋上へと散歩に来た木村はブラジャーを着けるも慣れぬ豊満な乳房の揺れに苦慮していた。

 歩く度に揺れる豊満な乳房の真ん中、随時ではないがブラと乳房の間に出来る空洞が乳首をブラの内側の生地に擦らせた。

 ビクンッビクンッと歩く度に乳首が擦れ激しい官能が木村の動きをギコチなくさせ、立ち止まる度に尻や太ももがプルプルと揺れた。

 男の身体では有り得ない現象に木村はホトホト散歩に嫌気をさしていた。

 屋上の手すりに両手を置いた木村の横、街の向こう側に広がる山々に視線を向けた女性看護師の中里はその視線を木村に向けた。

「ねぇ麗子さん… 自殺の原因は…」
 中里は山々に視線を向けている木村(れいこ)に囁くように言いかけた。

「?」
 中里に視線を重ねた木村(れいこ)は、何も知らない自分にハッとした表情を浮かべた。

「ご、ごめんなさい… 馬鹿なこと聞いちゃった…」
 中里は木村(れいこ)に詫びると再び山々に目を向けた。

「知りたいことがあるの…」
 木村(れいこ)は逆に中里に問い返した。

「薄れて来たけど… 私の… 私の手首についてた縄のような跡って、一体…」
 木村(れいこ)は中里の横顔を見ながら切り出した。

「覚えてないの?」
 今度は中里が木村(れいこ)に小声で聞き返した。

「……」
 木村(れいこ)は黙って小さく頷いた。

「麗子さんもしかして旦那さんに… 旦那さんに折檻されてるんじゃない!… それとも旦那さんの趣味… 前回の自殺未遂の時も麗子さんの全身に痛々しいほどの縄と鞭の跡があったけど…」
 中里は辺りに人が居ないか気にしながら気まずそうに、木村(れいこ)に聞きそして話した。

「え!! 麗子さんの自殺未遂は二度目??」
 木村(れいこ)は心の中で驚愕し、両目を大きく開いて驚きの表情を中里に見せた。

「麗子さん、もしかして前回のことも覚えて無いの?…」
 中里は困惑したように素早く振り向いて木村(れいこ)に聞き返した。

 木村は中里から前回の自殺未遂の年月と状況を詳しく聞きだした。

 中里の話しに依れば、麗子と言う女性は過去にも自殺未遂をして中里の勤めるこの病院に運ばれたといい、麗子の身体には無数の痛々しい鞭で打たれたような形跡と荒縄で縛られたような形跡があったと言うが、病院の理事長と親しい麗子の旦那であり医科大学の教授の目を気にして関係者はその事実を不問に伏したようだった。

「ねえ、麗子さん… もしかして… 麗子さん記憶失ってない? 前々から知り合いの私を見る麗子さんの目がまるで知らない人を見ているような目をしてるから……」
 木村(れいこ)は図星といわんばかりの顔をしていたことに気付いていなかった。

「ねぇ! 麗子さんいつから! いつから記憶が無いの!?」
 木村の様子を見て驚いた中里は、突然、木村(れいこ)の真正面に身体を移動させ木村(れいこ)の両肩に手を置いた。

 中里は青ざめた表情をしていたが、屋上へ同僚看護師たちが患者を引率して来た時、中里はサッと身体を交し平静を装った。

「中里さん、私のこと… 私のこと知ってる限り教えて…」
 ベンチに腰を下ろした中里の横に座りながら木村(れいこ)は囁いた。

 四年前、医科大学の敷島教授の後妻として結婚入籍した麗子は二十二歳で大学教授夫人となった。

 敷島が審査員の一人を務めるミスコンで優勝したことを切っ掛けに知り合ったことは医療業界では有名な話しらしい。

 中里が知る限りでは最初の自殺未遂は一年前の暑い季節だったといい、原因は不明のまま処理され、その時に中里と麗子は知り合ったらしいが麗子を担当していた別の女性看護師が別の患者さんを担当することになり、麗子が記憶障害に陥っている趣旨の申し送りがあったと言う。

 亡くなった前妻の頃より、とかく女性との噂が絶えなかった敷島教授の下へ二十二歳の初婚の女性が来た事は瞬く間に医療界に広がったと言う。

「噂とかもあるからね、実際のところは分からないけど…」
 敷島教授と麗子の家庭内部のことは分からないとしながらも、中里は知り得る全ての情報を木村(れいこ)に教え聞かせた。
 
 木村は再びギコチない歩き方で中里に付き添われながら病室へ戻ると用足しにトイレに入った。

 患者衣を捲り上げパンティーを膝まで降ろし便座に座った木村の視線にキラッと光る何かが飛び込んだ。

「何だろう…」
 パンティーの内側に光る物を見つけた木村はパンティーの内側を指でなぞった。

「ヌルッ!」
 ヌルヌルした愛液が大量にパンティーの内側に付着していた。

「クチュッ!」
 割目に指を滑らせた木村の肉肌と指が擦れた瞬間、恥かしい音が伝わった。

 木村は乳首の摩擦で愛液を溢れさせていたことに気付きショックを隠せなかったが、男として外側からのみ女性を見ていた俄か女装子の木村にとって知り得なかった真実だった。

「小便か愛液かパンティーの濡れる位置にズレがあるのか…」
 トイレの便座に座り小便することも忘れ女性の神秘性を腕組みして考える木村だった。

 木村は病室で一人、我が身に起きたことを考えていた。

 妻の加奈子と長男の和人に見送られいつものように自宅を出た木村に変化はなく、あるとすれば普段は遠回りだと避けていた道を週末の二日連続の女装でスッキリした所為もあってか使ったことだろうか。

 不慣れな道と見慣れない周囲の建物に目を奪われながら、身に迫る居眠り運転の車に気付かなかったのが原因だろうか。

 交差点の歩道で信号待ちしていた木村はネットで購入した黒のレザースカートのことを考えていた。

 俄か女装子の木村の最後だった。

 女装子どころか死んで尚も本物の女性の身体を手に入れた木村は、プリンプリンのナイスボディーと窓ガラスに映る美人顔の自分に口元を緩ませては、過去に女装でしていたポーズをベッドの上で繰り返していた。

「ふん!!」
 ベッドの上に身を置き両手で寄せ上げした乳房の乳首を、首を曲げて吸おうとしたが今一歩のところで届かないCカップの胸に鼻息を荒くする木村だった。

「ふん!!」
 ベッドに両脚を投げ出しなんとか太ももを舐めまわしたいと奮闘するものの全く届かない木村だった。

「ふんっ!!」
 何とか自分の尻を正面から見てみたいと腰を捻り首を回したものの無駄に終った木村だった。

 木村の一人遊びは延々と続けられたが、結局自分ではどうすることも出来ないことを知った木村は消沈した。

 翌日、午前の診察でもう直ぐ退院と医師に告げられた木村は、何とか病院にいるうちに妻の加奈子に連絡をと思案に暮れた。

 直接電話しても信じてもらえるはずもなく、イタズラ電話くらいにしかとられないだろうと麗子の身体で考える木村は、窓辺の椅子に座り窓の外を眺めていた。

「アイツだ!」
 病院の駐車場に入る麗子の旦那を見た木村は慌ててベッドへ戻ると布団に包まって眠っているフリをした。

 数分後、寝たフリする木村(れいこ)のもとを尋ねた旦那の敷島は、掛けてあった布団を無造作に剥がすと起きろとばかりに木村(れいこ)の肩を揺さぶった。

 肩を揺すられて目を覚ましたフリする木村(れいこ)は女性の化粧品の匂いをプンプンさせる敷島をそっと見た。

「お前、近々退院するそうだ! 前のように何処にも逃げるんじゃないぞ! 真っ直ぐ屋敷に戻るんだ! いいな!」
 敷島は木村(れいこ)に怒鳴るような命令口調で伝えると、木村(れいこ)の尻を数回撫で回して病室を出て行った。

 木村には敷島と言う男がどんな男なのか見えた気がした。

 以前の男の身体なら難なく敷島程度は投げ飛ばすことも出来ただろうが、か細い女の身体ではマトモにぶつかっても勝算もなく、木村(れいこ)は傲慢な態度をとる敷島の屋敷に行くことに恐怖すら感じていた。

「これ、私の連絡先とメアドと住所だから、何かあったら連絡して下さい…」
 退院の前日、面倒を見てくれた看護師の中里は木村(れいこ)にメモを手渡した。

 木村(れいこ)は中里の両手を握りしめ頭を下げた。

「あとで家政婦の登美子さんが明日着て帰る服を持ってくるらしいから…」
 中里は木村(れいこ)に対する心配を作り笑顔で誤魔化し病室を出て行った。

「俺、どうなっちまうんだろう…」
 家政婦の登美子と名乗る五十代の女性から手渡された着替えの入った袋を横目に木村(れいこ)は憂鬱な気分になっていた。

 袋の中に入っていた新品の黒いパンティーストッキングを手にとって、大きな溜息を漏らした木村(れいこ)は再び袋の中から黒いスリップを取り出した。

「麗子さんて黒系が好きなのかな~ それとも旦那の好みかな…」
 ベッドの上に置いたパンティーとブラジャーとスリップ、そしてパンティーストッキングを見て木村(れいこ)は、一まとめに鷲掴みすると袋の中に戻した。

「こんなん丸見えじゃないか!」
 タイトスカートと下着の黒を周囲に見せる白い長袖ブラウスに木村(れいこ)は嫌悪感を示した。
 
「出来るだけ下着の色とか隠したいのに…」
 木村(れいこ)は悔しそうに口元を固くした。

 翌日、病院の朝食を終えた木村(れいこ)は最後の診察を終え、中里とも別れの挨拶を幾度も交した後、一人病室で前日渡された着替えをベッドの上に置いた。

 個室のシャワーでサッと身体の汗を流した木村(れいこ)は使用済みの下着を別の袋に入れ替え、黒いパンティーに脚を通した。

 椅子に座って手馴れた手付きでスルスルッと下半身を覆ったパンティーストッキングを見回した木村(れいこ)は、久し振りの感触に口元を少し緩めた。

 オーダメイドの黒いブラジャーはいつものように乳房にフィットした。

 スルッスルスルスルッと黒いスリップを身に纏った木村(れいこ)はスリップが透ける白いブラウスを着ると、タイトスカートで下半身をガードした。

 慣れた手つきで薄化粧に仕上げた木村(れいこ)は鏡の中にいる別人に軽く頭を下げた。

 黒いハイヒールがコツコツと病室の床を叩いた。

「奥様、そろそろ宜しいでしょうか…」
 家政婦の登美子が病室のドアを開き顔を見せた。

 暫くぶりに見るのか家政婦の登美子は木村(れいこ)の足の爪先から軽い盛髪の頭まで上下を見回した。

 事前に木村(れいこ)が中里から聞いていたヘアスタイルと化粧の仕方だった。

 病院関係者と別れの挨拶をしたが、そこには中里の姿はなかった。

 病院の玄関を出ると屋上から中里の視線を感じた木村(れいこ)はニッコリ微笑んで屋上を見上げると頭を下げた。

 敷島がよこした黒塗りの大きなベンツに乗車した木村(れいこ)は中里に心の中で別れを告げた。

 



【四話】





 大きな門を通ると見たこともないような巨大な屋敷が車窓の目前に現れた。

 街外れの山の傾斜に街を見下ろすように建てられた建物は麗子を圧倒した。

 麗子はスクム足をやっとの思いで外に出すと、全身の震えを悟らないように身体のバランスに必死になった。

 映画に出てくるような大きな玄関ドアの前には数人の家政婦が両側に並んで麗子を出迎え、案内するように執事の大野が麗子の斜め前を歩いた。

 中里から聞かされていた財閥、敷島家の家紋が麗子の目に飛び込んできた。

 木村(れいこ)の家がスッポリ納まりそうな吹き上がりのリビングは、室内の壁を白ベースに木目調の高価そうな家具が立ち並んでいて、麗子は触れていいのか困惑するほどだった。

 初めて見る大邸宅に麗子は寒々しさを感じ立ったまま腕組していた。

「奥様、如何致しました? 御気分がお悪いのですか?」
 家政婦の登美子が心配そうに麗子に近付くと麗子を大きなフカフカしたソファーへと連れ座らせた。

「お部屋へ… 連れていってちょうだい…」
 この不慣れな光景から逃げ出したくなった麗子は家政婦の登美子に気分が優れないことを理由に連れて行ってもらうことにした。

 麗子の部屋だと連れて行かれた場所は山の中腹斜面の見晴らしのいい白ベースの部屋だった。

「何かありましたら御呼び下さい…」
 登美子は麗子に深々と頭を下げると麗子を残して立ち去った。

 広めの4LDKのマンションのような作りの麗子専用の部屋は下のリビングほどではないが、それでも立ち眩みするほどの広さに麗子は膝を震わせた。

「ここが俺の部屋なのか???」
 リビングは三十畳ほどの洋間で全面の窓は街を見下ろせる戦艦の艦橋のような作りで、十畳ほどの和室と洋間が三つ、大きな風呂場と脱衣場の他に各室内に専用のシャワールームを備えていた。

 ベランダに出ると幅数メートルと長さが十数メートルの手すりの付いた空間が麗子を出迎えた。

「こんな所で麗子さんは暮らしていたのか!?」
 ベランダの手すりに掴まって街並みを見下ろした麗子は中里の居る病院の方角に視線を移した。

 麗子は着替えをしたくて数ある部屋のクローゼットを見て回った。

 恐ろしいほどの高価そうな洋服の数と、心地良さそうなシルクの下着たちが麗子を出迎えた。

 麗子はタイトスカートとブラウスを脱ぐと下着とストッキングはそのままに、無地で水色のハウスドレスに着替えた。

 膝下十センチほどのハウスドレスに着替えた麗子は屋敷の周囲を散歩してみたいと部屋を出ると、エレベーターで一階へ降り立った。

「あの部屋って四階だったのか…」
 エレベーターのランプで階数を知り驚き気味の麗子はリビングを通り玄関へ移動しようとした。

 すると突然後から慌てた声を発して登美子が駆け寄ってきた。

「奥様!! 奥様あぁー! 一体その服装で何処へ行くのですかあぁー!」
 登美子の慌てた青ざめた顔が麗子の視線に飛び込んで来た。

「えっ?」
 麗子は意味が分からずジッとしていると、登美子は麗子の額に手を当てて熱が無いかチェックし始めた。

「大丈夫… 熱は無いようです… それにしても部屋着で外にでようなんてー 全く奥様ときたらあ~ あっははは♪」
 ホッと安心したのか登美子は手を叩いて安堵の表情を浮かべると麗子に初めて笑顔を見せた。

「ホームドレスで外に出れない??」
 麗子は心の中で首を傾げながらも登美子に話しを合わせるように作り笑顔をして見せた。

「ささ、お部屋へ戻って先ほどの服装に戻しましょうねぇ♪」
 麗子は引率する登美子の言葉に一瞬耳を疑った。

「タイトスカートとブラウスを着るの?」
 麗子は引率する登美子に歩きながら尋ねた。

「当り前でございましょうに~♪ 旦那様を迎える奥様はスーツ姿か正装がこの屋敷の仕来り… 奥様、しっかりして下さいませ~♪」
 麗子は麗子の知らない社会ルールに絶句し言葉も出なかった。

「それに、今夜は奥様を旦那様が御所望(あじみ)される日でございますよぉ~♪ 旦那様は奥様のスーツ姿がお好きでございますからねぇ~♪ それに旦那様のお許しが無いので今夜はお風呂やシャワーも禁止… 思い出して頂けましたでしょうか♪」
 再び麗子は登美子の言葉に耳を疑った。

「この屋敷では麗子さんが旦那(アイツ)に抱かれるのを全員が日常的に知ってる… しかも風呂も禁止って… そんな馬鹿な……」
 麗子は自室に戻ると先ほど脱いだスカートを履きブラウスを着ると意味不明な屋敷の仕来りを思い出していた。

「風呂もシャワーもないままスーツ姿で旦那(アイツ)に味見される?… しかも屋敷の全員がそれを知ってる?」
 麗子は自分の部屋のリビングのソファーに座ると黒いストッキングに包まれた脚を組んで目を閉じた。

 家政婦の言葉は麗子に重く圧し掛かった。

「俺は今夜旦那(アイツ)に… 冗談じゃねぇ!」
 麗子は落ち着かず何度も脚を組み替えた。

「抵抗しても男の力には勝てねぇ… 抵抗すればしたでアイツの楽しみが増えるだけか… ちきしょう…」
 目を閉じ腕組みして唇を軽く噛んだ。

 数分後。

「しかし、どんなんだろう、男に抱かれるって… ただでさえ敏感な女の身体… 舐められたら… 吸われたら… 触れられたら… 挿入されたら…」
 麗子の右手はスカートの中のストッキングに包まれた太ももを滑っていた。

「女装子(オトコ)時代には考えられなかったもんな… 他人に身体を舐め回されるなんて…」
 太ももの内側へと指が無意識に滑る。

「こんな風に触られるのか… な… あんっ! クチュッ!」
 軽く開いた両脚の真ん中、見えないスカートの中、パンティーの縦筋に沿って指を数回動かした麗子から漏れた小さな声。

「スリスリスリスリスリ… スリスリスリスリスリ…」
 目を閉じて敷島(ケダモノ)に味見される自分を想像する麗子の指は忙しく上下を繰り返した。

「ああああああんっ!」
 両脚をスカート幅いっぱいに左右に開き左指をクリトリスの上に、そして右指を割目に滑らせた麗子から無意識に奏でられた可愛い声。

「イッちゃう! イッちゃうううぅ! ああああああん!!」
 忙しく両手を動かす麗子は女言葉で切なげに唇を震わせた。

 そんな麗子に構わずに室内電話が鳴った。

「プルルルルルル! プルルルルル!!」
 突然の電話の音に驚いて我に返った麗子はハッとした顔でピタリと動きを止めた。

 割目から溢れた愛液がパンティーを通過しパンティーストッキングの表明に滲み出ていたが初めてのオナニーに麗子は気付くこともなかった。

 そんな中、電話に出て見ると家政婦の登美子から敷島の帰りを伝える連絡だったことに麗子は愕然とした。




【五話】





 麗子は登美子からの連絡に慌てて一階へとエレベーターで向かった。

 エレベーターが階を下げるごとに麗子は中世ヨーロッパ時代の魔物に捧げられる生贄(イケニエ)のような心境だったに違いない。

「旦那様のお帰りでーーす!」
 麗子が一階へ降り立つと玄関の方向に数人の家政婦が声掛け合うように集まっているのがうかがえた。

 女になって、麗子と言う女性になって、初めて主である敷島を迎える麗子は神妙な面持ちだった。

 里玄関ドアの両側に立って頭を下げる二人の家政婦と、上がり元の真ん中から少し外れたところに立つ紺色のタイトスカートにブラウンのストッキング、クリーム色のブラウスを纏った登美子もまた、頭を深々と下げ敷島を出迎えた。

 麗子はどうしていいのか分からず玄関の上がり元の真ん中で敷島を出迎えると、麗子に敷島が視線を合わせた。

「具合はもういいのか麗子…」
 カバンを登美子に渡しながら声掛けた敷島は麗子の横で立ち止まった。

「今夜は奥様のお部屋で過ごされますか? それとも旦那様のお部屋へ奥様が参りますか? 御用意させて頂きますので…」
 エレベーターへ向かう敷島の、やや後斜めにいる登美子が敷島に問い掛け、敷島の真後ろを付いていく麗子は無言だった。

「今夜はワシの部屋へ来て貰おうか…」
 エレベータの中で敷島は登美子の問いに落ち着いた口調で答えた。

 麗子の自分の部屋の上の階でエレベータが止まると、二人に引率されるようにエレベーターから降りると敷島の部屋のドア前に立った。

「麗子はそこのソファーに座って待っていなさい。 登美子、すまんが頼む…」
 敷島は麗子をソファーに座らせると対面するソファーの前に立ちカチャカチャとベルトを緩めズボンと下着を脱いだ。

「ペロン、ブラブラブラ…」
 麗子は突然の敷島の行動に呆気にとられた。

 ソファーに座る麗子を前に下半身裸になった敷島は黒光りする大きな一物をブラブラさせソファーに腰掛けた。

「では旦那様…」
 ソファーに腰掛けた敷島の前に跪いた登美子は口を開いて敷島のペニスにムシャブリついた。

 登美子の跪く後姿が麗子の前で前後に揺れ動く。

 唸り声を出し目を細める敷島と、嫌らしく唾液の音を奏でる登美子の行動に麗子は両目を見開いて固まった。

 目の前で繰り広げられる主と家政婦の赤裸々な場面に麗子は前側に置いた両手に力を込め絡めた。

「ぅうっ! ど、どうしたんだ麗子… いつものことじゃないか… ぅうっ!」
 ペニスを肉棒化させた敷島は登美子からのアタックに声を震わせ息も絶え絶えとばかりに麗子に声をかけた。

 硬直して振るえる敷島の開かれた両足。

「ズッチョグッチョピチュピョチャチュパチュパニュチョニュチョ…」
 目の前で首を前後させて敷島の肉棒にムシャブリつく登美子の口元から聞こえる、聞きたくないオゾマシイ濁音に両耳を押さえた麗子。

「うっ! いくっ! 登美子! 出るうぅ!」
 麗子の目の前で繰り広げられた常識では想像できない獣の終焉が迫った。

 首を激しく前後させる登美子の髪が乱れる。

「いくう!!」
 我慢できぬとばかりに声を発した敷島は開いた両脚をカクカクさせ見ている麗子は両手で顔を覆った。

 喉の鳴らして敷島の精液を飲干す登美子は両手で肉棒を合掌するように持ち舌を口の中で回し続けていた。

 目を閉じる敷島は麗子の前で登美子の口の中に男の業を撃ち放ったのだ。

「コイツ!!」
 家政婦にフェラチオをさせるところを妻である麗子に見せる敷島に込み上げる怒りを覚えた木村(れいこ)だった。

 麗子の鋭い視線が後姿で跪く登美子の背中に突き刺さるのを感じたのか、登美子は無言で立ち上がりクルリと麗子の方に身体を回すと麗子に視線を重ね無言でその場を立ち去った。

 登美子の唇の縁から敷島の放った白い液体が漏れているのを見た麗子は背筋を凍らせた。

「麗子… これでお前を可愛がってやれる… 随分溜まっていたからなぁ、落ち着いて味わってやるからな~ ふっふふふふ…」
 敷島は強い視線を向ける麗子に視線を重ねるとティシュでペニスを拭き取り俄かに嫌らしく笑った。

「ワシはシャワーを浴びてくるがお前は出るまで寝室で待ってなさい… 食事はお前を味見してからにする、いいな!」
 敷島は例みの強い視線に怯むことなく立ち上がると下着とスボンを持って風呂場へと向かった。

「待って!! なぜ私にこんな場面を見せるのお!」
 立ち去ろうとした敷島をソファーから立ち上がって呼び止めた麗子は両手に拳を握っていた。

 クルリと麗子を向いた敷島は驚いたような顔を麗子にみせた。

「何故? いつもしてることじゃぁないかね~ 何を今更~♪ 自殺未遂(あれ)以来、何かおかしいがどうしたんだね麗子、自殺未遂(まえ)の時も別人のようだったが記憶喪失にでもなっているんじゃないだろうねぇ…」
 敷島は麗子を見る顔を医師の顔に変えていた。

 麗子は敷島の返答に視線を敷島から外すと無言で再びソファーに腰を下ろし、敷島は麗子を見ると黙ったまま風呂場へと移動した。

『いつもしていることじゃぁないかね~』
 敷島が席を外した後、麗子は敷島の言葉を思い出し何が何だか分からなくなっていた。
 
「まてよ… 敷島が嫌がる麗子に無理矢理見せていたとしたら… それなら麗子(かのじょ)が自殺した原因にもなりうる… 自分の亭主が浮気を繰り返しているのを知って苦しんでいたのかも知れない… 変態で浮気性の敷島ってことか… 風呂にも入らせず汚れた身体の女房を味見するなんてぇいい趣味してやがる…」
 ソファーに前屈みになって考える麗子は敷島をプロファイリングしていた。

「それにしても、早く連絡を取らなきゃ… いつまでもこうしていても仕方がないが、今は麗子(かのじょ)に成り切って凌ぐしかない…」
 自分が生きていることを妻の加奈子に伝えるべく木村(れいこ)は自分を落ち着かせようと必死だった。

 三十分後…

「どうしたんだね麗子、何を考え込んでいるだい… さぁ、おいで… お前の本当の味を楽しませておくれ~ ふえっふぇふぇふぇ♪」
 考え込んでいた麗子の前に下半身をタオルで覆った敷島が突然現れ寝室へと呼びかけた。

「ワシは無精子、タップリお前の中に出してやるからな~♪」
 麗子の前に立つ敷島の股間は硬く聳えタオルを押し上げていた。

「!……」
 麗子の手を引く敷島の股間の肉棒をタオル越しに見た麗子を恐怖が取り巻き、麗子は腰が抜けたように怯え腰になった。

「どうしたんだねぇ~ 何を怯えているんだね~ ささ、ワシと一緒に来なさい~」
 怯える麗子を見た敷島は口元を嫌らしく緩めた。

 中腰のまま敷島に手を引かれる麗子はそのまま寝室へと連れていかれた。

「ドサッ! キヤァ!」
 ダブルベッドの上に押し倒された麗子の身体が数回バウンドした。 小さな悲鳴を上げた麗子。

 壁から辺りを弱い光で照らす傘付きの裸電球が、弾みで軽く捲れ上がった麗子のスカートの裾から伸びた両脚をボンヤリと照らす。

「すうぅはあぁ… いい匂いだ…」
 ストッキングに包まれた麗子の片脚を持ち上げ爪先の匂いを嗅ぐ敷島はニヤリと笑った。

「バサッ!」
 仰向けで両手に拳を握り締めた両腕で胸をガートする麗子は小さく震えていた。

「どうしたんだね麗子… 処女じゃあるまいし震えてるじゃないか… スウッー ビクン!」
 仰向けの麗子の真横に添い寝し左腕で肘立てする敷島の右手がスカートを捲り上げると、黒いストッキングの上から太ももを滑るように触手した。 触れられたことで全身をビク付かせる麗子。

「グイッ、バサッ! 」
 目を閉じて振るえる麗子の下半身を覆うスカート、両脚を膝立てさせスカート幅いっぱいに両脚を開かせた敷島はニヤニヤ薄ら笑みを浮かべスカートの中を見入った。

「スウゥーハアァー! ゲッホゲッホゲッホ! いい熟し具合だがこの乾き具合… 嫌らしい女だな… 待ちきれずに自慰でもしたんだろう! 愛液(しる)が滲み出て乾いている… メス豚なみだな麗子(おまえ)…」
 スカートの中に顔を入れパンティーストッキング越しに麗子の割目の匂いを嗅いだ敷島は、熟した麗子の割目の激臭に咳き込みながら、そのまま舌を出すと乾いた愛液を舐めとった。 

「スリ、ビクンッ! スリ、ビクンッ!」
 時折両方の内モモにストッキング越しに触れる敷島の頬は麗子を何度もビク付かせた。

「はぁはぁはぁ… 我慢出来ん! グイッ! スルスルスルッ!」
 麗子のスカートの中、両腰に手を入れるとパンティーストッキングとパンティーを一度に剥ぎ取った敷島はスカートまでを奪い取った。

「あんっ! ビクッ!」
 敷島の両手は強張る麗子の両太ももを掴むと大きく開かせた。 プリンと揺れる麗子の両太もも。

「スウゥーハアァー こんなに離れていても漂ってくる麗子(おまえ)の熟した匂い… ふっふふふ♪」
 麗子の股間から三十センチほど離れた場所に顔を固定する敷島は、汚れて熟した麗子の割目の匂いを楽しんでいた。

「ペロリ… ペロッ! いい塩加減だ… 小便とオリモノと汗が入り混じった麗子(おんな)の味だ~♪」
 割目を開かぬまま筋に対して下から上へと舌を滑らせた敷島。

「ビクッ、ビクビクビクッン!」
 麗子は生まれて初めて割目を一舐めされた瞬間、息も出来ないほど全身を硬直させた。 両手の握り拳は強く震えていた。

「ニチャッ! 摩り下ろした山芋が付いてるじゃないか~ ふっふふふ♪ 今日は暑かったしメス豚並みに自慰なんぞするから、こんなに汚れて♪」
 麗子の割目を両手で開いた敷島は嫌らしい笑みを浮かべて麗子の汚れた肉壁を覗き込んだ。

「ペロッ! ビクウウウウゥーン!!」
 敷島が麗子の右側の大陰唇と小陰唇の間を下から上に舐めた瞬間、麗子は感電したようにいっぱいに仰け反り声も出せぬまま全身を硬直させた。 余りの衝撃に麗子の両目は開かれたまま瞬きを忘れた。

「こんなに美しい麗子(おんな)が凄まじい臭気を放っているなんて… 神も罪なことをされる… ふっふふふ♪ ペロペロペロペロペロ… ビクウゥーーーン! ビクウゥーーーン!」
 麗子の右側の汚れを舐め取るように舌を滑らせた敷島は満足げなエミを浮かべ麗子は凄まじい電撃ショックに呼吸すら出来ずに全身を何度も仰け反り硬直させた。

 生まれて初めての女の感度は木村(れいこ)から声と呼吸と瞬きを忘れさせた。

 敷島は麗子の激しい反応に開いた割目の中を無造作に舐めまわしシャブリついて汚れを飲干して行った。

 麗子は既に失神していたが敷島は気付かず麗子の割目を味わい続けた。

 


【六話】




 数分後、自分の肌に感じるピチャピチャチュパチュパと言う肉音で目を覚ました麗子は突然、激しいくすぐったさに全身を左に右にとクネクネさせ女の鳴き声を部屋中に奏でた。

 だが、自らの性欲(ごう)を麗子にブツける敷島は麗子が失神していたことも目覚めたことすらも知らぬまま、麗子の喘ぎ声すら聞こえぬまま麗子の肌を嫌らしい舌音を立てて舐めまわしていた。

 いつのまにか晒されていた麗子の乳房は上に下に左に右に、そして斜めにと無造作にプルプルと揺れていた。

 太ももを触り捲り腰を舐める敷島の舌に、くすぐったさと官能とが重なって麗子の肌を刺激する。

 生まれて初めて肌を舐められると言う行為に木村(れいこ)は喘ぎ声を絶やすことはなかった。

 くすぐったいのに心地よくて気持ちいいと言う奇妙な感覚は木村が男時代には味わったことのない感覚だった。

 木村は夢の中に居るような心持だった。

 首回り、腰回り、背中、尻、太ももの前側に横側と尻側、そして内側を執拗に舐め回しフクラハギから足の裏に爪先までもを舐め味わう敷島の男の業は休むこと拒むように続けられた。

 どの部分を舐められても身体の内側から込み上げるように隅々に広がる官能は木村(れいこ)をトロトロに蕩けさせた。

 目を閉じた麗子には見えることのないギンギンに聳えた敷島の肉棒は上下にユラユラと揺れ男の汁を溢れさせていた。

「!……」
 閉じられた麗子の目が突然開いた。

「あひぃ! ああああああああんっ!! あんあんあんっ! あひぃっ! あひぃっ!」
 何の前触れも無く敷島が突然麗子の乳首に吸い付いた瞬間、麗子は全身を上下左右斜めに動かし仰け反り身悶えしベッドの上でトランポリンのように弾んだ。

「あひっ! あひっ! あひっ! あひっ! あひっ!」
 揉まれて心地よさが全身に広がる中、火山の噴火のように突き抜ける想像を絶する官能に麗子は声も呼吸も止まり全身を強く痙攣させた。

 息をしたくても息継ぎが上手く行かないほど凄まじい官能が麗子を襲った。

「はひぃ! はひはひはひはひいぃぃー!」
 麗子から溢れた愛液を指に絡めた敷島の指がアナルに滑らされた。

「ぅあっ! あひっ! ああああああーーーん!!」
 麗子は失神した。

 気付かぬ敷島は麗子の乳房を味わい続けた。

「!………」
 ボンヤリしながらも気を取り戻した麗子は両脚を大きく開かされていた。

 目の前でギンギンに硬く聳え揺れる敷島の肉棒。

「そんな!! あんなの入るのお!! 無理! 無理! 怖い!! 怖いいぃ!」
 敷島にガッシリと掴まれて閉じることの出来ない麗子の両脚、そして両目を開いて自分に近付く敷島を見ると肉棒の恐怖が全身を小刻みに震わせた。

「ズブリュウウゥゥー! ヌプヌプヌプヌプヌプ…」
 敷島の肉棒が麗子の花びらに接触した瞬間、硬い肉棒は麗子の中へと容赦なく挿入された。

「はふっ!!! うんっ… ぅぅん! ぅあっ! ああああああーーん!!」
 無意識に大きな吐息を放った麗子は数秒前の恐怖が嘘のよに消え、逆に膣の中に敷島の肉棒が擦れ入る度に身体の中で巨大な噴火を感じた。

 押し寄せる真っ赤な溶岩に全身を包まれ炎の中に身を置いた麗子。

「ヌプヌプヌプヌプ… ヌッチャクッチャヌッチャクッチャ…」
 割目の奥で敷島の肉棒が前後し始めると麗子は一瞬金縛りのようになり緊張が張り詰め、そしてその緊張が一気に切れたのは、敷島がテンポよく麗子の中で前後した瞬間からだった。

「パンパンパンパンパンパンパンパンパン! あひっ! あひっ! あひっ! あひっ! あひっ!」
 敷島の肌が麗子の柔肌を打ち付ける度に麗子の鳴き声はマックスに達し、頭の中が真空状態へと突入した。

 押し寄せる高温の溶岩が麗子の膣の中で激しく揺れ動く。

 敷島の自分の肌を打ち付ける音も麗子には聞こえなくなり、自ら放つ切なく苦しい女の鳴き声が敷島からの肉音に重なった。

 正常位で、バックで、横位でと敷島は麗子を自由に操ったが真空状態を漂う麗子本人には何も分かるはずなどなかった。

 麗子は鳴き声を奏でる人形のように敷島に操られた。

「お前は… はぁはぁはぁはぁ… パンパンパンパンパン! お前が死ぬことは許さんからな、はぁはぁはぁはぁ… お前は一生、ワシの妻として、ワシの性人形として生きてればいいんだ… はぁはぁはぁはぁ… お前の肉も血も何もかも全てワシの物… 自殺などで逃がしはしない… パンパンパンパンパン!!」
 敷島は意識の欠落した麗子の両乳房を揉みながらバック位置で麗子の中を行き来し荒い吐息の中で呟いていた。

 麗子に敷島の声は届いてはいなかった。

 敷島の肉棒が麗子に入って三十分の間に麗子は二十数回のエクスタシーに達していた。

 そして麗子が気を取り戻す頃には敷島はベッドの上から姿を消していて、斜めうつ伏せの麗子の割目からオビタダシイ量の濁った精液が流れ落ちていた。

 麗子はボーッとする意識の中で敷島にイカされたことに惨めな気分を味わっていた。

 生まれて初めてのセックスとは言え敷島に抱かれて感じさせられたことに麗子は自分に対して強い憤りも感じていた。

「ドロドロドロオォ~ ポタポタポタ…」
 ベッドの上で両手を付いて膝立ちした瞬間、数発分の精液が割目の肉ビラをすり抜け太ももを伝ってシーツに落ちた。

「畜生…」
 麗子は唇を噛んで両手に拳を握って涙を堪えた。

 麗子は敷島にイカされた悔しさに脱がされた衣類を掻き集め寝室を出ようとしたところに、首からタオルを下げ全身から湯気を出した敷島が戻ってきた。

「何処へ行くんだ麗子!」
 怒ったような声で麗子の前に立つ敷島。

「もう、終ったでしょ… お部屋に戻らせて頂戴…」
 胸の前で衣類を抱く麗子は俯いた。

「今夜はここでワシと時間を過ごせ! 勝手は許さん! 下着の替えはそっちの部屋にお前専用の箪笥があるだろう、風呂にいって汗をょ流してきなさい! いいね!」
 敷島は困惑する麗子に言い放つと電話でベッドを直すように家政婦の登美子を呼んだ。

「パタパタパタパタ…」
 自分が敷島に抱かれた証を登美子に見られると思った麗子は逃げるように隣室に行くと替えの下着を取り風呂場へ駆けた。

 風呂場で身体を洗う麗子は膣の中がヒリヒリするのを覚えていた。

 身体が男を久し振りに受け入れたための反応だろうか。

 麗子は熱いシャワーの下で肌に残る敷島からの愛撫の感覚を消し去ろうとした。

 生まれて初めて女の身体で男を受け入れた木村(れいこ)にとって表現できない辛さがあったようだ。

 シャワーをぬるま湯にして割目を開いて膣の中に流し込むと、中に残っていた敷島の精液が中から出てくる様子が鏡に映し出された。

 学生時代に見たAVビデオの中で女性が中出しされ困り果てた末、シャワーのぬるま湯で洗い流していた記憶を木村(れいこ)は思い出した。

「自分の身体の中から男の精液(ネタ)が出るなんて!!」
 木村(れいこ)は悔しさに顔をしかめ心の中で男のプライドを叫んでいた。

「この後、また敷島(アイツ)に抱かれるのか!! くそぉ!」
 全身を洗い流し湯船に身を沈めた木村(れいこ)は湯船の中でユラユラと揺れる乳房を恨めしそうに見た。

 登美子と顔を合わせたくなくて慌てて持って来た、フリルがフンダンに使われたスキャンティーを見てビックリした木村(れいこ)はガックリと肩を落としてスキャンティーに両脚を通すと、脱衣場に容易されたガウンに身を包み敷島の待つ寝室へと移動した。

「あん! あんあんあんあーん!!」
 寝室のドアの前に立ったとき、中から激しい女の鳴き声が聞こえ麗子は脚を止めた。

 静かにドアを開け中を覗くと、ベッドの上に仰向けの敷島の上に騎乗位で身体を上下させる登美子の姿があった。

 黒いガーターベルトに黒いストッキングで脚を包んだ登美子の後ろ姿だった。

 解いた黒くて長い髪が乱れていた。

「あん… あひぃ! あああああぅ!」 
 自らの割目で敷島の肉棒を包み込んでの騎乗位で動く度に甲高い鳴き声を奏でる登美子は魅力的な身体をしていた。

 プリンプリンと揺れる登美子の尻肉。

 時折ボディーラインから左右に見える柔らかい乳房。

 木村(れいこ)は男時代の本能を女の身体で蘇らせていた。

 耐え切れず静かにドアを閉じた木村(れいこ)はエレベーターで自室へ戻ると紺色のショートパンツで下半身を覆い、バナナ色のノースリーブで上半身を覆うと空腹を満たそうと自室の冷蔵庫を開けた。

 冷蔵庫の中には酒類と酒の肴になるハムやチーズにビーフの燻製程度しか入ってなく、麗子は仕方なく一階へと移動し見つけた若い家政婦に食べ物はないかと尋ねた。

 すると若い家政婦は麗子を見るなり嫌味の無い笑顔でニッコリして頭を下げると麗子を引率しダイニングへと連れ立った。

「旦那様のことは気にせずに夕食をどうぞ~♪」
 若い家政婦は着席した麗子の前に料理を運んできた。

「グウゥー♪」
 麗子の腹が鳴った。

「こんな時間まで旦那様のお相手、お腹空きますよね♪ どうぞお召し上がり下さい♪」
 家政婦の名前は木下裕美、麗子は裕美の笑顔に癒された。

 午後九時、麗子は屋敷に来て初めての夕飯を大きなダイニングテーブルの前に一人でしていた。





【七話】





 屋敷に来て初日の晩以来四日目、毎日敷島に身体を求められていた麗子も徐々に女の官能を楽しめる余裕が出て来たのか、失神の回数も減り女の身体の素晴らしさにドツプリと浸っていた。

 家政婦の裕美とも会話を重ねるようになり、裕美は半年前に屋敷に派遣されたことも知り得たが、裕美は自分を初めて会った人のように話す麗子に違和感を持ち始め麗子は止む得ず記憶障害が少し残っていると誤魔化した。

 登美子は相変わらず麗子とは距離を保ちながら、敷島のペニスを毎晩貪っては男のエキスを喉に流し込み、その後で敷島に抱かれる麗子は登美子の存在に嫌悪感を覚えるようになった。

 麗子は敷島に対しては女の身体になった自分を目覚めさせてくれる相手という風に自分に言い聞かせ、敷島に対する極端な嫌悪を打ち消すことで快適な屋敷生活を送ろうと考えていた。

 屋敷での生活も一週間が経過し十日近くになると、敷島からの麗子を所望(あじみ)するのも一段落したように声も掛からなくなった。

 麗子の普段着は紺色のショーパンとバナナ色のノースリーブに定着して行ったが、家政婦達の間では自殺未遂が原因で服の好みが変わったのだろうと噂されていたが、自殺未遂の前の麗子は普段着としてはワンピースを好んでいたようだった。

 普段屋敷の中でストッキングは黒系を好む麗子とは違い、以前の麗子は白系を好んでいたと言い敷島に抱かれることを拒絶することもシバシバ有ったと言う。

 ただ、敷島の変質ぶりは相当なもので以前の麗子は身体に付いた荒縄の形跡を隠すためにワンピースを着衣していたのではないかと木村(れいこ)は考えていた。

 残念なのは裕美が屋敷に来たのは麗子(かのじょ)が一度目の自殺未遂をした時期のずっと後だと言うことだった。

 何故、麗子(かのじょ)が二度も続けて自殺を企てたのかは分からない。

 だが麗子(かのじょ)は二度目の自殺を成功させたのは、木村以外に誰も知ることのない事実だった。

 ただ、木村(れいこ)は家政婦の裕美から少しでも多くの情報を引き出そうとしていた。

 そんな中で自室の寝室で眠っていた木村(れいこ)の上に深夜、突然敷島が覆い被さって麗子を驚かせた。

「麗子おぉ!」
 麗子に覆い被さった敷島から酒の匂いがプンプンし麗子の顔をシカメさせた。

 パンティーの上に薄物のネグリジェ一枚だった麗子は否応無く乳房を晒され乳首には酒臭い敷島の唇が吸い付いた。

「イヤアァー! ヤメテエェ!」
 突然叩き起こされ乳房に吸い付かれた麗子は驚きの余り身を揺さぶって声をあげ敷島を拒絶した。

「チュパチュパチュパチュウチュゥチュゥ! モミモミモミモミモミ!」
 身を揺さぶって拒絶する麗子は敷島に抑え付けられ自由を奪われた。

「ああああーん!! 嫌… あっん! 嫌… ああああああーんっ!」
 敷島を拒絶するものの敷島の乳首に絡められた舌先に納得の行かない鳴き声を奏でる麗子だった。

「あひっ! うあっ!」
 ネグリジェを捲り上げられ力ずくでパンティーを剥ぎ取られた麗子は、割目に押し入れられた敷島の指に全身をビク付かせた。

「や… やめ… やめてぇ… ああんっ! うあっ! あんっ!」
 必死に敷島を抑止しようとする麗子だったが敏感な割目の中で動かされる敷島の指に麗子は鳴き声を奏でて行った。

「チュッパチュッパレロレロレロ…」
 敷島は二つある乳房を揉み回しながら交互に勃起した麗子の乳首を舐め吸い付き甘噛みして麗子を官能の世界へと引き摺り込んでいった。

 麗子は敷島を拒絶できる状態に無いほど女の鳴き声を暗闇に溶け込ませていた。

「あひぃっ! うあっ! あああーん!!」
 右に左に数回腰をクネラせた麗子の割目の中には敷島の指が挿入されていた。

 麗子は全身を仰け反らせ無意識に両脚を膝立てし太ももをプルプルと震わせ指の動きに鳴き声を大きくした。

 そして麗子の身体(なか)から溢れる愛液が敷島の中指を伝いベッドシーツに滴った。

「ヌチャヌチャヌチヤ… ニュルニュルニュル…」
 敷島の指のうごめく麗子の割目奥(なか)から肉肌に伝わる嫌らしい音は瞼を閉じる麗子の脳裏に刻々と伝えられた。

 敷島の嫌らしい舌は乳房から滑り落ちるように麗子の恥かしい部分へと移動を始めた。

「くわあぁっ! あんっ! うぐぅ!」
 開かれた麗子の割目に押し付けられた敷島の舌先は麗子に激しい衝撃(かんのう)を与えた。

 麗子の全身は痙攣を起こしたように小さな震えを起こした。

「ジュルジュルジュル… ニチャッニチャッニュパニュパ…」
 割目の中を無造作にウゴメク敷島の舌先は自らの唾液と麗子の愛液とが絡み合って異様な音を奏でていた。

「ヌルヌルヌルヌルヌル…」
 麗子の割目を開きながら愛液塗れの小指で麗子のアナルを刺激する敷島。

「あう… ぅぅううん… あひぃ!」
 耐え切れない官能に呼吸はドンドン乱れ麗子は呼吸困難に陥って行った。

「はふはふはふ… チュッパチュッパチュッパ… ピチャピチャピチャ…」
 割目の汚れも溢れる愛液も舐め取るように動く敷島の舌先は止まることを知らなかった。

 この時の麗子は既に数回のエクスタシーを味わっていた。

「もう… もう… もうだめえぇー!」
 ベッドシーツを両手で掴む麗子は手に最大限の力が込め、声にならない声を喉の奥に詰まらせた。

「ズブリュウゥゥー!!」
 麗子の心の叫びを聞いたかのように敷島は太く硬い肉棒を麗子の割目の中に押しいれてきた。

「うああっ!! あうっ! あああああーん!!」
 突然の敷島の肉棒の挿入に麗子はアゴを真上に突き出し首を後に傾けた。

「ヌップヌップッヌップッ… ムリュムリュムリュ…」
 硬く脈打つ敷島の肉棒が麗子の肉壁を擦りながら前後を繰り替えすと麗子は歯を食いしばった。

 敷島の肉肌が麗子の大陰唇に容赦なく打ち付けられると、ピチャピチャと麗子から溢れた愛液が敷島の肉棒の根元に飛び散った。

 麗子の身体を挿入したままクルリと回転させバック位に持って行った敷島は麗子を四つん這いにしたが、麗子は自分の身体を支えきれず両手と頭をベッドシーツに投げ出した。

 両手と頭をシーツに投げ出した麗子の腰を持ち上げた敷島は麗子に膝立ちさせ尻を突き出させると、そのままバック位から麗子の中を楽しんだ。

 体位を変えさせられた時、麗子から溢れた大量の愛液は麗子の両太ももに伝わってシーツに流れ落ちた。

 麗子はグッタリして敷島の挿入に声も出せず虫の息で痙攣していた。

 打ち付けられる度に柔肌をプルプルと震わせる麗子。

 両手で麗子の腰を掴む敷島は年齢を感じさせない体力と筋力でグッタリする麗子を挿入位置から外すことはしなかった。

 パンパンパンッと打ち付ける敷島は額から落ちる汗を麗子の背中に滴らせた。

 リズミカルに強弱つけて腰を振る敷島のセックステクニックは延々と続けられたが、その時すでに麗子は失神していた。

 敷島は麗子が気を失っていることに気付くことなく男の業を麗子にブツけていた。

 やがて敷島は顔をしかめるとギリギリと歯軋りして肉棒を根元まで押し付けた。

 ドクドクと敷島が撃ち放った精液は麗子の大陰唇を通過し小陰唇に小さな震動を与えながら麗子の奥の壁へと撃ち付けられた。

 麗子の奥の肉壁に撃ち付けられた白い液体はドロドロととした粘度を保ちながら麗子の中に流れ落ちた。

 肩で息する敷島は麗子から肉棒を引き抜くと尻を突き出したままの麗子をそのままにして寝室から出て行った。

 麗子は尻を突き出したまま眠っていたようだ。

 翌朝、ベッドの上で真横になって目覚めた麗子は深夜の激しいセックスの官能が体内に残っていた。

 そして割目から滲みだした敷島の精液は麗子の太ももで乾きオブラートのようになっていた。

「腰が… 腰が痛てえぇ!」
 木村(れいこ)の第一声だった。

「臭っせえぇ!!」
 木村(れいこ)の二つ目の言葉だった。

 寝室は木村(れいこ)の溢れた愛液と、身体の中から流れ落ちた敷島の精液の匂いが充満していた。

 木村(れいこ)はベッドからヨロけるようにフラフラしながら降りると臭気から逃げるように寝室から飛び出し風呂場へと足を急がせた。




【八話】




 
「明日からロスへ会議のために出張に出る…」
 敷島は身の回りの世話をさせると称して登美子を連れ屋敷を離れた。

 木村(れいこ)は裕美から敷島のメモを渡された瞬間、死に別れた加奈子へ会いに行くべく計画を立てた。

 勝手に屋敷を出ることを敷島に禁じられていたが、どうしても出る時は敷島の了解か最低でも家政婦を一人連れ立ってと言う約束のもと、木村(れいこ)は裕美を自室に呼んで外泊を相談した。

 裕美には自殺未遂(アレ)以来、どうしても会いたい学生時代の旧友が居ると方便を使った。

 裕美は快く承知してくれ慌てて準備した木村(れいこ)は妻の加奈子に会いに行くことにした。

 屋敷に来た翌日、敷島がくれた小遣いの50万を懐に忍ばせた木村(れいこ)は鏡に映った自分の顔を見た。

「解かってくれるだろうか… いや、信じてはくれまい… かと言って俺の知り合いだと言えば浮気相手と疑われる危険もあるし…」
 黒系のスーツを身に纏う麗子は鏡の前で薄化粧をしながら名案は無い物かと思案にくれた。

「突然、尋ねて行っても玄関にも入れてもらえない危険性があるな… 何かいい方法はないか… そうだ! 俺が死ぬ少し前に結婚退社した杉村君を装って焼香させてくれと言えば!」
 麗子は黒いパンティーストッキングに包まれ足組した自分の膝を見て俄かに微笑んだ。

 麗子は家政婦の裕美の運転する車で街を離れた。

「仮に信じてくれたとして説明のしようがないが…」
 後の座席で車窓から外を眺める麗子はブラウスのボタンを一つ外して考えていた。

「何て説明するんだ!? 死んで生き返ったら知らない女になってたなんて誰も信じないだろ! とにかく最低でも金は届けたいが…」
 車窓を見たまま動かない麗子をルームミラーからチラチラ見る裕美は不安げな表情を浮かべていた。

 麗子は車での移動中をずっと考え事で埋めていた。

「奥様! 奥様ー! もおう、奥様ー!!!」
 突然の裕美からの大声に驚いて我に返った麗子はルームミラーから見える裕美に視線を向けた。

「ホテルに到着しましたよ♪」
 裕美に言われ辺りを見回すと陽は傾いていることに麗子は気付いた。

「いかがされますか? このまま向かいますか? それとも一先ずホテルにインしますか?」
 ホテルの駐車場、車の中で運転席から麗子を見て話す裕美は運転の疲れを感じさせなかった。

 麗子は一先ずホテルにインして翌日の朝からの行動を裕美に伝えた。

 地方都市によくある観光客をメインにしたホテル。

 高台にある五階建ての建物の窓からは懐かしい風景が広がっていた。

 椅子に腰を下ろして大きな窓から外を見る麗子は、お茶を用意する裕美にも気付かずに景色を見続けた。

 麗子は妻との再会の方法を考えていた。

 出来るだけ自然に、そして出来るだけ信じられる方法で。

 考え込む麗子をそのままに裕美は部屋を出てホテルの周囲を見て回ることにしたようだ。

 麗子は考えが纏まらないまま、裕美が出かけたことすら気付かず、灯りも点けない部屋で夕暮れを迎えた。

「何かいい方法は…」
 トイレの便座に座り用足しを終えた麗子はウォシュレットの後、慣れた手つきで陰部にペーパーを当てて拭き取った。

「誰も知らない俺と加奈子しか知らない事実…」
 膝まで降ろされた薄水色のスキャンティーと、その向うに見える黒いパンティーストッキングに視線を向けた麗子に何かがひらめいた。

「そうだ! アレがある! それしかない! アレなら恐らく信じるはずだ! だけど恥かしいな… もうバレているだろうが…」
 麗子は死ぬ前までに自宅の書斎でしていた女装を思い出し、女装用の下着や衣類が残されたままだということに気が付いた。

「俺の書斎は妻の目に触れているだろうな当然… 俺が他人に言うことの出来ない秘密でありながら、俺の死後に妻だけが知りえた俺の女装の事実…」
 麗子は困惑した表情をしながらも時折、口元を緩めスキャンティーを引き上げると、慣れた手つきでパンティーストッキングを下半身に整えトイレから出た。

 妻との再会に秘策を思いついた麗子はトイレから出ると、急に眠気を感じてベッドルーム移動した。

 考えすぎて疲れていたのだろうか、麗子は安心した表情を浮かべるとベッドに着衣のまま身体を横たえた。

 麗子は熟睡していた。

「奥様! 奥様ー!」
 散歩から戻った裕美は麗子を探していた。

「カチッ」
 裕美はペッドルームに小さな明かりを灯した。

「ゴクッ!」
 ベッドの上に横たわって眠る麗子を見つけた時、裕美の喉がなった。

 麗子の熟睡するベッドの横で裕美は自らのスカートを捲り上げると両手を中に入れた。

 ライトブラウンのパンティーストッキングをスルスルと脱いだ裕美は、真横になって熟睡する麗子の身体をうつ伏せに転がし麗子の両手を後ろにパンティーストッキングで縛り上げた。

「麗ちゃん… 私とのことも忘れちゃったんだね… 思い出させてあげるからね…」
 裕美は麗子の身体をうつ伏せから仰向けに優しく変えると、麗子に添い寝するように麗子のブラウスのボタンを外した。

「寂しかったよ… 麗ちゃん…」
 裕美は気付かずに眠る麗子の胸を肌蹴ると麗子の両肩からスリップとブラジャーの肩紐を外した。

「プルプル… プルプル… プリーン~」
 麗子の白い乳房が裕美の前に晒された。

「!」
 胸元に寒気を感じた麗子は異変に気付いて眠そうに瞼を開いた。

「!」
 起き上がろうとして両手が縛られてることに気づいた麗子は声を上げそうになった。

「麗ちゃん、私、裕美よ! 心配しないで!」
 裕美は声を上げそうになった麗子の身体の上に自らの身体を重ねると、裕美は両手で麗子の顔を挟んで、何が何だか解からない表情の麗子に自らの顔を数センチまで近づけた。

「何? 一体これは何なのー!!」
 裕美に顔を両手で挟まれた麗子は数センチ先の裕美に驚きの声をあげ視線を合わせた。

「シッ! 静かにして麗ちゃん。」
 裕美は麗子の驚きの声を止めるように自らの唇を麗子の唇に重ねた。

「!!!」
 裕美からの突然の口付けに麗子は両目を大きく見開いた。

「うぐぅ!」
 裕美の舌が麗子の口の中に入り麗子の舌に絡みついた。

「ううー!!!」
 麗子は顔を左右に振って抵抗を試みたが顔を両手で挟まれていて失敗に終わった。

 裕美は嬉しそうに麗子の唇を奪い続け裕美が麗子から離れた時、絡みついた二人の唾液が糸を引いた。

「麗ちゃん… 私たちのことも忘れちゃったの? 思い出させてあげるからね…」
 突然の裕美からの濃厚な口付けに放心状態に陥った麗子は声を失った。

「嫌あぁぁー! やめてえぇ! 裕美ちゃーん! やめてええぇぇー!!!」
 裕美の顔が視界から離れ胸に近付いた時、麗子は大声で裕美を制止した。

「ビクンッ! ビクビクビクンッ! ぁひっ! あああああーん!!」
 麗子は突然の裕美からの乳首へのアタックに全身をビクつかせ首を後に仰け反らせた。

「やめてえぇ! お願い! 裕美ちゃん! あんっ! ぁひい! やめてえぇぇ! ああああーんっ!」
 裕美から愛撫されながら大声で叫ぶ麗子は時折鳴き声を奏でた。

 裕美の舌は乳首を甘噛みしながら吸付けば一瞬で麗子の乳首はコリコリと肉音を立てるほどに勃起し、両乳房を下から上へ押し上げるように回す裕美は左と右の乳首を交互に味わった。

「あうぅぅ! ビクッ! あひぃ! ガックン! うあぁん! ガックンッ!」
 パンティーストッキングの上を滑るように撫でる裕美の手と指に、麗子は喘ぎ声をあげ身悶えを繰り返した。

 ストッキングの上を滑る裕美の指に麗子はいつしか瞼を閉じて鳴き声を奏でていた。

「このままじゃ… このままじゃ… 犯(や)られちゃう…」
 気の遠くなりそうな裕美からの愛撫の中、麗子はレズレイプに恐怖を感じた。

 敷島(おとこ)とは違う裕美の柔らかい舌は麗子の乳房をネットリと執拗に押し付けられた。

 そしてストッキングの上を滑る裕美の指は、肌を直接舐められるより遙かに大きな官能を麗子に与え続けた。

「神出鬼没」
 裕美の指は右太ももを滑っていたと思うと突然左脚に移り、外モモ滑っていると思えば今度は右の内モモにと言う具合に、麗子の意表をついていて腹部や尻に腰に足の裏に、その度に麗子は身体をガクガクさせビクビクさせた。

「何とかしなきゃ… あんっ! 早く止めさせなきゃ… ああああああーんっ! 女同士でこんなの絶対に変よ!」
 裕美からの女のツボを心得た愛撫の最中、麗子は必死に自分を抑え考えていた。

「スゥー! ジジジジジ… ちょっ! 何するのおおぉぉ! やめな! ぁんっ! やめなさ! ああああああんっ!」
 タイトスカートの後のホックが外されファスナーが降ろされるのを麗子は感じた。
 
 裕美は麗子からスカートを奪うと放り投げた。

「麗ちゃん… いい匂い…」
 仰向けの麗子の両脚に抱き付いた裕美はパンティーストッキングの上から麗子の恥丘に頬を寄せ匂いを嗅いでウットリしていた。

「ねえ! ねえぇ! 裕美ちゃん! 止めてえ! ねっ、お願いよお! こんなこと止めてえぇ!」
 麗子は自らの恥丘の上に頬寄せる裕美に強く問いかけた。

 裕美に麗子の声は届いてはいなかった。

 突然、麗子の恥丘から離れた裕美は麗子から黒いパンティーストッキングを脱がせると、両手に持って麗子の腹に馬乗りになった。

「いい匂い… 麗ちゃんのパンスト… 一日中、麗ちゃんを包んでくれたんだねー ありがとう♪ すぅーはぁー」
 麗子に馬乗りになった裕美は妖しい目をして、麗子から脱がせた黒いパンティーストッキングの匂いを嗅ぎウットリし始めた。

 裕美の奇怪な行為を見て麗子はギョッとしていた。

「女が他人の女の履いた物の匂いを嗅ぐなんて! そんな馬鹿な! レズじゃあるまい… なに!! 裕美はもしかしてレズなのか!!」
 麗子はその光景に戦慄を覚えた。

 裕美は麗子から脱がせたパンティーストッキングを頭からスッポリとかぶり、自らもブラウスを脱ぎ始め麗子の上で立ち膝してスカートを脱ぐと、スリップとブラジャーを取り払いパンティーだけになった。

「プリン~!」
 裕美の乳房が揺れ動いた。

 小柄ながらムッチリした裕美のヌードは女の身体を持つ木村(れいこ)に男特有のムラムラ感を内側から思い起こさせた。

「ゴクッ…」
 裕美の身体を見て無意識に喉を鳴らした木村(れいこ)は裕美の柔肌に目を奪われた。

 この時の木村(れいこ)は男の目をしていた。

「裕美の肌を味わって見たい…」
 木村(れいこ)は獣のような目をして裕美を見詰ていた。

「裕美ちゃん… このままじゃ麗子、裕美ちゃんを愛せない… お願い自由にして… 裕美ちゃを麗子にも味あわせて欲しいの… お願い…」
 木村(れいこ)はパンストを被ってウットリする裕美に哀願した。

 ウットリしていた裕美は麗子の声に頭から被っていたパンストを少し上げて麗子に視線を重ねた。

「うふふふふ~ 思い出してくれたのね♪ でもまだダメよぉ♪ 先に私が麗ちゃんを味見するんだからねぇ♪ 麗ちゃんはその後でゆっくり私のこと味見してぇ♪」
 甘えるように、そして嬉しそうに少し照れながら優しく微笑む裕美は麗子に視線を重ねた。

 裕美はパンティーストッキングを脱ぎ捨てると、再び麗子の乳房を揉み回しながら乳首に吸付いた。

 麗子が記憶を取り戻したと勘違いした裕美は、自らの肌を麗子の肌に擦りつけるように麗子を貪った。

「クチュッ…」
 そして数分後、裕美の片手が麗子の割目をスキャンティーの上からナゾルと、麗子は恥かしくなるほど濡れていることに気づいた。

 麗子は裕美がスキャンティーを剥ぎとろうとした時、腰を少し浮かせた。

 両脚を立てて開き裕美の前に晒した麗子の恥かしい部分。

 割目に顔を近付け嫌らしい鼻息を立てて麗子の割目の匂いを嗅ぐ裕美。

 ベッドに放り投げられた自分のスキャンティーの内側を見て恥かしくなって目を背けた麗子。

 麗子の内モモに両手を添えた裕美の口が麗子の汚れた割目に押し付けられた。

 


【九話】




 
「あひぃ! うぐぐぐぅ! 裕美ちゃん! そこは汚れてる… うぐぅ! あんっ!」
 両側に広げられた大陰唇と小陰唇の間を荒い吐息混じりに裕美の尖った女の舌が無造作に動きまわった。

 両脚を広げられ恥かしい部分を晒している麗子は、裕美(おんな)に割目を見られ舐められていることに異様に興奮していた。

 首を左右に振り狂おしいほどに迫る快感に麗子は身体をクネらせていた。

「麗ちゃんの、とってもいい匂いよぉ、心配しないで♪ 美味しいよぉ♪」
 裕美は麗子の割目を舐めながら羞恥心に包まれる麗子を庇った。

「うぐうぅ! あんっ! ああああああぅ…」
 裕美に尻を持ち上げられ、でんぐり返しされた麗子は両乳房を揉まれながら乳首を弾かれ、同時に小陰唇の内側を舌で擦られた。

「ピチャッ!」
 麗子から溢れた愛液が裕美の舌に弾かれて飛び散った。

 裕美の口元から糸引く麗子の愛液。

 湧き水でも飲干すかのように麗子から溢れた愛液をチュウチュウと吸い上げる裕美。

 乳首と割目の三転攻めに頭の中を真白にさせる麗子。

 力の込められた麗子の爪先の動き。

「だめえぇ! イッちゃうぅ! 裕美ちゃん! 麗子イッちゃうぅー!」
 エクスタシーに一気に加速する麗子の頬と耳たぶは紅く色づいていた。

「まだよ! 麗ちゃん! まだダメよ! 我慢して! はぁはぁはぁはぁはぁ!」
 麗子の割目を舐める裕美は吐息を荒くした。

「もっと! もっと麗ちゃんの愛液を飲ませてぇ! まだまだ飲み足りないわぁ! はぁはぁはぁはぁはぁはぁ…」
 裕美は麗子のエクスタシーを制止した。

「お願い! 私にも裕美ちゃんの! 解いてえぇ! 私にも裕美ちゃんの愛液を! お願い、もうイジメないでえぇ!」
 麗子は泣きそうな声を出して必死にエクスタシーへの道を我慢した。

 裕美は麗子の声を聞くと麗子を縛るパンストを解くと、麗子の顔の上を跨いでシックスナインに体位を変えた。

「あんっ! アンッ! あああああん! アアアアアン!」
 下にいる麗子は裕美の両尻を抱え下から裕美の割目に舌を押し付け、裕美は上から麗子の割目を貪った。

 二人の鳴き声が交わって重なった。

 下にいる麗子の顔にトロトロと流れ落ちる裕美の愛液。

 二人の女達は口元を互いの液体塗れにした。

 裸電球の光に反射する二人の口元。

 揺れる二人の乳房。

 揺れる二人の太もも。

 乱れる二人の髪の毛。

 乱れる二人の呼吸。

 勃起する二人のクリトリス。

 勃起する二人の乳首。

「もう! もうだめえぇぇ! 我慢出来なーーい!! イクうぅぅぅぅー!!!」
 麗子の裕美の尻を掴む手に力が入り、両脚の筋肉が硬直した。

「私も! 私も! 私もイクウゥーー!」
 麗子の顔に割目を押し付けて前後に擦った裕美は麗子に声を重ねた。

 裕美の愛液塗れの麗子はグッタリして首を倒すと、上にいた裕美はそのまま真横に倒れると力を振り絞るように麗子の真横に添い寝した。

「うふっ♪ うふふふふふ~♪ あはっ♪ あははははは~♪」
 二人は互いの顔を見て俄かに笑みを零した。

 互いの愛液で照りかえる互いの顔、そして互いの口の周りに付着した互いの陰毛。

 二人はオデコをピタリとくっつけて笑いながら抱き合って肌を密着させた。

 麗子は女になって初めて女同士の「貝合わせ」を経験した。

 女同士のセックスは続けられた。

 何度でもイケる女の身体に木村(れいこ)は満足していた。

 妻、加奈子に対する木村の初めての浮気だった。

 この夜(ひ)二人はホテルのレストランで食事したあとバーで軽く酒を楽しみ、部屋に戻ると再び禁断の世界へと足を踏み入れ、木村(れいこ)は裕美のムッチリした身体を心行くまで堪能した。

「ねえ、麗ちゃん… 自殺未遂(アレ)から敷島から折檻とかされてない? 縄で縛られてイジメられてない?」
 セックスの後、風呂を共にした裕美は寝室のベッドの上で横にいる麗子を心配した。

「今のとこはね…」
 裕美に話しにを合わせる麗子は小声で返した。

「前は酷かったものね… 何かある度に麗ちゃんのこと虐めて… 毎朝、気が気じゃなかったよ私… 麗ちゃんの手首に縄の跡がありませんようにって…」
 麗子の首の下に腕を回して肩を抱く裕美。

「いつだったか、敷島がガレージに私たち住み込みの家政婦を集めて、両手を縛られて天井から吊るされる裸の麗ちゃんを見世物にしたことあったよね… あの時の敷島は嬉しそうにニヤニヤしてみんなの前で麗ちゃんの足を開かせてたげど、私、敷島のこと殺してやりたいって思ったんだ… 私だけじゃない! 他の子たちも同じ気持ちだったはずよ… 女を辱めて甚振って楽しむなんて敷島のヤツ、許せない! ぅぅうううう…」
 裕美は麗子の肩を抱きながら悔しそうに泣き出した。

「あの時もそうだった… 敷島が自室の寝室に家政婦(わたしたち)を呼んだ時、中に居たのは両手を後に縛られて縄で両脚を大きく開かされた麗ちゃんだった… 麗ちゃんボロボロに泣いてた… 同じ女だって言っても他人の前にアソコ晒されたら誰だって… ぅぅううう…」
 悔しそうに手に拳を握る裕美。

 裕美は過去の出来事を回想した。

『さあぁ! 笑え! 妻、麗子の無様な姿を笑ってやれ! わっははははは!』
 泣きながら恥辱に耐える麗子を指差して家政婦たちに笑いを即す敷島だった。

『登美子! 麗子のマンコの匂いを嗅いでみろ! この女の臭い汚れた割目の匂いを嗅いでやれ! あっははははは♪』
 敷島の命令にオロオロして嫌がる登美子は敷島から後退りした。

『何をしている登美子! さぁ! 我が妻、麗子の死ぬほど恥かしいマンコの匂いを嗅いでみろ! あっはははは♪』
 登美子は敷島からの再び受けた命令に麗子に近付くと勢いをつけて麗子の洗っていない割目に顔を近づけて思い切り匂いを嗅いだ。

『ゲホゲホゲホ! うげえぇ!! うげえぇ! おえぇぇ!』
 大股開く麗子の前で四つん這いになり嘔吐する登美子を見て敷島は大笑いした。

 麗子は目の前で自分の割目の匂いを嗅いで嘔吐する登美子から顔を背けた。

『女には臭い割目の匂いも、男のワシにはウットリするほどいい匂いなのだかなぁ~ あっははははは♪』
 敷島は嬉しそうに麗子の割目の匂いを嗅いで見せた。

『恥辱される女ほど可愛いものはない♪ 女は辱めれば辱めるほど美しくなるものだ! あっはははは♪』
 敷島は家政婦(みんな)の前で麗子の割目に舌を這わせた。

 そして突然の敷島の舌使いに麗子は、縛られながら全身を硬直させ鳴き声を上げまいと耐える麗子を見て敷島は「これでもか!」とばかりに、舌を無造作に押し付け舐めまわし麗子は唇を噛み締めて泣きながら必死で絶えていた。

「他の子たち怖くなって屋敷の仕事を外して貰うなんて言ってたけど、私はみんなに頼んで敷島から出来るだけ麗ちゃんのこと守って欲しいって頼んでたんだよ… そしたら登美子のヤツ! 誰から聞いたのか私に圧力掛けた挙句に、私を敷島にレイプさせたんだ! しかも私は登美子の前で犯されたんだ! 仰向けの私の両腕を押さえつけたのは登美子だった… 登美子は泣き叫ぶ私を見てニヤニヤして敷島に私を味見させたんだ! 私は縛られて敷島の前で登美子にアソコを剃毛されて丸裸にされたんだ! ぅぅうううう…」
 裕美は麗子の肩を強く抱き締めると咽び泣いた。

「私は… ヒック… 私は今だって、ヒック… 麗ちゃんのこと守ってるからね… ヒック…」
 裕美は麗子の胸に顔を埋めて泣いた。

「女なんかに生まれたくなかったよぉ… ぅううううう…」
 麗子は胸の中で咽び泣く裕美を抱き締めた。

「麗ちゃんの記憶にあるかどうか解からないけど…」
 暗がりの中で咽び泣く裕美から聞かされたの話しは、木村(れいこ)を震撼させた。

 敷島は屋敷を訪ねてくる親しい政治家や医学会の有力な人物達に専用の部屋を用意した上で、結婚して妻に迎えた麗子をレイプさせていたという。

 しかも、所望とあれば敷島本人がレイプされて泣き叫ぶ妻の麗子をビデオ撮影し客に渡していたと言う。

 必死に抵抗しながら床に押し倒され、或いはベッドに押し倒され衣服を剥ぎ取られ、泣き叫ぶ麗子の姿が克明に映し出されるビデオテープは敷島の書斎に保管されていると言う。

 敷島は客人たちに「御馳走」と称して、妻の麗子のレイプを提案していたと言う。

 異常とも言える敷島の性欲は自分の出世に美しい麗子を利用し、尚且つ自らの性欲も満たしていたようだった。

 二度も自殺を図る麗子(かのじょ)の気持ちが解かるような気がした木村(れいこ)だった。





【十話】





 
 翌朝、同じベッドで朝を迎えた麗子と裕美はホテルの温泉で朝風呂を楽しんだ後、朝食を済ませるとそのまま着替えて目的地へと向かった。

 久々に見る街並みは木村(れいこ)に懐かしさで胸をいっぱいにさせた。

「次ぎの信号を左に、そして次ぎを右にお願い♪」
 麗子の胸は高鳴っていた。

「あぁ、ソコ! そこの公園を右に…」
 助手席の後から助手席に掴みかかり運転する裕美に指示する麗子は、ワクワク感を漂わせた。

「あっ! うん! ここ! ここよー♪」
 懐かしい我が家の前に車を止めさせた麗子は裕美と顔を見合わせた。

 麗子は裕美に用事を済ませたら連絡するといい車を降りた。

 黒いタイトスカートに黒いストッキング、白いワンピースに包まれたボディーを上から黒いジャケットで覆った麗子のピカピカに磨かれた黒いパンプスが、木村(れいこ)の自宅前に靴音を一つ立てた。

「加奈子…」
 自宅の玄関前に立った木村(れいこ)は妻の名前を呟くと玄関チャイムを鳴らした。

「はあぁーい♪」
 中から懐かしい妻である加奈子の声が聞こえた瞬間、木村(れいこ)の心は一気にマックスに達した。

「どちら様でしょうか~♪」
 木村が死んで一ヶ月少ししか経っていないと言うのに加奈子の声はドアの向こうで弾んでいた。

「あの、私… カチャッ!」
 木村(れいこ)が女であることを知った加奈子は警戒せずにドアを突然開けて木村(れいこ)の前に姿を現した。

 木村(れいこ)の前に姿を現した加奈子は血色も良くやつれた感じもなかった。

「あの私、以前、木村さんの勤めていた会社の同僚で木村さんが亡くなる少し前に結婚退社した…」
 加奈子は笑顔で木村(れいこ)の話しに耳を傾けたが、木村(れいこ)は中から聞こえて来た一人の男の声に驚いて言葉を詰まらせた。

「君のお父さんの木村拓哉も変態さんだったんでちゅねぇー♪ 女装なんてちて恥かしくないんでちゅかねぇ♪」
 中から赤ちゃん言葉を使う同僚の名取慎吾の声が聞こえた。

 木村(れいこ)は中から聞こえた『君のお父さんの木村拓哉も変態さんだったんでちゅねぇー♪ 女装なんてちて恥かしくないんでちゅかねぇ♪』と言う、笑う言葉と名取慎吾の声に震撼していた。

「ちょっとぉ! 慎吾くーん、今お客様だから静かにしてぇー! あははは♪ 子供をあやしているだけなんですのよ~♪」
 加奈子は口元を隠し中にいる名取慎吾に照れながら声を掛けた。

「あ、お客様だったんですか? 私、出直して参りますが…」
 咄嗟に木村(れいこ)は加奈子に出直しを伝えた。

「ああ、いえ♪ 主人… そう♪ 主人のお友達の… あ、もしかして貴女も御存知かも♪ ねえぇー慎吾くーん、木村の同僚さんて方が見えているんだけどおぉ♪」
 加奈子は突然慌てたように声をダブつかせると、一礼して中に居る名取に木村(れいこ)の存在を話しに玄関を離れた。

 木村(れいこ)は何故ここに名取が居るのか、そして何故、名取は自分の女装のことを知っているのか、我が耳を疑う余裕も無いほどに震撼した木村(れいこ)は振るえる足で玄関を後ににすると、逃げるように自宅から走って離れた。

『君のお父さんの木村拓哉も変態さんだったんでちゅねぇー♪ 女装なんてちて恥かしくないんでちゅかねぇ♪』
 木村(れいこ)の耳に残る信じられない名取慎吾の言葉。

 木村(れいこ)は久々に帰った我が家の玄関で異様な衝撃を受けたようだった。

「もう一度行ってみるか… 幸い結婚退社した彼女のことは部署の違う名取(ヤツ)は知らないはずだし…」
 木村(れいこ)は再び自宅を訪ねると、突然姿を消したことを理由を付けて詫びると、焼香させて貰うことに成功した。

「………」
 仏間の前に正座して手を合わせ自分の写真と位牌を見て違和感に浸る木村(れいこ)だった。

「生前、木村さんとは同じ部署で、私は木村さんが亡くなる少し前に結婚退社したんです… 元の同僚から聞けらさんがひき逃げ事故で亡くなられたと聞いたものですから…」
 木村(れいこ)は加奈子にもっともらしい嘘を付いた。

 仏間の前で正座する木村(れいこ)の横で、加奈子は悲しい表情の一つもみせなかったことに、木村(れいこ)は加奈子に対して疑惑を感じていた。

 そしてもっと疑惑を感じたのは、加奈子の横に並んで木村(れいこ)を見定めるような目つきで見ていた名取慎吾の存在だった。

「あのぉ、名取さんて確か営業三課で元々は木村さんと同じ営業二課の部署だった方ですよねー♪ よく木村さんから名取さんのお話しは出ていたので覚えています♪」
 木村(れいこ)は咄嗟に作り話で名取に会話を振った。
 
「あ♪ そ、そうですけど木村が~ そうですかあ~♪ いやぁ、照れるなぁ~♪」
 名取は木村(れいこ)に調子よく話をあわせた。

「でも名取さんてステキだと思います♪ 親友が亡くなって親友の奥さんの力になってあげてるんでしょ♪」
 木村(れいこ)は名取に話しながらチラっと加奈子の何かに怯える表情を気にした。

「あぁ、そうそう、ここへ来る途中、私が最初に来て立ち去った時のことを見ていたのか、警察の方に木村さんとの関係とか聞かれたんですが…」
 機転を利かせた木村(れいこ)は咄嗟に嘘の作り話を名取にすると、突然、加奈子の顔は険しくなり名取も作り笑顔もまたギコチ無いものに変化した。

 木村(れいこ)は自宅を出ると道端で携帯から裕美を呼んだ。

「………」
 自宅から遠のく木村(れいこ)の背中に感じる加奈子と慎吾の寒気のする視線。

「俺が死んで間もないと言うのにアイツら…」
 木村(れいこ)は泣き出しそうになるのを堪えて待ち合わせ場所へと足を運んだ。

「女の身体って涙腺が弱いのかな…」
 ハンドバックからハンカチを出し涙を拭く木村(れいこ)だった。

 数分後、木村(れいこ)を迎えに裕美が来た時、裕美は車にのった麗子の暗い表情に笑顔を止め車を走らせた。

 ホテルに到着した木村(れいこ)はリビングで突然裕美に抱きついた。

「ねえ! 抱いて! メチャメチャにして欲しいの! お願い! 抱いて!」
 麗子からの突然の求めに裕美は何も聞かずに黙って麗子を抱き締めると、寝室へ麗子を連れ立った。

「何かあったのね… 可哀想な麗ちゃん…」
 裕美は心の中で麗子を案じ、着衣したままベッドに横たわる麗子に身体を重ねた。
 
 麗子は裕美からの濃厚なディープキスの後、一枚ずつ衣服を脱がされながら味見されていった。

 自らも一枚ずつ衣服を脱ぎながら麗子の乳房を吸う裕美の細長い指が、麗子のパンティーストッキングを股間から破り、そしてパンティーを脱がせることなく麗子の身体の中に入ると、麗子は身体をクネらせ全身を震えさせた。

 麗子は着衣のままパンティーストッキングを破られることに興奮したようだ。

 パンティー1枚で麗子の身体にムシャブリつく裕美もまた、破れたパンティーストッキングから見える麗子の揺れる太ももに興奮していた。

 二人は共にベッドの上で愛液を溢れさせパンティーを濡らしていった。

 終ることの無い女同士のセックスは麗子が失神するまで続けられた。

 



【十一話】




「何はともあれ、加奈子の傍に慎吾が居てくれるなら俺も一安心てもんだな… 女好きで有名な慎吾でも少しの間だけでも加奈子の悲しみを和らげてくれるなら… まあ、加奈子を取られるのは癪(しゃく)に触るが再婚してくれれば…」
 麗子そう思いながら自宅宛に現金を書き止めで郵便局から出した。

「あとは、この身体と新しい環境に早く慣れるだけか…」
 パンティー1枚でリビングをうろつく麗子は歩く度に、ボヨンボヨンと跳ねる自分の乳房を見て笑っていた。

「なあにぃ~ 一人で何してんだかぁ~♪ まったくもおぅー♪ 外から見えるでしょー♪ さーさー服を着てぇ~」
 ボヨンボヨンと乳房を跳ねらせて遊ぶ麗子を見た裕美は楽しそうに笑った。

「こんな生活がずっと続けばいいのに… 屋敷に戻れば敷島が… 私、怖いの…」
 麗子は突然屋敷での今後を思い呟いた。

「誰か敷島を殺してくれればいいのよ! そしたら私と麗ちゃんとで幸せに暮らせるわ! ご! ごめん! 変なこといっちゃった!」
 裕美は心配の余り無意識に口にした言葉から逃げるように旅行バックの整理を始めた。

 そんな麗子を外から双眼鏡で見ていた者がいた。

「いい胸してやがる! ゴクッ! 犯して見てぇ… あんないい女の泣き叫ぶ顔を見ながら腰を振ってみてぇ…」
 名取慎吾は麗子の存在が気にかかり部屋を覗ける場所にいた。

「誰かが誰かを殺して誰かが誰かと幸せになれる…」
 麗子は覗かれている事も知らずに裕美の言葉を頭の中で整理してみた。

「誰かが誰かを…」
 麗子は椅子に腰掛て考えていた。

「誰かが…」
 麗子はハッと両目を大きく見開いた。

「そんなバカな~ 考えすぎだ~ 加奈子と慎吾は偶然… だけど誰かが俺を殺して誰かが幸せになる… 誰が幸せに…」
 麗子は自分のバカな考えを打ち消すように寝室へ行くとベッドに腰掛、パンティーストッキングを脚に潜らせた。

「あらぁ、珍しいじゃなーい♪ いつもは黒しか履かないのに~♪」
 ショコラブラウンのパンティーストッキングを整えている麗子を入って来た裕美がチラっと見た。

「気晴らしかな♪ うふふふ~♪ さあーて遊びに行きましょう♪」
 照れる木村(れいこ)は紺色のデニムのミニスカートを履くとキャミの上から上からパーカーを纏った。

「行こう行こう♪ ヤッホー♪」
 青いデニムのショートパンツにニーソックスで下半身を決めた裕美はタンクトップの上からジージャンを纏った。

 旅行の三日目、麗子と裕美はラフな服装で観光スポットをタクシーで回るべくホテルの玄関へとスキップして歩いた。

 二人は最早、家政婦でも奥様でもない間柄になっていた。

「あの隣りの女もいい女だな… 味わって見てぇ…」
 名取は双眼鏡で二人を見ながらポケットに入れた手でモミモミしていた。

「初めまして♪ 雀タクシーのドライバーの板垣五郎と申します♪ 本日はお呼びいただきありがとうございます♪」
 感じのいいドライバが玄関でタクシーを待つ二人に声を掛けた。

 板垣五郎は清々しい笑みを浮かべ二人をエスコートし車に乗せた。

「雀タクシーかぁ~ 懐かしいなぁ♪」
 麗子は心の中で過去の営業マン時代を振り返っていた。

「お客さんたちはこの街は初めてですかあ~♪」
 板垣はルームミラーで二人を見ながら楽しげに問いかけた。

「私は初めてだけど麗ちゃんは来たことあるのよねえ~♪」
 裕美は板垣からの問いにニコニコして答えた。

「えっ? いらしたことがあるんですか~♪」
 ルームミラーで板垣は麗子に視線を送った。

 裕美は板垣との御喋りに夢中になる中、木村(れいこ)は話の中に入らず車窓から景色を見ながら、自分が加奈子に必要でなくなっていることを噛み締めていた。

 車は街の観光スポットの一つである武家屋敷を訪れた。

 麗子と裕美はドライバーの板垣五郎の案内で道行く観光客に入り交じり武家屋敷の周りを歩いた。

 裕美は子供ように大はしゃぎし板垣五郎の腕に掴まって笑みを浮かべた。

 そんな中で三人に気付かれずに双眼鏡で覗き見る名取慎吾が遠くに居た。

「美味そうな脚してやがる! さすが都会の女たちだぜ! 舐め回して見てぇもんだ!」
 名取の目は麗子と裕美の太ももに釘付けになっていた。

 名取は麗子と裕美の身体を覗き見ては抵抗する麗子と裕美を辱めて犯している妄想にとりつかれていた。

 草むらの中で自慰する名取だった。

 そんなことは夢にも思わない麗子と裕美は板垣五郎に連れられて武家屋敷の中へと案内され入って行った。

 暫くして出て来た三人は土産物屋の前で板垣五郎を真ん中にして記念写真を撮った。

 そして板垣がよほど気に入ったのか裕美は、板垣の腕につかまって板垣の肩に頬寄せた。

 照れる板垣。

 二人は武家屋敷から別の観光スポットへと板垣の運転で再び移動した。

「そう言えば麗子さんはこの街に知り合いでも居られるんですか? 先ほど裕美さんが話されていましたが♪」
 板垣の問いに一瞬、返事に困った木村(れいこ)は間を開けると横に居た裕美がルームミラーの板垣に笑顔で返事を返した。

 一瞬、困った顔して裕美を見る木村(れいこ)は裕美を制止しようとしたが間に合わなかった。

「アレ… それってもしかして、ひき逃げに遭った木村さんのことですか? あの犯人、未だ捕まってないんですよね~ 僕達タクシーも警察から捜査協力の要請があったんで覚えているんですよ… ああ、その奥さんとお友達だったんですかあ~」
 板垣五郎は驚いてルームミラーから麗子を心配そうに見詰た。

 裕美はマズイことを言ってしまったと後悔して麗子を横から見詰た。

「さてさてさてさてさてえぇー♪ これから参ります場所は♪ この街でも知る人は少ない! それなのに何故か観光名所としては有名な場所へ御案内申し上げまーす♪」
 一瞬暗くなった車内に運転席の板垣から楽しげな物言いで観光スポットの説明が飛び出した。

「そこに奉られているのは何を隠そう、生まれ変り地蔵と言って愛する者に裏切られた者を突如、別人に生まれ変わらせ復讐させると言うお助け地蔵! この場所を尋ねた時に不思議なことが起これば生涯に渡って地蔵に守られると言う伝説!」
 板垣五郎は暗くなった二人を盛り上げようと大奮闘していた。

「アレ…?」
 麗子は車が近付きつつある場所を見て子供時代に一度見た記憶が蘇りかけていた。

「子供だった頃、家族で遊びにきたところ……」
 車窓から見える景色に木村(れいこ)はボンヤリと思い出していた。

「坊や… 坊やはねぇ大人になったら嫌なことが起こるはずだから、その時はオジサンが助けてあげるからね♪ でも決してオジサンと会ったことは人に話してはいけないよ♪」
 木村(れいこ)は白い靄(もや)に包まれていた幼少の記憶を思い出した。

「もしかして俺が生まれ変われたのは…」
 スカートの上に置いた木村(れいこ)の両手は汗ばんでいた。

「どうかしたの… 麗ちゃん急に黙り込んで…」
 裕美は心配した。
 
「あっ、うん! 大丈夫だよー♪ 五郎ちゃん早く行こう♪ 行こう♪」
 突然、木村(れいこ)は何かが吹っ切れたように笑みを見せた。

「よおーし♪ 裕美ちゃんに麗子ちゃん! 行くよー♪」
 板垣五郎は二人に声かけると車から外に降り立った。

 板垣五郎を真ん中に両側の麗子と裕美は楽しげに手を繋いで繋いだ手を大きく振って歩いた。

「俺は生まれ変わり地蔵のお陰で生まれ変わったんだ! でも誰が俺を……」
 生まれ変わり地蔵に近付いた木村(れいこ)は、突然背中に突き刺さる寒い視線を感じた。

 時同じくして裕美もまた歩きながら後を何度も振り返っていた。




【十二話】




「変… さっきから誰かに見られている気がする……」
 板垣五郎の説明を聞きながら後から刺さる嫌な視線に裕美は怯えていた。

「裕美も感じているんだ…… ゾクッとしてネットり絡みつくような視線を……」
 裕美をチラチラ見ながら立ち止まった麗子。

「どーしたの? 二人して何度も立ち止まったりして?」
 心配そうに板垣五郎が振り向いた。

 薄暗いお堂の中で観光客の道行く流れから足を止めた麗子と裕美は互いに顔を見合わせた。

 二人は近付いてどちらからともなく手を繋いで板垣五郎の傍に身を寄せた。

「何かさっきから誰かに見られているような気がするの…」
 不安げな表情で板垣の顔を見た裕美と頷く麗子。

 板垣は怖がる二人を見ると、観光客が大勢集う本堂の地蔵の前に急ぎ足で案内した。

「ここなら取り敢えずは安心でしょう♪」
 板垣の配慮で何百人もの観光客に包まれた二人は安心した表情を浮かべた。
 
「本堂の中に奥にある小さな祠(ホコラ)が生き返らせ地蔵なんですよ♪」
 大勢の観光客に包まれた二人に笑顔で説明する板垣五郎は辺りに注意を払っていた。

 板垣五郎は元、警察官であることを二人に明かした。

 麗子と裕美は板垣からの突然の告白に目を丸くして驚いた。

「観光スポットには観光客をターゲットにする輩がいるからね♪ 僕達ドライバーは細心の注意を払っているんだよ♪」
 辺りを見回しながら笑顔を絶やさない板垣を二人は頼もしく思った。

 生き返らせ地蔵を見学した二人の安全を考えた板垣は人混みを避け、敢て周囲を見渡せる芝生のベンチに案内し、外から生き返らせ地蔵の見学を勧めた。

 最初は怖がった二人だったが、自分達に何かあるなら人混みよりはと言う板垣の考えの正しさを理解した。

 周囲がガラリと見渡せるベンチのある広場は人影も疎らだった。

「大丈夫ですか? 誰かの視線は感じますか?」
 ベンチに並んで座る二人の横に腰掛けた板垣の目は一般人の目でなかった。

「左側から突き刺さるような視線が…」
 麗子と裕美は生き返らせ地蔵の建物を前に右側に座る板垣の目を見た。

「直ぐに戻るからここに居て!」
 板垣はそういい残すと二人が教えた辺りに猛ダッシュで走って行った。

 十分後…

「確かに君達の言う通りだったよ! 逃げ足の速いヤツ! でも相手の手掛かりは解かったからね♪」
 息を切らせて戻ってきた板垣はベンチに座る二人の前で、相手が落としていったローマ字の名前が入った双眼鏡を見せられた。

「!…」
 麗子はその双眼鏡を見るなり青ざめた表情を裕美と板垣に見せた。

 双眼鏡には木村拓哉とローマ字で書かれていた。

 紛れもなく木村(れいこ)が生まれ変わる前の木村拓哉だった頃に、バードウオッチングで使っていた双眼鏡だった。

 麗子は板垣に木村拓哉の自宅に名取慎吾が居ることを話した。

「でも何故、亡くなった木村さんの家に名取が居るんだ? そして何故、名取が二人をストーカーするんだろう… まさか木村さんのひき逃げ事件と関わりが…」
 板垣は何かを察したのか携帯を取り出すと二人から数メートル隣れた場所で警察に電話した。

「大丈夫♪ 後は警察(かれら)に任せておけばいい♪」
 板垣は笑顔を見せると生き返らせ地蔵から別の観光スポットに二人を案内した。

 二人は再び板垣の観光ガイドに大ハシャギし時間の過ぎるのを忘れた。

「今日はありがとうございました♪ 明日もまたお願いしまーす♪」
 ホテルの前で麗子と裕美は満面の笑みで板垣と別れた。

 板垣と別れた二人は翌日のガイドの話で盛り上がりながらフロントからキーを受け取って部屋へと足を進めた。

 そして鍵を開けた裕美が最初に中に入った瞬間、隣室のドアが開き誰かが出てくると突然、あの悪寒の走る視線を麗子は背中に感じた。

 慌てて部屋の中に入ろうとした瞬間、走り出す誰かの足音が聞こえ閉じようとしたドアから誰かが入って来て麗子は首にナイフを突きつけられ羽交い絞めにされた。

「声を出すな! 出せば殺す!」
 麗子は聞き覚えのある声に震撼した。

「麗ちゃんどうしたの♪」
 中から麗子の様子を見に来た裕美は、羽交い絞めにされナイフを突きつけられた麗子を見て悲鳴を上げそうになった。

「大声を出すな! この女の命は保証しねぇ!」
 名取は麗子を中へ推し進めながら裕美に近付いた。 後退りする裕美。

「思えはそこに座れ!」
 名取は裕美にドスの利いた声を発した。

「これでコイツを縛れ! どちらかでも動いたらどちらかが大変なことになるからな!」
 名取はズボンのポケットから出したロープを麗子に渡すと、裕美を後手に縛るよう命令した。

「よし! 次ぎはお前の番だ!」
 麗子もまた名取に両手を後に縛られた。

「うぐぅ!」
 名取は麗子の口を粘着テープで塞ぐと続けざまに裕美の口も塞いだ。

 目だし帽を被った名取の前に二人の女が自由を奪われた。

「黙ってりゃ命なんぞは取らねぇ! お前が抵抗すれば、お前が怪我をする! いいな!」
 裕美を見た名取は裕美が抵抗すれば麗子が怪我をし、麗子が抵抗すれば裕美が怪我をすると脅した。

「さあ! 立て!」
 名取は二人を寝室へ連れて行くと麗子と裕美を個々のベッドに突き飛ばした。

「いいな! お前らが俺に抵抗すれば無関係の者が傷つくことになる! 意味、解かるな!」
 後手に縛られ団子虫のように身体を丸める裕美の太ももを見て名取はニヤリと嫌らしい笑みを浮かべた。

「堪らねぇ! 垢抜けた都会の女のショーパン姿は♪ お前から味見させてもらおうか♪」
 裕美の横たわれベッドに近付いた名取はナイフを再び取り出すと、裕美のタンクトップの襟元からバッサリと切り開いた。

「うぐうぅ! プルルルン♪」
 タンクトップのブラカップが外れピンク色の乳首がキレイな白い乳房が晒された。

 名取は晒された裕美の乳房を見るや否や夢中になって乳首に吸い付き、乳首に吸い付かれた裕美はアゴを上に突き出し首を後に押し付け目を閉じた。

 忙しく二つの乳房を揉み回す名取の両手。

 乳首の上から口いっぱいに乳房を頬張る名取。

 左右に揺れる裕美の苦しそうな顔。

 名取は獣(じぶん)に襲われ苦しむ裕美の顔をチラチラ見ながら乳房をもてあそんだ。

 裕美を辱める音を立てる名取の口元。

「うぐうぅ!」
 裕美を見ながら乳首に歯を立てる名取と痛みに顔をしかめる裕美。

 そして裕美の乳房を味わい薄ら笑みを浮かべた名取の両手が下へ伸びた。

「うぐぅ!」
 裕美はショートパンツを奪い取られた。

「!…」
 裕美の見ている前でショートパンツに顔を埋め中の匂いを嗅ぎウットリする名取。
 
 戦々恐々とその様子を見る麗子。

「堪らねぇ! 女の匂いだぁ♪ 美味そうな太ももしてやがる! 味わうとするか♪」
 名取は突然、ニーソックスに包まれた裕美の太ももにムシャブリついた。

 瞼を閉じて涙を流す裕美は抵抗せず名取に太ももを味見された。

「うぐうぅ! うぐうぅ!」
 名取の卑劣な行為を目の当たりに、麗子は出ない声で激しく名取を攻撃した。

「はぁはぁはぁはぁ… 慌てるなよ~ こっちの味見を終えたらタップリとお前も味見してやるからよぉ~♪」
 名取は麗子に落ち着いた口調で言い放つと再び裕美の太ももを舐め回し、プルプルと弾む裕美の乳房を両手で揉み回した。

 名取の非道な行為は延々と続けられた。

「そろそろ割目(おんな)を味見させてもらおうか♪ ふっ♪ 嫌がる割りにパンティーはグッショリてかあー♪ メス豚があぁ!」
 出せぬ声で泣き狂う裕美のパンティーを見て名取は獣の笑みを浮かべ裕美を侮辱した。

「スルッ! くうぅー! 堪んねえぇ! 一日中歩き回って汚れた上に身体を味見されて濡れてるパンツはよおーぅ!」
 名取は裕美からパンティーを剥ぎ取ると麗子の見ている裕美の前で、汚れたパンティーの内側を凝視して獣の歓喜を二人に見せ付けた。

「すうーはぁーすうーはぁー クチャクチャクチャクチャクチャ… チュパチュパチュパチュパ…」
 名取は裕美のパンティーの匂いを数秒間嗅ぐと、汚れたパンティーを口の中に入れガムを噛むようにクチャクチャと噛み、そしてチュパチョパとシャブった。

「はぁはぁはぁはぁはぁ… さてと… お嬢さんの汚れた割目を味あわせてもらおうかぁー♪」
 興奮して肩で息する名取は裕美の両脚を開くと割目の大陰唇を両手で押し広げた。

「臭っせえぇぇー! 摩り下ろした山芋がベッタリ張り付いてやがる♪ 堪んねえぇ!」
 口を塞がれたまま泣き狂う裕美は名取に女として死ぬほど恥かしい、汚れた割目の中を見られた挙句に匂いまで嗅がれた。

 名取は我慢ならんとばかりに裕美の割目に夢中で舌を押し付け嫌らしい音を立て味わった。

 名取の嫌らしい手が裕美の肌を滑り柔らかい肉肌を鷲掴みしながら、辱められながらも悲しい女の性(さが)なのか、名取は容赦なく裕美のピンと勃起した乳首をコリコリと弄った。

「はふはふはふはふ… 堪らねぇ! こんなに汚しやがって! 可愛い顔して酷い匂いだ♪ はぁはぁはぁはぁはぁ…」
 名取の嫌らしい舌は裕美の小陰唇を通過し愛液の溢れる奥へと押入れられた。

 裕美の泣き叫ぶ声は粘着テープにさえぎられ呻き声としてその場に発せられたが、裕美の身体は見知らぬ男に無理矢理味見されながらも、愛液を身体の奥から溢れさせていた。

 名取の動きにプリプリと揺れる裕美の柔らかい肉肌。

 ゴクゴクと喉を鳴らしながら飲干される裕美の愛液。

 後手に縛られたまま両膝を立てさせられる裕美。

 丸見えの割目から流れ落ちる愛液。

 唾液と愛液に塗れた名取のザラつく舌がアナルに押し付けられた瞬間、後手に縛られながらも海老反った裕美。

 乱れる髪の毛。

 揺れる太もも。

 身体とシーツに挟まれる白い乳房。

 プリンプリンと揺れる尻肉。

 押し広げられるアナル。

 大粒の涙を流してそれを見ている麗子は耐え切れずに目を背けた。

「はぁはぁはぁはぁ… チュパチュパレロレロレロ… お前ら女なんぞ俺ら男に味見されるために生まれてきたんだ、はぁはぁはぁ…」
 押し広げたアナルの奥へ舌先を押し付けね名取は荒い吐息のなかで裕美(おんな)を侮辱し続けた。

「犯されているのに愛液タラタラ流して乳首勃起させるのは、お前らが意地汚い女だからだ! はぁはぁはぁレロレロレロレロレロ… それ! ズブリユウゥー!!」
 名取は裕美の尻の前に膝立ちすると、聳え起たせた愛液をタレ流す肉棒を裕美の割目の中に一気に押し込んだ。

 裕美は両目を大きく見開いて、自分の中に一気に入って来る肉棒に首を上下左右に振って大粒の涙を流した。

「いい締り具合だ! 堪んねえぇ! 気持ち… いい~♪」
 名取は裕美の腰に両手を食い込ませて腰を前後に振った。

「ぱんっぱんっぱんっぱんっ!」
 裕美の尻に打ち付けられる名取の下腹部が部屋の隅々まで裕美の肉肌の音を響かせた。

「タップリと中に出してやるからな! 俺の濃厚な精液をしっかり受け止めるんだぞ! ぱんっぱんっぱんっぱんっ!」
 名取は身動きの出来ない裕美の尻を打ち付けながら男の最終目的を声を荒げて言い放った。

「堪らねえぇ! あっはははは♪ 叫ぶことも身動きすることも出来ねぇ、縛られた女の流す涙を見ながらのセックスは男冥利に尽きるぜ!」
 涙でシーツを濡らす裕美の横顔を見て興奮する名取の両手はガッシリと裕美の腰を捉えていた。

 レズビアンの裕美にとって男にレイプされることは他の女以上の屈辱だった。

「イクウウゥゥウー!」
 名取は男(けもの)の雄叫びを上げながら、裕美の中へ濃厚な精液をタップリと撃ち放った。

 裕美は全身を震わせていた。

「いい味だった…」
 裕美から名取が隣れると、崩れるようにベッドに横倒しになった裕美の割目から水分の抜けたゼリーのような精液が滲み出ていた。

「はぁはぁはぁはぁはぁ… 一休みだ! 次ぎはお前の番だからな! 楽しみに待ってろ! はぁはぁはぁはぁはぁ…」
 名取は麗子をチラッと見て、犯され涙の止まらぬ裕美を見ながら椅子に座ると足組しタバコに火をつけた。

「どうだ! 知らねえ男に肌を舐めまわされた気分は~♪ ペチペチ! 身体の匂いを嗅がれた気分は~♪ あっはははは♪ ペチペチ! 汚れた割目を舐め回された気分は~♪ ペチペチ! ブチ込まれて精液を中に出された気分は~♪ ペチペチ…」
 名取は涙を流して動かない裕美の尻を叩いては割目を開いて、自らが放った滲み出る精液を確認して裕美を侮辱し続けた。

 そんな名取を凄まじい目で睨み付ける木村(れいこ)がそこに居た。

 木村(れいこ)は後に縛られた両手で拳を握り締め震えていた。

 その時、木村(れいこ)の口を塞ぐ粘着テープが剥がれ落ちた。

「てめえぇぇー!! 名取ーー!!! 何てことすんだああぁぁ!! 女のことを考えて見ろおおぉぉ!!」
 木村(れいこ)はケタタマシイ叫び声を上げた。

 木村(れいこ)の叫び声に名取の言葉も動きも止まった。

 目出し帽の下に隠された名取は青ざめた。

「な… 何で俺の名を!…… お前は一体?…」
 声を失った名取は突然立ち上がり急にオロオロし始め、木村(れいこ)を凝視した。

「もうじきここへ元刑事の板垣が来る! そしたらテメエェーは終わりだあぁー!! 約束の時間まで一分しかねえぇ!」
 木村(れいこ)は咄嗟に壁掛け時計をチラッと見て名取に叫んだ。

「何いいぃぃ! あわわわわわわ!! くそおぉ!」
 時計を見た名取は突然慌てふためきトランクスを履くと衣類を手に持って部屋から逃げ出した。

 木村(れいこ)は急いで両手の間から両足を通してロープを解くと、玄関へ走って部屋に鍵を掛け犯されてグッタリする裕美を自由にした。

「裕美いぃー! しっかりしろおぉ! 裕美いぃー!」
 木村(れいこ)は自分が女であることを忘れ裕美を案じた。

「病院へ! 病院へ! いや、違う! 病院なんか行ったら警察が来て裕美が犯されたことがバレちまう! 畜生!」
 木村(れいこ)は慌てる自分を落ち着かせようと必死だった。

 するとその時、裕美はか細い声を発した。

「お風呂へ… お風呂へ連れて行って… 膣を… 膣の中を洗えば何とかなるかも知れない…」
 木村(れいこ)は裕美を風呂へ連れ立つと温めのシャワーを裕美に手渡した。

 裕美は慌てて両脚をを大きく開くとシャワーをジェットに切り替え膣の中を荒い流した。




【十三話】





 シャワーから出た裕美は部屋の窓下に背凭れし無言の時を過ごしていた。

 バスローブに包まれ体育座りし両膝を抱え込む裕美。

 寝室で裕美が犯された形跡を消し去りたいと願いながら動き回る麗子。

 ナイフで引き裂かれたタンクトップを手に取り、名取が口の中に入れてクチャクチャ噛みしめた裕美のパンティーを前に、口元を固く閉ざす麗子。

「俺が代わって上げられれば良かったのに…」
 拳を握る手が震える木村(れいこ)は、叫びたくても叫べずに名取に味見され犯された裕美に心を痛めていた。

 木村(れいこ)は死ぬ前の女装子(おとこ)時代に、男にレイプされる女に成り切って自慰をしていた自分を激しく悔いていた。

 女が犯されると言うことがどれほど女に耐え難い苦痛を与えるのか、何も解からぬまま過ごしていた女装子(おとこ)時代。

 木村(れいこ)は寝室から名取の居た形跡を消し去ると、冷蔵庫からウイスキーでオンザロックを二つ作ると、それを持って裕美のいる窓辺に行き並んで座った。

 お揃いのバスローブがピッタリと寄り添った。

 裕美の肩を抱き寄せる麗子。

 目の前に置いた二つのウイスキーの氷が溶けて音を奏でた。

 裕美に口付けをした麗子の右手の指が裕美の右手の指に絡みつく。

「ねぇ、麗ちゃん… 何でアイツの名前知ってたの…」
 麗子に凭れる裕美の唇が小さく開いた。

 麗子は裕美の問いに一瞬とまどいながらも、木村の自宅を訪ねたとき、家の中に居た名取の声とアイツの声が似ていたと誤魔化した。

「ゴメンね… 裕美ちゃん、私の所為で… ゴメンね… ゴメンね…」
 麗子は寄り添う裕美の横で声を詰まらせて涙ぐんだ。

「麗ちゃんの所為じゃないよ… 悪いのはアイツなんだから…」
 裕美は詫びる麗子の口を塞ぐように口付けをするとそのまま麗子を床に沈めた。

 麗子と裕美はオンザロックのウイスキーの氷が溶け、床に流れ落ちていることにも気付かぬまま互いのが互いの身体を揺さぶりあった。

 麗子から脱がせたパンティーの上に自ら脱いだ自分のパンティーを重ねた裕美だった。

 二人はリビングの床で重なり合って朝を迎えた。

「麗ちゃん、昨日のことは誰にも言わないで欲しい… 私と麗ちゃんの秘密にしていて欲しいの…」
 麗子は無言で裕美に頷くと裕美の手をとって風呂場へ移動した。

 白いビキニタイプのパンティーに脚を通した麗子は、ライトブラウンのパンティーストッキングで下半身を覆うとハーフパンツを履き、スポーツブラで胸をガードし白いトレーナーでボディーを覆った。

 そして麗子の足には動きやすいスニーカーが履かれていて、裕美は名取にレイプされた反動でジーンズで肌を覆い、ジージャンのボタンは全て閉じられていて足には麗子同様にスニーカーを履かれていた。

 お互い話し合ったわけではなかったが再び起こるかもしれない身の危険を考えた策のようだった。

「さあーて出かけましょうか♪」
 出掛ける準備を整えた麗子は裕美に声をかけるとドアへと向かった。

 ドアに耳を付け廊下の様子を覗う麗子と裕美は怖くて中々外へ出られず、仕方なく板垣の携帯に連絡をとって部屋までの迎えを頼んだ。

「おはようございます。板垣です♪」
 部屋に到着した板垣から中に居る二人に声がかけられると二人は胸を撫で降ろした。

「ドアにこんな物が貼り付けてありましたよ♪」
 ドアを開けた麗子に廊下に居た板垣が封筒を手渡した。

「!!!」
 封筒の中を見た麗子と裕美の顔が青ざめた。

「一人の方は最高の味だった! 今夜、六時過ぎもう一人の味見をさせてもらうからな!」
 裕美は内容を見た瞬間、名取の悪行を思い出し身体をガクガク震わせ板垣の胸に飛び込んだ。

 心配する板垣を部屋の中に招き、麗子は裕美の同意の下で板垣に全てを明かした。

「何てヤツだ!」
 板垣の握られた拳は震えた。

「警察は嫌! もう辱めを受けるのは嫌!」
 裕美を見詰た板垣に裕美は涙を零した。

「このまま君達がここを離れたとしても執念深いヤツのこと、必ず追いかけて思いを遂げようとするはず… 警察には届けられない… 逃げても無駄… だったらヤツを誘き出して戦うしか方法は無い…」
 板垣は自分を見詰る麗子と裕美を見回した。

「今日はこのまま観光を続けて日没と共にホテルに戻ろう、そして僕は一度君達と別れたフリしてこの部屋に戻り身を隠す… ヤツを誘き出すしかない…」
 麗子と裕美は祈るような視線を板垣に向けていた。

 二人は板垣と観光へと向かった。

 夜の六時、麗子と裕美はホテルの前で板垣と別れ部屋へ戻ると、数分して板垣が部屋へ忍んできた。

「僕はここに隠れてヤツがきたら出て来てヤツと!!」
 板垣は二人の前で拳を握った片手を見せてニッコリと笑みを浮かべた。

 寝室のクローゼットの中に身を潜めた板垣を心強く思った二人は、笑顔で互いのを見詰ると名取が訪れるのを待った。

 数分後、名取は部屋の中に姿を現した。

「ドアに鍵もかけないなんて無用心だなぁ! と言うか観念したって感じだなぁ~♪」
 目出し帽を被った革ジャン姿の名取がリビングに居た二人に声をかけた。

「待っててくれたんだろう~♪ ドアの開く音も聞こえたはずなのに騒ぎもしねぇとこ見ると、俺に味見されたくて我慢出来ねってことだろう♪ ふっ♪ 女ってヤツは♪」
 ソファーに座ってテレビを見ていた麗子と裕美は無言で名取を見上げた。

「さあ! 味見させてもらおうか! 抵抗しないなら縛る必要はねえからな! 素直に味見させりゃ、痛い思いも怖い思いもしなくていいんだ♪ 今日も暑かったからな! パンティーの中もムレムレしてんだろう~♪ 俺がキレイに舐めとってややるよ!」
 
 名取が裕美を麗子に縛らせ、麗子を寝室に連れて行くと悲劇は起こった。

「てやあぁ! ガンッ! バタッ!」
 クローゼットから出て来た板垣を待ち構えるように名取は板垣の後頭部を傍にあった一冊の本を打ち付けた。

「馬鹿なヤツ! 靴は玄関で脱ぐものとは限らねえぜ!」
 板垣を一撃した名取は鋭い視線で麗子を睨み付けた。

 それから数分後。

 後から頭を殴打された板垣が気を取り戻し辺りを見回すと、ベッドから離れた壁際の椅子の上に目出し帽を被った全裸の男が座り、その男の膝の上には半裸状態の裕美が後手に縛られ座らされていた。

 板垣は目の前の光景に唖然として逆の方に視線を向けると、スポーツブラで胸を覆うパンティーストッキング姿の麗子が後頭部で両手を縛られ、大股開きさせられている光景が飛び込んで来た。

 両足首をロープで縛られベッドにくくりつけられる麗子は、自由に足を閉じられないように縛られて口を粘着テープで塞がれていた。

 そして板垣が再び裕美の方を見ると、豊満な白い乳房を真横に挟むようにロープが上下で裕美の肌に食い込み、薄暗さに目が慣れた板垣は裕美の中に肉棒が挿入されていることに気づいた。

 首をダランとさせる裕美は首にナイフを突きつけられ、目出し帽の全裸男の膝の上で放心状態に陥っていた。

「元デカさんよ! あんまり見られたら照れちまうだろ♪ この状況! 理解出来るよな~ 形勢逆転だあ~♪」
 裕美に肉棒を入れたまま椅子に座る名取は軽く腰を上下させながら板垣に言葉を放った。

「いい光景だろう♪ そっちの女を味見しようとしたんだが、お前らが妙な画策するから事情が変わっちまった~ 俺はこっちの裕美(おんな)でイッちまったから、そっちの麗子(おんな)は俺の代わりに、アンタに味見してもらうからなあ~♪ いい女だろう~♪ アンタにとっても中々いい企画だろう♪」
 縛られる裕美にナイフを突きつけ腰を上下させる名取は板垣と麗子を見往復した。

 麗子の下半身を覆うライトブラウンのパンティーストッキングが、部屋の裸電球の明かりに照り返しを見せ薄っすらと中に見える白いビキニタイプのパンティーにシームが縦に食い込んでいる。

 板垣の視線に恥かしさから足を閉じようとするものの閉じられず目を潤ませ反らした麗子。

「さあ! 元デカさんよ! 十分状況分析したんならそろそろ俺の意図を実行してもらおうか! こんないい女を味見できるチャンスなんぞ滅多にねえからな! まずは女の股間の匂いを存分に嗅いでもらおうか~ ふっ♪ 一日中ムレにムレた女の割目の匂いだぁ~ さぞいい匂いがしてんだろうよ♪ 解かってると思うが実行しない場合、この裕美(おんな)の身体に傷が一つずつつけられるからなあ~ ふっふふふ♪」
 麗子と裕美を見て躊躇(ちゅうちょ)する板垣は四つん這いで縛られて大股開く麗子に近付いた。

 プリーフ一枚の板垣。

「ゴメンよ麗子さん…」
 板垣の顔が麗子の股間に近づけられた。

「うぐうぅ!」
 首を左右に振って板垣を止めようとする麗子。

 そんな麗子を見て名取は大笑いした。

「女が汚れた割目の匂いを恋人でもない男に嗅がれるんだ♪ これ以上の屈辱もねえだろう♪ あっははは♪」
 名取は板垣と麗子を見るとグッタリする裕美の乳房をモミモミし始めた。

 板垣の顔が麗子の割目に数センチまで迫った。

「スウゥーハアァ… ゲッホ! ゲホゲホゲホ!」
 パンストの上から麗子の割目の匂いを嗅いだ板垣は激しい女の異臭に咽て咳き込んだ。

「臭せえはなあぁ~♪ 暑い中を一日中、歩きまわった女の割目だもんよ、そりゃー臭せえわなぁ~♪」
 裕美の中に肉棒を入れ腰を軽く上下させる名取は咳き込む板垣を見て笑った。

「ほらほら、続けて続けて~♪ 元デカさんが何の罪もない美女を恥辱する構図かぁ~♪ こりゃいいや♪」
 咳込んでいる板垣を茶化す名取の指が裕美の勃起した乳首を数回抓んだ。

「スウゥーハアァ… ゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホ!」
 四つん這いで麗子の割目の匂いを嗅ぐ板垣は麗子の前で苦しそうに咳き込んだ。

「もう! もう勘弁してくれえぇ! ゲホゲホゲホ! 僕にはこんな趣味はない! ゲホゲホゲホ!」
 涙目の板垣は咳き込みながら麗子の前で名取に言い放った。

 そんな光景を前にした名取は板垣をニヤニヤしながら見た。

「そうだなぁ~ 今度はその女の太ももにムシャブリついてもらおうか~ 一日中下半身を覆っていたパンティーストッキングには女の匂いと味がタップリと滲み込んでいる♪ ストッキングの上からムシャブリついてもらおうか~♪ くくくっ♪」
 名取の指図に麗子は両目を大きく見開いた。

「そんなこと! お前は彼女がどんな気持ちでいるのか解かっているのか! お前というヤツは!!」
 板垣は名取を睨み付けた。
 
 裕美の顔にナイフを突きつける名取を見た板垣は麗子に視線を重ねると、目で麗子に詫びて首を捻った麗子の太ももにパンティーストッキングの上からムシャブリついた。

 板垣はチュパチュパとストッキングに滲み込んだ麗子の太ももの味を名取の指示通りムシャブった。

 板垣の下半身にフィットするブリーフが俄かに肉棒化していた。

「うぐっ! うぐうぅー!」
 パンティーストッキングの上から感じる板垣の舌に麗子は唸り声を上げ全身を左右に揺らした。
 
 パンティーに滲む女の液体。

 夢中になって舐め貪る板垣をニヤニヤして見る名取。

 板垣の唇と舌は麗子の内モモ、外モモ、前モモを幾度も行き来しパンティーラインをスレスレを吸うように舐めまわした。

「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ… はふはふはふはふ…」
 次第に息の荒くなる板垣は両手で麗子の太ももに抱きつくようにムシャブリ続けた。

「どうだい元デカさんよ~ 女を味わうなら一日中下半身にフィットしていたパンティーストッキングの上から味わうのが合理的だろ♪ しかし、正義のヒーロー気取ってた割りにパンツの中でブッ起てるとは~♪」
 夢中で麗子の太ももを味わう板垣に名取の声は笑った。

 板垣の下半身を覆うブリーフは肉棒化したペニスをクッキリと見せ付けていた。

「うぐうぅ!! うぐうぐうぐうぅ!!」
 名取の言葉に板垣の下半身を見た麗子は突然、身体を左右に振った。

「さあ! 元デカさんよ! その女の下半身を覆うパンティーストッキングを引き裂いてやれ!!」
 板垣の膨らみを見て荒い吐息を聞いた名取は命令した。

「グイッ! ビリビリビリビリイイィィー!!!」
 名取の言葉に板垣は、一瞬麗子の目を見ると、麗子の両太ももの付け根に両手の指を差し込むと、ビリビリと激しい音を立て破り始めた。

 縛られ身動き出来ない身体で無意識に逃げようとする麗子。

「あっははは♪ 女からパンティストッキングを破る取る気分は、処女の女の奥へ肉棒を突っ込む時の快感とそっくりだ♪ どうだ元デカさんよ! お前にも解かるだろう~♪ あっはははは♪」
 板垣を見て大笑いするする名取は自らの指で裕美のクリトリスを弄り始めた。

「さあぁ! 元デカさんよお! その女の脇の下を辱めてやれ! 甘酸っぱいフルーティーな香りを楽しみな♪」
 名取の言葉に麗子はイヤイヤとばかりに上半身を左右にふった。

 板垣はロボットのように麗子に視線を合わすことなく麗子の汚れた脇の下の匂いを嗅ぐと、唇を押し付け舌をネロネロと転がし滑らせた。
 
 麗子は全身をビクつかせ筋肉を硬直させた。

 板垣は夢中で麗子の脇の下を味わった。

 板垣のブリーフは男の液体で濡れ、麗子のパンティーは愛液で濡れていた。

「ブラジャー外してしまえぇ♪ その女のオッパイはお前の物だあぁ! もうお前には理性は無いはず! 思う存分オッパイを味わえ! あっはははは♪」
 板垣は麗子のブラジャーに手を掛けるとチュウチョウすることなく外し、麗子の頭を潜らせ縛られている手首の方へと移動させた。

 顔をシカメて苦悩する表情を見せる麗子。

 豊満な白く瑞々しい麗子の乳房は板垣の前に晒されると、プリンプリンと果てしない柔らかさを続けた。

 縛られた手首にユラユラと揺れる麗子のブラジャー。

 麗子の乳房を見た瞬間、板垣は夢中で麗子の乳房に吸い付き、吸い付かれた麗子は首を激しく左右に振り、広げられた両足の爪先をピンッと伸ばしたり曲げたり、全身をビクつかせ筋肉を硬直させた。 

 板垣は夢中になって麗子の乳房を揉みまわし吸い付きムチャブリ続けた。

 ビリビリに破れたパンティーストッキングの中に見える麗子の白いパンティーは、内側からグッショリと濡れていた。

 板垣の唇は乳房にとどまらず、滑るように麗子の二の腕、脇腹、左右から背中にと嫌らしい舌音を立てていた。

「ゴクッ!」
 麗子を濃厚に味わう板垣を見て名取が喉を鳴らすと、裕美に入っていた名取の肉棒は裕美の中から伝い流れる白い精液に塗れ始めていた。

「パンティーを奪い取れ! その女の恥かしい部分を晒せ!!」
 名取の声に一瞬、動きを止めた板垣は慌てるように麗子のパンティーに両手をかけると、麗子からパンティーを剥ぎ取った。

 ビリビリに破れたパンティーストッキングが絡み付いて片脚にパンティーを残したまま麗子は、板垣の前に汚れて愛液を溢れさせる割目を晒した。

 キラキラ光る麗子の愛液が割目から滑り落ちていた。

「さあぁ! 味わえ! その女を恥辱しろおぉ! その女を辱めろおぉ!」
 晒された麗子の割目に見入る板垣に、名取が声を荒げると、板垣は麗子の前に四つん這いになり両手で割目を左右に開き顔を近づけた。

「いい匂いだ… 女の匂い… 麗子さんの匂い… むちゅううぅぅー! むちゅむちゅむちゅうぅぅー!」
 板垣は小さな声で呟いた瞬間、口から舌をベロッと出すと一気に麗子の割目にムシャブリついた。

「ガンガンガンガンガン!」
 割目にムシャブリ付かれた麗子は目を閉じて全身を激しく揺らすと首を上下左右に振った。

 プリンプリと揺れる乳房と揺れる太もも。

「むちゅう! むちゅぅ! ピチャピチャチュパチュパ…」
 割目の中に吸い付く板垣の唇と舌先から放たれる麗子を辱める音。

「はうぅ! うっ!」
 麗子の甘美な女の匂いと味に板垣はブリーフの中で内側から射精していた。
 
 それでも麗子を味わうことを止めない板垣の目は血走っていた。

「ふぐうぅぅぅ!」
 名取は激しい味わいを見せる板垣を見て、裕美に入っていた縮んだペニスを再び肉棒化した。

 麗子の両内モモに張り付く板垣の四本の指が麗子(おんな)の柔らかさを指に伝えた。

 首を激しく振って陰毛の中にある麗子のクリトリスに舌を押し付ける板垣。

 激しい刺激に全身を震わせる麗子。

 板垣の舌はクリトリスと尿道、そして膣を幾度も往復した。

 口の周りに貼り付く麗子の愛液と陰毛。

 夢中で味わう板垣。

 麗子の足の爪先が幾度も閉じたり開いたりを繰り返す。

 板垣は麗子の身体に夢中になっていた。

「はっ! はっ! はっ! はっ! はっ! はっ」
 そんな中、名取は膝の上の裕美を床に仰向けにし板垣にお構い無しに裕美の中に肉棒を前後させていた。

「お前も! その女をやっちまえ!」
 名取の声が板垣に発せられると、板垣はブリーフを脱ぎ捨て太く逞しく聳える巨根を麗子の前に見せた。

 巨根の先っぽからはオビタダシイ量のカウパー支線液(あいえき)が溢れ落ちていた。

「ズブリュウゥー!!」
 板垣の肉棒が麗子の中に入った瞬間、麗子は両目を一瞬開いて大きく息を吸い込んだ。

 板垣の麗子の中での動きが始まった。

 引き締まった板垣の筋肉質な身体が動く度に空気を震わせた。

 首を後に仰け反らせる麗子。

 膣の中から全身に伝わる稲妻。

 揉みまわされる乳房から伝わる心地よさ。

 弾かれる乳首から足の指先に届く電撃。

 口の中に入る板垣のザラつく舌。

 絡み合う板垣と麗子の唾液。

 揺れるベッド。

 延々に続く板垣と麗子の接点。

 壮絶な官能に失神寸前の麗子。

 板垣が入ったまま失禁した麗子。

 麗子の小水に濡れるシーツ。

 失神した麗子。

 ピチャピチャと弾ける麗子の小水。

 気付かずに動く板垣。

 深夜の二時過ぎ麗子はベッドの上で目を覚ました。

 部屋の明かりは落とされていた。

 身体の自由を奪っていたロープは解かれていた。

 ゆっくりと腕を伸ばし壁についている照明の丸いコントロールのツマミを回した。

 裕美は寝息を立て隣りのベッドの中に身を沈めていた。

 疲れきった身体をそのままに首を持ち上げて辺りを見回すと名取も板垣の姿は消えていた。

 掛けられた布団の下に感じる記憶に無い水分の痕跡。

 枕元にあった一枚のメッセージ。

「麗子さんへ。 麗子さんに逢わせる顔が僕には無い。 あんなことになって恥じています。 アイツは僕が責任をもって二度と二人に近づけません。 あんなことした僕を信じてくれと言うのも無茶かも知れないけど信じて欲しい… 板垣五郎より」
 板垣からのメッセージに麗子は全ての終わりを確信した瞬間、麗子は眠りの世界に再び吸い込まれて行った。

 麗子は夢の中で再び板垣とのセックスに身も心もトロケさせていた。




【十四話】




 裕美は板垣からのメッセージにリビングのソファーに座り目を潤ませていた。

 花柄のワンピース姿でソファーで体育座りする裕美。

 そんな裕美を視界に感じながら、麗子は窓辺に立ち板垣に味見されていた時のことを思い出していた。

 素足のままショートパンツを履いた麗子は羽織ったチェニックの下に、板垣の愛撫を生々しく肌に思い出させていた。

「麗ちゃん… もう帰ろう…」
 窓辺に立つ麗子を見ずにソファーから言葉をかけた裕美。

「裕美ちゃん… 女って何んだろうね… 男に味見されて辱められてこっちの意思に関係なく勝手に身体の中に射精されて…」
 麗子は窓に映る自分の顔を見て寂しげに呟いた。

「生理来るといいけど…」
 不安げに膝に顔を埋めた裕美。

「うん…」
 身体の中から漏れた板垣の精液を拭き取ったことを思い出した麗子。

「いい人だったね板垣さん…」
 膝に埋めた顔を上げて天井を見詰た裕美だった。

 その頃、とある一室では……

「俺の筋書き通りに行ったろう~♪ 女なんてチョロイもんだぜ♪ 初めはお前に追いかけられて来たときは駄目かと思ったが、魚心あれば水心♪ あんないい二人の女を連れまわしてたら溜まって溜まって仕方ねえもんなー♪ 幸いあの二人はお前さんを気に入ってるようだし警察にも届けはださねえだろう♪ やっぱり女は犯して楽しむもんだぜ♪ 普通にセックスしても面白くも何ともねえからな~♪ それにしてもあの時のお前さんの顔ったらなかったぜぇ♪ 縛り系は初めてだったんだろう? 女の肌に食い込むロープがまたソソルだよな~♪ あの女のパンスト破ってる時のアンタの顔、マジで笑えたよ♪」
 木村の自宅の二階の書斎で談笑する名取の前に板垣がいた。

「僕はあんな情景に出くわしたことは過去になかったからね~ 君から話を持ち掛けられた時、正直この野朗と思ったが、一日中見せつけられる二人の美人の身体に何度センズリしても治まらなくて困っては居たんだ♪ それはそうと、下に居るのは君の奥さんじゃなさそうだが、僕に味見させてくれないか♪ 僕は以前から人妻に憧れているんだ♪ 君流にロープで縛ってジワジワと恥辱して見たいんだが…」
 板垣は足組する名取にニヤニヤしながら目を輝かせた。

「あぁ、アレか? 俺の死んだ同期の女房でな、俺が泣かせた女達から追い回されていて行き場がなくなって仕方なくここに転がりこんだんだが、旦那が死んで気落ちしてたのを俺が慰めたのが発端だ~ まぁ、慰めたと言うよりは殆どレイプだったがな~♪ 泣き叫ぶアイツを着衣のまま半裸にして可愛がってやったら、今じゃ俺の女房気取りだ♪ 教えてやりなよ♪ 縛りの味をよお~♪」
 タバコに火をつけて板垣を見る名取の目は笑っていた。

「さっそく今夜にでも味見させてもらおうか♪ お前のペットを♪ 下に居る女の泣き叫ぶ顔が目に浮かぶようだ♪」
 板垣は口元を緩めて名取をチラッと見た。

「ところで木村と言う男をひき殺して逃げたのはお前なのか?」
 板垣は低い声で名取に聞いた。

「ふっ♪ 下にいる女に俺が人殺しをてまでの価値があると思うか? ふっ♪ あの女は今のところ俺には都合のいい飯炊き女ってとこだな♪」
 名取はニヤニヤしながら否定した。

「そうか… 僕は人妻の妊娠線にソソラレルからね、僕には価値のある女なんだが… 隠したい腹の妊娠線を晒した時、どんな顔するかワクワクする♪」
 板垣の目は遠くをみていた。

「そう言えば、腹を隠したいのかあの女、いつもスリーインワンとかって下着つけてるよ♪ ブラジャーの付いた腹まで隠せる下着でガーター紐が付いてたな~ 最初は何も知らねえからエロイ女だと勘違いしたんだが、パンスト履く女しか知らん俺もソソラレたなぁ~♪ アイツが今履いてるストッキングもガーター紐で吊るされてぜ♪」
 タバコを灰皿に押し付ける名取は話しに聞き入る板垣に視線を合わせた。

 その頃、ホテルの部屋では……

「もう一泊してから帰りましょう… 何か疲れちゃったし…」
 何も知らない麗子は板垣から連絡が来るのではと考えていた。

「きゃあ! なになになにいー! あっひゃひゃひゃひやひゃーやめて♪ やめてえぇー♪」
 ソファーに仰向けになった裕美の両足の爪先がピコピコ動くのをチラッと見て、微笑ましく思った麗子は床に座るとパンティーストッキングの上から裕美の足をくすぐった。

 くすぐりではあったが久しぶりに聞いた裕美の笑い声に麗子はホッとしていた。

 時計の針が十時を指した頃、裕美は家政婦高間に土産物を買うとホテルを出て行った。

 裕美に誘われたものの麗子は頭から離れない板垣への思いで、出掛ける気にもなれずホテルで一人過ごしていた。

「もう一度、板垣に抱かれて見たい…」
 ソファーに凭れ体育座りする麗子の右指は、ショートパンツの裾から奥へ入れられパンティーの上から縦にナゾラレていた。

「板垣に縛られて見たい…」
 パンティーを縦に擦る麗子の指は次第に内側から滲み出るヌルヌルした液体を指に絡めていた。

「板垣に辱められたい…」
 麗子はショートパンツとパンティーを膝まで降ろすと右中指を割目の奥にいれ出し入れした。

 目の前にある自分のパンティーの内側にネットリと付着した愛液に一人恥かしさを込み上げた。

「クチュクチュクチュ… クチュクチュクチュ… クチュクチュクチュ…」
 嫌らしい音が聞こえた。

 親指に自らの愛液を絡めクリトリスを回しながら、中指で膣の入り口を無造作に動かした麗子は声を押し殺し目を閉じて官能に浸った。

 割目の奥から流れ出た愛液がソファーのレザーを濡らした。

 チェニックの中に入れた左手で乳房を揉みながら勃起した乳首をコリコリと指で抓むと、麗子(おんな)の身体は素直に麗子をエクスタシーへと導いた。

 麗子は初めて男をオカズに女としてオナニーをしおえた。

 女に生まれ変わって最初にしたのは、自分のパンティーの匂いを嗅ぎ、パンティーの汚れを舐めまわしてのオナニーだったが、この日の麗子のオナニーは完全に板垣をオカズにした女としてのオナニーだった。

 麗子の頭の中には、自分の身体を荒い息を立てて味わう板垣の筋肉質な身体から伝わる体温と、肌と肌が擦れる音の無い音、そして縛られて自由を奪われた恐怖の中のエロチシズムがドロドロと交差し重なりあっていたようだ。

 汚れている割目の匂いを嗅いで咽咳(せき)こんだ板垣に、込み上げる恥かしさが顔を火照らせ、本当に食べられてしまうのではと思うほどに激しい乳房へのアタックに全身が包み込まれた。

 そんな記憶を辿りながら麗子の指は割目の中でうごめきクリトリスの上で回され、そして乳首を強弱つけて抓んだりビシビシと弾いたりしていた。

 板垣(かれ)に前からそして後から身体が壊れるほど力強くそして激しく… 恥かしい体位をさせて私を目で犯して舌で犯してその大きな肉棒で… 麗子は卑猥なポーズを想像しては自分の中で前後する板垣の肉棒に串刺しにされていた。

 パンティーストッキングを板垣に引き裂かれ破られた時の麗子は、恥辱される女の悲しみの中にポツンとそれとは別の特殊な官能が見えていたようだ。

 自分の顔の真横で汗で汚れた脇の下のにおいを嗅ぎ、舌を這わせる板垣に嫌悪感はなく、むしろ自分の汚れた身体を音を立てて味わう板垣に愛おしささえ感じていた。

 身体は板垣を拒絶しながらも甘美な官能に反応を繰り返し、心は板垣を受け入れながらも拒絶を繰り返す… 言葉に言い表せない苛立ちが麗子の性の本能を倍増させたのかも知れない。

 男に女が犯されると言うことがどれほど女を苦しめ苦痛を与える行為なのか知りつつも、我が身に降りかかる板垣の男の業(ごう)に反応する肉体(からだ)が恨めしくも、受け入れざる得ない追い詰められ感に麗子の心は震えていた。

 動くことの出来ない草木が風に押されて靡くしかない事実に麗子は我が身を重ねていたのかも知れない。

 隠して置きたい場所を、自由を奪われた女が広げられて中を見られることへの不快感が快感に変わった瞬間、麗子はエロチシズムの頂点にいたのかも知れない。

 女に憧れ妻に隠れてしていた女装は、男の身勝手な目で女を捉えてのオナニーなのか、或いは男の目にこそ女の隠れたエロチシズムが見えているのだろうか。

 麗子はエクスタシーに浸った身体の火照りを鎮めるように再び割目の奥へと指わ入れエロチシズムの中に自ら入って行った。

 終ることの無い女のオナニーは延々と続けられた。

「だめえぇぇー! 一人でするなんてえぇー!」
 裕美の帰ったことを知らずにオナニーに没頭していた麗子は突然の裕美の声に驚愕し動かす指を止め割目から指を引き抜いた。

「もおぅ!」
 ソファーに体育座りしていた麗子の身体は裕美によってデングリ返しさせられると、麗子の熟した割目に裕美の熱い舌先が押し付けられた。

 閉じた麗子の瞼の中で目が激しく動いた。

「ニュルニュルニュルレロレロレロピチュピチャピチャ…」
 麗子の割目から聞こえる裕美の舌音は麗子から溢れる愛液の量が普通ではないことを物語っていた。

「板垣(かれ)の舌が私の割目の中に… 板垣(かれ)の両手が私の尻を持ち上げている… 感じる板垣(かれ)の両手の体温…」
 麗子は裕美にされる全てのことを板垣に置き換えていた。

「グニュグニュ… サラサラサラ… レロレロレロ…」
 陰毛の中に押し付けられる板垣の舌は麗子のクリトリスの周囲を唾液で押し倒し女臭い匂いを空気に晒した。

 床に膝立ちする裕美はそんなこととは知らずに麗子の割目とクリトリスを舐め続け、自らのワンピースの裾をバッサリと捲り上げると、グレーのパンティーストッキングとパンティーを慌しく膝まで引き降ろした。

「グニュッ!」
 立ち膝する裕美は麗子の割目を舐めまわしながら、自らの割目の奥へと右中指を押し込んだ。

「クチュクチュクチュクチュ… ケチャケチャケチャケチャ…」
 麗子の割目を舐める裕美の舌から放たれた音と、自らの奥に入れられた裕美の指からの音が部屋の中で重なった。

「欲しい… 欲しいの… 欲しい! 太くて硬い肉棒が欲しいのぉ!!」
 無意識に叫んだ麗子の声に裕美は顔をユガメ動きを一瞬止めた。

「肉棒!? そおう… 肉棒が欲しいのね… 待ってなさい、私が麗ちゃんに太い物を入れてあげるから…」
 裕美は麗子からの発した言葉に困惑した表情を浮かべながら寝室に急ぎ足で入ると再び急いで戻って来た。

「待ってなさい! 今、入れてあげるわぁ~! 望みの太い物をね~♪」
 裕美の股間には極太の黒光りしたペニスバンドが装着されていた。

「入れてえぇ! 入れてえぇ! お願い入れてえぇー!」
 麗子は目を閉じて両脚をバタバタさせた。

「ズブっ! ズブズブズブ… ズブリユウゥゥゥ!!!」
 麗子の割目に黒光りする極太ペニスが挿入された瞬間、麗子は思いも依らぬ太さに閉じていた両目を開き、深呼吸をして声を上ずらせた。

「お望みの太い肉棒よ♪ タップリ楽しみなさい♪」
 裕美はニヤニヤしながら太さに驚く麗子の顔を見て腰を前へと移動させた。

「ヌプヌプヌプヌプ…」
 麗子の膣の中から極太ペニスに押されて空気が漏れた。

「痛い! 痛あぁぁーい! 裕美ちゃん! 痛い! 痛いいぃぃー!」
 麗子はフクラハギをバタつかせて裕美に叫んだ。

「男を欲しいなんて… 許さないから! 麗ちゃん!」
 裕美は不敵な笑みを浮かべながらヌプヌプと極太ペニスを麗子の奥へと押し込んだ。

 裕美は麗子の苦痛な表情を見て愛液を太ももから床に流れ落としていた。

「うぐぐぐ… 裕美ちゃ… ん… 許してぇ… お願い… 許してぇ… うぐうぐうぐ…」
 麗子はデングリ返しで中に入ってくる極太ペニスの威圧に顔をユガメた。

「少しは反省して貰わないと… 麗ちゃんには御仕置きが必要だわ~ ヌプヌプヌプ!」
 裕美は自分の下で顔をユガメる麗子の膣の奥まで極太ペニスを入れると今度は腰を引いて抜き始めた。

 麗子を見詰る裕美の目は冷静だった。

 ゆっくりヌプリヌプリと音を立てながら出し入れされる極太ペニスには、オナニーと裕美の愛撫で溢れた麗子の愛液がベッタリと付着していた。

「うぐぐぐぐ…」
 唇を噛む麗子は閉じた瞼から涙を滲ませていた。

「ヌプリヌプリヌプリ… ヌッチャクッチャヌッチャクッチャ…」
 麗子から出し入れされた極太ペニスは徐々に嫌らしい音を奏で始め、麗子の顔からもユガミは少しずつ消えていった。

 繰り返される極太ペニスの動きに麗子からヨガリ声が漏れ始めた頃、裕美は突然、麗子から極太ペニスを抜いた。

「キャッ!」
 麗子は突然抜かれたペニスに驚きの声を上げた。

「気持ち良くなんてしてあげないから… 反省して欲しい…」
 裕美はペニスを引き抜くとペニスバンドしたまま寝室へと姿を消した。

 膣の中に極太ペニスが入ったままのような感じが消え無い麗子は暫くソファーの上で消えるのを待った。

「麗ちゃん、解かって欲しいの… 私は麗ちゃんのこと本気で愛してるの… 男が欲しいなんて思わないで欲しいよ…」
 麗子の携帯にかかってきた裕美からの電話だった。

 裕美は悲しげな声だった。

 膣の奥の違和感の取れた麗子は起き上がると、愛液で濡れたパンティーを持つと下半身裸のまま脱衣場へ行き、選択して干してあったパンティーに履き替えた、上をショーパンで覆った。

「板垣に会いたい… そして抱かれたい…」
 裕美を残し部屋を出た麗子は一人ホテルの一階ロビーで何するわけでもなく行き交う人達を眺めていた。
 
 麗子は徐々に女化している自分の心に気付いてはいなかったようだ。

 そんな麗子の視線の先に、どう見ても男と言う女装子の存在が飛び込んで来た。

 白いスーツスカートに身を包んだ女装子(おとこ)がカウンター越しに係りの人と話していた。

 身長が180センチはあろうかと言う大きな女装子(おとこ)は、慣れた足取りでヒールを捌き、エレベーターで降りて来た数人の女装子(おとこ)達と合流した。

「汚い…」
 麗子の頭に咄嗟に浮かんだ言葉だった。

「男のくせして女の格好するなんて…」
 麗子は大勢の女装子(おとこ)達から目を反らして、玄関から入ってきた女性の集団を見てホッとした表情を浮かべた。

「えっ? 今、私なんて…」
 麗子は自分の頭の中に浮かんだ言葉に驚愕した。

「私は女? それとも男? 私は女よ! 女? 違う私は男だよ! でも、私の心には板垣が… でも妻の加奈子を心配してここまで…」
 麗子は女である麗子と男である木村拓哉の感覚がダブッていることに気づいた。

「何考えてんだ! 俺は男だぞ! こんな身体になっても俺は男で、板垣(おとこ)を欲しいなんて思うなんてどうかしてる!」
 木村(れいこ)は自分に呆れたような表情をした。

「裕美の言う通りだ! 俺が男に恋してどうする!」
 裕美の言葉を借りて何処かホットしている麗子だった。

 そんな麗子の耳に耳障りな女装子(おとこ)達の会話が飛び込んで来た。

 女装子(おとこ)達は口々に言葉の語尾に、ニャーニャーとネコの鳴き声を加え自分が可愛らしい女の子に成り切っているようだった。

 どう見ても四十を軽く過ぎたオジサン女装子たちだった。

「アタシィー 今朝からねえぇー 体調不良なのニャァー♪」
 始終過ぎた大柄の女装子達は周囲の目を気にしながらも気にしないフリしてネコ言葉を連発していた。

「……」
 麗子はその光景と言葉遣いに背筋に悪寒が走り、その場から逃げるように別の咳へ移動した。

 別の席についた麗子は窓の外の子供達に気を取られていた。

「キヤアァァー!!」
 突然ムンズと掴まれた右乳房に麗子は悲鳴を上げて立ち上がった。

 ホテルのロビーは麗子の悲鳴に騒然とし、係員が大柄な女装子(おとこ)に胸を掴まれる麗子を発見して数人が駆け寄った。

 係員が麗子の胸を掴んだまま放さない女装子(おとこ)を取り囲むと、大柄な女装子(おとこ)はハッとしたような顔して麗子の胸から手を離した。

「この化け物めえ! とんでもないことしやがる!!」
 大柄な女装子(おとこ)にホテルの係員達は罵声を浴びさせ羽交い絞めにするとその場で警察に通報した。

「私達と同じ匂いがしたんだけど…」
 大柄な女装子(おとこ)は激怒する係員の前で呆然として呟いた。

「何処が同じなんだ! この化け物めえぇ!」
 美人でスタイル抜群の麗子を見た係員達は女装子(おとこ)を事務室へと連れ立っていった。

 心配そうに見詰る数人の女装子(おとこ)たちも連行される女装子の後を着いていった。

『私達と同じ匂いがしたんだけど…』
 麗子は女装子の呟きを思い出していた。

 大勢のホテルの利用者の男達の目は美人でスタイル抜群のショートパンツ姿の麗子に釘付けになっていた。





【十五話】





 
「おぉーヨシヨシ♪ おじちゃんのとこに来るかぁ~♪」
 加奈子の家に居候する女好きの名取も子供の愛くるしさには勝てず、木村と加奈子の間に出来た子供を可愛がっていた。

「それじゃ名取さん、子供を宜しくお願いするわね♪」
 加奈子は近所であった不幸に出席するため上下を黒い喪服で包み足を黒いストッキングで包んだ。

「あぁ、いっといで~ お前が戻るころには子供(コイツ)と寝てるかも知れんから、戻ったらお前は自分の部屋で寝るといい♪」
 子供抱きかかえて加奈子を見送った名取は、板垣に携帯で連絡をとり家の中に引き入れた。

 夜の十一時、名取が子供と二階の書斎で眠っているところへ加奈子が戻って来た。

 月明かりを頼りに家の玄関の鍵を静かに開け中に入った加奈子は、玄関に名取が用意した塩で身を清め、子供のことが気になったが静まり返り二階を階段から見上げるとそのまま1階の寝室へ移動した。

 黒い上着を脱ぎハンガーに掛けるとクローゼットの中に仕舞うと、黒いブラウスの胸ボタンに手を掛けスルスルっと音を立てて脱ぐと再びハンガーにかけ中にしまった。

 そんな加奈子がタイトスカートの後ホックに手を掛けた瞬間、少し開いた押入れから覆面をした板垣が現れた。

「騒ぐな!! 騒ぐと殺す!」
 後から羽交い絞めにされた加奈子はブルブルと首に突きつけられたナイフに怯えた。

「静かにしてれば殺したりしない!」
 加奈子は覆面の男に口を粘着テープで塞がれ、両手を後に縛られた。

「ドンッ!」
 ベッドの上に突き倒された加奈子の黒いストッキングに包まれた脚が中を舞った。

「うぐうぅ! うぐうぐうぐうぅ!」
 恐怖に駆られた加奈子はテープの下から助けを発した。

「スウー! スルスルスルッ!」
 後手に縛られ仰向けで倒れている加奈子のスカートが覆面の男に捲られた。

「ううぅ! うぐうぐうううぅー!」
 加奈子は貞操の危険を察知してテープの下から呻き声を発した。

「堪んねえ! 喪服姿の女に出会えるなんてぇ! 犯される喪服姿の人妻かあぁ~♪」
 覆面の男は小声で嬉しさを表すとスカートの裾を更に上げた。

「すげえぇ! ガーターストッキングかあぁ♪」
 覆面の男はガーター紐に吊るされているガーターストッキングを見て興奮した。

 覆面の男は加奈子に馬乗りになると加奈子の両肩からスリーインワンの肩紐を外し独身女とは違う人妻ならではの超豊満な乳房を目の前に晒させた。

「プルルルルーン♪」
 加奈子の乳房は覆面の男の前に晒され大きく揺れた。

「いいか! 僕はアンタの身体を味見したいだけなんだ~ アンタさえ無事に僕の思いを遂げさせてくれれば二階のだんなと子供には一切手は出さない… 解かるか!」
 板垣は加奈子の目を見て話すと慌てるように加奈子の乳房に貪りついた。

「うぐうぅぅう! うっうぅ!」
 乳房に貪りつかれた加奈子は粘着テープの下で奪われつつある操に涙を零して泣いていた。

「むっちゅぅ! むっちゅぅ!」
 加奈子の乳房を左右交互に貪りながら揉みまわす板垣はペニスを既に肉棒化していた。

「堪らねえぇ! 咽び泣く人妻を味見する気分は最高だぜえ!」
 目を閉じて首を左右に振った加奈子は涙を零しながらも乳房から感じる官能に嫌悪感を隠せなかった。

「うぐううぅ!」
 突然、板垣の片手が下へ伸びると加奈子の両脚を包む黒いガーターストッキングの上に滑らされた。

 嫌らしい手が加奈子の太ももをストッキングを上から無造作に触手しはじめた。

 突然見知らぬ覆面男に自宅寝室で自由を奪われ、身体を味見され触手されまわされる加奈子は、自らの意思とは真逆に反応する女の身体を呪った。

 覆面男の指はストッキングの上をスレスレに滑りまわり、涙を零しながらも官能してしまう加奈子は悔しさを滲ませた。

 その覆面男の指がストッキングを上へ外れ太ももに直に触れた時、加奈子は両目を大きく見開いて全身をバタつかせて抵抗した。

「死にたいのかあ!」
 抵抗した加奈子の耳元で強い口調を放った板垣。

 加奈子は悔しそうに目を閉じると覆面男の嫌らしい手を太ももに受け入れた。

 覆面男は観念した加奈子の太ももに這わせた手を、内側に外側にそして尻側に無造作に移動させ加奈子の肌の感触を楽しんだ。

 乳房を吸われ太ももを触られ続ける加奈子。

 後のファスナーを降ろされ脱がされた黒いタイトスカートはバサッと音を立ててベッドに放り投げられた。

 広げられた両脚。

 爪先から太ももまで覆うガーターストッキングを撫でながら上へ上へと移動すると、シットリとした加奈子の太ももの表面に覆面男の嫌にしい手が触手した。

「うぐううぅ!」
 加奈子は突然悲しげな唸り声を上げた。

 ガーターストッキングを外れた素肌(ふともも)に覆面男の嫌らしい唇が這わせられ同時に舌先が滑らされた。

 加奈子の右太ももに抱きつき肌に吸い付き舐めまわす覆面男。

「いい匂いだ~♪」
 両脚のストッキングを吊るガーター紐の下で、割目を包む黒いパンティーから覆面男に女の匂いを伝えた。
   
「うぐうぅ!」
 パンティーに鼻を押し付け中の匂いを嗅ぐ覆面音にレイプの恐怖を感じる加奈子だった。

「まさか… 紐パンティーかぁ? 小便の時のためか~」
 ガーター紐のレース部分に隠れたパンティーの紐を見つけた覆面男は口で加奈子のパンティーの紐を解いた。

 片脚から外されたパンティーの紐を口に入れてチュパチュパ音を立ててしゃぶった覆面男だった。

 加奈子は観念したのか首を右に倒すと目を瞑った。

「大人しくなったな~♪ それでいい♪」
 覆面男は加奈子の両方の太ももをストッキングの上からムシャブリついて女の味を楽しんだ。

 覆面男は加奈子の身体を自在に動かし舐めたい部分を舐めたいだけ味わうと、加奈子の腹を覆うスリーインワンのホックを外しに掛かった。

 その瞬間、大人しくしていた加奈子はベッドの上で縛られたまま激しく暴れた。

「バシッン!」
 覆面男の平手が突然加奈子の頬を打ちつけた。

「僕はねぇ! 君の妊娠線が見たいんだよ♪ 身ごもった女が出産の後に隠したがるお腹の跡がねぇ♪ 男は女が隠すものを全て知りたい欲望に駆られるんだよ♪ 抵抗すれば二度目の平手が飛ぶことになる♪ 抵抗せずに黙って辱めに涙してればいいんだよ女はね♪」
 加奈子の首を片手で押さえつけた覆面男は加奈子の首から手を離すと、腹を見るべくスリーインワンのホックを外しそして目の前に加奈子の腹を晒した。

「うぐううぅう! うぐぐぐぐうーーーぅ!」
 腹を晒された加奈子は粘着テープの下で声にならない声で泣き叫んでいた。

「可愛いねえ~♪ ハッキリと見えるよ♪ 妊娠線♪ このお腹がポッコリと膨らんだんだねえ~♪ 実にいい♪」
 覆面男は晒した加奈子の腹の上に唇を滑らせペロリペロリと舐めまわした。

「くうぅー!」
 隠していた腹を舐められた加奈子は粘着テープの下で喘ぎ声を上げ身悶えを繰り返した。

「可愛いよお~ 奥さん~♪」
 覆面男は身悶えする加奈子の腹を舐め回しながら加奈子からパンティーを剥ぎ取ると両脚を開かせ膝立ちさせた。

「人妻の汚れた割目か~♪ さぞや臭いんだろうねえ~♪」
 膝立ちさせた加奈子の両脚を開かせた覆面男はニヤニヤしながら加奈子の割目に顔を近づけた。

「くっ! くっ!! 臭っせええぇぇー!! なんちゅう匂いだあこりゃあぁー!!」
 加奈子の割目の匂いを嗅いだ覆面男は鼻の穴を指で押さえると逃げるように加奈子から離れた。

「ぜえぜぇぜぇぜぇ… 死ぬかと思ったぜえ! なんつぅ臭いだぁ!!」
 加奈子から離れた覆面男は開かれた加奈子の陰毛に覆われた割目を凝視した。

「無駄毛の処理くらいせんかあーい! クチュッ…」
 覆面男は加奈子から離れながら震える両手を伸ばして、親指だけで割目を開いて見た。

「うわああああ!!」
 加奈子の割目は中は、中の内肉が見えないほど、摩り下ろした山芋でベットリと覆われていた。

「こんな物… こんな物… 舐めれるかあぁー!! お前、病気なのかあぁ!!」
 ビンビンに起っていた覆面男の肉棒はアッと言う間に縮んでいった。

 覆面男(いたがき)はガックリと肩を落として加奈子をそのままに玄関から出て行ってしまったが、加奈子はこの数日間、鼻かぜを引いていて風呂に入っていなかっただけであった。

 



【十六話】




 
「奥様ですか? 明後日戻られるはずの旦那様から帰国が一週間ずれ込む知らせがございまして…」
 夜の十一時、裕美に意地悪されてから一人行動を取っていた玲子が寝ようと思って居た矢先、レイコの携帯電話に屋敷にいる家政婦から連絡が入った。

 丁度、覆面男(いたがき)が妻の加奈子をレイプしようとしていた少し前だった。

「もう少しここに居られる…」
 麗子は家政婦の知らせにそう思った。

「麗ちゃん… 私にも今、連絡来たけど…」
 目を合わせようとしない裕美は俯いてソファーに座る麗子の斜め横にネグリジェ姿で立った。

「裕美ちゃん…」
 麗子は裕美の左手を取ると優しく握り締めた。

「昼間はゴメンなさい… 変な焼餅やいちゃって…」
 裕美は麗子に素直に詫びた。

「私こそ肉棒(アレ)が欲しいなんて言ってゴメンね♪」
 麗子のは裕美の手を引いて右側に引き寄せ座らせた。

「裕美ちゃん」
 右側に腰掛けた裕美の肩に腕を回し抱き寄せた麗子は裕美のオデコに軽いキスをした。

「麗ちゃん…」
 裕美は甘えるように麗子の胸元に頬を寄せた。

「私、もう少しこの街にいようかと思うんだ~ 屋敷に戻れば籠の鳥だもん… 裕美ちゃんと自由に愛し合うことも出来ない…」
 麗子は自分の胸元に頬寄せる裕美に回した右手で彼女の頭を撫でながら囁いた。

「痛くない… 麗ちゃん…」
 甘える裕美は麗子の割目を心配した。

「でも、いつも持ち歩いているのぉ~ あんな凄い物♪」
 裕美の頭にキスを繰り返す麗子に笑みが戻って来た。

「麗ちゃんと使おうって思って♪ アレさっ、女の子同士で使う物なんだホントはね♪ アタッチメントで一人用にもなるの~ うふふふ~♪」
 裕美は照れながら麗子に話し聞かせた。

「裕美ちゃん、私さぁ~ アレでして欲しいの… あんな凄いのでされて見たいの… ダメかな~♪」
 恥かしそうに麗子は麗子の胸に頬寄せる裕美に小声を発した。

「ダメじゃないけど~ 使い終えたらヒリヒリするよぉ~♪ うふふふふ~♪」
 麗子の胸から離れ麗子の膝の上に頭を乗せて仰向けになった裕美は照れていた。

「チュッ♪」
 麗子は裕美に口付けした。

 薄明かりの中、寝室のベッドの上に居る麗子は正常位で極太のペニスバンドを付けた裕美に挿入されていた。
 
 裕美の装着した極太ペニスは部屋の明かりに光沢を放ち、前後する度に麗子から溢れた愛液を付着させキラキラと結合部分を光らせた。

「あん… あひぃ! あああああぅ!」
 裕美が前後する度に麗子は首を左右に激しく振り上半身を仰け反らせた。

 極太ペニスは初心者の麗子の中をゆっくりと出し入れされ、目を閉じて両手でシーツを握り締める麗子の乳房はフワリフワリと揺れ動いた。

「今夜はジックリ楽しませてあげるわね♪」
 極太ペニスを出し入れさせる裕美は感じる麗子の表情をみて嬉しそうに笑顔した。

「うんっ… ぅぅん! ぅあっ!」
 麗子の中に挿入された極太ペニスを引き抜こうとすると麗子の中に溜まったヨガリ声が呻き声のように変化した。

 赤子を産み落とすように息む麗子の膣はペニスの大きさに時間と共に慣れて行った。

 真っ黒い極太ペニスがテンポ良くリズミカルに麗子の中を行き来し始めると、裕美の額からポタリポタリと麗子に汗が滲み落ちた。

「あひっ! あひっ! あひっ! あひっ! あひっ! あひいぃぃ!」
 ヨガリ声とも喘ぎ声とも付かぬ奇妙な鳴き声を奏でる麗子は裕美のテンションを倍増させた。

「ぱんっぱんっぱんっぱんっぱんっ!」
 麗子に打ち付けられる裕美の腰の速度は限界に近付く早さだった。

「あひっ! あひっ! あひっ! あひっ! あひっ! ああああああああー!」
 裕美に打ち付けられる極太ペニスは麗子の声を裏返させ時折、麗子は全身が電気ショックで麻痺したように奇妙な声を震わせた。

 その時、麗子に奇妙な声が聞こえた……

「返してぇ~ 私の身体を返してえぇ~」
 麗子は誰かが頭のなかに呼びかけている声のようなものを聞かされていた。

「返してぇ~ 私の身体を勝手に使わないでぇ~」
 薄気味悪い女の声は麗子の頭の中に誰かが居るような錯覚を覚えさせた。

「あひあひあひあひあひあひあひあひあひいいぃぃー!」
 麗子は全身を痙攣させ白目をむいて失神してしまった。

「麗ちゃん! しっかりしてえぇ! 麗ちゃあーん!!」
 裕美は麗子から極太ペニスを引き抜くと慌てて、ペニスをつけたままの姿で台所へ行き冷たい水とコップを持って来た。

「麗ちゃんしっかりしてえぇ! ペチペチペチ!」
 麗子の頬を軽く叩いた裕美は息を吹き返した麗子に安堵の表情を浮かべ喜んだ。

 正座して麗子に寄り添う裕美の股間についている黒い極太ペニスはユラユラと揺れていた。

「あはっ♪ あははははは♪」
 気を取り戻した麗子は裕美を見て愛らしい笑みを放った。

「え?」
 裕美は突然の麗子の笑みに戸惑った

 裕美の股間に揺れる擬似ペニスは気が付いた麗子を笑わせた。

「こんなエクスタシーは初めてよ♪ 死ぬかと思ったもん♪ 女の子の身体って凄い♪」
 疲れきった表情で嬉しそうに語る麗子の頬を裕美は撫でると、立ち上がって腰を振って擬似ペニスを揺らせて見せた。

「もおうやだー♪ きゃははははは♪ 笑わせないでよおー♪ あはははははは♪」
 大笑いする麗子の前で腰を上下左右に振って歩き回る裕美は御笑い芸人のようだった。

 この夜、麗子は心身ともに大満足して熟睡したようだった。

 ところが翌日、先に朝食を終えた麗子が部屋に戻ると携帯電話が鳴った。

 会いたいと言う突然の板垣からの電話に、麗子は胸の奥に高鳴りを覚えた。

 麗子の脳裏にあの夜の光景が浮かんだ。

 恥かしさに頬を紅く染めた。

 麗子は裕美に申し訳ないと思いつつ板垣との再会の約束をした。

 忘れかけていた板垣(おとこ)への思いが込み上げた。

 汚れた割目の匂いを嗅がれストッキングを破られ、汗で汚れた脇の下を舐めまわされた記憶が麗子のパンティーの内側に湿り気を帯びさせた。

 パンティーを剥ぎ取られた瞬間の驚きと恥かしさで涙を溢れさせながらも、板垣(おとこ)の舌で辱められる屈辱が快感に変化したあの夜の記憶が艶かしく蘇った。

 麗子はホテル一階の通路の隅の自販機でコンドームを買い部屋に戻ると、裕美が誰かと携帯で話していることに気づいた。

 裕美は携帯を持ったままベランダに出ると、困惑した表情をしながらも時折笑みを浮かべたことで麗子を安心させた。

「麗ちゃん、実はさあ~ 私の実家ってこの街から二時間くらいのとこなんだけど、そこから高校時代の友達が…」
 裕美は麗子の様子を覗うように視線を向けた。

「行っておいでー♪ 私なら大丈夫だから~♪ じゃあこれ! 必要だよ、お金って♪」
 思いもしなかった一人になれるチャンスに麗子は浮かれ気味で裕美に財布から出した数万円を手渡した。

 裕美が出かけると、麗子は黒いパンティーストッキングで下半身を覆い、同じ色のタイトスカートに脚を通した。

 白いサテンフリルブラウスは麗子の胸元を更にボリュームアップさせ、その上から羽織った黒いジャケットは麗子を魅力的な大人の女に見せた。

 鏡の前で薄化粧を施した麗子はハイヒールに足を入れると鏡の前でクルリ回って服の乱れを確認した。

 一階エレベーターから出た麗子に大勢の男達の視線が向けられた。

 麗子はその視線を気にせずにホテルの玄関を出ると歩いてタクシー乗り場へ向かった。

 向かい風が麗子のロングヘアーを靡かせると、車のクラクションが数回軽く鳴った。

 振り向いた麗子の視線上にあったのは雀タクシーだった。

 清々しい笑顔の板垣だった。

「えっ? どうして?」
 麗子は首を傾けて微笑む板垣に視線を向けた。

「麗ちゃんに会うのが待ちきれなくてさ♪」
 板垣は後部座席ではなく、助手席のドアを開けると麗子を気遣って助手席の座席をグイッと後に下げた。

「ゴメンよ、突然呼び出して… でも会いたくて会いたくて… 僕は麗ちゃんのこと… 不可抗力とは言えあんなことした後に言うことじゃないけど、僕は麗ちゃんのこと好きだから…」
 板垣の顔をマトモに見れずに俯く麗子と、麗子をチラチラ見ながら運転する板垣。

「ホテルに部屋を取ってあるんだ…」
 助手席に居る麗子に真っ直ぐ前見て話す板垣。

「コク…」
 無言で頷く麗子。

 二人は無言のまま板垣が用意したホテルへ向かった。

 街外れの山道を奥へ奥へと走る車の周囲は緑に覆われていた。

 鬱蒼(うっそう)と茂る緑はやがて車の窓から周囲が見えなくなるほど車を覆いつくした。

 そしてひた走ると突然、車は緑を抜け、オシャレなレンガ色の洋館風の二階建ての建物が見えた。

 緑を周囲を囲まれた建物はラブホテルとは思えない作りで、優雅と言う言葉が似合う作りだった。

 そんなラブホテルも平日の昼間だと言うのに満室の表記が点灯していた。

「こんなとこしかなくて… ゴメンよ麗ちゃん…」
 申し訳なさそうにドライバーの帽子を脱いだ板垣は俯いたままポツリと呟いた。

 レンガで覆われた個別の車庫に入れた車から出ると、すぐ横に洋風のドアがあってそこを開くと二階へ上がる階段が見えた。

 先に階段を上がる板垣はハイヒールの麗子を数回振り向いて気遣った。

 そして麗子が階段を上がりきる頃、先に上がった板垣は更にドアを開けて中から麗子を待った。

「わあぁ♪ 凄ーい♪」
 中に入った麗子は目を大きく見開いた。

 部屋の中に入った麗子の前にあったのは個別のゲームセンターのような光景だった。

 都会のゲームセンターにも負けないほどの種類と数に圧倒された麗子は呆然と立ち尽くした。

「ここにあるのは全て最新型ばかりなんだよ♪ ゲームにプールにお風呂にサウナに、寝室は別室になっていて、ゲーム機の音やイルミネーションも自由に切ることも出来るんだ♪」
 タクシードライバーの制服に身を包む板垣は嬉しそうに驚く麗子に室内をガイドした。

「ここがお風呂♪ そしてここがサウナに、ここがプール♪ ここにはドリンクコーナーがあって、何故か建物に似合わないカップメンの自販機もある♪ まぁ田舎だからってことで勘弁してやって~♪ で、ここが寝室… そしてここがトイレだけど広いだろう~♪ 広すぎて落ち着かないて評判になってる♪ ゲームはコイン形式で最初にコインを買ってゲームを遊ぶ! でも大抵は遊びきれずに帰るから勿体無くて次ぎもここを予約する♪ だから平日でも満室♪」
 板垣は冗談を交えて麗子の手を引いて部屋のガイドをして回った。

「キャハ♪ もおうー♪ 板垣さんたら観光ガイド見たいなんだもーん♪ あはははははは♪」
 麗子は板垣の横で腰を屈めて照れ笑いした。

「えっ? そ、そうかあぁー♪ いやー参ったなぁ~♪ 習慣になってんだな~♪」
 板垣は顔を真っ赤にして照れ笑いした。

 麗子は板垣と子供のようにハシャイでゲームに没頭した。

 UFOキャッチャーなんて興味も無かった男時代だったが、女になった麗子はキャーキャー黄色い声を出して板垣の腕に掴って歓声を上げた。

 板垣もまた歓声を上げる麗子に波長が合ったのか、嫌らしいことなど頭から飛んだようにゲームに夢中になった。

 三十分、四十分と時間が過ぎる中で麗子はジャケットを脱いでフカフカのソファーに座って疲れた身体を癒した。

「ああーん楽しかったぁー♪ あと少しだったのにぃ~♪」
 ソファーに凭れた麗子は久々の興奮に満足して辺りを見回すと、麗子が取り損ねた大きなヌイグルミを取ろうと必死に頑張っているのが見えた。

「私のために…」
 麗子は頑張る板垣の傍に行ってゲームする板垣の腕に頬寄せて寄り添った。

「麗ちゃん… よしっ! もう一息だあ!」
 寄り添う麗子をチラッと見た板垣は猛ダッシュをかけると遂に大きなフイグルミをゲットした。

「やったあぁ! やったぞおー♪ キャアーやったやったあー♪」
 二人は手に手をとって大喜びしてピョンピョン飛び跳ねた。

「よし! 麗ちゃんの仇は取ったぞ! それえぇー♪ キャアー♪」
 大喜びした板垣は麗子を見るとヌイグルミを胸に抱く麗子を突然、御姫様抱っこして寝室を目指した。

 外とは無縁のような静まり返った空間。

 薄暗い室内のダブルベッド。

 大人だけの空間。

 抱っこした麗子を丁寧にベッドに降ろすと、板垣は麗子の頬を両手で優しく挟み込んだ。

 頬に伝わる板垣の体温。

「麗ちゃん…」
 板垣が顔を近づけると麗子は目を閉じて板垣からの口付けを待った。

 麗子の唇に振るえる板垣の唇が重なると、板垣の手は麗子の膝上に這わせられた。

「まって… お願いがあるの…」
 板垣の手の温もりをストッキング越しに感じた麗子は頭の中が真白になるほどに恥かしいことを口にした。

「後手にこのまま… このまま私を縛って欲しい… 縛ってから私を食べて欲しいの…」
 麗子は恥べき願いをしていることに声を震わせ詰まらせた。

「待ってな…」
 板垣は麗子からの思いも依らぬ言葉に一瞬動きを止めたが、震える麗子を見て寝室を一旦離れた。

 再び寝室に入った板垣の手には自販機で売っているSM用の白いロープが揺れていた。

「さあ! 麗子! 容赦なく縛るからな! 泣いても許さないからなあ!」
 板垣は大人しくベッドに横たわる麗子を抱き起こして座らせると、ドラマの役者のように演技して麗子を着衣のまま後手に縛り上げた。

「どんっ!」
 麗子をベッドに突き飛ばした板垣は、目を閉じる麗子の胸元のボタンを忙しく外して行った。

 顔を横に倒して目を閉じる麗子は全身を強張らせていた。

 ブラウスを肩の下まで両手で押し開いた板垣は震える麗子の両肩からブラジャーとスリップの肩紐を外した。

「ゴクッ!」
 プルプルと揺れる麗子の乳房を見た板垣は喉を鳴らして乳房に吸い付いた。

「あぅっ! ぅあん!」
 乳房に吸い付く板垣に麗子は女の鳴き声を放った。
 
 膝の上に這わせられた板垣の手は黒いストッキングの上を滑りながらスカートの中へと消えて行った。

「はああああーん! あっ! あんっ!」
 スカートの中にウゴメク板垣の手に身悶えし、勃起した乳首に吸いつく板垣の唇に仰け反った麗子は脳裏を空にしていた。

「あひっ! あひっ! あひっ! あひっ! あひっ!」
 乳房にムシャブリつく板垣の激しい愛撫に麗子は声を裏返させた。

「ちゅうぅーちゅぱちゅぱちゅうぅぅー!!」
 板垣は乳をねだる赤子のように麗子の乳首を左右交互に吸い続けた。

「えい、こんなもの邪魔だ!」
 板垣は官能に浸る麗子のスカートをワザと荒々しく脱がせるとベッドの隅に放り投げ両脚を少し開かせた。

「あん! あんっ!」
 スリップの裾を捲り上げた板垣の手はパンティーストッキングに包まれた麗子の太ももにベッタリと張り付いた。
 
「破って… ストッキングを破って私を辱めてぇ…」
 板垣の目は全身を恥じらいで震わせる麗子の切なそうな表情をとらえていた。

「それえぇー! ビリビリビリイィー! あっひゃひゃひゃひゃあぁー♪ ビリビリビイィー!」
 板垣の女に対する恥辱モードに火がついた。

「あぅ! あぅあぅあぅぅ!」
 黒いスリップを邪魔だとばかりに思い切り捲りあげた板垣は、麗子の下半身を包む黒いパンティーストッキングをビリビリと音をたてて引き千切った。

「いやああぁぁぁー! やめてえぇー! 許してえぇぇ! やめてえぇぇー!」
 首を左右に振って泣き叫ぶかのように激しい演技を見せる麗子に板垣は飲み込まれまいと必死になった。

「臭っせえぇぇ! 何て臭いだあぁぁ! このメス豚があぁ!」
 麗子の両太ももを抱えた板垣は破れたパンティーストッキングの上から白いパンティーに顔を埋め割目の臭いをバキュームのような勢いで嗅いだ。

「いやあああぁぁぁー!! 許してえぇぇぇ!」
 激しく首を振って両脚をバタつかせる麗子はレイプされる悲痛な叫びを演技した。

「お前のようなメス豚は許せねえーんだよおぉ! 臭せぇ! 臭せぇ臭せぇ臭せえぇぇぇ! バシッ! バシンッ!」
 板垣は麗子の割目の臭いを凄まじい勢いで嗅ぐと、後手に縛られた麗子の身体を自分の膝の上に持ち上げ破れたパンストの上から尻を平手打ちした。

「痛い! あぅ! 痛い! やめてえぇ! 痛あぁい! 痛いいぃ! やめてえぇー!」
 麗子は板垣からの平手打ちに尻と太ももをプリプリ揺らしながら止めるように哀願した。

「そりゃあぁ! ズルッ! いやあぁぁー!」
 板垣の手が麗子から破れたパンティーストッキングと白いパンティーを一気に引き降ろした。

「美味そうな尻してやがる!」
 プルプル揺れる麗子の尻を見た板垣は麗子をベッドに膝立ちさせると、麗子の背後に回りこんでプリプリの尻にムシャブリ付いた。

 両手を後に縛られたままの麗子は板垣の激しい愛撫(あじみ)に、頬をシーツにグイグイと押し付けられた。
 
 チュパチュパと嫌らしい音を立てる板垣の舌と唇は麗子の尻の大半を舐めつくした。

「うぐううぅぅ! あひっ! あひっ! あひっ! あひっ! あひっ!」
 押し開かれた麗子の尻の穴に板垣の舌が触れ無造作に滑りまわると、麗子は縛られたままエビ反って呻き声を上げ始めた。

「チュパチュパレロレロレロレロ… むっちゅぅむっちゅぅ…」
 板垣の舌の動きに尻をプリプリと震わせる麗子は唇を噛み締めていた。

「どうりゃあ! ドサッ!」
 膝立ちさせている麗子の身体を持ち上げた板垣は再び麗子を仰向けにすると、麗子からパンティーストッキングに絡まった白いパンティーを剥ぎ取ろうと板垣を伸ばした。

「いやああああぁぁぁぁーーー!!!!」
 激しい麗子の叫び声と共に、パンティーストッキングに絡まる白いパンティーは、麗子の左脚のフクラハギでユラユラと揺れた。

 大粒の涙を流して泣き叫ぶ麗子は演技とは思えないほどだった。

「やめてやめてやめてえええぇぇ!! 許してええぇぇ!!」
 押し広げられた麗子の大陰唇の中に板垣の舌が押し付けられると、麗子は全身を弾ませて抵抗し板垣の両手の指は割目の両側で麗子の白い太ももに食い込んだ。
 
「臭せえぇ! 臭せえ臭せえぇぇ! チュパチュパチュポチュポレロレロレロ…」
 板垣はズボンとトランクスを降ろしながら、麗子の奥から溢れる愛液を舌に絡めながら麗子を恥辱し続けた。

 髪を振り乱し首を左右に振り、全身を弾ませて抵抗する麗子の割目を容赦なく板垣の嫌らしい舌は滑りまわった。

「そろそろブチ込んでやるとするか… この汚いメス豚に!」
 板垣はグッタリする麗子の両太ももを抱きかかえると聳え立った肉棒を割目に擦りつけた。

「お願い… 許して… ぅぅぅぅううう… 許してえぇぇぇ! お願いよぉ! ぅぅぅぅぅううう… 許してえぇぇ!」
 割目の中に擦りつけられる板垣の肉棒を感じ取った麗子は泣きながら声を震わせ哀願した。

 板垣の肉棒から流れ落ちる男の愛液がポタポタとシーツに滴り落ちた。

「ヌプッ! ヌプヌプヌプヌプヌプ… ヌプリユウゥゥゥ!!」
 麗子の割目の中、小陰唇の間に収められた板垣の肉棒は生々しい肉音を立てて麗子の中に奥へ奥へと入って行った。

「いぎぃ…」
 ペニスバンドの極太ペニスと大差ない板垣の肉棒は麗子から痛みの伴う唸り声を放たせた。

 板垣の身体の奥に入って来る肉棒に身動きできなくなった麗子は首を後に傾けた。

 ヌプヌプヌプと膣の内肉に擦れる板垣の肉棒は、狭い巣穴に戻る大蛇のように巣穴本体である麗子の身体をヒクヒクと震えさせた。

「ぅあっ! あひっ!」
 巣穴の奥一歩手前で止まった大蛇は再び後退しはじめると、巣穴の内壁に擦れて麗子に激しい電気ショックを内側から与えた。

 板垣は巨根である肉棒で麗子を傷つけまいとゆっくりと静かに出し入れを繰り返した。

 そんな板垣の額に血管が浮き出ていた。

 あれほど演技していた麗子だったが息も出来ないほどに硬く硬直した板垣の肉棒に、息をするのがやっとでジッとしているしかなかったようだった。

「あの時より大きい… 信じられない… こんな大きいなんて…」
 蛇に睨まれたカエルの様にジッとして動けない麗子は頭の中であの時との違いに驚愕していた。

「ううう… 気持ちいいよ麗ちゃん… 気持ちいい…」
 静かにゆっくりと肉棒を出し入れする板垣から震える声が麗子に届けられた。

「ゆっくりと動かすからね麗ちゃん… 心配しないで… あの時は緊張してたからね… でも今は… ううう…」
 ジッとして動けない麗子を案ずるように板垣は自らの肉棒から発する刺激に耐え震える声で伝えた。

「気持ちいい… 気持ちいいのぉ… 板垣さんも… 私の中で気持ちよくなって欲しいの…」
 麗子は乳房をプルプル揺らせ声を詰まらせながら頬をそして耳を紅色に染めた。

 板垣に抱きかかえられた麗子の脚に絡みつく破れた黒いパンティーストッキングと白いパンティーが震えていた。

 麗子の様子を覗いながら、麗子の中に入る板垣の動きが少しずつ速さを増して行く。

 苦しげな麗子の声も少しずつ柔らかく変化した。

「麗ちゃん… 僕は麗ちゃんを本気で好きなんだ… でも僕は… 本当は悪い男なんだ… うっ!」
 板垣は麗子の中で肉棒を前後させながら何かを告白しようとしていた。

「何も言わなくて… いいから… 今は麗子のことに… 集中して…」
 麗子は何かをいいかけた板垣の言葉を止めさせようと腹部に力を込め、板垣の肉棒を締め上げた。

「麗ちゃん!」
 板垣は麗子の名を呼ぶと更に腰を振る速さを増した。

「あん… あひぃ! あああああぅ!」
 突然の板垣の加速に驚いてベッドの上でエビ反った麗子。

 プルプルプリンプリンと揺れる乳房に目を奪われた板垣の動きは弱まった。

「ぅあっ!」
 プルプル揺れる麗子の乳房に引き寄せられるように板垣の両手は麗子の乳房を下から支えた。

「ピチャピチャピチャ…」
 麗子の身体は板垣の極太の肉棒から我が身を守るためにオビタダシイ量の愛液を分泌していた。

 最初は縛られてのレイププレイだった麗子と板垣のセックスは、板垣の極太の肉棒が麗子に入ったことで互いに助け合うセックスへと変化し、二人が終焉を迎えたのは板垣が麗子の中に入ってから数時間後だったが、板垣は麗子の胸に射精して思いを遂げた。

 セックスを終えた麗子は風呂に向かう途中、自分の陰部の奥に再び何かが入っているような違和感(イズイズ)に苛まれていた。

 後から麗子の歩き方に違和感を覚えた板垣は、もしかしたらと、そのまま麗子を後ろから抱きかかえると風呂場へ入っていった。

 板垣の横で身体を洗う麗子は板垣の視線に恥かしさを覚え顔を紅く火照らせた。

 麗子の中に居るのは男の視線に恥かしさを覚える女であって、男の木村は消えていたようだった。

 



【十七話】





 トランクス一枚でタバコを吸う筋肉質な板垣の視線を気にしながら、麗子は自販機で買った黒いパンティーストッキングのパッケージを開けていた。

 替えのパンティーを持っていた麗子は脱衣場でそれに履き替えると使用済みのパンティーをビニールの買い物袋に入れバックに忍ばせた。

「恥かしい……」
 男の人の前でパンティーストッキングに脚を通す麗子の両手は震えていた。

「裸を見られるより恥かしい…」
 麗子は始めての経験に脚をすくませていた。

 身につけていた黒いスリツプで履いているところを隠すように板垣に後ろ向きになって、スルスル音を立てて下半身をパンティーストッキングで覆った。

「麗ちゃん、ありがとうな♪ 女(みんな)は僕の物を見た途端に逃げ出しちゃうんだよ… 麗ちゃんだけだよ僕を最後まで受け入れてくれたの…」
 陰部の奥に違和感(イズイズ)を感じながらブラウスを身に纏い始めた麗子に板垣は感謝しながら近付いた。

「麗ちゃん…」
 ブラウスのボタンを閉めようとした麗子を後から抱き締めた板垣は、そのままベッドに腰を下ろすと麗子を自分の膝の上に乗せた。

「麗ちゃん…」
 麗子のウナジに唇を這わせた板垣の手が麗子の肩からブラとスリップの肩紐を降ろし、再び晒された麗子の乳房を両側から回した手で支えるように揉み回した。

「あああん…」
 後から回された板垣の両手は優しく丁寧に麗子の乳房を揉もまわすと、麗子からウットリ感が伝わる大きな吐息が放たれた。

「あひっ!」
 揉みまわす板垣の両手の指が麗子の乳首に触れた瞬間、麗子は飛び跳ねるように全身をビクつかせた。

 麗子の後ろでウットリしながら麗子の乳房ほ揉みまわす板垣の熱い吐息が麗子の耳たぶを掠めた。

「あん…」
 麗子は後ろから乳房を揉まれることに喜びを感じていた。

「これ以上… これ以上してたら濡れちゃう…」
 麗子は板垣から身体を引き離そうとしたがガッシリと麗子を抱き締めた板垣の腕は、鋼鉄のように開かなかった。

 板垣の腕の中でグッタリする麗子は替えたばかりのパンティーをグショグショに濡らし、そのヌルヌルする愛液は買ったばかりの黒いパンティーストッキングに滲み出ていた。

「可愛い麗ちゃん…」
 麗子の耳の中を板垣の舌はウゴメイていた。

 延々に続けられる乳房への板垣の揉み回しと乳首への弄りは、麗子にセックスとは別の女の官能を全身の隅々に教えているように続けられた。

 パンティーストッキングから滲み出た麗子のヌルヌルした液体はマチ部分を覆い尽くし、太ももを覆う表面にまで広まって行った。

「もう… もう許して… もうダメえ… ビクンッ!」
 板垣の腕の中でグッタリし全身をユラユラ揺れされる麗子は喉がカラカラに乾くほどに濡れていた。

「はっ!」
 麗子から発せられた力なき声にハッとした板垣が我に返った時、板垣は慌てて麗子を抱き締めた腕を解いた。

 板垣の膝からベッドに崩れ落ちた麗子は気を失った。

 驚いた板垣は倒れた麗子の開いた両脚に一瞬、視線を奪われた。

「!?」
 スリツプの裾からチラっと見えた麗子の下半身を包む黒いパンティーストッキングの色に違和感を持った板垣は、その脚に手を伸ばすとヌルヌルした液体に指が触れた。

「スゥー」
 気を失った麗子のスリツプを捲り上げると、麗子から溢れた愛液が滲み出しパンティーストッキングに広がっていた。

「麗ちゃん!! しっかりしてくれ! 麗ちゃん!! ぅぅぅ…」
 板垣に揺すられた麗子は気を取り戻した板垣を安心させた。

「麗ちゃん…」
 板垣は気を取り戻したばかりの麗子からパンティーストッキングを脱がせると、パンティーをも剥ぎ取った。

 グッショリとオビタダシイ量の愛液に重みの増した黒いパンティーストッキングを見た板垣は、丸めて自らの口の中に入れると、クチョクチョクチョと気分の悪い音を立ててガムのように噛んで味わった。

 板垣は目を閉じて麗子の割目から溢れる愛液を想像しトランクスの中のペニスを肉棒化させていた。

「クチョクチョクチョ… べエェ…」
 味が無くなったとばかりに黒いパンティーストッキングを吐き出した板垣は、今度は麗子の割目を覆っていたパンティーを口の中に入れると再び、クチャクチャクチャと噛み始め喉を鳴らして飲み込んでいた。

 自分のパンティーを直ぐ傍でガムのように噛んでいるなんて夢にも思わない麗子はグッタリしていた。

 板垣はパンティーを噛みながら自販機へ移動するとパンティーとパンティーストッキングを買い求め、横たわる麗子の傍に置くと、冷蔵庫から冷たいジュースを持って来て麗子を静かに揺り動かした。

 麗子が目覚める前に口の中から味わい尽くしたパンティーを吐き出した板垣は、ゴミ箱に味見しおえたパンティーストッキングとパンティーを捨てた。

 目覚めた麗子は水分補給をして一休みすると、温めのシャワーで身体を洗い流し板垣が買ったパンティーとパンティーストッキングを身につけた。

 板垣は申し訳なさそうに麗子から距離を置き、麗子が身支度整えるまで近寄らなかった。

 身支度整えた麗子はフラフラしながら板垣の肩に寄り添い車へ戻ってくると、後部座席で熟睡してしまった。

 板垣は麗子から溢れた愛液の味に御満悦の笑みを浮かべて運転した。

 板垣は女欲しさに麗子を誘き出し味見したものの、本気で麗子を愛していることに気付き始めていたようだ。

 ルームミラーで麗子を見る板垣の目は女を楽しんだ獣の目ではなく、愛する者を見詰る優しい目だった。

「?」
 グッスリと熟睡していた麗子が目を覚ますとホテルの自室のソファーの上にいた。

 カウンターに電話で聞くと気分の悪くなった麗子を雀タクシーのドライバーとフロント係員で部屋まで運んだのだという。

 裕美はまだ帰っていないことに気づいた麗子は時計を見て、暫くして電話して見ようと思いながら冷蔵庫から飲み物を取り出し乾いた喉を潤した。

 ジャケットを脱いで寝室へ持って行くとフラフラしながら、タイトスカートとブラウスをベッドの上に脱ぎ捨てた。

 スリップに包まれた肌のアチコチに板垣に味見された感触が残っていることに気づいた。

 割目の奥に僅かに残る違和感(イズイズ)に麗子はベッドに大の字になった。

「私、何のためにここへ来たんだろ…」
 天井をみつめて重たい溜息をする麗子は髪をかき分けた。

「これじゃあただの男アサリだ… でも、女の身体に慣れれば慣れるほど相手(おとこ)が欲しくて我慢出来なくなる… 畜生!」
 大の字になっていた麗子は突然横向きに体位を変えた。

「ユッサ!」
 広がっていた乳房が一斉に顔方向へ流れた。

「一体どうしちまったんだ! ドンドン自分が男じゃなくなっていく! 裕美(おんな)ならともかく板垣(おとこ)に胸を吸われて感じるなんて!! しかも吸われることに期待してワクワクしてるし! 俺はここへ恋愛ごっこしに来たんじゃないだろう!!」
 木村(れいこ)は目を閉じると瞼に蘇る板垣の逞しい肉棒にイライラしていた。

「畜生!!」
 突然起き上がった木村(れいこ)はベッドの上に胡坐をした。

「ユッサ!」
 ズッシリと重たい乳房が揺れた。

 スリップとブラジャーの上から何気なく触った自分の乳房に板垣に吸われ弄られた感覚が蘇った。

「俺はもう男じゃないんだな… 多分…」
 再び胡坐のまま後に倒れた木村(れいこ)の乳房がボヨヨンと無造作に揺れ動いた。

「ツンッ… プルプルプリン…」
 横位置に体位を変えスリップを巻くりあげ、尻に繋がる内モモを指で押し付けると柔らか過ぎる女の肉質が指に伝わった。

「もう直ぐ生理かぁ… ウザイんだよなぁ~ 生理… あの何かが腹の中で剥れる感覚ったら最悪だ~!」
 横位置になった体位で麗子はゴロゴロと左右に転がった。

「明日は男時代に勤めてた会社でも見てくるかな~♪ 残された日数、この街で板垣の肉棒(モノ)ばかり思い出しても仕方ねえし… よし!」
 ゴロゴロするのをうつ伏せでピタリと止めた木村(れいこ)は、スッと立ち上がるとスリップを脱いでスウェットに脚を通しトレーナーを羽織るとリビングへ移動した。

「地方には地方の良さがある!」
 スウェットに履き替えた麗子はソファーの上に再び胡坐をするとリモコンでテレビを点けた。

 木村(れいこ)は面白い番組はないかとリモコンを使って画面を切り替えていた。

 すると…

「えぇー只今入りました情報によりますと、先月〇〇市で起きた木村拓哉さんのひき逃げ死亡事故の容疑者が身柄を確保されました! 繰り返し申し上げます……」
 偶然点けたテレビの番組で緊急速報が流れ、木村(れいこ)はその内容に息を飲んで見守った。

「容疑者は亡くなった木村拓哉さんの隣家に住む大学生で、隣家に住む木村拓哉さんの妻で加奈子さんに恋してしまったのが原因と警察の発表がありましたが、その後木村さん殺害の動機について容疑者の大学生は、大学生の自宅自室の窓から見える木村さんが、週末にする自宅自室で女装を何度も目撃しており、それに腹を起ててのことだったと自白したようです… 木村さんの御冥福を心よりお祈り申し上げます。 続いての今日の特集は…」
 木村(れいこ)は目の前のテレビの緊急ニュースに愕然と肩を落とし両手で顔を覆った。

 木村(れいこ)は落胆した表情でテレビを切った。

「何てこったあぁー!! これ、全国放送だろう!! 死んだ俺のプライバシーはねえのかあぁ!! 全国放送で俺の女装を報道するこたあねえだろおぅ!!」
 木村(れいこ)は部屋の中で一人大声で電源の落ちたテレビを罵倒した。

「馬鹿な! 書斎での女装が隣家のガキに見られていたなんて! そんな馬鹿な! 俺はちゃんと毎回確認してだなあ! 畜生おおおー!!!」
 ソファーの上で体育座りする木村(れいこ)は大声で叫び目の前にテーブルにクッションを叩きつけた。

 数分後…

「ああぁーっはははははは♪ あっははははははは♪ そうだ♪ そうだよおー♪ 今の俺にはどうでもいいことだったんだよおぉー♪ あっはははははは♪ 俺は誰もが振り返るトップモデルのようないい女なんだ♪ 妻の加奈子も名取のヤツに取られ会社での立場も名誉も全て無くしちまった今の俺にゃ関係のない話だった~♪ あっはははははは♪ 俺は麗子(おんな)として生きて行けばいいんだよおー♪ あっはははは♪ 心配して損したぜえ♪」
 木村(れいこ)は静まり返ったリビングで突然、大声を出して馬鹿笑いした。

「ちきしょう… 馬鹿ガキめ… 俺の全てを奪いやがって…… ぐすん…」
 木村(れいこ)は止め処ない涙にハンカチを濡らした。

「でも、この身体に居た麗子(かのじょ)って何処行ったんだろ… ぐすん… 本当に死んじまったのか… ぐすん… もしかしたら何処かに居るんじゃねえのか… ぐすん」
 木村(れいこ)は悲しみのどん底にいて手当たり次第に自分の疑問を口にしていた。

「でも俺がこの身体に居るってことは麗子(かのじょ)も誰かの身体にいる可能性だってあるだろ… 泣いたら喉渇いた… ぐすん」
 五枚目のハンカチを使い果たした木村(れいこ)は冷蔵庫から冷たい水を取り出して飲むと、塩を舐めて塩分補給もした。

「もう、泣くのも飽きたな… 女って涙腺弱いから大したことじゃなくても直ぐに泣けるな… それにしても遅いな裕美のヤツ…」
 泣き止んだ木村(れいこ)は時計の針が十九時を回っているのを見ると、急に腹が減ってきてソワソワし出した。

 木村(れいこ)は携帯から裕美に連絡を取ったが、裕美が電源を落としているのか繋がらず、仕方なく木村(れいこ)はテレビのスイッチを入れた。

「たっ! 只今入った情報によりますと! 〇〇県で発生した木村拓哉さんのひき逃げ事件で、隣家に住む大学生を唆したとして同市に住む名取慎吾を殺人教唆の罪で警察は緊急逮捕したもようです! 繰り返します…」
 再び聞きたくない情報が木村(れいこ)の目と耳を釘付けにした。

「な、何いいぃぃ!! 名取が俺を!! そんな馬鹿な!! てか、腹減ったなメシ喰いにいこっと♪」
 木村(れいこ)は一瞬静まり返った部屋に驚きの声を上げたが、さっさとテレビを消して火照るのレストランに足を運んだ。

「麗ちゃん、ゴメン今夜帰れそうにないんだ… 事情は帰ってから説明するから今夜は許して欲しいの…」
 レストランの席についた木村(れいこ)に裕美から電話が来た。

「何だ! 裕美のヤツ!」
 麗子は心の中でヘソを曲げるとさっさと食事をし終えると部屋へ戻って来た。

「あぁーああー! トップモデル並の麗子さんも上下スウェットじゃ、気の毒ってもんだな♪」
 部屋の中に入った木村(れいこ)は、缶入りのウーロン茶を片手に窓辺にたって映り込んだ自分の姿を見て笑みを浮かべた。


『そうね…』


「あれ? 確か今人の声が… キョロキョロ…」
 木村(れいこ)に人の声が聞こえた気がして辺りを見回した。

「空耳か… 疲れてんだな…」
 木村(れいこ)は窓辺から離れソファーに腰掛けるとテレビのスイッチを入れた。

「しかし今日は疲れたな~ 板垣(アイツ)の肉棒(モノ)ったら人間じゃねえなぁ♪ まるで馬だよ馬♪ あんなの入れられてたらガバガバになっちまう♪」
 木村(れいこ)はウーロン茶を飲みながら独り言を呟いた。


『そうね…』


「うおおっとおぉ! 何だ今の! キョロキョロキョロ…」
 突然の誰かの相槌に驚いて立ち上がった木村(れいこ)は、上下左右前後を急いで見回した。

「おいおいおいぃ! ヤバイんじゃねえかぁ俺! 幻聴かよおぅ!」
 辺りを見回す木村(れいこ)は自らの病気を疑うと、買い置きしていた好物のバーボンを棚から出すとストレートで飲み始めた。

「まあ、幻聴も何でもありってことだな♪ ひき逃げされて殺されて気が付けば女になってて、心細くて狂いそうになってればレズビアンになってて、今度はあんな馬みてぇな肉棒(モノ)入れられて… 自分を殺したヤツのニュース速報見たんだから… おかしくもなるってなもんだ♪」
 一口バーボンを飲む度に独り言を呟く木村(れいこ)は落ち着いていた。


『そうね…』



「また聞こえたよ~ ふっ、どうでもいいや~♪」
 三度目の誰かの相槌に木村(れいこ)は動揺することなく落ち着いていた。

「ところでアンタは一体誰だい? 俺の幻聴じゃないなら返事してくれねえかー♪」
 木村(れいこ)は辺りを見回すことなく一口バーボンを飲んで声を発した。

 木村(れいこ)は無言で一分、二分、三分と時間を経過させた何処からも声は聞こえては来なかった。

 この夜、木村(れいこ)は奇妙な体験をした。

 ほろ酔い気分で寝室のベッドに入った木村(れいこ)が、深夜の二時ごろ誰かの話し声に目を覚ますと、自分の寝ているベッドの周りを数人の男女が取り囲んでいた。

 板垣との長時間に渡る男女の営みと帰宅直後の奇妙な幻聴、そして煽ったバーボンの所為なのかは定かではないが、ボウっとする意識の中で木村(れいこ)は不思議と恐怖を感じることなく、自分を見詰る男女の顔を記憶する余裕さえあったようだ。

「どうやらここは幽霊が出るらしいな… まあ、俺も似たようなモンだが…」
 ベッドから出た木村(れいこ)はネグリジェを脱ぐと、そのまま下着姿で風呂場へと向かった。

 男時代には考えられなかった毎日の朝風呂は女の身体になった木村(れいこ)には欠かすことの出来ない習慣になっていた。

 脱いだパンティーの内側に貼り付くオリモノを見て、自分が本物の女になっていることを実感する毎日の朝風呂に、今日も木村(れいこ)は笑みを浮かべて入浴した。

「旅いぃ行けばぁ~ 駿河の何とかにぃ~ 茶の香りいぃ~♪」
 身体を洗って湯船に浸かる木村(れいこ)は寛ぎタイムを浪曲で飾った。


『うふふふふふ~♪』


 寛いでいた木村(れいこ)に再び誰かの笑う声が聞こえると、木村(れいこ)は大きな溜息をして風呂場に語りかけた。

「なあ、アンタが幻聴じゃなく幽霊だってことは理解した! でも俺も生きた幽霊だと自覚しているからアンタを恐れる気持ちは一つもない! 話したいなら姿を現すなりしたらどうだい? それに昨日のあの団体さんの中にはアンが居たのかは知らんが俺に接触した訳を知りたい! 覗かれてるようで余りいい気分じゃないんだよ実際…」
 湯船に肩まで浸かる木村(れいこ)は風呂場の一点を見詰たままだった。

 木村(れいこ)が語りかけるとそれきり誰かの声はしなくなった。

「ああーあぁ! こんなんじゃオナニーも出来やしねえぇ!」
 木村(れいこ)は薄水色のパンティーに脚を通すとバスローブに身を包んで乳房を揺らしながら風呂場から出た。

「ドンッ!」
 朝の寛ぎタイムを邪魔されたとばかりに木村(れいこ)はソファーに力を込めて座った。

 その頃、裕美は木村(れいこ)の見知らぬ地方の見知らぬ場所で携帯を使って麗子の亭主である敷島と話していた。

「で、どうなんだ新しい麗子の様子は!」
 敷島。

「はい、旦那様、奥様は私と以前からのパートナーと信じていて私に身も心を開いております。 奥様は完全に私を信じきっているようです…」
 裕美。

「他に変わった様子はないか? 今、登美子に霊視させているが何者かが麗子の回りをウロチョロしているようだ… 相手が人間なら何とでもなるがアイツらだったら面倒なことになるから注意して見張っていろ!」
 敷島。

「裕美ちゃん、私、登美子よ♪ 旦那様の実験もこれで最後にかるらしいから頑張って頂戴ね♪ 成功すれば今度は貴女を…」
 登美子。

 その頃、板垣は朝の出勤前だというのに麗子のことが頭から離れず、恋を知った十代の少年のように胸の奥を膨らませていた。

「駄目だ! 麗ちゃんのことが頭から離れない… シュッシュッシュッシュッ…」
 板垣は麗子を想像しながら三発目の射精へと肉棒を握った手を前後させていた。

 その頃、木村の自宅では妻の加奈子が仏壇に縋って泣いていた。
「アナタ何で死じゃったのよおう! アナタが私に隠れて女装してたのは知ってた… アナタさえ生きていたら私だって、名取なんかに犯されることもなかったのにい… ぅぅぅぅうう…」

 名取が逮捕され同時に疑いの目で警察に調べられた妻の加奈子は、精神的に追い詰められ疲れきっていたが、隠す必要のなくなった「腹を覆うスリーインワン」と「ガーターストッキング」を一つの袋に纏め押入れの隅に追いやった。

 自分の知らないところで起きていることなど知る由も無い木村(れいこ)は、ソファーの上に寝転がり鼻糞をほじって屁をこいていた。

「敷島(アイツ)が戻ってきたらまた俺を抱くんだろうなぁ… あんなヒヒ爺に抱かれるなんて嫌だなぁ~ しかし、いくらいい女たって飽きねえのかな~ ブスは三日で慣れて美人は三日で飽きるって言うもんな~ しかも種なしてきたもんだ…」
 木村(れいこ)は起き上がって座るとバスローブの紐を解き、両手で自らの乳房をユッサユッサと上下に押し上げ遊んでいた。

「ヤバイぜ~ 死ぬ直後から禁煙してたのに急にタバコ吸いたくなってきた~ うぬぬぬぬぬ! よおし買うか♪」
 木村(れいこ)は慌てるようにショートパンツを履くと、カップ付きのタンクトップに首を通しタバコを買いに一階へと向かった。

 歩く度にプリンプリンと揺れる麗子は自販機の前で迷っていた。

「本当はハイライトなんだが、この顔と身体じゃ洋モクのメンソールか… いや! メンソールじゃ吸った気がしねえ…」
 木村(れいこ)は自販機の前で腕組みして考えこんでしまった。

「人前で吸うこともねえか…」
 木村(れいこ)は悩んだ末にハイライトを買うと部屋へひた走りベランダに出ると久々の一服を楽しんだ。

「ゲホゲホゲホゲホゲッホ!」
 木村(れいこ)は麗子(かのじょ)の身体が喫煙者でないことを忘れていた。

 木村(れいこ)はクラクラしたままベランダの隅に体育座りして悔しがった。




【十八話】




「貴女に私の何が解かると言うのよおぉ!! 私は… 私は確かに名取に犯され操を奪われたわ! だけど! だけど… そんな私にも寄り添う人が欲しかったのよおぉ! 自分をレイプした人と一緒に暮らしてたなんて誰の目にも不自然に思えるでしょうけど、木村を失った私には… 私には誰も… 誰も… うわああああああああああん!!!」
 妻の加奈子を前に名取とのことを問いただす形になってしまった木村(れいこ)は、妻の悲しみの姿を目の当たりにしてしまった。

 この日、自宅を訪れた木村(れいこ)は、仏壇に飾られた自分の生前の写真を前に、妻である加奈子と雑談を始め少しずつかなこの置かれた環境に聞き入っていた。

 加奈子に対する世間の疑惑の目は、木村の自宅に貼られた無数の「人殺し!」や、「亭主殺し!」の誹謗ビラを見れば一目瞭然だった。

 そんな中、他人である木村(れいこ)を前に加奈子は名取と暮らすようになった訳と心の内を語り始めた。

 葬式を終えた木村の家の中には加奈子と子供以外に人気もなく喪服姿の加奈子は悲しみに暮れていたと言う。

 そんな時、尋ねて来たのが名取だったといい、名取は葬式でも木村の突然死を悲しみ号泣していたのを加奈子は知っていたらしい。

「奥さん!!」
 名取は悲しみに暮れる加奈子を眠る子供の横で押し倒すと、抵抗する加奈子の口に粘着テープを貼り両手を後に縛りあげた上で、泣き叫ぶ声も出せぬ加奈子を辱め着衣のまま半裸状態で犯したのだと言う。

 加奈子は必死に抵抗したが木村の死後衰えた体力では、男(けもの)の力には勝てず、両手を後に縛られた後は名取に身体を自由に味見されたと言う。

「加奈子! これからは俺が一緒にここで暮らす! 木村のことは残念だが諦めて忘れることに努力しろ!」
 畳の上で上半身を晒し、腰まで捲くり上げられたスカートの下には引き裂かれた黒いパンティーストッキングと白いパンティーが加奈子の片脚に絡みつき、グッタリしてすすり泣く加奈子を見下ろすように下半身を晒した名取が立っていたと言う。 

 木村の突然死と名取に操を奪われた加奈子は女として母親として人間としてズタズタになっていたのは誰が聞いても頷けるだろうか。

 加奈子は割目の奥から流れ落ちる木村以外の精液を咽び泣いて拭き取ったと言う。

 女として生まれ変わった木村(れいこ)にも加奈子の苦痛と不安が痛いほど理解できていたようだ。

「もういいでしょう帰って下さい… 他人(あなた)にお話しすることはもうありません… 貴女と亡くなった主人がどういう関係だったのかは存じませんが、私は木村(かれ)が清い心の持ち主だったと今でも信じています…」
 加奈子は号泣した後、囁くように木村(れいこ)に蛙うに即した。

 そんな加奈子はフラフラと仏壇の前から立ち上がった瞬間、木村(れいこ)の上に覆いかぶさるように崩れた。 舞い上がったワンピースの裾と崩れた瞬間、畳の上に横たわった加奈子の太もも。

「加奈子!!」
 木村(れいこ)は我が身の上に崩れた加奈子を抱きかかえ加奈子を畳みの上に仰向けにした。

「………」
 弱弱しい加奈子のワンピースの裾を捲くり上げた木村(れいこ)は、加奈子の下半身を覆うライトブラウンのパンティーストッキングを脱がせると、それで加奈子を後手に縛りあげた。

「何するのおおぉぉ!」
 目を吊り上げて木村(れいこ)を睨み付けた加奈子の口を、後手に縛ったパンティーストッキングの片方でグルグル巻きにして木村(れいこ)は塞いだ。

「ううう!! うぐうぐうぐ!」
 自分の履いていたパンティーストッキングで口を塞がれた加奈子は畳みに押し付ける木村(れいこ)に必死に抵抗した。

 木村(れいこ)はそんな加奈子の胸元を開くと、加奈子の身体を覆うボディースーツの肩紐を引き降ろし、晒された加奈子の乳房にムシャブリついた。

「うぐうぐうぐうぐうぅぅ!」
 突然、女である麗子に乳房に吸い付かれた加奈子は驚愕の唸り声をあげ、麗子から逃げようと身体を激しく揺すった。

「うぐうぐうぐうぐうぅ!! ビクンッ!」
 加奈子の乳首を甘噛みして舌を絡ませた麗子に身体を激しく揺する加奈子の全身に電撃が走った。

 麗子は夢中で加奈子の乳房をムシャブリつき揉み回すと、片手で加奈子のワンピースの裾を大きく捲くり上げた。 抵抗しながらも感じ始めた加奈子のボディースーツのクロッチに手をかけ外すと、中から引き摺り降ろすように薄いパンティーを剥ぎ取った。 そして麗子は加奈子のパンティーが片脚に残ったまま加奈子の両脚を大きく開かせると、熟した我が妻の割目にムシャブリついた。

「うぐうううううううー!!!!」
 突然割目にムシャブリつかれ舌を押し付けられた加奈子は上半身を仰け反らせ身悶えして唸り声を上げた。

「チュパチュパレロレロレロレロレロ…」
 麗子は久々の加奈子の臭いと味に我を忘れて割目を味わった。

 麗子は無数にある加奈子の性感帯のうち亭主であればこそ知り得る、加奈子を舐めるだけでエクスタシーへ導ける部分を徹底的に舐めた。

 加奈子はその部分を徹底的に舐められ最後は潮吹きして失神して果てた。

 麗子は失神しても尚、加奈子の身体に舌を滑らせ味わい続け、最後は妻の割目に自らの割目を合わせる貝合わせに没頭した。

 途中で目を覚ました加奈子は経験したことのない鈍いながらも重圧な官能に麗子に合わせるように腰をしならせた。

 二人は合唱するようにヨガリ声をあげ身悶えを繰り返しエクスタシーへ突入した。

 麗子は加奈子を縛るストッキングを解き自由にした。

「バシッ!! 何てことするのお!! 女同士で!! キャッ!」
 突然、麗子の頬に加奈子の平手が飛び麗子は弾みで両手を畳みに付いて蹲った。

「私をレイブしかお返しよ! これでオアイコ! でも不思議な人… どうして私の性感帯(からだ)のことを… 亡くなった主人しか知らないのに…」
 打たれた頬を手で覆いながら加奈子を見た麗子の目に加奈子は視線を合わせた。

「貴女に抱かれてた時、亡くなった木村を思い出していたの… まるで木村に抱かれているようだった… ねえ! 私達、お友達になりましょう♪ お友達っていうか、その何と言うか… 取敢えず男はもう懲り懲りよ♪」
 加奈子は遠くを見るような目で麗子を見るとニッコリ微笑んで友達宣言をした。

 そんな加奈子に麗子はニッコリ微笑んで大きく頷いた。

 死んでから初めて妻の加奈子と意思の疎通がとれた瞬間だった。

 麗子は目を潤ませていた。

「ねえ♪ 今夜、泊まれないかしら♪ 貴女といると亡くなった主人といるような気がして…」
 加奈子が見せた笑顔に麗子は大きく頷いてみせた。

 麗子は裕美に連絡すると木村家での今夜の外泊を伝え、もう一日のんびり過ごしてきなさいと伝え電話を切った。

 本来ならここで麗子は自分の正体を明かすところだったのだろうが、麗子は敢てそれをせず加奈子と友達(パートナー)としてパイプを太くしてからと考えた。

「これが木村と出会った街外れの森の中にある滝なんだ~♪ でね、ここでね………」
 加奈子は子供の寝顔をチラチラみながら木村との出会った頃のアルバムを麗子に見せ胸を時めかせた。

 麗子は加奈子の記憶の正確さに舌を巻いた。

「そしてこの子が生まれたの♪ 名前は剛♪ 子供の頃からだの弱かった木村が子供にだけは強くなつて欲しいって剛って名前にしたの♪」
 息子の剛を抱きかかえて麗子に見せた加奈子は嬉しそうに剛の顔に見入った。

「ねえ、今夜お寿司でもとろうか♪ それともお肉にしよっか♪ 久し振りよ♪ 食欲なんて♪ それとも何かいい♪」
 剛を膝の上に抱っこする加奈子は壁掛け時計に視線を移した。

「加奈子さんの手作りのポテトグラタンがいいな~♪ あれってビールに最高なのよね~♪ もうね何倍でもビールが飲めちゃう♪ でも食べた後の御飯が美味しくないんだけどね~♪ あっはははは♪」
 麗子は加奈子の笑顔につられ無意識に口から出た言葉に気付かなかった。

「………」
 加奈子は麗子の言葉に固まった。

「今なんて…… そんな… 偶然? 偶然よ、ね… 違う…」
 加奈子は麗子を凝視しはじめた。

 突然だった、加奈子は剛を隣りに移すと声を張り上げた。

「やっぱり… やっぱりそうなんだ… 貴女は木村の愛人だったんでしょう!! だから何でもかんでも木村のこと知ってるんでしょ! 帰って! 帰ってよおおおぉぉ!!」
 加奈子は麗子の腕を掴むと玄関へ物凄い力で引き摺った。

「木村は私だけのものよ! 誰にも木村との思い出だけは汚させない!!」
 加奈子は叫ぶと半狂乱になって痛がる麗子の腕を振り回した。

「聞いて! 聞いて加奈子さん! 聞いてえぇ! 加奈… 加奈子おぉぉ!! 聞けえぇぇ!! バシイィイーン!」
 半狂乱の加奈子は麗子に頬を平手打ちされ静まると廊下に跪いて両手で顔を覆い泣いた。

「私は木村さんの愛人でも何でもないから… 木村さんはそんな人ではないでしょう! 信じてちょうだい… 時が来たら、何故私が知っていたか話すから… それまで待って欲しいの…」
 麗子は心の中で「俺が木村拓哉だ!!」と、声を限りに叫びたかったが、今話しても信じてもらえないと麗子は自分を必死に抑えていた。

「ぅぅううう… ゴメンなさいね麗子さん… 私、どうかしてたわ…」
 麗子は廊下で泣き崩れる加奈子を抱きかかえると剛の待つ居間へと移動した。

 夕方。

「よおおし! 今夜は木村に食べさせるつもりで腕にヨリをかけるぞおぉ! あっはははは♪」
 元気を取り戻した加奈子は麗子と台所に立つと笑顔で並んで立つ麗子に視線を合わせた。

「頑張って♪ 加奈子さん!」
 麗子は加奈子の髪の匂いに懐かしさを感じていた。

「パパ♪ パパ♪ パパ♪」
 抱っこされた剛が麗子を見て子供らしい笑顔を見せた。

「………」
 台所で麗子と戯れる剛の声を聞いている加奈子は木村を思い出していた。

「パパ♪ パパ♪ パパ♪ パパ~♪」
 台所にいるかなこの耳に剛の声が何度も聞こえたとき、加奈子は突然、居間の方を振り向いた。

 加奈子の目に映ったのは剛を抱っこする麗子が目に入れても痛くないと言う表情をしていたことだった。

 時計の針が六時を回る頃、先に夕飯を済ませた剛はテレビでヒーロー物に夢中になり、ダイニングではなく居間の真ん中に置かれたテーブルに加奈子特性のポテトグラタンが置かれた。

「じゃあ♪ 二人の出会いと今後の幸福を祝して♪ 乾杯♪」
 差し向かいで座った加奈子と麗子はジョッキを片手にグビグビとビールを飲むと、ジュクジュクとバターの蕩ける香ばしいポテトグラタンに麗子がフォークを突き刺した。

「美味しい♪ 美味しいよ♪」
 加奈子は美味しいを連発する麗子をホッとした表情で見入っていた。

「やっぱり思い過ごしか… そんな馬鹿なことがあるはずないもの… 木村は死んだのよ、生きてるはずない…」
 加奈子は安堵の表情を浮かべ麗子につられるように自らもポテトグラタンにフォークをさした。

 ビールもジョッキ三杯目になったころ、加奈子の目の前に居た麗子がフラッと立ち上がった。

 加奈子は台所に行く麗子を見守った。

 台所から出て来た麗子の手に持たれていた物を見た時、加奈子に身体は震撼した。

 久々の家庭の味と雰囲気に酔いしれた木村(れいこ)は酔いが回ったのか、その手に「イカの塩辛」を持っていた。

 加奈子は麗子の手に持たれた「イカの塩辛」に、座る膝をガクガクと震わせていた。

「加奈子のポテトグラタンにはコイツが無いとなぁ~」
 無意識に言い放った麗子の男言葉に加奈子は呆然とした。

 麗子は加奈子の見ている前でポテトグラタンにイカの塩辛を入れるとクチャクチャと音を立てて混ぜ合わせた。

「加奈子、これ焼きなおしてくれ~ 酔ったな~ なんか…」
 麗子の口調は木村(おとこ)そのものになっていた。

「そんなことって… 私はわざとイカの塩辛を入れなかったのよ! そんな! そんな!」
 加奈子は嬉しそうに笑みを浮かべてポテトグラタンにイカの塩辛を混ぜる麗子を見て、頭の中で自分に言い聞かせた。

「偶然よお! 偶然が重なってるだけ! 彼女が木村の愛人なら知ってて当然だわ! あの口調も愛人なら…」
 加奈子は立ち上がると麗子から渡されたイカの塩辛入りのグラタンをオーブンにいれ頭の中で疑問を否定した。

「パパー♪ パパー♪ 抱っこ♪ 抱っこぉ♪」
 麗子の前に来た剛が麗子に抱っこをねだっていた。

「ういぃー♪ さあおいでえぇー♪」
 ワンピース姿の麗子は胡坐をしてパンティーストッキングの切り替え部分と薄水色のパンティーを晒していた。

 そんな光景を目の当たりにした加奈子は意を決した。

「アナタ~♪ 先日長野の叔父さんから届いたお野菜なんだけど御近所にお配りしようと思うんだけどどうかな~♪」
 髪を乱して剛を肩車する木村(れいこ)に突然、台所から顔を出した加奈子が笑顔で言い放った。

「なんだよ~ まだ配ってなかったのかぁ~ 全くしょうがないヤツだなぁ~! 叔父さんには礼の電話は入れたんだろうなぁ~」
 木村(れいこ)は剛を肩車して加奈子を見ることなく返事をすると、麗子の髪の毛をキャイキャイと引っ張る剛に女ではない笑みを浮かべ喜んでいた。


 咄嗟に加奈子が放ったのは木村が亡くなった当日の朝の会話だった。


 加奈子は無邪気に剛と遊ぶ麗子を暖かい目で見ながら今の会話の全てを忘れようと心に誓った。

「さあさあさあ~ 出来たわよお~ 麗子さん♪ 食べてえ~♪ 今度こそ加奈子特性のポテトグラタンよお~♪ 麗子さあ~ん♪ ああそうそう麗子さんでしょう、あのお金~♪ ありがたく頂いておくわぁ~♪ お金は大切だものねぇ~♪」
 加奈子は木村が亡くなって以来、心の中に溜まっていた疲れの全てが何処かへ消えたのを感じていた。

 この夜、木村(れいこ)は久々の我が家を堪能し、剛と川の字で眠る加奈子もまた久々の木村の体温を身近に感じた。

 翌日、妻の加奈子と息子の剛の居る家を後にした木村(れいこ)は、戻ったホテルの部屋の中で、加奈子に渡されたお土産と言う手荷物ほどの箱をソファーの上で開いた。

 木村(れいこ)の目からは大粒の涙がボロボロと零れてソファーのシーツを濡らした。

「気付いてたのか………」
 箱の中には木村が死ぬ前に残した女装用の服やスカート、下着とストッキング、そして死ぬ直前まで心待ちしていた通販で買ったレザーのスカートまでが入っていた。

 木村(れいこ)は箱を抱いて咽び泣いた。

 



【十九話】




 加奈子に自分が生きていることを伝えられたことで心の中にあった鉛のような重さを感じていた木村(れいこ)は、号泣の後の睡眠で軽やかな気持ちに浸っていた。

 裕美が戻る時間まで何をしていようか考えていた麗子は、ホテルの一階の奥にある「江戸時代の暮らし」と言う、催し物でも見物するかと、ホテルで部屋着として使っていたデニムのショートパンツに履き替えると上にバストカップ付きのノースリーブを着た。

 エレベーターで降りると決まって男達の人目を引く美人でスタイル抜群の麗子は、その視線を物ともせずに奥へと足を進めた。

 中に入った麗子は大きな溜息をついた。

 麗子の思っていた通り、写真と人形をライトアップしただけの簡素な催しにガッカリした麗子は再び来た道をロビーに向かって歩き出した。

 そんな麗子の視界に入ったのは少し前に麗子の胸を鷲掴みした四十過ぎの女装子(おとこ)達の団体だった。

 その女装子(おとこ)の団体の中には麗子の胸を鷲掴みした大柄の女装子(おとこ)の姿はなく、他の女装子達はケバケバしい厚化粧で語尾にニャーニャーとネコの鳴き声を使っていた。
 
 麗子はかかわりになりたくないと、俯いてその女装子(おとこ)達の団体を通り過ぎようとした。

「あっらぁ~ ねっ! 見て見て! 此間の女よ!」
 真っ赤な口紅をした俳優の内藤剛志に似た大柄の女装子が麗子を指差して仲間に知らせた。

「えっ! どこどこどこ! あらぁ本当だわぁ~ん♪」
 俳優の阿藤快に似た大柄の女装子が内藤剛志に似た女装子に話し寄った。

「ちょっとぉ、やめなさいよ! あの人が悪いわけじゃないでしょ!」
 俳優の斉藤暁に似た和服姿の女装子が二人の間に割り込んだ。

 二人は俳優の斉藤暁に似た女装子に咎められると意気消沈して麗子の横を通り過ぎて行った。

「でもいい女ねぇ♪ アタシたち女装子(おんな)から見てもムシャブリつきたいほどだわ♪ ヒソヒソヒソ…」
 女装子(おとこ)達の団体は横を通り過ぎた後もヒソヒソ話しをしていた。

「パタパタパタ… さっきはゴメンなさいねぇ~ 悪い人達じゃないんだけど… 貴女がとても綺麗だから焼餅やいてるのよ~ん♪ ゴメンなさいね~♪ アタシたち三階の306号室だから何かあったら言って頂戴♪」
 俳優の斉藤暁に似た女装子が走ってきて麗子に詫びると直ぐに戻って行った。

 ホッと胸を撫で下ろす気分の麗子は急ぎ足でエレベーターに乗ろうとすると見知らぬ男から声を掛けられた。

「〇〇警察署の者ですが、少々お伺いしたいことがありまして♪」
 警察手帳を出した二人の男性刑事と一人の女性刑事の三人は麗子を呼び止めた。

「東京の医学博士で教授の敷島さんの奥様ですよね~」
 二人の刑事は笑みを浮かべて麗子をロビー横の喫茶ルームへ連れだった。

 警察官の大まかな質問は木村加奈子との関係についてだった。

 麗子は木村拓哉の古くからの友人と説明しているところへ、裕美がホテルの玄関から入ってきて尋問される麗子を見つけた。

「奥様! 奥様!」
 スーツ姿の裕美は何事かと血相を変えて麗子に近付くと不安げな表情を見せた。

 麗子は裕美を専属の家政婦と警察官達に紹介し、裕美もまたニッコリして愛想をふりまいた。

「それで、名取と言う男を御存知でしょうか?」
 写真を麗子に見せた途端、麗子は平静を装ったものの裕美の様子に変化が生じた。

 警察官達は顔を強張らせる裕美の変化に着目した。

「実はですね、この名取と言う男は性犯罪の余罪が相当数ありましてですね、もしかしたら奥様達も何か被害に… そんなことはありません! ねえ! 裕美ちゃん!」
 男性刑事の二人がチラチラと裕美をみながら麗子に話すと、麗子は話しの腰を折るように裕美につよい口調で言い放った。

 二人の男性刑事は顔を見合わせて軽く頷いて見せた。

「まぁ、この男について何か思い出したことがありましたら、ここへ御連絡下さい♪ 御協力感謝します♪」
 三人の刑事達は頭を下げるとそのまま喫茶ルームから立ち去って行った。

「ゴメン、麗ちゃん…」
 裕美は名取の写真と名前に顔色を変え急ぐように部屋へ戻って行った。

「あんな思いしたら誰だって…」
 麗子はあの夜のことを思い出していた。

「ピコピコピコン♪」
 メールは板垣からだった。

「我慢出来ない… 麗ちゃんを食べたい… 仕事にならないよ~ 食べたい… 会えないならせめてパンツだけでも欲しい…」
 女に送るとは到底思えない内容に麗子はドン引した。

「よおし! うふふふふ~♪ ピコピコピコ♪ 三階の306号室に来て~♪ 貴方の逞しい裸と肉棒が見たいから裸で入ってきて~♪」
 麗子は板垣にイタズラしてやれとばかりに板垣にメールを送信した。

「ヨッシャ!! 今いくから待ってろ! 麗ちゃんを思い出してビンビンにして行くからな!!」
 板垣から速攻でメールの返事が届いた。

「仲直りの印に私のお友達がプレゼントを持って来ますから受け取って下さいね♪」
 麗子はクククっと笑みを浮かべると三階の306号室を訪ねた。

「あら♪ 悪いわねぇ~♪」
 俳優の斉藤暁に似た女装子は嬉しそうにドアに鍵を掛けずに入って行った。

 麗子は急いで階段の影に隠れて板垣が来るのを待った。

 すると開いたエレベーターから物凄い勢いで出て来た板垣は、306号室の前で全裸になると勢い良くペニスを扱き肉棒化させた途端、鍵のかかっていないドアから中に入って行った。

「ギヤアァァー! 化け物だあぁぁ!! 助けてくれえええぇぇ!!」
 部屋の中から板垣の恐怖におののいた悲鳴が聞こえた。

 306号室の中は静まり返り、入って行った板垣は出てこず、ドアに耳を近づけた麗子は中からヨガリ声を上げる板垣の声を聞くと爆笑して自室へと逃げ帰った。

 部屋に戻った麗子は裕美の姿の無いことに気付く。

 風呂場の方からシャワーの音がした。

 裕美が出たら自分も汗を流そうと寝室で交換用の下着を出した麗子は何気なく裕美のベッドに目を移した。

 ベッドの上に口を開けて置かれたハンドバッグと放置された携帯電話。

 脱ぎ捨てられたショコラブラウン色の使用済みのパンティーストッキング。

 ほのかに香る裕美の匂い。

 裕美のストッキングを手に取ってクルクルと丸めた麗子は、携帯の緑色の着信の光に目を奪われた。

 屋敷からの連絡だろうかと手に取って相手先を確認した麗子は敷島と言う名前に驚愕した。

 麗子は悪いことと知りつつ裕美の携帯の電話とメールの着信履歴を調べた。

 敷島と登美子の名前がビッシリと並んでいた。

 麗子は裕美と敷島と登美子が繋がっていることに震撼した。

 裕美と敷島、そして登美子と交わしたメールに目を通した麗子は裕美が自分の監視役だったことに愕然とした。

 麗子は裕美の携帯を閉じると元の場所に戻し、裕美の丸めたストッキングを持って寝室からリビングへ移動した。

 麗子はソファーに座って考えていた。

 何のために裕美が自分を監視しているのか。

 敷島から送られたメールには「麗子の様子は?」との内容だけでだったが、麗子にはそれだけで十分理解できた。

 裕美から聞かされている話の全てに疑惑を持った麗子は、裕美のハンドバックにあった運転免許証の本籍地の住所は書き写し隠し持った。

 やがてバスローブに身体を包んだ裕美は風呂から出て来ると、麗子をチラっと見て微笑みベランダへ出て涼み始めた。

「さてと、私も入るとするか…」
 麗子はベランダで涼む裕美を背後に感じながら風呂場へ移動した。

 脱衣場でパンティーを脱ぎ洗濯籠のフタを開くと、裕美のピンク色の使用済みパンティーが目に入った麗子は、自分の脱いだパンティーを棚に置いて裕美のパンティーを手に取った。

 裕美のパンティーの内側に見える女の汚れに、ゴクリと喉を鳴らした麗子は両手に裕美のパンティーを持って内側を広げるように中の匂いを嗅いだ。

 ツンっ鼻を付く乾いたアンモニアとオリモノと汗が絡み合った女特有の匂いに、裕美は込み上げる嘔吐感と咽(むせ)を我慢しながら、右手の中指に唾液を付けクリトリスに当てて指先を回した。

 自らが女になり女の匂いなど慣れていたはずの麗子だったが、知らずの内に男の性(サガ)が蘇った。

 裕美の匂いを嗅ぐ麗子は自らのクリトリスを弄りながら両脚をガクガクさせ続けると、麗子の割目からヌルヌルした愛液が身体の揺れで溢れ落ちそうになった。

「クチュッ… ビクンッ!」
 クリトリスから下方向へ指を押し進めれば割目の内側に愛液を感じる。

「クチュクチュクチュ… ビクビクビクンッ!」
 中指で割目の中を上下させると、その数の分だけ全身をビクつかせる。

「チュパチュパレロレロレロ…」
 臭いと知りつつ裕美のパンティーの内側に舌を滑らせムシャブリついた。

「ゴホゴホゴホ…」
 強い塩臭さに咽て咳き込みながらも止まらない舌先。

「扱きたい… 扱きたい… 私に肉棒(アレ)さえあれば…」
 裕美のパンティーを口の中に入れガムのようにクチャクチャ噛んで味わいながら、右手の中指を小陰唇の間に入れ、左手の中指の腹でクリトリスを回す。

「ダメェ… こんなとこで… 止めなきゃ… 止めなきゃ… クチュクチュクチュクチュクチュ…」
 前屈みの姿勢はいつしか尻を床に付けての体勢に変わっていた。

「ペッ! ベチャッ!」
 味と匂いの消えた裕美のパンティーを床に吐き捨てた麗子は棚に手を伸ばした。

「スウゥー! ゲホゲホゲホッ!」
 自分が一日中履いていたパンティーの内側に顔を埋めた麗子は強い女の匂いに咽て咳き込んだ。

「臭い! 臭い臭い臭い…」
 裕美と大差ない自分(おんな)の匂いは麗子の指の動きを忙しくさせた。

「麗子(かのじょ)の匂い… 麗子の匂い… 麗子の味…」
 自分ではない麗子(かのじょ)を想像する木村(れいこ)

「クチュクチュクチュクチュ… クウゥ!」
 内側から溢れる愛液を中指の先に絡め奥の方へ突き入れれば、太ももに入った力が自分の右腕を締め付けた。

「パタパタパタ… ドキッ! ドキドキドキドキ… ヌチャ!」
 脱衣場に近付く裕美の足音に聞き耳を立て、慌てて内側に入れた指を引き抜いた麗子は、味わいつ尽くした唾液塗れの裕美のパンティーを慌てて洗濯籠に戻し、口の中で噛んでいた自分のパンティーをそのまま洗濯籠に吐き捨てた。

 立ち上がった麗子は慌てて風呂場へ移動し、バスローブを戻しに来た裕美とは間一髪だったが、脱衣場の床に残された麗子の愛液を裕美が見逃すはずはなかった。

「ペロリ…」
 床にキラキラ光る透明な液体に指を触れた裕美は、その指を口に近づけると匂いを嗅ぎ、ペロリと舐め麗子のいる風呂場を見詰た。

「麗子ったら♪」
 風呂場の方を見詰た裕美は軽い笑みを浮かべながら脱衣場から出て行った。

 裕美の行動を知る由もない麗子は鏡に自分の割目を映し、右手の人差指と中指で割目を開いて麗子(かのじょ)を辱めていた。

 自分でありながら自分ではない美しい女の肉ヒダは、男の心を兼ね備える木村(れいこ)を時としてドキドキさせた。

 自分では舐めることも吸うことも直に匂いを嗅ぐことも出来ない木村(れいこ)は、悔しそうに唇を噛んで大きな溜息を漏らした。

「麗子(かのじょ)の尻を、太ももを、そして割目を舐めて見たい…」
 バスチェアーに座りながら両脚をプルプルと揺らし、その柔らかな肉質を目で追う木村(れいこ)はコグリと喉を鳴らした。

 木村(れいこ)は鏡の前で再びエクスタシーに達するまで麗子(かのじょ)を恥辱した。

 





【二十話】




 
 麗子が風呂場にいる頃、風呂場の出入口をチラチラ気にしながらリビングのソファーに座る裕美は、敷島と携帯で話していた。

「本当にこれが最後なんですね! それと私との約束も果たして頂けるんでしょうね!」
 マイクロショートパンツ、ノーブラのノースリーブ姿で足組して不安げにそして豪気を口調に加えた裕美。

「今回まで実験が一通り終えられたのは、登美子や君の協力のお陰だ。 感謝しとる。 登美子や君の願いは確実に成し遂げるから案ずることはない…」
 敷島は落ち着いた口調で語り終えると電話を切った。

 裕美は天井を見上げるとニコっと口元に笑みを浮かべ深呼吸をした。

「今回の旅行が終れば私も登美子さんも… 」
 裕美は風呂場に居る麗子の方に視線を移すと安堵の表情を浮かべた。

 その頃、306号室に入っていった板垣は四人の女装子(おとこ)相手に奮闘していた。

 女装子達を見て化け物とばかりに逃げ出そうと何度も試みた板垣も、髪を振り乱す四人の女装子(おとこ)相手にさすがに勝てず、床に沈められ口を粘着テープで塞がれた板垣はペニスを女装子に代わる代わる貪られた。

「わお! 大きいニャー♪ パチパチパチ♪ ゴクッ! ゴクリ!」
 聳え起った板垣の肉棒を見て四人の女装子達は拍手して満面の笑みを浮か肉棒に喉を鳴らした。

「こんなの入らないニャー♪ でも入れてみたいニャー♪」
 一人の女装子がワンピースの裾を巻くりあげパンティーを脱ぎ捨てると、別の女装子が板垣の肉棒にコンドームを被せた。

「ひいぃー! コンドームが破れちゃったニャー♪ どうするニャー?」
 四人の女装子達は板垣の肉棒を囲むように見入った。

「このままでいいわ♪ このままでいくニャー♪ このままでいいニャー♪」
 女装子たちは次々に板垣を前に裸になり板垣動揺にペニスを肉棒化させた。

「それええぇー!」
 ペニスを肉棒化させた女装子(おとこ)達に押さえつけられた板垣は、女装子達から一斉に受けた壮絶なテクニックに、一発、二発、三発、四発と麗子への思いで蓄えられた体液を撃ち放っていた。

「うっ! 痛てえぇー!」
 そしてリビングの床で力尽きた板垣は、女装子達に引き摺られベッドに連れて行かれると、大の字にロープで縛られ身動きできぬまま、肛門に指を入れられ前立腺刺激で縮んだペニスを無理矢理に肉棒化された。

 板垣は夜だと言うのに黄色い太陽を見ることになった。

 その頃、風呂から出た麗子がバスローブに身を包みリビングへ出てくると裕美の姿はソコにはなかった。

 辺りをキョロキョロ見回し寝室を静かに開け中を覗くと、疲れが溜まっていたのか裕美は熟睡していた。

 麗子は静かにドアを閉めるとリ冷蔵庫から缶ビールを取り出しビングに戻りソファーに座った。

「あれ?」
 ソファーの肘掛の下に見つけた裕美の携帯だった。

 缶ビールを手に持つ麗子は裕美の携帯の中を見ようか見まいか悩みながら、缶ビールを一気に喉に流し込むと、裕美の携帯を元の場所に戻し冷蔵から二本目の缶ビールを持って来た。

 同じことを繰り返しながら缶ビールが三本目になった時、麗子は裕美の携帯を開いて中を見始めた。

「写真?」
 ボタン操作する麗子。

 無数にある写真。

 麗子の知らない人達と撮ったであろう笑顔の裕美が映った写真。

 裕美の家族。

 裕美の友人。

 笑う裕美。

 どれもこれも麗子の知らない人達ばかり。

「あっ!」
 ホテルの玄関前で裕美と肩を抱き合って笑顔で撮った最近の写真。

 麗子は画面を下へとスクロールさせた。

 今回の旅行で板垣にガイドされた風景。

 画面を下にスクロールさせた。

「あれっ!」
 記憶に無い裕美と麗子(じぶん)が映る写真。

 一枚、二枚、三枚と数えてみると数十枚の写真があったが、どれもこれも記憶に無い物ばかり。

 その中の一枚を大きくしてみた。

「そんな…」
 大きくした写真の日付を見た麗子は開いた首を捻った。

『屋敷に来てまだ半年なの~♪』
 裕美から聞かされていた記憶を振り返る麗子。

 半年前、一年前、一年半前から始まり数年前の写真まで記録されていた裕美の携帯は麗子を唖然とさせた。

「なんで嘘なんか…」
 三本目の缶ビールを飲干した麗子は足を組み替えた。

「それにしても… おかしい…」
 麗子は過去の写真を一つ一つ大きくして見比べていた。

 携帯の中に写真として残る麗子は、一人一人の服装や化粧の仕方、ヘアースタイルに身につけている物までファッションセンスがまるで別人を思わせていた。

 大人しい麗子。

 ワイルドな麗子。

 和服の麗子。

 十代の女子を思わせる麗子。

 大人のムード満点のドレスの麗子。

 ミニスカートの下、ガーターベルトの紐を外に見せるエロチックな麗子。

 化粧もヘアスタイルも個々に全く違う様々麗子達。

 木村(れいこ)は同じ顔、同じ体形で様相だけが異なる麗子(かのじょ)達に見入っていた。

 その時だった!

「何してるのお!! アタシの携帯にいぃー! 嫌らしい男ねえぇ!! バタバタバタバタバッシィーン!! キャァー!! ドンッ!」
 寝室の方から足音を立てて走ってきた裕美は突然、麗子から携帯を奪い取ると力任せに麗子の頬を平手打ちした。 弾みで悲鳴を上げソファーに横倒しになった麗子。

 裕美は倒れた麗子を振り返ることなくそのまま部屋を出て行ってしまったが、平手打ちされた頬を手で押さえる木村(れいこ)は放心状態に陥っていた。

『嫌らしい男ねえぇ!! 嫌らしい男ねえぇ!! 嫌らしい男ねえぇ!!』
 頬を手で押さえる麗子の脳裏に繰り返される裕美の一言。

「裕美は俺が男だと気付いている… のか… そ! そんな馬鹿な!」
 麗子はソファーに倒れたまま微動だにしなかった。

「一体何がどうなってんだ!! 何で裕美(アイツ)が俺の正体を知ってるんだ! てことは、まさか! 加奈子が俺の妻だと言うことも気付いているのか! いや、それは無いだろう…」
 木村は微動だにせず考えていた。

 裕美はその晩は帰ることがなかく、説明させようと寝室で待っていた木村(れいこ)は、いつの間にか眠ってしまっていた。

 深夜二時過ぎ、木村(れいこ)は誰かのヒソヒソ話す声に目を覚まし始めた。 瞼の外に見える影。

「コイツ殺されるぞ… ヒソヒソヒソ…」
「俺たちと同じ目に遭わせられるぞ… ヒソヒソヒソ…」
「そう私達と同じ目に遭わせられる… ヒソヒソヒソ…」
「何とかしてやりたいが… ヒソヒソヒソ…」
「どうする… ヒソヒソヒソ…」
「どうする? ヒソヒソヒソ…」
「どうしよう? ヒソヒソヒソ…」
「どうしよう… ヒソヒソヒソ…」
「何も気付かないフリしてれば助かるかも… ヒソヒソヒソ…」
「そう… 知らないフリしてれば… ヒソヒソヒソ…」
「そう、助かるかも知れない… ヒソヒソヒソ…」
「コイツに出来るかな… ヒソヒソヒソ…」
「出来るかな… ヒソヒソヒソ…」

「コイツに出来るかな… ヒソヒソヒソ…」
 誰かが木村(れいこ)の顔を覗き込んだ。

「!!!」
 だれかに覗き込まれた木村(れいこ)はハッとして瞼を開いた。

「夢?!…」
 木村(れいこ)は起き上がって辺りを見回した。

 汗ビッショリの木村(れいこ)は傍にあったタオルで額の汗を拭き取った。

『コイツ殺されるぞ… 同じ目に遭う… 気付かないフリしてれば助かるかも… コイツに出来るかな…』
 木村(れいこ)は脳裏に残った何者かの言葉を思い出していた。

 木村(れいこ)はフラフラと寝室を出ると冷たい水を冷蔵庫から取り出し一気のみすると、寝室で下着を替え再びベッドに身を沈めた。

『コイツ殺されるぞ… 同じ目に遭う… 気付かないフリしてれば助かるかも… コイツに出来るかな…』
 閉じた瞼の裏側で頭から離れない何者かの声。

『コイツ殺されるぞ… 同じ目に遭う… 気付かないフリしてれば助かるかも… コイツに出来るかな…』
 頭を布団でスッポリと覆っても消えることの声。

 木村(れいこ)はいつしか眠りについていた。

 翌朝、麗子が目を覚ますとリビングに裕美が居てテレビを見ていた。

 近付く麗子を無視するように裕美は振り向かなかった。

「ふあぁー! 昨日は飲みすぎたあぁー♪ 知らない内に寝室に居たって感じい~♪ バーで飲んだバーボンがきいたのかな~♪」
 麗子は裕美の放つ冷たい空気に敢て昨日の出来事など忘れている素振りをした。

「えっ?」
 裕美は近付く麗子を振り向くと驚いた顔して直ぐに笑顔に転じた。

「ねぇ♪ お腹空いちゃったから朝御飯食べにいこう♪」
 裕美は麗子の言葉に笑みを浮かべて嬉しそうに立ち上がった。
 
「麗ちゃん昨日のこと覚えてないの~♪」
 麗子と肩を並べエレベーターへ向かう裕美が笑みを浮かべて麗子に尋ねた。

「うん… バーでバーボン飲んでたのは記憶にあるんだけど… その後がまったくわかんないんだ~」
 裕美の問いに消沈して答える麗子。

「そっか~♪ うんうん♪ たまにはいいんじゃないの♪ そういうのがあっても♪」
 部屋では冷たい空気を放っていた裕美だったが、麗子の言葉に元気が湧いたように満面の笑みに転じた。

 ホテルのレストランに到着した瞬間、麗子は女装子達に囲まれニコニコする板垣と擦れ違った。

「あらあ~♪ 昨日はありがとさん♪ もうねぇ、すっかり五郎ちゃんとは仲良しになっちゃったのよおぅ~♪ ねえー五郎ちゃん♪」
 四人の女装子たちは板垣に纏わりつきながら楽しげな口調を麗子に見せた。

「麗ちゃんステキな人達と巡り会わせてくれてサンキュー♪」
 麗子にペコリと頭を下げた板垣は疲れているのか腰がフラついていた。

「裕美ちゃんもまたね♪」
 疲れきった表情で裕美を見た板垣は窓から入る太陽が眩しそうだった。

 板垣と女装子たちは再び賑やかな会話を始めその場から立ち去った。

「どうしちゃったんだろ… 板垣さん…」
 女装子達に取り囲まれた板垣を不安そうに見詰る裕美だった。

「裕美ちゃん、板垣さんのこと好きなんでしょ♪ 好きなら好きって言って抱いて貰えばいいのに~♪」
 麗子の言葉に一瞬ドキッとした顔した裕美。

「そんな! 私は男を好きになったりしないもん! 麗ちゃんの意地悪~!」
 裕美は恥かしそうに麗子の傍から離れ席に付いた。

 そんな中、麗子は昨夜の裕美の放った言葉を思い出していながらも、知らぬフリして裕美と差し向かいで朝食を共にした。

「プルルルルルル♪ プルルルルルル♪」
 食事を終えて一息ついた裕美の携帯がなった瞬間、裕美はドッキとして急ぐように席を離れた。

 壁際の隅っこで麗子をチラチラみながら誰かと話す裕美を見た麗子は、敷島か登美子に違いないと確信していた。

 そんな中で電話を終えて戻った裕美は作り笑顔を浮かべ麗子を見て口を開いた。

「今の電話、お屋敷からだった♪ 明後日、敷島がロスから戻るそうよ♪ 明日にはここを引き揚げないとね♪」
 麗子には裕美が内心喜んでいるように思えた。

「麗ちゃん、今夜はタップリ可愛がってあげるからね♪」
 裕美の目が妖しく麗子をみつめた。

 麗子は屋敷に戻らねばならないことにガックリした。

 そんな中、麗子を呼ぶアナウンスが入ったが、先に部屋へ戻ると言った裕美の足取りは何故か軽やかに見えた。





【二十一話】


「あの、敷島ですが…」
 カウンターへ出向いた木村(れいこ)が辺りを見回すと、息子の剛を手を引いた妻の加奈子が立っていた。

 木村(れいこ)は妻と息子の姿を見た瞬間、込み上げる嬉しさを必死に耐え頭をペコリと下げると、加奈子を連れ喫茶ルームの席に着いた。

「いつ帰るの…」
 加奈子は俯き加減で木村(れいこ)に尋ねた。

「今週一杯いる予定だったけど、さっき連絡が来て明日の夕方には戻らなきゃならなくなったんだ…」
 言葉を男に変えた木村(れいこ)は辺りを気にしながら加奈子に小声で話した。

「一緒に… 一緒に暮らせないのかな… 以前のように…」
 テーブルに置いた加奈子の手と唇が震えた。

「それは考えている… 取敢えず今の自分が置かれた状況を把握しないと前に進めないと思ってるんだ… 加奈子達の生活費は何とか工面するから待ってて欲しい…」
 テーブルに両肘着いて顔の前で両手を重ねる木村(れいこ)は加奈子に視線を重ねた。

「生活のことは心配しなくていいわ… 変な言い方になるけど、貴方の生命保険やら何やらで生きては行けるから… ただ今の家は手放そうと思ってるの… 買い手も決まってるから… 貴方が生きていることが解かった以上、貴方と一緒に暮らしたいのは解かって欲しい…」
 加奈子は木村(れいこ)に視線を重ねて淡々と冷静に話した。

「俺は知りたいんだ… どうして女(すがた)で生まれ変われたのか… その手掛かりがもう少しで掴めそうなんだ。 何故生まれ変われたのか知らずにこのまま生きるのは辛過ぎる…」
 木村(れいこ)は前のめりになって加奈子との間を縮めて話した。

「貴方が女装していたのは以前から知ってたし、女性に憧れていたのも知ってるわ… 念願の女性に、それも他人(ひと)も羨む美しい女性に生まれ変われたんだから、どうでもいいことじゃない… ねえ! 何か怖いのよ、何かとんでもない事に巻き込まれてる気がするの… 何も知らずにこのまま生きた方がいいわ! ねえ、その敷島って人が関係してるかどうかは解からないけど、その人から逃げてちょうだい…」
 加奈子は木村(れいこ)動揺に前のめりになって小声で口調を強めた。

「加奈子、解かってくれ! 俺は真実が知りたいんだ! 女に生まれ変わった真相が知りたいんだ… 明日、敷島のもとへ帰るけど来ようと思えばいつでも戻って来れるから… お互い暫くの辛抱なんだ… それにお前は一緒に暮らしたいって言うが、こんな女(すがた)になった俺を愛せるのか? 同性愛じゃあるまいし…」
 加奈子に前のめりで話していた木村(れいこ)は、同性愛を口にした瞬間、身体の力を抜いて加奈子の前から身を引いた。

「その敷島って人に… 敷島って人に抱かれたの? 女の喜びを… 女の喜びを知ったの?」
 自ら放った言葉に困惑の表情を浮かべた加奈子。

「………」
 加奈子の言葉に視線を外し黙り込んだ木村(れいこ)。

「そう… 仕方ないわよね… 敷島って人の奥さんなんだもんね… 身体の関係があっても不思議じゃないわね… ごめんなさい、馬鹿なこと言って…」
 黙り込んだ木村(れいこ)を前に言葉を弱めた寂しげな加奈子は息子の剛の頭を軽く撫ぜた。

「抱かれたよ… 何度も… 俺の本意じゃなかったけど何が何だか解からない内に気付けば俺は敷島(ヤツ)の腕の中にいたよ…」
 加奈子を前に俯いたまま声を震わせた木村(れいこ)。

「もう女の身体には慣れたの♪ 結構大変でしょ? 女も… ふふ♪」
 悲しげな表情で作り笑顔する加奈子。

「ああ… 生理痛、酷くてさ… 死ぬかと思ったよ♪ 小便も面倒くさいし…」
 加奈子の笑顔に微笑み返しする木村(れいこ)。

「あは♪ 一度死んでるのに~♪」
 加奈子から自然な笑みが零れた。

「うん♪」
 木村(れいこ)からも自然な笑みが零れた。

「裸でいろんなポーズしたり、いろんな服着たり下着つけたりして遊んだでしょう~♪ うふふふ~♪」
 笑みを浮かべて顔を紅くし恥かしげに身を引いて両手で顔を隠す加奈子。

「あっははは♪ したしたー♪ その通りだよ~♪」
 加奈子の笑みに引き込まれるように両手で顔を覆って照れまくった木村(れいこ)。

「ねえ今夜、会えないかな~♪ 家族三人で夕飯食べましょうよ♪ ねえ、いいでしょう♪」
 笑顔の加奈子は急に真顔になって木村(れいこ)をみつめた。

「そうだな… 帰ったら暫く来れない気がするし… 行くよ♪ 絶対に♪」
 テーブルの下で足組して加奈子に視線を重ねた木村(れいこ)。

 木村(れいこ)は話し終えた加奈子の帰り際、息子の剛を抱き締めて目を潤ませ、そんな木村(れいこ)を見て加奈子もまた目を潤ませていた。

 加奈子と剛を見送るホテルの玄関、耐え切れずに涙を零す木村(れいこ)。

 その夜…

 息子の剛を別室に寝かせた加奈子は、久しぶりに二人で使う寝室のダブルベットで可愛い鳴き声を部屋に響かせていた。

「あんっ! なんか… なんか変な気分よアナタ… あん! ああああん! 女同士なんて…」
 スリップの肩紐を降ろし肌蹴た乳房に吸い付く木村(れいこ)に、恥かしそうに囁く加奈子。

「ちゅぱちゅぱれろれろちゅっぱ…」
 左乳房を揉み回し右乳房に吸い付く木村(れいこ)は久し振りの妻の甘い香りに魅惑されていた。

 白いスリップに白いパンティーの加奈子に身体を重ねる、黒いスリップに黒いパンティーの木村(れいこ)はプリプリと尻肉を揺らしていた。

 目を閉じて木村(れいこ)の唇と舌の感触に、白いパンティーの内側をヌルヌルした液体で濡らす加奈子と、黒いパンティーの内側に湿気を帯びさせた木村(れいこ)。

 左乳房を揉み右乳房を吸い、そしてソロリソロリと滑らせるように木村(れいこ)の右手は加奈子の太ももへ流れた。

 絡み付く女同士の太もも。

「あんっ!」
 脇腹を滑る木村(れいこ)の舌に仰け反って鳴き声を奏でた加奈子は左脚を膝立てした。

「プリリリーン♪」
 揺れる加奈子の内モモ。

 加奈子の左脚の柔らかさを手の平で受け止める木村(れいこ)の舌先は、加奈子のヘソの周りを入念に舐めまわすと、全身をビクンピクンと何度もビクつかせ痙攣を起こす加奈子。

 両手で加奈このウエストを撫でまわしながら口で加奈子から白いパンティーを剥ぎ取る木村(れいこ)は、久々の加奈子(つま)の香りに酔いしれた。

「はぁはぁはぁはぁ… いい匂いだよ加奈子… はぁはぁはぁはぁはぁ…」
 膝まで口で降ろした加奈子の白いパンティーを、面倒とばかりに両手で剥ぎ取った木村(れいこ)は夢中で加奈子の太ももを宙に浮かせると割目に舌を押し付けた。

「ビクンッ! あんっ! あひぃ! ああああああん…」
 割目に舌を押し付けられた加奈子は大きく全身をビク付かせると右に左に腰をクネらせた。

「はふはふはふはふ… れろれろれろれろ… ぴちゃぴちゃぴちゃ…」
 加奈子から溢れた愛液が木村(れいこ)の舌に絡みつき恥かしい音をたてた。

「ビクンッ!!」
 加奈子の割目の中を木村(れいこ)の舌が滑り、同時に木村(れいこ)の右親指が加奈子のクリトリスの表面を回した。

「アナタァー! アナタアァーン! アンッ!」
 苦しそうな切なそうな声をあげながらシーツを両手で掴む加奈子と、黒いパンティーの内側から外側に愛液を滲ませる木村(れいこ)。

 舌の動きに木村(れいこ)の乳房が連動して黒いスリップの下で無造作に揺れる。

 伸びたり閉じたりを繰り返すかなこの足の指。

 左右に強弱つけて揺れる加奈子の顔。

 アゴを突き出し頭を枕に静める加奈子。

 無造作に揺れる加奈子の乳房。

 勃起した加奈子の乳首。

「アナタアァー! 来てえぇ! 入って来てえぇ!」
 無意識に言い放った加奈子からの木村(れいこ)への女の願いは、木村(れいこ)の動きを数秒間止めた。

「………」
 動きの止まった木村(れいこ)に声を失った加奈子。

「スルッ… スルスルスルッ! クッチュウゥー!」
 静まり返ったベッドの上、突然黒いパンティーを脱ぎ捨てた木村(れいこ)は加奈子の身体を真横にさせ、両脚を開かせると自らの身体を仰向けにし禁断の体位へ持ち込んだ。

「クチュッ! あひぃ! クッチャクッチャクッチャ… ああああああん! クチュクチュクチュクチュクチュ… あんっ! ニュルニュルニュルニュル…」
 思わぬ木村(れいこ)の行動に一瞬唖然とした加奈子は生まれて初めて割目に凄まじい官能を感じた。

 飛び散る二人の愛液。

 木村(れいこ)は妻の加奈子との貝合わせに突入した。

 裕美とのセックスで学んだ女同士のセックスだった。

 そんな木村(れいこ)が腰を振る度に、二人の割目(かい)からクチュクチュネチュネチュと互いの愛液が混ざり合う奇妙な音が、部屋の暗さに溶け込んだ。

「あひっ! あひっ! あひっ! あひっ! あひっ!」
 生まれて初めての貝合わせに加奈子は今にも飛び跳ねそうな声を上げ続け、そんな加奈子を割目(はだ)で感じる木村(れいこ)は口元を軽く緩めて笑みを浮かべた。

 飛び散る二人の愛液。

「ぅあっ! あひっ!」
 木村(れいこ)が動く度に加奈子の両脚は筋肉の全てが硬直した。

「クチュクチュクチュ… ネッチュウネッチュウ… ニィチャニィチャ…」
 聞き慣れない音が逆に加奈子をエクスタシーへと導き始めた。

 二人の額から流れ落ちる汗。 擦れ合う割目(かい)から飛び散る二人の愛液。

「アナタアァー! イッちゃう! イッちゃう! ダメエエェェ!! イクイクイクウウウゥゥー!」
 暗い寝室に加奈子のエクスタシーへの突入する声が響いた。

 加奈子は両乳首もクリトリスも最大限に勃起させたまま失神した。

「加奈子… 女同士のセックスはこれからだよ… 男とは違う何度でもイケる女の身体を楽しもうな…」
 木村(れいこ)は、失神した加奈子に囁くとベッドの下に置いたバックからビックサイズのペニスバンドを取り出し装着した。

「ズブリュウゥゥゥ! ヌプヌプヌプ! ヌプリヌプリヌプリ…」
 正常位で加奈子の両太ももを抱いた木村(れいこ)に着けられたビックサイズの擬似ペニスが、加奈子の奥へと侵入した。

「!!!」
 失神していた加奈子が突然両目を大きく見開いて気を取り戻した。

「うんっ… ぅぅん! ぅあっ! あひぃ! あひぃ! あひぃぃぃ!」
 突然身体の中に入って来たビックサイズの擬似ペニスが加奈子の内肉に擦れると、加奈子は声にならない声を出しベッドシーツを鷲掴みした。

 ヌプヌプヌプと奥を目指す木村(れいこ)の擬似ペニスは加奈子の膣から空気を抜いた。

 加奈子は余りの重圧に身動き出来ずシーツを鷲掴みした両手を震わせた。

「あうあうあうあうぅー! あひあひあひぃぃー!」
 木村(れいこ)が奥へ到達したビックペニスを抜き始めると、加奈子は木村(れいこ)に抱かれた両太ももを外側に捻って重圧の快感に全身を硬直させた。

「加奈子…」
 木村(れいこ)は少しずつ加奈子にビックペニスを慣れさせるようにゆっくりと腰を使い、抱いた加奈子の太ももを肩に担ぎ伸ばした両手で加奈子の両乳首を指でコリコリ抓んだ。

「ヒイイイィィィィィー!!!」
 加奈子は絶叫した。

「イヒイヒイヒイヒイヒイイィィィー!! ヒイイイイィィィィィー!!!」
 木村(れいこ)がバイブのスイッチを入れた途端、加奈子は壮絶な刺激に半狂乱のごとく全身を大きくビクつかせ身悶えして仰け反った。

「イヒイヒイヒイヒイヒイイィィィー!! ヒイイイイィィィィィー!!!」
 バイブのスイッチの入ったビックペニスは可愛い加奈子を快感に溺れる哀れなメスへと変化させた。

 ガクガクと揺れるベッドと加奈子を支える木村(れいこ)。

 半狂乱のごとく叫び続ける加奈子を抱く木村(れいこ)の割目から、ヌルヌルした愛液が溢れ出し木村(れいこ)の内モモへ伝わりシーツへ滴り落ちると、男時代の木村拓哉の匂いは消え生まれ変わった木村(れいこ)の匂いに変えた。

 加奈子は壮絶な官能の末、二度目のエクスタシーへ突入し失神した。

 そんな妻の加奈子を前に加奈子の中に入ったペニスを取り外した木村(れいこ)は、両脚を開いてベッドに直座りすると片手で開いた自分の割目にビックペニスを挿入した。

 妻の愛液に塗れたペニスは木村(れいこ)から官能の声を漏らさせた。

 




【二十二話】





「アナタ… 可愛い寝顔……」
 女の匂いが充満する寝室のベッドの上、月明かりを頼りに木村(れいこ)の顔に見入る加奈子。

「ゴクッ…」
 木村(れいこ)の顔、胸、腰、太ももへと視線を変えた加奈子は喉を鳴らした。

「可愛い…」
 木村(れいこ)の割目を見た加奈子は心の中で呟いた。

「今度は私が愛してあげるから…」
 加奈子は心の中で呟くと、眠っている木村(れいこ)に身体を重ねた。

 突然の身体への重さに目を覚ました木村(れいこ)は加奈子の存在に驚いた。

「よせ! 加奈子! よすんだ!」
 身体を重ねた加奈子の唇は制止する木村(れいこ)の声を振り切って木村(れいこ)の乳房へと吸い付いた。

「あん… あひぃ! あああああぅ!」
 加奈子に乳首を吸われ舌先で転がされた木村(れいこ)は突然の官能に身悶えして鳴き声を奏でた。

「やめ… やめて… あん… やめろ… あひぃ! やめてぇ… あんっ!」
 乳首を吸われ転がされた木村(れいこ)は女の鳴き声と加奈子を制止させる夫としての声を交差させた。

「チュパチュパレロレロレロ…」
 加奈子の舌は木村(れいこ)の勃起した乳首を容赦なく官能させた。

 ベッドシーツを鷲掴みする木村(れいこ)はアゴを突き出し枕に頭を沈め仰け反りを見せた。

 加奈子の手は閉じられた木村(れいこ)の両脚を開かせ、木村(れいこ)の脚が閉じられないように自らの脚で邪魔しながら割目の中に指を入れた。

「だめだ! だめだあ! やめ! やめ… やめてえぇぇー! いやあぁぁー! あん! ああああああん…」
 木村(れいこ)は割目を滑る加奈子の指に次第に男言葉を失っていった。

 加奈子に割目を弄られ身悶えする木村(かなこ)の中に加奈子の指が入った瞬間、木村(れいこ)は身体を大きく仰け反らせた。

「クチュクチュクチュクチュ…」
 木村(れいこ)の中で加奈子の二本の指は無造作に動きまわり、勃起した木村(れいこ)のクリトリスは唾液に塗れた加奈子の親指が優しく滑らされた。

「クウウゥゥゥー!」
 枕に沈む木村(れいこ)の眉間にシワが寄った。

「妻に… 妻に弄られるなんて…」
 木村(れいこ)は官能の中で自己嫌悪に陥りかけた。
 
「気持ちよく… 気持ちよくなって… アナタ… お願いよぉ… アナタにも気持ちよくなって欲しいのぉ…」
 加奈子は鳴き声を必死に耐える木村(れいこ)に祈るような口調で囁いた。

「グフッ!」
 木村(れいこ)の膣の中で加奈子は二本の指をグリグリと左右に捻ると突き上げる官能に木村(れいこ)は瞼を閉じた。

「嫌だあぁ! 嫌! 嫌! 嫌ああぁぁ! 妻に抱かれて官能するなんてえぇ!」
 木村(れいこ)は首と乳房を震わせ膣(なか)に指をいれ動かす加奈子を拒絶した。

「気持ち良く! 気持ちよくなってえぇ! アナタあぁ!! グニュグニュグニュ!」
 加奈子は加奈子を拒絶する木村(れいこ)の中に入れた指をグイッと奥へと差し込んだ。

「あひっ! あひっ! あひっ! あひっ! あひっ!」
 声を裏がえして両脚を膝立てした木村(れいこ)はベッドから尻を何度も浮き上がらせた。

「クチュクチュクチュクチュ…」
 指に伝わる木村(れいこ)の愛液が加奈子の手首からベッドシーツに滴り落ちた。

「はうっ! ぅぅぅううん! はぁん! はぁ…あっ… はひぃ!」
 息を止めて悶えを押さえる木村(れいこ)は尻を浮き上がらせ、身体を右に左に振って官能に耐えた。

「もう! もおぉだめええぇぇぇー!!! イッちゃううぅぅー!! イク! イク! イクイクイクイク! イッちゃううぅぅぅ!!」
 木村(れいこ)は妻の加奈子の指でエクスタシーへと導かれた。

「はぁはぁはぁはぁはぁ…」
 尻をベッドに置いた木村(れいこ)は全身の力を抜いて殺していた息を肩でしていた。

 加奈子はグッタリする木村(れいこ)から引き抜いた二本の指をペロリと舐めると、口の中に入れて味わっていた。

 ベッドの上、仰向けに荒い吐息を立てる夫の木村(れいこ)と、女座りし片手で身体を支えながら木村(れいこ)を見詰る奇妙な夫婦の交わりは終わったかのように見えた瞬間、加奈子はグッタリする木村(れいこ)の片脚を持ち上げると、木村(れいこ)にされた時、同様に自らの割目(かい)を木村(れいこ)に密着させると腰を前後に振って擦り始めた。

 全て終ったと思っていた木村(れいこ)は妻、加奈子の行動に恐怖にも似た物を感じながら、擦られる快感にシーツを必死に掴んだ。

 髪を振り乱し乳房を揺らす加奈子は逃がす物かとばかりに木村(れいこ)の片脚を掴んで放さなかった。

 互いの割目から溢れる愛液で互いを洗う女同士のセックスは再び開始された。

 女の生臭い匂いがベッドの上に立ち込めた。

 全身を使って割目(かい)を擦り合わせる加奈子は木村(れいこ)の脚の筋肉の収縮を感じた。

 そして擦れ合う加奈子と木村(れいこ)の太ももは動きに合わせてプルプルと揺れる。

 二人の割目(かい)は愛液に塗れ全身は絡み合う汗をほとばしらせた。

「はぁはぁはぁはぁはぁ…」
 二人の吐息が重なり交わる。

 そして木村(れいこ)の伸ばした右手に加奈子の左手が重なった瞬間、加奈子は男だった頃の木村を思い出し、木村もまた男だった頃に加奈子との交わりを思い出していた。

 二人の夫婦としての交わりは互いが倒れるまで続けられた。

 翌朝、加奈子の鏡台の前で化粧をする木村(れいこ)を後から抱き締める加奈子がそこに居た。

「じゃあ麗子さん♪ また来て下さいね♪」
 息子の剛を抱いた加奈子は何かに吹っ切れたように爽やかな笑顔を木村(れいこ)に見せた。

「ええ♪ 近いうちに必ず来ますから待ってて♪」
 木村(れいこ)はタクシーに乗り込む瞬間、後を振り向くと笑顔で別れを告げた。

 加奈子と息子の剛に振り向くことなく木村(れいこ)を乗せたタクシーはホテルへと向かった。

「お客さん、モデルさんか何かっすかぁ♪ いやぁ御綺麗なんでね~♪」
 運転手から突然声かけられた、木村(れいこ)は運転席の後の乗務員カードに目を移した。

「長居正広…」
 木村(れいこ)は何も語らず黙って首を横に振って笑みを浮かべた。

 ホテルへ着いた麗子は裕美の待つ部屋へと足を急がせた。

「馬鹿なヤツ… ヒソヒソヒソ…」
「そう馬鹿なヤツ… ヒソヒソヒソ…」
「戻ってくるなんて… ヒソヒソヒソ…」
「そう戻ってくるなんて… ヒソヒソヒソ…」
「逃げればいいのに… ヒソヒソヒソ…」
「そう逃げればいいのに… ヒソヒソヒソ…」
 
 エレベーターを降りた瞬間、麗子の頭の中にいつかの夜の声が聞こえてきた。

「もう嫌あ! 話しかけないでえぇ!」
 麗子は心の中で念じるように叫んだ。

 だがその声は消える事無く部屋に向かうごとに強まって行った。

 麗子は耳を塞いで声から逃げるように足を急がせた。

 そして麗子が部屋のドアを開けた瞬間、部屋の中から裕美の荒げる声が聞こえた。

「どう言うことよ!! この部屋は幽霊が出る部屋だって言うじゃないのお!! 何て人たちなのおお! いくら満室だからって、そんな部屋に二週間近くも泊めてたなんて!! 貴方達には常識ってものが無いのお!!」
 裕美は平謝りするホテルの関係者数人に髪を振り乱して大声を張り上げていた。

「ああ! 麗ちゃんちょっと聞いてよおお!! この人達ったらねえ!!」
 裕美は入って来た麗子に血相を変えた。

「バレた… ヒソヒソヒソ…」
「バレちゃったね… ヒソヒソヒソ…」
「面白かったね… ヒソヒソヒソ…」
「そう… 面白かったね… ヒソヒソヒソ…」

 麗子の頭の中に聞こえていた声はスーっと掻き消えた瞬間、裕美の携帯が鳴った。

「はい旦那様、奥様は元気でいらっしゃいます♪ 夜にはお屋敷に到着致しますから♪ はい♪」
 裕美は敷島からの電話に麗子の前で堂々と出ると電話を切った。

 裕美の怒りは敷島との連絡で何処かへ吹き飛んだようだ。

 ホテルの支配人たちは深々とお辞儀すると部屋を出て行った。

 


【二十三話】





「あの声は本当にあの部屋の幽霊たちなんだろうか… もしかしたら俺の生まれ変わりに何か関係してるのではないだろうか…」
 木村(れいこ)は裕美の運転する車の中で揺られながら考えていた。

「だが、裕美は確かにあの時、俺を男だと言った… 裕美の不可解な行動は一体何を意味するんだろう… 何故、裕美は屋敷に来て半年だと俺に嘘を教えたんだろう… 何故、時と間や登美子は頻繁に裕美と連絡を取り合っているんだろう… 解からない…」
 木村(れいこ)は車窓から見える景色に裕美の不可解な行動を重ね見ていた。

 その時だった。

「ねえ、何であの時、私のこと嫌らしい男ねって罵ったの?」
 車窓から外を眺めていた木村(れいこ)が運転する裕美に後から声をかけた。

「キイイィィィィー!」
 突然、裕美は国道を走らせていた車に急ブレーキを掛け左に寄せた。

 裕美の掛けた急ブレーキで木村(れいこ)は助手席に両手を着いて身体を支えた。

「なっ! 何!? いきなり!? わ、私は! そ、そんなこと! 私はそんなこと言ってないわあ!? な、何なのお!?」
 裕美は声を裏返らせ上ずらせて握り締めたハンドルに力を込めた。

「ねえ… 何を隠してるの… 何で私にあんなこと言ったの…」
 木村(れいこ)はボソボソと小声で裕美に聞いた。

「な、なんのことだか、何のことだか私には、私には解からないわ! 変なこと言わないでよ! まったくもおぅ!」
 裕美は後部座席の木村(れいこ)を振り返ることなく声を震わせた。

 ルームミラーに映る裕美は目をキョロキョロさせ明らかに動揺していた。

「ねえ、何で屋敷に来て半年だって私に嘘ついてたの… 何で裕美ちゃんの携帯に個性の違う私の写真が年度ごとに映ってるの… 私、知りたいの… 本当のことを…」
 木村(れいこ)はボソボソと淡々と自分の疑問を裕美を見ることなく言い放った。

「このまま屋敷に帰っても私は裕美ちゃんに… 敷島に同じことを聞くしかないの… でも、もし裕美ちゃんが知っているのなら、私は裕美ちゃんから聞いたことは一切漏らさないわ… 私はただ真実が知りたいだけで、裕美ちゃんの何かを邪魔したい訳じゃないの…」
 車窓から外の景色を見続ける木村(れいこ)はボソボソと淡々と疑問をぶつけた。

 静まりかえった車内。

 目をキョロキョロさせる裕美。

 微かに震える裕美のハンドルを握る手。

「ねえ、何で私は自殺を図ったの… 何で私には過去の記憶が無いの…」
 木村(れいこ)は大きな溜息をしてチラっとルームミラーから見える裕美に視線を移した。

 すると。

「何で何で何でって一々うるせえーんだよおう!! てめえは馬鹿かあぁー! おい! だったらあなあぁ! 先にてめえぇーから自己紹介しろよおぉ! 木村さんよおぉ!! 男のくせして女やってんじゃねえぞお!! この変態野朗があぁ!」
 突然、裕美は男口調になってハンドルから手を離すと後にいる木村(れいこ)に目を吊り上げて喚き散らした。

 裕美は突然変貌したが木村(れいこ)は怯むことは無かった。

「ねえ、何でそんな男言葉使ってるの… 何で私のこと木村って言うの… 男のくせしてってどう言うことなの…」
 木村(れいこ)は再び自分を睨み付ける変貌した裕美に問いかけた。

「アンタの名前は木村拓哉!! ホテルに来た子連れの女はアンタの女房だろうがああぁ! 違うかあぁ! 黙ってりゃー生きていられたものを!! この薄ら馬鹿があぁぁ!!」
 変貌した裕美は運転席を少し倒すと後ろの木村(れいこ)に目を吊り上げた顔を見せて怒鳴った。

「あああーああー! これで俺と敷島の約束もオシャカになっちまった… あと少しだったのに… てめええぇーの所為だあぁ!! あと少し知らんフリしててくれりゃあ!!」
 怒り心頭の裕美は突然、木村(れいこ)のワンピースの襟元を両手で掴んだ。

「貴女が望むなら私はこのまま何も知らない顔して敷島と会うことも出来るんだけど… 何が何だかわからないけど、少なくとも貴女と敷島の約束が守られるまで私は貴女に協力できるわ… て言うか! 俺は真実が知りたいだけなんだよ! 裕美!!」
 襟元を掴まれた木村(れいこ)は突然男言葉に口調を変えて、裕美の両手を振り払った。

「………」
 裕美は木村(れいこ)の言葉に言葉を失ったように黙り込んだ。

「お前の言うのが正しいかも知れねえなぁ… 敷島の実験もこれが最後だと言ってたし… この機会を逃したら俺は永遠に男の身体を手に入れられなくなる… お前は真実を知ることが出来て、俺は念願の男の身体を手に入れられる… まぁ、男に生まれ変わったらタップリ可愛がってやるかあ~ 木村… いや、麗子さんよおぅ~♪」
 木村(れいこ)から離れた裕美は嫌らしい目で木村(れいこ)の身体を見ると、薄ら笑みを浮かべた。

 こうして木村(れいこ)の疑問に裕美は答えることになった。

 裕美はコンビニの駐車場に車を止めると飲み物を飲みながら、木村(れいこ)の疑問に一つ一つ答えって行った。

 木村(れいこ)は顔色一つ変えず裕美の話しに聞き入った。

「俺はレズなんかじゃないんだ、性同一性障害の女なんだよ… だから男に、本物の男になりたくて知り合いのツテを頼りに敷島と知り合ったんだ… 全てが上手く行けば協力した報酬に男の身体をくれると約束したんだ…」
 男言葉の裕美に違和感は感じられなかった。

「登美子は… 登美子は、ああ見えても女じゃなく、女になりたがってる男なんだ… あぁ、ペニスも付いてるよ。 女の身体が欲しくて敷島の手伝いをしているんだ… 霊能者って知ってるか? 登美子はその霊能者の一人で自由に幽霊を呼んだり導いたりも出来る一人なんだ… 医学と心霊が手を組めば痛ましい人間の死から人を救えるって、敷島は考えたようなんだ… 麗子は元々、交通事故で運ばれて来た敷島の患者さんで、麗子の両親は即死、残された麗子を娘のように可愛がった敷島だったけど、その麗子も精神を患って自殺… 自宅研究室に麗子の死体を冷凍保管し麗子の魂を宿らせる実験に着手したらしい。 そこで必要になったのが霊能者の登美子だったんだ。 敷島は何度も麗子の魂を呼び込んだけどことごとく失敗し、全く別人の魂を呼び込んでしまったんだ。 木村さん! アンタで十人目なんだよ… 麗子の身体に入った人はさ~ だから私の携帯には都度、仲良しになった人の魂が入った麗子の写真があるって訳なんだ。 でも、敷島は木村さんで実験は終わりにするらしい… アンタ運がよかったよ。 みんな自分の生まれ変わりに苦しんで自殺した者もいれば、失敗に気づいた敷島が麗子を仮死状態にして登美子に魂を抜き取らせたりを繰り返したんだ… だからアンタは何も気付かないフリしてりゃー このまま麗子としての人生をまっとう出来んだよ! 因みに麗子の身体に宿る魂は誰が宿るのかは敷島にも解かんないみたいだよ… だからさ、女として生まれたけどそれを悔いてる人が自殺してやっと楽になれたはずなのに、気付けば女らしい麗子になってて数日もしないうちに再び服毒自殺なんてこともあったんだ… まぁ、客観的には麗子が自殺を図って救急病院に運ばれて人目に晒されたのは、木村さんの前の人が一度だけってことになるけどな…」
 裕美は低い声でジッと前だけを見て語った。

「俺の知ってることは全て話した。 あとは木村さんが俺との約束を果たしてくれると信じてるよ。 あと知りたいことがあったら都度、聞いてくれればいい…」
 後の座席の木村(れいこ)を突然振り返って黒い髪を靡かせた裕美は直ぐに顔を前に向けた。

 木村(れいこ)は裕美の話しに瞬きすら忘れていた。

「………」
 一通り疑問を解いた裕美に対して、木村(れいこ)は釈然としなかった。

「おかしい… 裕美の話し方…」
 木村(れいこ)は話し終えた裕美の顔をルームミラーでチラっと確認しながら考えていた。

「こんなに簡単に真実を話せる物だろうか… 何かがおかしい…」
 木村(れいこ)は脚組みしライトブラウンのストッキングに包まれた自分の膝を見詰ていた。

 チラチラとルームミラーで木村(れいこ)の様子を覗う裕美。

「ねえ、あと解からないこととかあるなら都度、聞いてくれ♪ 俺たちはもう互いに秘密のない立場になったんだがらよ♪」
 ハンドバックから出した化粧道具で化粧直しをする裕美。

「女の性障害者なのに化粧するなんて… 本来なら女のする化粧すら嫌がる物なんじゃないのか…」
 木村(れいこ)は再び車窓から外を眺め始めた。

 裕美の話しに違和感を感じた木村(れいこ)だった。




【二十四話】





 薄暗くなってきた夕方、麗子を乗せた裕美の運転する車は屋敷の傍に来ていた。

「もうすぐ到着しますから、奥様。」
 ヘッドライトを点灯させルームミラーで麗子をチラッと見た裕美は男言葉から女言葉に口調を替えた。

「恐らく今夜、旦那様は奥様を御所望(あじみ)されますから、一汗流したいでしょうがお風呂はその後にして下さい。 旦那様は本物志向ですから…」
 前だけ向いて家政婦言葉に転じる裕美。

 麗子を乗せた車は屋敷のリモコン式のシャッターを潜り車庫の中に停車した。

「奥様が戻られました。」
 敷島に携帯で知らせながら下車する裕美はトランクを開けた。

 屋敷から通路を使って一人の家政婦が来ると、裕美の指示の下、トランクから麗子の荷物が出すと急ぎ足で屋敷へと戻って行った。

「さあ! これからが本番よ! いつも通りでお願いしますよ、奥様!」
 裕美は気合を込めて麗子に視線を合わせた。

「コク…」
 無言で頷いた麗子は屋敷へと足を進めた。

「奥様、お帰りなさいませ。」
 グレーのスーツを纏った登美子が屋敷のリビングで麗子を出迎えた。

 黒いストッキングに蛍光灯の光りが反射した。

「ありがとう♪」
 麗子は小声で登美子に礼を言うとチラッと登美子の下腹部に視線を移した。

「コイツが男だなんて…」
 麗子は自分の前で敷島のペニスをシャブった登美子を思い出していた。

 登美子に先導されて三階の自室に戻った麗子を敷島が出迎えた。

「では私はこれで…」
 ドアを開れ中に入ろうとした麗子に後から頭を下げて立ち去った登美子。

「おかえり、楽しかったかな♪」
 笑みを浮かべて登美子が置いた麗子の荷物を中へ入れる敷島の足取りが軽やかに見えた。

「お仕事… 上手くいったの?」
 後を着いて行く麗子が呟いた。

「おお! あっははは♪ ああ、上手く行ったよ、大成功だった♪ お前も元気になったようで何よりだ♪」
 再び後を振り返った敷島は満面の笑みを見せた。

 リビングに入った敷島はソファーの横に麗子の荷物を置くと麗子を振り返った。
 
「さあ♪ おいで♪」
 振り返った敷島は麗子の脚から頭の上を見流すと両手を広げた。

 敷島の腕の中に抱かれた麗子は目を閉じた。

「あっん、待って…」
 敷島の手が麗子のスカートを捲くり上げかけた時、麗子はジャケットを脱ごうとして小さな声をかけた。

「おっほおー♪ こりゃこりゃウカツだったわい♪」
 麗子から少し離れた敷島は麗子がジャケットを脱ぐのを待った。

「もう我慢出来ん! 麗子!」
 敷島はキャシャな麗子に抱き付くと抱えてソファーに寝かせようとした。

「キャッ、イヤッ… こんな明るい… こんとこで…」
 スカートを捲くり上げようとした敷島に咄嗟に驚きの声を上げた麗子。

「よしよし♪ お前の言うとおりだな♪ だがワシがお前を所望(あじみ)するのに時と場所は選ばん♪ 今はこの明るいところでお前の隅々を見たいんじゃ~♪」
 敷島は仰向けにした麗子のブラウスをボタンを慌てて外すと、麗子からタイトスカートを奪い取りテーブルへ放り投げた。

「アンッ!」
 拳を握った両手で胸を隠し瞼を閉じて唇を震わせる麗子。

「可愛い女(ヤツ)よのう♪ タップリとお前の汚れ(あじ)を楽しませて貰うとするか~♪」
 敷島は嫌らしい声で笑みを浮かべると、胸をガードする麗子の両腕を開かせソファーに押し付けた。

 ソファーのボタンを操作してベッドにする敷島。

 黒いスリップとブラジャーの肩紐を降ろした敷島の右手は麗子の左脚を膝立てさせ、敷島の左手はププと零れそうな麗子の乳房に這わせられた。

 ブラウン色のパンティーストッキングに包まれた麗子の左太ももに敷島の手の平が滑らされた。

 敷島の手に全身をヒセクつかせる麗子。

 巻くりあげられるスリップの裾。

 下から回すように揉み回される右乳房。

 敷島の唇が左乳房に吸い付いた。

 徐々に勃起する乳首。

 コリコリと勃起した乳首を甘噛みする敷島。

 ストッキング越しに尻に滑る敷島の嫌らしい手。

 交互に吸われる乳首と揉み回される乳房。

 乳房に張り付く敷島の唾液と体温。

 敷島の荒い吐息。

 首を左右に振って悶える麗子。

 腹まで押し下げられたスリップと外され放り投げられたブラジャー。

 舐め回される腹部。

 撫でられる尻。

 肌を滑る敷島の舌に喘ぎ声を上げる麗子。

 両脚を膝立てさせられパンティーストッキング越しに割目の匂いを嗅ぎ咽て咳き込む敷島。

「いい匂いだ~ 麗子の、ゴホゴホゴホ… 香り…」
 顔を麗子の両脚の真ん中に埋め鼻で力一杯匂いを嗅ぐ敷島は咳き込んだ。

 赤面して恥じる麗子。

 パンティーの上、パンティーストッキング越しに閉じた割目に感じる敷島の押し付けられた鼻先。

 匂いを強く嗅がれる度に一瞬、その部分が冷やされる。

 両内モモに当てられた敷島の手の平。

 敷島の指先がストッキング越し、麗子の内モモの表面に掠る度に喘ぎ声が出そうになる。

 震える乳房。

 ビク付く麗子。

 揺れる黒髪。

 掴まれるシーツ。

 開いたり閉じたりする足の指。

 匂いを嗅ぎながらクスグルに指先を内モモに滑らせる敷島。

「麗子… はぁはぁはぁ…」
 麗子に尻を浮かせさせパンティーストッキングを両手で剥ぐように脱がせる敷島。

 内側から溢れた愛液がパンティーの表面に滲み出ているのを見てニヤっとする敷島。

「すうぅはあぁー すうぅーはあぁー」
 麗子から剥ぎ取ったパンティーストッキングを丸めて匂いを嗅ぐ敷島はウットリしている。

「いい、匂いだ…」
 片手で丸めたパンティーストッキングの匂いを嗅ぎ、片手の指でパンティーに浮き出る割目を上下に擦る敷島。

 喘ぎ声を喉に詰まらせる麗子。

「フッ♪」
 パンティーの割目の筋に内側から滲み出る愛液に笑みを浮かべる敷島。

「さてさて、麗子が一日中着けていたパンティーがグジュグジュになるまえに味見させて貰うとするか…♪」
 敷島は持っていたパンティーストッキングをフワリと投げ捨てると、麗子のパンティーを勢いよく剥ぎ取り内側に顔を埋めた。

 麗子の使用済みパンティーの内側に顔を埋め咳き込みながら匂いを嗅ぐ敷島の目は、晒された割目を凝視し右手の中指を割目の間に差し込んだ。

「クチュッ…」
 割目に指が入った瞬間、恥かしい音が晒された。

「すうぅーはあぁー! ゲホゲホゲホ! すうぅーはあぁーゲホゲホゲホゲホ! ピチャピチャレロレロレロ…」
 大きく鼻で息を吸い激しい異臭に咳き込みながら汚れた内部に舌を滑らせた敷島。

 敷島は麗子の激しい匂いに両手を震わせた。

 麗子は両手で顔を隠し恥辱に赤面しながらも、割目に差し込まれた敷島の中指の小さな動きにビクンッビクンッと乳房を揺らしていた。

「クチャクチャクチャクチャ… クチュッ… クチュ…」
 麗子の使用済みパンティーを口の中に入れガムのように噛む敷島の指は、麗子の割目を上に下にと何度も往復を繰り返した。
 
「ぅあっ! ぅぅううん! ぁんっ!」
 敷島の指の動きに麗子は首を仰け反らせ尻肉をプリプリ揺らし乳房を激しく揺らした。

「クッチャクッチャクッチャクッチャ… ゴクリ! クッチャクッチャクッチャ… ゴクリ!」
 敷島はパンティーに重ねられた女の汚れ(はじ)を味わっては喉に流し込んだ。

 麗子の耳に纏わり付く耳障りな嫌な音。

「ペッ!!」
 敷島は風味の無くなった麗子のパンティーを噛み終えたガムのように床に吐き捨てると、ニヤリと笑みを零し開かれた麗子の両脚に掴みかかると割目に両親指を押し付けた。

 敷島の右手中指からトロリとシーツに落ちる無色透明な愛液。

「ムニュッ! ハフウゥ! チュパッ! レロレロレロレロレロ!」
 麗子の割目が押し広げられ薄桜色の内肉が敷島の目の前に晒された瞬間、敷島はニヤリと笑みを浮かべ好物を頬張るように口を縦長に開くと舌先を割目の中に押し付け上下に激しく滑らせた。

「あん… うぐぅ! あひぃ! あああああぅ!」 
 麗子は一瞬息を詰まらせ首と身体を大きく仰け反らせ両側に広げた手でシーツを鷲掴みにした。

 桜色に染まる麗子の耳と頬。

 柔らかな全身の肉肌を揺れ動かす麗子。

 割目の中を無作為に所狭しと滑る敷島の嫌らしい舌。

 麗子から一気に溢れる愛液。

 敷島の唇から漏れる唾液と混ざり合った麗子の愛液。

 揺れる内モモ。

 揺れる乳房。

 揺れる尻肉。

 揺れる麗子の押し殺された喘ぎ声。

 激しく揺れる敷島の頬。

 下着を脱ぎさる敷島。

 肉棒化する敷島のペニス。

 上下に大きく揺れる肉棒。

 痛いほどに開かれる麗子の肉ヒダ。

 敷島の荒い吐息に靡く麗子の恥毛。

「はぁはぁはぁはぁはぁ… はぁはぁはぁはぁはぁ…」
 麗子の割目から離れた敷島は仰向けの麗子の前で立ち上がり、麗子の顔に跨ると先っぽから透明な液体を溢れさせた肉棒を麗子の口の中に入れ四つん這いになった。

「うぐううぅぅ! うぐ! うぐ! うぐうぅぅ! グエェ! オゲエェ! 臭っせえええぇぇ!!」
 突然口の中に硬くゴムゴムした生臭い肉棒を差し込まれた麗子は、息を止められ苦しむように首を左右に振った麗子は咽涙を溢れさせた。

「さあぁ! しゃぶれ!」
 首を振る麗子に逆に四つん這いになった敷島は麗子の両太ももを下から抱きかかえた。

「ムッチュウウゥゥ!」
 麗子に肉棒を銜えさせシックスナインの体勢に入った敷島は口を大きく縦長に開くと、再び自らの唾液と麗子の愛液に塗れた割目にムシャブリついた。

「うぐうううう! うぐううううう! はぁはぁ! うぐ! はぁはぁ!」
 口の中で脈打つ敷島の肉棒は麗子を苦しめた。

 フェラチオなどしたことのない木村(れいこ)にとって、男の肉棒は生臭い臭気で激しい嘔吐を生み同時に息継ぎに不慣れな麗子を苦しめた。

「うぐううう!」
 口の中に広がる肉棒(ケダモノ)の生暖かいヌルヌルした液体と臭気そして、嫌悪感のある肉質に涙を流して拒み続ける麗子。

「さあぁ! しゃぶれ! グイッ!」
 敷島は麗子の口の中にある生臭い肉棒を押し付けた。

「ゴホッ! ゲホゲホゲホゲホ! エゲエェェ! バシッ! バシバシバシッ! バシバシバシン!」
 気道を塞がれ大粒の涙を流して咳き込む麗子は苦しさから敷島の尻を両側から激しく叩いた。

 スッと尻を浮かせた敷島はレイコのクリトリスに舌を絡めながらニヤリと笑みを浮かべた。

 麗子の陰毛に頬寄せる敷島。

「さあ! シャブレ!!」
 再び麗子の口の中に軽く押し付けられた敷島の硬い肉棒。

「レロッ! ビクンッ! レロレロレロレ! ビクビクビクウンッ!」
 麗子の舌が敷島の肉棒の亀頭を滑らされると、敷島は全身をビクつかせ硬直させた。

「うっ! そ、そうだ… その調子だぞ麗子… いいぞ… そうだ… それでいい… うっ! ああああ…」
 敷島から放たれた快感に浸る唸り声。

 再び押し付けられたらと考えた麗子は必死だった。

 麗子の柔らかい舌に敷島の男の粘液がトロリトロリと流れ落ち絡みついた。

「うぐううう! あぐう!」
 口の中で無作為に暴れる敷島の肉棒の動きを止めようと麗子は両手で敷島の肉棒の根元を必死に押さえた。

「畜生! 何で俺が男の物なんか!! ちきしょーーう!」
 敷島の肉棒に舌を巻きつかせレロレロしながら根元を両手でしっかり押さえる木村(れいこ)は心の中で叫んでいた。

 麗子は舌を忙しく動かせば喉に押し込められることは無いと必死に敷島(おとこ)の肉棒にムシャブリついた。

 数分後…

 敷島の呻き声はマックスに達し麗子の口の中で上下運動を繰り返した敷島は全身を大きく揺さぶった。

「嫌! 嫌、嫌、嫌だああぁ! やめろおお! 嫌だああぁ! やめろおおぉぉ!」
 木村(れいこ)は敷島の激しい動きの終わりに何が来るのかを確信した。

 麗子は終焉を悟り敷島の肉棒の根元を力任せに両手で握り締めた瞬間、敷島の尻が一瞬、木村(れいこ)の顔から離れた。

「いくううううう!! 出るうぅぅぅぅ!! じゅっ! ピチャピチャピチャ! ドロドロドロドロ… ドゥルドゥルドゥル… ヌルヌルヌル…」
 麗子が必死に両手で握り締めた敷島の肉棒から大量の精液が放たれ麗子の顔に流れた。

「!!!!」
 木村(れいこ)は敷島の肉棒を両手に持ったまま首を右に回し目を閉じて口を閉じ息を止めた。

「うぐぐぐぐ…」
 微動だにしない敷島は木村(れいこ)の顔の上で腰を回して満遍なく精液をかけた。

「はあはぁはぁはぁはぁ… 綺麗だよ麗子… はぁはぁはぁはぁ… ズブリュウゥゥ! ヌプヌプヌプ!」
 麗子から離れた敷島は再び体位を正常位に戻すと、精液に塗れた麗子の顔を見て興奮したのか射精直後とは思えない回復力で肉棒を麗子の割目に押し込んだ。

「うぐううう!! うんっ… ぅぅん! ぅあっ!」
 突然膣に入ってきた敷島の肉棒に麗子は閉じていた両目を開き息を詰まらせた。

「痛い! 目が目が痛ああい! ぷはっ! うげええぇ!」
 麗子が両目を開いた瞬間、目元に溜まっていた敷島の精液が流れ落ち、驚いて開いた口の中に苦い精液が零れ落ちてきた。

「痛い! 痛い痛い痛ああい!! ゲホッグッフ! オゲエエェ!」
 目の激しい痛みと同時に口に入った敷島の精液に木村(れいこ)は苦しみ悶えた。

「可愛い麗子♪ 精液に塗れたお前の顔はこの世で一番美しい…」
 苦しむ麗子を見ながら笑みを浮かべて腰を前後する敷島は、泣き叫びながら苦しみ両手で目を押さえる麗子から力ずくで両手を奪いシーツに押し付けた。

 首を左右に振って泣き苦しむ麗子を敷島は楽しみながら腰を前後に振っていた。

 麗子は激しい苦痛から気を失った。

 



【二十五話】





 麗子が自室のベッドの上で毛布を掛けられ気絶している頃、四階の敷島の部屋では登美子と裕美、そして敷島が何やら話し込んでいた。

「そうか… やはり疑問を持ってしまったか…」
 腕組みしてソファーに腰掛ける敷島は困惑した表情で目を閉じた。

「すみません… 先生… 私がヘマしたばかりに御迷惑をかけてしまって… 色々とマニュアル通りしては見たんですが…」
 ソファーから立ち上がって申し訳なさそうに敷島に頭を下げる裕美。

「いえ先生、彼女だけの責任ではないと思います。 今回のケースは過去に無いケースだけに通常のマナュアルでは対応仕切れない部分があるのは事実ですから…」
 立ち上がって頭を下げる裕美を見上げながら敷島に視線を移した登美子。

「で、今どうしてるんだね彼女は…」
 目を開いて登美子に視線を移した敷島。

「はい、彼女は自室で眠っていると思います。」
 登美子は裕美の手を引いて座るように即しながら敷島に視線を重ねた。

 その頃、自室で毛布に包まり気を取り戻した木村(れいこ)は、敷島が自分を抱いた痕跡が何一つないことに驚きの表情を浮かべフラフラしながら起き上がった。

「気絶してる内に誰かが来て片付けたんだ… 畜生! 俺は物じゃねえぞ!」
 木村(れいこ)は両手に拳を握って唇を震わせると、ゆっくりと取り出した替えの下着をもって風呂場へと移動した。

 艶かしく顔に残る敷島の精液の感覚に、降り注ぐシャワーの湯の中で激しく顔を荒い流す木村(れいこ)は唇を震わせ怒りを流れるお湯にぶつけた。

 女である以上は求められるだけでは無く肉棒を銜えさせられることも予想していた木村(れいこ)だったが、男が男の物を無理矢理シャブルらさせられると言う余りにも理不尽な行為に大きな憤りを感じていた。

 その頃、4階では…

「取敢えず、試験的とは言え九割以上はクライアントさんの要望を満たしたのだし、そろそろ元に戻した方が良さそうだね。」
 登美子と裕美の前、ソファーから立ち上がった敷島は両手を後に組んで立ち上がると窓辺に移動した。

「そうそう、ところであの街に住んでいることになってる親子で出演してくれた木村加奈子さんとは連絡は付いたのかな? 謝礼はきちっと支払ってやりなさい。 また次回頼むこともあるだろうしね。」
 窓辺に立って外の景色を眺めた敷島は登美子と裕美の方へ振り向いた。

「ですが、まさかあんな展開になるとは思ってもいませんでした… 女性レイプ犯の名取に私までもが辱められるなんて……」
 敷島を見詰る裕美の表情が曇った。

「今回の試験は現実と空想とが微妙に絡み合う世界初の試み… 思いも付かない現実を次々に生んで行くミステリー小説のような物だからね、裕美君にも相応の手当ては弾ませて貰うよ…」
 表情を曇らせた立ち尽くす裕美の傍に来た敷島は裕美の両肩に手を掛けた。

「この技術は安易に使ってはいけないと言う教訓のように思えます…」
 一瞬、敷島を見た登美子はレイプと言う現実に遭遇した裕美を労わった。

「確かに長年積み重ねた研究にも多くの課題が今回上積みされたが、新たな試みには常に試練が遅いかかかってくるのも現実だね…」
 敷島は裕美から離れると登美子に視線を合わせながらソファーに腰を下ろし苦悩の表情を浮かべた。

 その時だった!

「敷島ー!! 出てこおーーい!! ブッ殺してやるうううぅぅ!!」
 ケタタマシイ叫び声とともに木村(れいこ)が一階台所から持ち出した刺身包丁を手に敷島たちのいる部屋に入って来た。

「敷島ー!! てめえぇー! 麗子(おんな)を食い物にしやがってええぇぇー!!! 女はオモチャじゃねええぇーんだよおおお!!! テメエ! あの世でお釈迦様に詫び入れろやああぁぁ!!」
 ショートパンツにトレーナー姿で黒髪を振り乱した木村(れいこ)は包丁を真っ直ぐに敷島に向け突進してきた。

 突然入ってきた麗子の形相は般若のようだった。 

「キヤアァァ! 先生危なーい!! グサッ!! ウギヤァァ!!」
 突進した来た木村(れいこ)の前に立ち塞がって敷島を庇った裕美は背中を刺されその場に倒れた。

 裕美は敷島を庇って木村(れいこ)に刺され辺りを真っ赤な血が染めた。

 怒り狂った木村(れいこ)は刺身包丁を振り回し、その刃に登美子は首を、その血は木村(れいこ)の顔に飛び散り血を浴びた般若のような形相を変えた。

 黒髪を逆立てる木村(れいこ)の視線は敷島に向けられた。

 裕美は床にうつ伏せに、そして登美子は首を押さえ床に崩れた。

 壁に追い詰められた敷島は倒れこむように突進した木村(れいこ)に腹を刺された。

 辺りは三人の血で床を染めた。

「止めなきゃ… 止めなきゃ… 麗ちゃんを止めなきゃ…」
 背中から流血する裕美は床を這うように少しずつ、敷島へ近付くと敷島の上着のポケットに血だらけの手を差し込んだ。

「私達が悪いんだ… 神様から罰を与えられたんだ… こんなことして… こんなことして…」
 裕美は息も絶え絶えになりながら敷島のポケットから無線機のような物を取り出すと、カバーを外し赤いボタンを押して気を失った。

 突然、警報機がケタタマシク鳴り響き、部屋の壁や天井や床から赤や黄色や青や緑色の光線が様々な角度から放たれ、その光は床に立つ木村(れいこ)に集中した。

「ギヤアァァァ!!!」
 突然、光を浴びた木村(れいこ)は刺身包丁を捨て血に染まった両手で頭を押え大声で叫びだした。

「麗子さん早く元に戻って… お願い… バタッ!」
 登美子は頭を抑えモガキ苦しむ木村(れいこ)を見て気を失った。

「こんなことに… こんなことになるなんて… グフッ!」
 腹を押えた敷島は痛みに顔色を真っ青に変え気を失った。

「ジリジリジリジリジリジリジリイイイイイイ!!!」
 屋敷全体に鳴り響く警報機は一階に居た数人の家政婦と木村(れいこ)の知らない白衣の男女数人を集めた。

「何てことだあぁ! 何でこんなことにいぃ!!」
 バタバタと駆けつけた大勢の人間達は血に染まった床を見て絶叫した。

「早く! オペ室へ! 早く運べ!!」
 床の真ん中で頭を抱えてノタウチ回り苦しみを絶叫する木村(れいこ)の周りで、刺された敷島と裕美と登美子は白衣に男女と家政婦達に救護され部屋から連れ出された。

「何でこんなことにいいぃ! 実験は成功しつつあったんじゃないのかあぁぁ!」
 一人の白衣に身を包んだ男は苦しむ木村(れいこ)の傍で麗子の声を掻き消すほど絶叫した。

 それから数日後。


 木村(れいこ)は壁も床も天井も真白な窓のない、ベッドだけの部屋に一人呆然としていた。



 小説… 単行本に始まり今では電子媒体で誰もが気軽に楽しめる第二の読み方が一般的になったが、敷島たちは第三の媒体を長年研究し幾度もの課題を克服しようやく成功への道を切り開いた。

 読むだけの小説ではなく、自らが書き上げたストーリーの中に自分を置く、主人公に自らがなってそれらを実体験すると言う画期的な表現方法。


 交通事故で死んだ木村は現実には存在しない。

 存在しない木村には加奈子と言う妻も剛と言う息子も存在しない。

 麗子は存在する。

 敷島は存在するが現実には別の人間である。

 裕美は存在するが現実には別の人間である。

 登美子は存在するが現実には別の人間である。

 麗子の書き上げた小説ストーリは細部に渡り、全て敷島以下の医療研究チームが作った仮想の現実として麗子の脳に催眠術を使ってインプットされた物である。

 麗子は敷島には指一本触れられてはいない。

 板垣は現実の人間である。

 名取は現実の人間である。

 交通事故で死んだ木村と言う設定は麗子の頭の中にインプットされた架空の内容。

 目覚めた時、病院の一室で木村の知らない人間達が不安げに木村を覗いていたのも、事前に麗子の中にインプットされる内容を大勢の人間達がリアルに演技でカバーしあった。

 深い催眠術に掛かったのは麗子だけ。

 麗子は自らが男に生まれたと言うプロットの上で、女に生まれ変わった状況を数百ページに渡り描写し続け、敷島たちに協力する形で第三の小説媒体の発明に取り組んだ。

 自らが書き上げた小説の主人公に自らがなれる夢の媒体。

 ただ、書き上げた物と最終回だけは違っていた。

 敷島、登美子、裕美役の三人はもうこの世には存在しない。

 女の身体を持つ木村(おとこ)に成り切った麗子が現実から葬った結果だった。

 自らの小説の中に自らを置いた麗子と、その麗子を主役に人体実験に踏み切った研究者。

 第三の媒体は今も人知れず誰かが開発しているかも知れない。

 真っ白い部屋に囲まれ過ごす麗子は全ての過去の記憶も人間の知性を失った。

 麗子が何処の誰なのか三人の研究者が死んだ今、知る者はこの世に存在しない。

 そんな麗子に残された名前… 木村麗子。

「木村さん♪ 具合はどうですか~♪ 今日は顔色もいいわねぇ~♪ あとでお散歩に行きましょうねぇ~♪」
 扉の鉄格子から覗く看護師。
 

 精神病棟の看護師が魂の抜け殻に微笑みけたが木村麗子に聞こえているかは不明だった。

 
【完結】

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