2019年6月18日火曜日

ブラジャーⅡ

◆◆◆◆◆1話

俺は卒業を控えた大学4年生、既に就職も内定していたものの、
卒業の直前に突然内定取消を受けた。

 不況が原因で内定者の殆どが取り消され、連日メディアもこの取消に猛攻撃し学生達も
会社の前で大騒ぎに転じていた。

 そんな時、俺はと言えば…
「先輩~ 何とかして下さいよぅ~」 と、自宅に来てくれた先輩に泣き付いていた。

 すると…
「そんな、お前なぁ! 事情は解らんでもないが…」 と困り顔の先輩。

 2年上の先輩は、女性下着では国内最大手に入社している営業系のサラリーマンなんだが
結構、今回の内定者も絞りに絞っての内定らしく、アッチが駄目だから、じゃぁこっちとは
いかんらしく、取敢えず空きがあるかどうか上司に相談して見ると、この場を去った。

 先輩に頼めば安心! とは言うもののこれだけ内定取消が出ている最中に、拾ってくれるような
気前のいい会社もないだろうと諦めかけていた矢先、一本の電話が鳴った。
「おい! 返事が来たぞ! 喜べ! なんとかなるぞ!」 と、電話から顔出しそうな勢いの先輩。

 やったあぁーー!! 俺は先輩に、そして神様、仏様にと両手を握りしめ感謝した!
「先輩! 感謝です! 先輩!」 俺は先輩に心から感謝した。

 すると…
「おい! 勘違いするな! 喜ぶのはまだ早いんだ!」 と、突然のトーンダウンの先輩。

 落ち着いて聞けと先輩に言われた内容は、今回の件は極秘なんだが実は他にも数人の候補者がいて
俺と同じように内定取消を受けた同じ境遇の学生がいると言う。

 他の学生も俺同様に大学時代の別の先輩を頼っての願いだと言うが、何分にも俺の立場が
極めて低いと言う不利な状態だったことが判明した。

 他の数人は一流大学出ばかりなのに対して、俺は二流大と既にこの段階で負けていると言う。
ただ、先輩の話しじゃ、人事の面接担当者と言う人がダンディーと言うか、奇抜な何かを追求する、
そんなタイプの人だと言う。

 他の学生達に学歴で一歩遅れをとっている俺に勝ち目はなくは無いが、奇抜さを求めている人、
それだけでは何をどうすればいいのか正直、俺には解らなかった。

 その日の夜から、先輩と俺の作戦会議が毎夜、焼き鳥屋で始められた……





◆◆◆◆◆2話





 数週間、先輩の持って来た人事担当者の情報を元に自分をアピールするための会議を開き、
先輩の彼女を人事担当者に見立てて、面接の練習を重ねた。

 何故、弊社(就職先)を選んだのかと言う問いに対して、先輩が考えたのは受け狙いでないが
正直に素直に事情を話し好感を持たれようと言うものだった。

 それに対し先輩の彼女の反応は冷ややかで…
「そんなこと言ったら! 好感どころか駄目になっちゃう!」 と、先輩に反撃した。

 そんな面接練習を何度か繰り返している内に、先輩が入手したと言うライバルたちの情報を
先輩の彼女を交えて見聞することになった。

 すると…
「ゴメン! ○○君! アンタに勝ち目無いわ…」 と、ガックリ項垂れた先輩の彼女。

 そして…
「だな… 相手が悪すぎる… 一流大学首席卒業に論文で賞まで貰った奴もいるし…」 と、先輩。

 ライバルたちの紹介者と言うか推薦人と言うかは、殆どが長付けで管理職ばかりで、
俺の推薦人は入社の浅い先輩と言うこともあって、俺達は暗礁に乗り上げた格好になっていた。

 あれ以来、先輩からは何も連絡はなく俺も隠しきれない脱力感で引き篭もりガチになっていた。
薄暗い部屋の中、何気に立ち上げたPCのネットで無意識にキーを打ってしまった就職の一文字。

 就職… 就職戦線… 再就職支援… 就職情報… あらゆる就職に因なんだ項目がズラリと
並んだモニターの前、画面を縦にスクロールさせた時だった。
「内定取消、諦めるのはまだ早い!」 と、言う項目を見つけた。

 これは! そんな込上げる思いを抱いて項目をクリックすると…
「200○年○月○日、俺はこうして就職に漕ぎ着けた!」 と、体験文がビッシリ。

 俺がこの体験記で最も注目した部分は、俺と同じような境遇だったと言う点だった。
更にこの被験者の一言が俺に再認識を即した。
「新卒だと思うなかれ、中途入社になりきれ!」

 中途入社の記述は俺に戸惑いを覚えさせたが、確かに今の俺はピタリと被験者の言葉に嵌って
いたことを実感させるものだった。

 被験者の文書を読むうちに解ったことは、ありきたりの自己アピールは通用しない、
担当者の頭から離れられないようなインパクトのある何かを見つけろと言うものだった。

 被験者は内定取消後に仕方なく、大学の事務局の知り合いを通じて、就職先を紹介されたものの
面接に失敗すること数回目にしてようやく漕ぎ着けたと言う、国内最大手の着物メーカー。

 被験者はメーカーのことは無論のこと商品知識、歴史的な経緯にまで遡って勉強し研究し
ようやく一つの答えに辿りついたと言う。
「単に目立つ程度ならその時点で失格と思え!」

 この被験記事を読み耽ること数時間、ようやくこの体験記の最終章に到達した。

 そこには驚くべき内容が記されていた…
「国内最王手の着物メーカーと言えど、営業展開にも限界があったこのメーカーは、一つの
 転換期を向かえ新しい衣料品へと目を向け始めた。 このメーカーの時期社長と囁かれていた
 当時副社長だった創業者の息子が起爆剤として考案し売り出したが俄に失敗した商品があった。
 だが、副社長は考案し売り出した商品への執着が激しく、当時可愛がっていた人事部長を従え
 社内でも幅を利かせていたと言う事実を掴んだ被験者は面接に間に合うように、その商品を
 買いあさり、そして面接当日に身に着けて出かけたと言う幻のスーツ! 人目を憚らず
 バスに乗り電車に揺られ高層ビルの前に立った彼はこれに賭けたと言う…」

 ビルに入った被験者を驚愕したように見入る男性社員やOLたちの目が被験者に突き刺さったが
被験者は物ともせず、真っ直ぐにエレベータへ乗り込んだ。

 そして待合室の壁際の椅子に腰掛けた時…
「クスクスクス… フッフフフ… 何でこんな奴が…」 被験者を見て笑うライバル達。

 そんな中で一人のライバルが…
「くそっ! やられた!」 と、被験者を見て小声で嘆いたと言う。

 そして被験者の番が回って来て入室した時だった…
「ブラボー♪ パチパチパチ~♪」 と、椅子に座った直前、被験者に駆け寄る面接担当者。

 面接担当者は椅子に座る被験者を見るなり、慌てて近寄り被験者をグルリ一回りし拍手喝采した。
「文句なく合格! 異例だがこの場で合否を伝える! ○○君! 是非入社宜しく♪」 
 と、担当者はポケットから名刺を取り出し被験者に渡したと言う。

 被験者は異例の合否をその場で貰い軽く会釈すると、別室で待つように言われ係員に引率され
人事部へと連れて行かれたと言う。

 被験者が面接に行くために買い漁って着て出かけたのは紛れもなく副社長が考案し売りだした、
幻の男性用スーツスカート&ブラウスにチョッキの3点セットに別売りのリボン。

 しかも被験者がその中に身に着けていたのは、同時販売されたたものの不調に突入した、
男性用パンティーにブラジャー、そしてスリップにパンストにサンダルの5点セット。

 更に、化粧品最大手と提携して販売している男性用化粧品セットが入ったポーチに至るまで
被験者は最大限ドレスアップして、大きな壁であったライバル達を蹴落とした。

 この後、被験者の噂は社長に就任した当時の副社長の耳にも届き、異例の人事によって
入社と同時に、男性用衣料開発室長の肩書きまで与えられたそうだった。

 そして被験者の写真が掲載されていたが、どこからどう見ても女性にしか見えない、
パッと見は才女と言う雰囲気の漂うホッソリとした体型でウットリしそうなほどの美人だった。

 最近、ネット通販最大手が扱っている男性用ブラジャーも被験者のコーディネートによる物と
記されていて商品説明として、写真がこれでもかと言うほど掲載されていた。

 男性用パンティーにガードルや男性用ガーターベルト&ストッキングセットなど代表作が
所狭しと掲載されていた。

 一番最後に掲載されていた男性用ミニスカートに目を奪われた俺だった…
「オフィスライフをもっと華やかにそしてフェミニンな世界へ…」 俺はキャッチコピーに怯えた。

 この体験記が俺にヒントをくれたのは言うまでも無い……





◆◆◆◆◆3話





何かは解らない俺のひらめき… 何か喉まで出掛かっているもどかしさが俺を悩ませた。
モンモンとする日々を過ごし作戦を練るものの考えれば考えるほど、喉まで出かけているものが
俺の側から離れて行く気がした。

 連日報道される内定取消騒動も沈静化の兆しも見えてきていた頃、気分転換にと出かけた
デパートの婦人服売り場は活気に溢れていた。

 入り口近くのベンチに座ると奥さん待ちしているのか数人の男達が何するでも無く、
辺りを見回しながら座っていた。

 すると…
「ねえねえ、貴方… ちょっとサイズ取りするからもう少し待って♪」
 と、隣の旦那に申し訳なさそうに胸の辺りに両手をやった主婦風の女性。

 旦那風の男は奥さん風の女性に、仕方ねぇなぁーと言う顔して見せると、女性は笑みを浮かべて
中へと駆けていった。

 すると別の男が…
「ブラジャーでしょ! うちのもそうなんですよ♪ まったく女って奴は~♪ 何でも寸法が
 合わないと肩こりやら頭痛やらで辛いらしいですからなぁ~♪」 と、苦笑いの男。

 そして…
「あの~ すいません! ブラジャーって既製品じゃ駄目なんですか?」
 と、勇気を出してその男に尋ねた俺。

 すると…
「あぁ~ アンタは若いから知らんだろうが、既製品とオーダーメイドの使い分けしてんだよ
 オーダーメイドはホラ! あの有名な○○ールとかだから結構、寸法には厳しくてな!
 以前なんか家内の寸法取りに1時間近く掛かったこともあるほどなんだよ♪」 と、男。

 俺は恥も外聞もなく○○ールに付いて旦那さん達に質問を繰り返した…
「僕は今、その○○ールの面接を受ける予定なんです! 教えて下さい!」 と、頼んだ俺。

 旦那達は俺の話を聞くや否や、一斉に俺の周りに集結して男のブラジャー談義が始まった。
アンターバスとにトップに1段から5段フックの話しや、肩ヒモやパットに至るまで、
知っている知識を何も知らない俺に、鼻を膨らませた話しとくれた。

 普段の日常生活から得た、生の情報を旦那さんたちを通じて知ることが出来たものの
俺には今一つ、ピンと来るものがなかった。

 俺は旦那さん達のブラジャー談義が終るとベンチを立ち上がって女性下着売り場へ目を向け
一代決心をして中へと足を運んだ。

 一番先に俺の目に入ったのは笑みを浮かべながらも厳しい眼差しで俺の動向をチェックする
女性店員さんだった。

 俺は女性店員さんと目を合わせないようにしてフロアーを隈なく見て回った…
「お客様… 何かお探しですか♪」 と、突然後から越えかけられてドキッとした俺。

 その瞬間だった…
「す、すもません! 僕は怪しい者ではありませんがー! ブ、ブラジャーが欲しくて!
 その、○○ールの面接を受けることになっててー! あのー! そのー! あぁぁぁぁぁ!」
 と、身体を震わせて大声で後の女性に喋っていた。

 すると…
「はい♪ かしこまりました♪ 御事情は解りましたので、こちらへどうぞ♪」
 と、優しい口調で俺に越えかけた後ろの店員さん。

 俺は、店員さんから親切にフロア見学させてもらいながら、ブラジャーのことを1から
教えてもらったあとで、既製品とオーダー用の原型ブラジャーを購入した。

 中では、実際に上半身を裸で店員さんに、数種類のブラジャーを装着させてもらいながら
ブラジャーの正しい装着の仕方まで教えてもらった。
「面接、頑張って下さいね♪ ここにも○○ールの方も良く御見えしますから♪」
 と、満面の笑みで俺は見送られた。

 俺は面接のための勉強アイテムをゲットした!





◆◆◆◆◆4話




アレから暫くの時を経て俺は決断した…
「それでは面接を始めますので! ここでは(待合室)順番通りに座って御待ち下さい!」
 と、厳しい表情をした○○ールの係員の説明。

 長椅子に腰掛けるライバルたちも硬い表情で俯いていた…
事前に渡されていた自己アピールの用紙を何度も確認する者や、どこか一点を見詰める者と
長椅子に腰掛けたライバル達から漂う只ならぬ空気。

 一人、また一人と面接会場に入っては落胆の様子を隠しきれない者や、ガッツポーズで
出て来る者とに別れているのが解った。

 ドンドン入室しては出て来て最後である俺の番が遂にやってきた…
「次の方! どうぞ!」 と、係員が俺を見た。

 立ち上がった俺は無言で室内に入り面接担当者の前のパイプ椅子に近付き一礼すると
賭けたまえと言う係員に従って座った。

 一通りの質疑応答がなされたあと、会議用テーブルの中央に座る中年男性が俺に…
「君の自己アピール用紙が提出されていないが、どう言うことかね…」 と、俺を見た。

 瞬間、俺は椅子から立ち上がって上着を脱いだ…
「君ー! 座りたまえ!」 と会議用テーブルの左端の係員が低い声で俺を威嚇した。

 すると…
「まあ、いいだろう何かあるのかね?」 と、担当者が俺を見た。

 俺が…
「失礼します!」と言ってネクタイを外しワイシャツをも脱いだ。

 瞬間…
「何!?」 と、担当者と両端の係員たちが一斉に立ち上がって俺に注視した。

 すると…
「君! な、何をしてるんだこんなところで!」 と、俺に怒声を浴びせさせた。

 すると…
「待て! 待つんだ!」 と、係員を静まらさせて咄嗟に俺に近付いて来た担当者。

 そして…
「君ー! 説明したまえ!」 と、俺の真横に立って興味深深の担当者。

 俺は聞いてくれると言う担当者に…
「男である僕はここで働かせて頂く以外にない身体になってしまいました!
 他の男性社員には解らないことも、僕には理解出来るのです! ここはブラジャーでは世界一と
 聞いています! しかしながら女性が多く男性は口を挟むべき余地の無い業界だとも知りました
 僕は、自分を変えることで男性の立場から女性として、仕事に口を挟めるのです!
 女性の悩みを男性の僕が理解するのは困難でしたが、生まれ変わった僕なら理解出来るのです!」

 と、担当者の前で背筋を伸ばし直立不動で話す俺。

 すると…
「では、君は我が社の面接を受けるために! 我が社に入社したい一心でこんなことを…」
 と、顔を青ざめさせ肩をプルプルさせて俺を見上げる担当者。

 すると…
「部長! こんなマヤカシに乗ってはいけません! こんなインチキに!」 と、係員。

 すると…
「君は黙っておれ! 喋るでない!」 と、係員に激怒した担当者。

 そして俺は担当者の目を見て、床に置いてあるバックの中から診断書と同意書を出して
担当者に恐る恐る手渡すと、担当者が何枚もの書類に目を通した。

「天晴れ(あっぱれ)だ! 見事だ! よくここまで決心してくれた! 天晴れだよ○○君!」
 俺の両肩に正面から両手を置くと見上げるように俺の目を見た。

 そして…
「○○君… そこまで君は我が社に…」 と、両手を乗せたままシンミリする担当者。

 更に…
「○○君の採用はこの場で決定させてもらう! 私は君のような男を待っていたのだよ♪
 ところで、君は何カップかね? 随分大きいが…」 と、少し頬を紅く染めた担当者。

 俺が担当者にCカップですと耳打ちすると、担当者の口元が緩んだように俺には見えた…
そう、俺は面接のために豊胸手術をしてCカップの胸を手にいれたのだ。

 すると…
「しかも、見たまえ♪ 諸君♪ このブラジャーは我が社の新製品じゃないか♪ ピッタリとまぁ、
 ○○君のために作ったようなブラじゃないかぁ~♪ 何処でこれを?」 と、歓喜する担当者。

 俺が…
「ハイ! ○○デパートの婦人用品売り場でオーダーメイドしたものです!」 と、話した。

 そう、俺は豊胸手術の後、デパートの店員さんを尋ね俺に合ったブラジャーを作ってもらった。
それが縁で俺は彼女と恋人関係に発展し、結婚の約束も交わしていた。

 そして、俺は見事入社し男として初めて商品開発部に配属された。
俺以外は全員が女性で組織されている部署は、俺を男とは思わず周囲はとても優しかった。

完了

ブラジャー【Ⅰ】

2013年 07月11日 05:33 (木)


【一話】



 正式名称、女性化乳房。
小学校高学年頃より発症し中学2年生くらいから周りの女子と変らないほどに成長し、
高校2年生辺りには、立派な乳房となって周囲を驚かせた。

 この時、既に女性担任の勧めで男ながらにしてブラジャーを装着したが、幸い田舎と言うことと
周囲が全員、幼馴染だったことで虐め偏見に遭うこともなく、すくすくと俺共々乳房は育った。

 高校を卒業して大学に入ると、俺の状況を知る者は殆ど居らず只管乳房のこを隠す日々が続き、
サークルなんかの活動には入らず目立たない存在となっていた。

 こんな状態だから当然のことだが彼女なんて居るはずもなく、毎日楽しかった高校時代を
振り返りながら過ごす日々を送っていた。

 そんな俺にも…
「よっ! いつもここに居るんだなー♪」 ベンチに座りボーっとしていた俺に声を掛けて来た男。

 俺は大学の入り口の横のへこんだ所にあるベンチが好きで、よくここで何するでもなく辺りを眺め
時間を過ごすようになっていた。

 ここは入り口からも少し遠い上に、あまり人目に付かず、俺にとっては憩いのスペースだったが、
遂に人目にとまってしまったようだった。

 声を掛けて来た男の方を見ると…
「あれ? ○○じゃないかー!」 余りに出来すぎた偶然に驚いた俺。

 男は俺の高校時代のクラスに居た奴で、俺とは別の大学に行くと聞いていたから驚いた。
何でも病弱な祖母がいて、長くないらしく遠くの大学にするはずだったのを、俺と同じに電車で
行き来できるここへ替えたらしかった。

 勿論、彼は俺のことを良く知っているし幼馴染の一人でもあるから気軽に話せる人間の一人なんだが
ただ、高校時代から俺に対して妙な目つきで見ていることもあって、高校時代は余り近付きたくない、
そんな存在の一人でもあった。

 夏の日なんか半袖のワイシャツに透ける、俺のブラシゃーを一つ離れた席から鋭い視線で、
見詰める彼を何度も見たことがあって、俺の中では彼は危険人物に指定されていた。

 もちろん、彼が同性愛者だとかと言う証拠は何もないが、君子危うきに近寄らずと言った俺の
心情から出きるだけ近付きたくない人物になっていた。

 1メートル68センチと少し小柄な俺に対して、1メートル80センチの彼はとても大きく、
二人並べば俺は常に見上げる位置にいるし、空手部に所属していた彼はマッチョな存在だった。

 ただ、余にも俺の胸を見詰める彼の存在を同級生ながら恐いと言う気もしていたのは事実だし、
俺は大学では絶対に上着は取らなかったと言うのも、中にブラジャーをしているから当然と言えば、
当然で高校と違って大学ともなれば、いろんな人間が集まっているから警戒心があって当たり前だ。

 俺が唯一、上着を取れるのが一度して見たかった、念願の一人暮らしのアパートの一室。
差ほど実家から遠くなかったが何とか両親を説得しての一人暮らしだった。

 大学のベンチで彼に声を掛けられて以来、数日が経過し一度も彼と会うこともなく、
内心ホッとしていた土曜日の午後の俺の部屋のチャイムが鳴った。

 慌てて、Tシャツの上から厚めの上着を着て玄関ドアを開けると…
「お! いたいた~♪」 と、嬉しそうに満面の笑顔で立っていた彼だった。

 彼の手には何やら食料品と酒類が入った袋が二つあって、俺が妙な顔していると…
「お前の実家に電話してさぁ~♪ おばさん元気だったよ~♪」 と、目を大きく歓喜した彼。

 彼は俺の実家に電話して俺の住所を聞きだして、ここに来たようだった…
「どうしてここへ?」 と、俺が呆気に取られていると。

「お! ここかあー♪ お前の部屋はー♪」 と、勝手に俺をすり抜けて中に入った彼。

「ちょ! ちょっと待てよ!」 と、彼を追い駆けドアを閉めて中に入った俺。

 彼は俺の部屋の隅々まで物色するような目付きで見渡すと…
「お! これがお前のブラジャーかー♪」 と、干してあるブラジャーを見て微笑した彼。

 俺は慌ててブラジャーを手に取ると半干しのまま、ブラを押入れに投げ込んだ…
「いいよ、いいよ知ってるからよー♪ あっははは♪」 と、悪びれずに笑いながら座った彼。

 すると…
「上着、脱いでもいいぜ♪ しらん仲じゃないし…」 と、俺の顔を見た彼。

 俺は…
「帰ってくれないか! 少し非常識じゃないか!」 と、笑う彼を威嚇した。

 すると…
「おいおい~♪ 幼馴染だろう~♪ ツンツンすんなってー♪」 と、俺に顔を近づけた彼。

 どうやら、少し酒が入っているようで暴れられて困るなぁ~ そんな顔してたのか…
「おぉー! 観念したかー♪ あっはははは♪ お前、直ぐに顔に出るからな♪」 と、彼。

 床に座ってアグラをすると、袋からゴソゴソと缶ビールを出してフタを開けて俺に渡し、
自分も別のを開けてグイッと一口飲んだ彼。
「なぁー 帰ってくんねえか! 突然来られても…」 と、上着を脱いだ俺。

「おぉー! 相変わらずいい胸してんなぁ~♪ あっははは♪」 と、俺の胸に見入る彼。

「しまった!! ブラ着けてなかった!」 慌てて上着を着ようとした俺。

「こんなん着てたら暑苦しいだろ!」 と、俺から上着を取り上げて部屋の隅に放り投げた彼。

 一瞬 驚いて上着を奪い返そうとした時だった…
「プルルルルル~ン…」 俺の胸が上下左右に揺れた。

 彼は俺の胸がプルプルと揺れるのを見逃さなかった…
「ゴクッ!」 偶然か突然、喉を鳴らした彼だった。

 俺は彼の喉が鳴るのを聞くと反射的に、後退りをしてしまった…
「おいおい、勘弁してくれねえか… 俺はホモなんかじゃねえし…」 と、俺の胸を鋭く見た彼。

 酒が弱い俺は、彼に勧められながらもセーブして飲んでたものの、一口ごとに頬を紅く染め
気付けば頭がフラフラするほど酔っていた。

 彼もまた、俺に勧めながら一人でグイクイ飲んで時間も夕方の5時になろうとした頃、
俺の目の前で酔い潰れて眠ってしまった。

 俺は幸いとばかりに、トイレに駆け込み便器に飲んだ酒殆どを吐き出したものの意識が飛んだ…
どれほど時間が経ったろうか、気がついトイレから出ると寝ていたはずの彼の姿は無く、テーブルに
一枚の目もが置いてあった。
「突然来てすまんかった、また来るけど高校時代の話しをもっとしようぜ。」 と言う内容だった。

 俺は何だか、彼に申し訳ない気持ちになっていた……




◆◆◆◆◆2話



あいつはあれ以来、ちょくちょく何だかんだ言っては俺を尋ねるようになり、気付けば
土曜日の午後から来て日曜の夕方まで居ることもシバシバだった。

 その頃になると俺も、まぁ~ 幼馴染からの同級生と言うこともあって、気を許し
一緒に飯を作ったり部屋から二人で直接学校へ行ったりもしてたし、寝るに関しては流石に
同じ布団ではないが、アイツ持参の寝袋が役立ってもいた。

 高校時代にアイツが俺に見せていた胸を見詰めていると言う仕草も、大変なんだろうなぁ~って
いつも思ってたらしく、俺を案じている表れだったことも解ったし退屈しないで済んでいる。

 ただ酔うと、まぁ~ みんなそうだろうけど男だからか冗談交じりに後から抱きつかれたり
両手で俺の胸にタッチしたり、そうそう此間なんかドキッとしたことがあった。

 夜中に突然、俺の胸の谷間に顔を埋めて来ことがあったが、あれも飲みすぎたアイツが
寝ぼけて単に転がって来ただけだったが、アレには正直驚かされた。

 アイツは大柄で筋肉系だが、俺はと言うとどちらかと言えば色白で小柄だから、アイツに
圧し掛かられるとピクリとも動けなくなってしまう。

 そんなこんなで結構楽しい学生生活を送ってはいるんだが…
「なぁ~ お前の胸って女みたいに感じるのか?」 と、いつものように酒を飲みながらのアイツ。

「あぁ、前にも話したけど女と同じだけ感じるし乳首も同じ大きさだしな…」 と、俺。

「でも、何れは手術でとっちまうんだろ?」 アグラ座りで缶ビールを一口飲むアイツ。

「あぁ、とりあえず卒業までにはと考えてるよ…」 体育座りして背中を丸める俺。

「そか… 勿体無い気もするな! 何だか…」 と、俺の胸をチラッと見るアイツ。

「確かにな… 一緒生きて来た身体の一部だし一利あるんだが…」 身体を前後に揺する俺。

「なぁ、オナニーの時とか揉んだりすんのか? 女みたいによ~」 と、俺の目を見るアイツ。

「冗談だろ! 変なもんで揉んだりすると竿が縮んでしまうんだよ」 と、身体を前後すね俺。

「痛いのか?」 と、少し首を傾げて聞くアイツ。

「いや、痛いんじゃなくて… そうだなぁ~ 心地いいって言うか… 身体の力が抜ける…
 そうだなぁ~ 眠る直前みたいに心地いいんだよ…」 と、両手で身体を支えて後に倒れる俺。

「心地いいか… そりゃ萎えるかも知れんなぁ…」 興味深げに相槌(あいづち)するアイツ。

「乳首はどうなんだよ…」 と、ビールを飲干してゲップするアイツ。

「同じだよ… 身体全体がペニスになったようにトロケそうなほど感じるが、竿は萎えた挙句に
 ビショビショになっちまうんだよパンツが… 我慢汁がドバッと出ちまうんだよ」 と、俺。

「我慢汁と言うよりは女で言えばラブジュースだな…」 語りながら何度か頷くアイツ。

「かも知れんな… 何でこんな身体になったんだか…」 と、アグラになって前屈みの俺。

「だから普段でもブラつけてないと乳首が擦れて力が抜けて立っていられないほどだ」 と、俺。

「それに… いや、何でもない…」 一瞬慌てて口を噤んだ俺。

「なんだよー おい! 言い出して引っ込めるなよ、気分悪いな!」 と、缶ビールを開けたアイツ。

「……」 目を閉じて沈黙する俺。

「おい! 話せ! 聞いてやるから…」 アグラで両足を両手で上げ下げするアイツ。

「何だか、徐々に竿が… 竿が縮んでる気がするんだよ…」 小声で俯く俺。

「そ、そんな馬鹿な! 気の所為じゃないのか??」 と、急に目を見開くアイツ。

「いや、実際高校3年の辺りから胸は大きくなったし、竿は逆に小さくなって…」 小声の俺。

「出してみろ! 修学旅行の時に見たことあるし、お前大きかったのは覚えているから、
 ちょっと出して見ろ!」 真剣な顔に変わったアイツ。

「……」 無言で目を閉じた俺。

「病気だったら早めに病院いかんとなんねーだろ!」 と、俺の右肩を軽く突いたアイツ。

 俺は、病気の一言に気弱になり、立ち上がってスウェットとパンツを降ろして見せた…
「何っ!! おい! いつからこんなに…」 と、驚いて後退りしたアイツ。

 俺の竿は普段で3センチほどにまで縮んだ上に…
「おい! 玉まで小さくなってんだろがー!!」 と、恐る恐る覗き込むアイツ。

「病院へ行け! こりゃ絶対おかしいから! 病院だ!」 と、突然慌てるアイツ。

「あぁ… 多分女性ホルモンが多いのか或いはバランス崩れてるのか… PCで検索したら、
 両性って言う病気ってのがあるらしいことが解ったんだが…」 と、パンツとズボンを上げる俺。

「どっちにしても早く行かんと間に合わなくなるぞ!」 と、顔色をかえるアイツ。

「睾丸の萎縮ってやつで男が女性ホルモン剤の投与を受けるとなるらしいが… 俺はそんなこと
 してねえし… 最近、身体までなんか丸み帯びてる気もしてるし…」 アグラで座る俺。

「いや、確かに卒業以来、初めて会った時、アレッと思ってたのは事実なんだよなぁ~
 なんか、全体的に丸くなったと言うか実際、今のお前の身体も男と言うよりは女に近いし…」
 と、立ち上がって俺の身体を見回したアイツ。

「もしかしたら俺… 両性かも知れない… そんな気がするんだ…」 と、ツマミを口にする俺。

「両性って何だ?」 と、真顔で俺に聞くアイツ。

「……」 無言の俺。

「おい! 話せよ!」 と、アイツ。

「両性ってのは男女二つの性を持って生まれて来て、後々生まれた時とは別の性になっちまう…」
 と、後の壁に凭れ掛る俺。

「何か聞いたことあるな、それ…」 と、眉毛を動かすアイツ。

「兎に角! 病院が先だ! 俺も協力して専門の病院ネットで探すから!」 と、心配するアイツ。

 俺はアイツに秘密を話してしまった…

 それから数ヶ月が経過したもののどうしても病院へ行く勇気がなく俺はモンモンとした日々を
送っていて、顔を合わせれば病院、病院と話すアイツが疎ましくも思えるようになってしまった。

 そんなある日の土曜日の夜、いつものようにアイツが来ていたが、俺は風呂へ入った…
「あわあぁぁーーーー!!」 身体を洗おうと屈んだ瞬間叫んでしまつた俺。

「何だ! どうした!」 と、風呂のドアを開けて入って来たアイツ。

 俺はドアを目の前にして壁に背中を付けて尻餅ついていた…
「なにっ? だから病院へ行けっていったろー!!」 激怒したアイツ。

 俺の竿は完全に縮みまるでクリトリスのようになり、玉は跡形もなくなった上に下腹部は
割れたように、上から肛門の辺りに一直線に窪み始めていた。

 そして、腐った肉の塊のような物が俺の股間の床に落ちていた…

 翌日、アイツは俺のために恥ずかしいのを我慢して、女物のパンツを買ってきてくれた…
「そんな割れてたらトランクスも食い込んで痛いだろ… 全くお前ときたら!!」
 と、愕然とした顔で布団に包まって震える俺に吐き出したアイツの言葉。

 頭と下腹部以外の体毛は全て抜け落ち、身体は完全に女へと変化してしまっていた…
動く度に揺れる身体の肉は水を入れた風船のようになってしまった。

「手遅れだね… もっと早く来ていれば打つ手はあったが…」 と、診察室でガックリする医師。

 俺は医師から元に戻らないと宣告を受けてしまった……





◆◆◆◆◆3話



 俺の戸籍は両親が頼んだ弁護士に依って男から女に変更された…
そして大学を卒業と同時に俺は、俺のことを誰よりも熟知しているアイツに説得されアイツと、
結婚することに決まった。

 もちろん肉体関係は未だないが何れはこの身体を…
発覚して以来、病気も進行して入院中もドンドン女化が進み、生まれて始めての生理に苛まれた。

 あるはずの無い女の証は俺の精神をも蝕んでいった…
アイツは何処までも優しく、常に俺の側にいて陰日向なく俺を助けてくれた。

 俺は今、住み慣れた部屋を出て新しい場所に住んでいて、週末はアイツが来て泊まる生活を
学生時代のように繰り返し重ねている。

 アイツが来る度に俺は、自分の身体の変化を思い知らされる。
ただでさえ、アイツに比べ小さかった俺の身体は、女になってからはドンドン小さくなり、
部屋の大きな鏡に映った俺に昔の面影は何処にも無かった。

 着る物も下着も何から何までが一度に変ったあの日から数年経つのに未だ慣れていない…
全てが女の真似ごとの毎日のような気がする。

 大学卒業と同時に入社した会社でOLとして仕事に打ち込んではいるが、毎日のように聞かされる
周囲の女たちの同僚や上司への聞くに堪えない悪口、陰口が俺の男としての脳を破壊し続ける。

 誰がどうした、アイツはどうだと言う女特有の悪口に嫌々ながら相槌打つ日々の空しさや
男達に見えないところでの、女達の醜態が俺を疲れさせた。

 脳と心は男でありながら身体は女と言う俺にとって、これ以上の苦痛は無いだろう…
冗談交じりに、スカート姿の俺の尻を撫でる馬鹿な男達も目に付いて、イラつくこともシバシバ。

 ストッキングが伝線してることに気付かず乗ったエレベータでの、嫌らしい男達の視線に
毎日繰り返される女達の男への悪口雑言に精神は衰弱する一方だ。

 週末、アイツが部屋に来る度に女として何もしてやれない自分に苛立ちを覚えるものの、
アイツに女としての扱いを受けることに激しい拒絶感と怒りを覚える。

 誰でもやる男同士のスキンシップ…
後に回って腰に手を回される行動にしても、今の俺は受け入れられないもどかしさ。

 アイツに見られるのが嫌で仕方ないから、週末は急ぎ足で帰宅してサッサと入浴して着替えるが、
時折、部屋の前で待っていることもあるアイツが疎ましいと思うことも。

 俺も男(オンナ)だからアイツの男としての性(サガ)も解りすぎるほど解るものの、
女として受け入れることの出来ない自分が許せないことも。

 今夜こそ、今夜こそはアイツにこの身体をと思う反面、何で俺がアイツにと言う思いが、
俺の中で休む間もなく戦い続ける。

 いっそのこと無理矢理されれば… そんなことも思うようになってしまった俺。
アイツと一緒に摂る食事の時に、うっかり会社同様に出てしまう女言葉にオンナの仕草が、
恥ずかしくて頬を紅く染める。

 酒に酔って、アイツの前で大粒涙をポロポロ零して泣いたあとの気恥ずかしさが俺を苦しめる。

 シングルベットが二つ並ぶ俺の部屋の寝室、ベットの間にホームセンターで買った間仕切りが、
俺とアイツを隔て俺を安心と不安へと導いている。

 物音で目を覚ました深夜、月明かりに透けて見えたあいつのベット…
「トイレかな…」 と、思う俺。

 アイツの戻りが遅く気になって静かに寝室を出ると、リビングの方から震えるような物音…
闇に紛れてそっと、リビングに行くと月明かりに照らされたアイツがソファーに一人。

 荒い吐息で何かを手に持っている…
「ハッ!」 とした俺。

 俺のパンティーを手に持って、両脚を開いて自分を慰めるアイツの姿…
何故だろう、俺の目から突然ポロポロと大きな涙が溢れてきた。

 俺の頭の中は真っ白になり、気付けば俺はアイツの硬い物を口に銜えていた…
この日、俺は生まれて初めて男の体液を飲んだ上にアイツに操を許してしまった。
「恥ずかしい…」 ベットの上で眠るアイツの寝顔を見ながら思う俺。

 下腹部に何かが入っているような、鈍い痛みで眠れず朝を迎えた…
アイツは目を覚ますと、何度も俺を身体を求め俺の中に入ってくるのを繰り返した。

 アレ以来、アイツは部屋に来る度に俺にオンナを求め、何度も俺の中でイツた…
休みの日は、昼となく夜となく俺に入って来た。

 それから数ヶ月が経過し仕事から戻って着替えも無いままに…
「おい! ここえ来い!」 と、言ってソファーの前に立ちズボンのチャックを降ろしたアイツ。

 俺には何をしろと言うのか直ぐに解った… 無言で俯いてアイツの前に跪くと…
アイツはそのままソファーに座り両脚を大きく開いた。

 俺の目の前に汚れたアイツの半立ちの物が…
突然頭に手を掛けられ引き寄せられた俺の口の中に、生臭く塩辛い竿が入って来た。
「臭い! ウグゥッ! ゲホッゲホッ!」 無意識に出た俺の一言。

 すると…
「シャブレ!」 と、俺の顔を見て歓喜しながら放ったアイツの一言。

 アイツは俺に汚れた物をしゃぶらせ目を閉じてニコニコしていた…
この日から、女である俺に対するアイツの要求がエスカレートして行った。

 仕事から戻ったある日、合鍵を使って俺の部屋で既に酒の入ったアイツは、俺の着替えも待たず、
スーツのまま、俺を寝室に無理矢理連れて行くと、そのまま俺を犯した。
「ちょっと! やだー! 汚れてるからヤーダー!」 俺は激しく抵抗した。

 アイツは嫌がる俺を見てニヤニヤと嫌らしい目で見て抵抗する俺をベルトで後手に縛った後、
シャワーも浴びていない俺の胸元に、そしてスカートの中にと顔を埋めた。

 俺は服を着たままでアイツに…
婚約者とは言え、余にも理不尽で俺の心を無視した態度に無性に腹が立って涙が止まらなかった。
「おい! いつまで泣いてんだ! 腹減ったから何か作れ!」 と、泣き顔の俺に言うアイツ。

 俺は、無言で寝室を出るとシャワーへと移動した…
アソコから出た、アイツの体液が太ももを伝って床に流れ落ちる。
「あんなに優しかったのに…」 と、涙が止まらない俺。

【俺は身も心も女になっていたのかも知れない…】

「おい! 今度から仕事から戻ったら、これを着ろ!」 と、紙袋を俺に手渡したアイツ。

 中を見れば…
俺はリビングで蛍光灯の下、ソファーに座るアイツの目の前で無理矢理裸で立たされた。
「着てみろ!」 と裸の俺に命令したアイツ。

 俺はこの頃、何かある度にアイツにぶたれていたこともあって、逆らえずに言いなりに…
「ほほー! 中々いいじゃないか!」 と、黒いレースのスリーインワンから伸びるガーターベルト
 そして、レースのガーターストッキングに揃いのレースのパンティーをニヤニヤして見るアイツ。
 
 後を向いて見ろ! 前を向け! 横を向け! 体育座りして見ろ! 四つん這いになれ!
散々、俺にポーズを取らせた挙句、俺はリビングの蛍光灯の下でアイツに…

 俺は、この日から帰宅すると、アイツが用意した物に着替える生活に変った。
アイツに逆らうと、躾(シツケ)と称しての暴力が待っていた。

【それから数年後】

 俺はアイツと結婚して子共を生み、主婦生活をするものの会社も勝手に辞めてフラフラする
アイツとパートに出ながら子育てする俺の辛くて悲しい日々が過ぎて行った。
「ゴオウラァ! ボケッ! 女のくせに亭主に逆らうんかあー! さっさとシャブらんかい!」
 と、パートと家事でクタクタの俺の前に仰向けに寝てフェラチオを要求するアイツ。

 俺はもう限界だった…
「こんな奴と… こんな奴と… こんな奴なんかと…」 心の中で常に叫んでいた俺。

 子共が小学生になった頃だった、突然アイツが脳梗塞で倒れ半身不随に…
「これで少しは楽になれる…」 本心からそう思った俺だった。

 言葉も片言で一人では着替えも出来ず、用を足すことも出来なくなったアイツは、それでも
俺に片言で命令してはグスッていた。

 鏡に映った俺は貧乏神に獲り付かれたような顔をしていた……




◆◆◆◆◆4話



女のくせに…
アイツが常に俺に対して言い続けてきた口癖。

 何かある度に直ぐに俺を罵倒する言葉、女のくせに…
もうアイツの口からは二度と聞くこともない言葉の一つ。

 俺を抱く時も、飯を食ってる時も、眠っている時でさえ寝言で発する言葉、女のくせに…
アイツの性欲は異常そのものだった。

 縄にロウソクにムチにと俺を動けないようしてのセックスは、俺にとっては痛いだけでセックス。
身体は年中、傷が絶えず夏になっても半袖にもなれない日々。

 縛られて動けない俺を風呂場に連れ込み、浣腸されて恥ずかしい思いをさせたアイツ…
トイレに連れていってもらえず、あいつの目の前で下着を着けたまま放尿したこともあった。

 異常性欲者だったアイツも、とうとう病院で息を引き取った…
内心、ホッとして神様に手を合わせた。

 これでようやく、楽になれる…
そんな矢先、子共が学校へ行っていた午前10時、突然一人の男がやってきて、数枚の写真を
ドア越しに俺の前に突き出した。

 俺は見知らぬ男の言いなりになるしか無かった…
「この写真、子共の学校へばら撒いてもいいんだぜ!」 男は家の中に上がりこんで来た。

 何処までも付いてない俺だった…
男は困惑する俺を寝室のベットに押し倒すと、俺の身体を自由にした。

 アイツが生前、俺を撮った写真をこの男に自慢げに見せていたと言う…
両手を縛られ両脚を大きく開かせられた写真に、恥ずかしい下着を着けられ身体中を縄で縛られた
写真に四つん這いで後から撮られた写真の数々だった。

 男はまるで味わうように俺の身体を隅々まで嘗め回し辱めた…
「臭せぇー♪ 臭せぇー♪ ひゃっひゃひゃひゃー♪」 陰部を開いて嘗め回す男。

 それ以来、男は毎週必ず一度は来て俺を犯し続けた…
男はアイツとは違い異常性欲者ではなかったものの、俺が入浴していいのは週一回にされた。

 男は俺の汚れきった身体の匂いと味に執着していた…
「おい! 約束は守っただろうなー♪ おっほ♪ 臭せぇー 臭せぇー♪ たまらんなー♪」
 と、6日間も風呂に入らない俺の陰部に顔を近づけては鼻音を立てて匂いを嗅ぐ男。

 そんな男だったが…
「ホラ、生活費だ! 生前、旦那には世話になったしな!」 と、封筒を渡した男。

 俺を抱いて男が帰ったあとで封筒を開けると、数十万円が入っていた。
その後、男は月に一度生活費だと言っては封筒を渡してくれるようになっていた。

 貧しく苦しい生活から一変して俺ら親子の生活は人並み以上になっていった…
「おい、新しい部屋へ引越ししろ!」 と言ってメモを渡した男。

 家賃も2年分前金で払っていると言う4LDKの高層マンションの一室…
迎えの車に乗り込むと、後から着いて来る引越しトラックをチラチラ振り向きながら移動した俺。

 夢のような暮らしに俺ら親子は浸るはずだった…
4LDKの室内で鍵の掛かった部屋が一つあって、そこは男の部屋らしく何の部屋かは解らなかった。

 俺は生まれて初めて天井に吊るされた…
全身を太い荒縄で何箇所も縛られ、大きく両脚を開かされて床から1メートル位の高さに吊るされた。

 ギシ、ギシと撓る荒縄は容赦なく俺の身体に食い込んで俺は顔を歪めた…
「いい顔だ♪ 縄が食い込んで痛いだろう♪」 男は俺の苦痛な顔を見て自身を大きくさせた。

 男は吊るした俺の中に入って来た…

 いろんな道具を俺の中に出し入れしては、吊るされてヨガリ声を上げる俺をニコニコして
いろんな角度から見入っては、荒縄が食い込んだ太ももを物差しで叩いた。
「痛い! 痛い!」 耐え切れずに叫んだ俺の声は部屋に響いた。

 物差しで叩く度に荒縄が太ももに食い込んだ…
「痛いか? うっひゃひゃひゃ♪ そっかぁー♪ 痛いかー♪」 涙を零す俺を見て歓喜する男。

 男はアイツ同様に異常性欲者だった。

 乳首を歯で噛んで、痛い痛いと叫ぶ俺の顔をチラチラ見ては歓喜し、物差しで叩いては歓喜を
何度も繰り返した、週一回の地獄の俺の苦しみが裕福な生活の代賞だったとさとった。

 暫くしたある日のこと、俺はいつものように男に呼ばれ部屋へと入ると、いつものように
カーテンで四方を仕切られた場所で、男が事前に用意した下着やストッキングを身に着けていた。
「さぁ、おいで…」 男が俺を呼んだ。

 黒で統一されたガーターベルトにストッキングにパンティー、ブラジャーは俺を怖がらせた。
俺を呼ぶ声にカーテンから出ると、壁は大きな黒いカーテンで覆われていて、真ん中にベット、
そしてベットに腰掛ける男の姿が目に飛び込んで来た。
「今日は吊るされない…」 内心、ホッとした俺。

 ベットに腰掛けて俺に手招きする男の側へ行くと、俺は腰を抱かれてベットに静かに座らされた。
両手を後手に縄で縛られるて、そっと仰向けに寝かされた。

 すると、男はパンッ! パンッ! と、二度手を叩いた瞬間…
壁に掛けられていた大きなカーテンの裏側から、裸の男達が何十人も突然裸で出てきた。
「さぁー! タップリと味見してやってくれ!」 男が出て来た裸の男たちに声をかけた。

 驚いて左右にクビを回した俺はアッと言う間に大勢の男達に囲まれてしまった…
驚いて悲鳴を上げたものの、大勢の男達は俺に構わず身体にムシャぶり着いて来た!

 一人、また一人と俺の中に入っては次々に腰を振り、前から後からと絶えることなく、
交代する度に俺の陰部にはローションが塗られ、そして次々に入っては腰を振られた。

 抵抗する俺に容赦なく男達は無言で俺を抱き、そして俺の顔の側には男が立って犯される俺を
ニヤニヤしながら満面の笑み浮かべて見入っていた。

 俺は抵抗も空しく男達に犯され続けた…

 終った男はベットの周りに体育座りして無言で犯され続ける俺を見てジッとしていた…
最後の一人が終った頃、男がベットの周りで体育座りしている男達に何やら声をかけた。

 すると、一斉に男達が立ち上がりベットで仰向けになっている俺に近付くと、一人また一人と
俺に硬くなった物を向けマスターベーションを始めた。

 俺の身体に飛んでくる生暖かい白い液体…
上下を押さえ付けられて身動き出来ない俺に一斉に飛んでくる男達の精液は身体中に付着しては、
トロリ、トロリとベットに流れ落ちていった。

 目もあけられないほどの男の精液が俺の身体を埋め尽くした…
余りのショックに俺はそのまま気を失ってしまった。

 どれほど時間が経過したんだろうか、目を開けると俺は別のベットに寝かされそして、
両脚を大きく広げられ何かの器具を中に入れられていた。

 男が何かをしていて、何かのモーター音と何かを吸い込むような音が聞こえていた…
「おい、動くな! 今、膣内の洗浄をしているからな!」 と、俺に小声で話した男。

 周囲には男以外に、気配もなく部屋は静まりかえっていた。
「よし! これで妊娠の心配はないな!」 と、立ち上がった男は白衣姿だった。

 男は医療用器具が沢山積んである台車を押すとカーテンの向うへと消えていった。
「アイツ、医者だったのか?」 俺は男が医者だと初めて知った。

 数分して男がカーテンから出て来ると俺の両脚を閉じさせ下に降ろし、毛布をゆっくりとかけた。
「お前も見た通り俺は医者だ、安心しろ! これで俺は帰るが、最後に銜えてくれないか?」
 と、男はズボンを降ろし俺の横に仰向けに寝た。

 俺は男にムシャぶりつこうとすると、俺の尻をペチペチ叩いて俺の下半身を自分の顔側に誘導し
静かに移動し、男にムシャぶり着くと同時におれの中に男の舌が入って来た。

 男の絶妙な舌捌きの所為で、俺が男を逝かせる前に俺の方が先に逝かせられてしまった…
「何度でも逝っていいぞ、遠慮するな!」 と、俺に言葉をかけた男だった。

 何処の誰とも知らない男が医者だと知った夜だった……





◆◆◆◆◆5話





子共が大きくなって家を出る頃には男がここへ来る回数も少しずつ増え、今では週3回もここへ
きては俺の身体を自由にして帰って行った。
「くっ! たまらんな! 年増女の匂いに味…」 男は体力も衰えることなく俺を抱き続けた。

 男から電話が来る度に、いい年をしたオバサンである俺は、未だにセーラー服を着て男を待ち
そして恥ずかしさで顔を男から背ける。
「たまらんな! その顔! 恥ずかしいだろう! あっははは♪」 俺を辱める男。

 いい年をしたオバサンにセーラー服を着せて壁際で体育座りさせて、ブランデーを飲みながら
俺の前で股間を膨らませてはニヤニヤする男だった。
「右足を少し開け… そう! それでいい!」 と、ポーズを取らせてニヤニヤする男。

 俺の陰部には恥毛は無い…
全て医者である男が薬剤で脱毛させクリトリスも丸見えの状態、いわゆるパイパンだ。

 男は俺が恥ずかしがるのを見て楽しむと言うプレイに少しずつ変って行ったものの、
酒が過ぎると本性丸出しにして、縄で縛りロウソクを垂らしバイブに電気マッサージ機と
ありとあらゆる行為を繰り返した。

 俺には自由は無くなっていた…
「何だその服は! ミニスカートを履けと言ったろう!」 憤慨する男。

「でも… 買物に出ていて…」 怯えながら男に話す俺。

「こっちへ来い!」 俺の手首を痛いほど握り締めて寝室へ連れ込む男。

 男は俺をベットに押し倒すと、着ていたワンピースを無理矢理引き裂き下着姿にすると、
両手をベットの端に縛り四つん這いにさせた。
「ビシャッ! 痛い! ビシャッ! 痛ーい! ビシャッ! 痛ーい!」
 男は四つん這いになった俺の尻を物差しで容赦なく叩いた。

 この頃のベットは俺を拘束するためにアチコチに縄が結べるわうに細工がされていた。

 男が気に喰わないことをすると俺は折檻さけるようになっていた。
「もう! もう堪忍して下さい! お願いです! お願いで…す」 泣き叫び男に嘆願する俺だった。

 傷付いた身体を治療しそしてまた折檻される日々が続いた…
俺の身体はボロボロになり日に日に体力も衰えて行き、衰弱して行った。
「奥さん、どうですか? 少しは楽になったでしょう?」 と、点滴受ける俺に問う白衣の看護婦。

 衰弱する俺を看病のために男がよこした、名も知らぬ看護婦は俺を奥さんと呼び一日中
側に付き添い、食事や着替えにトイレに風呂まで面倒を見てくれた。
「大変ですねぇ~ 先生は極端だから…」 と、俺に注射を打ちながら語り掛けた看護婦。

 初めのうちは治療以外のことを口にしなかった看護婦も徐々に口を緩め、俺に話すようになり
今では男のことも解るようになっていた。

 男は大きな個人病院の院長で、元は大学病院の名誉教授とか…
「先生は奥さん一筋だから…」 と、溜息混じりに語った看護婦。

 看護婦は30歳後半で男の病院では数人いる婦長の一人で男が開院した当初からの古株らしい。
「先生、ぶつけるんでしょう? 半端じゃないもんなー 先生の病気♪」 と、笑む看護婦。

 どうやら、男が異常性欲者であることを看護婦は知っているらしいかった。
「どうして、私のこと奥さんって呼ぶんですか?」 看護婦に聞いて見た俺。

「どうしてって、奥さんだと聞いてますよ♪ ずっと以前から♪」 と、看護婦。

「御子さんも独立して商社にお勤めですよねぇ~♪」 と、微笑む看護婦。

 俺と子共は俺の知らないところで、男の家族にされていたことに気付いた…
「よしと! 今日の点滴は終了でーす♪」 と、ニコっとして腕から針を抜いた看護婦。


【それから…】

 そして、看護婦が家に来てから2週間が過ぎようとした頃、ようやく俺の身体も快方に向った…
「この分だと数日でお別れですね♪」 と、寂しげに微笑する看護婦。

 俺が寝ていると、いつものように静かに寝室に入り俺の様子を見守る看護婦…
「奥さんと一緒にいて楽しかったなぁ~♪」 と、ベットに腰掛俺の頭を撫でる看護婦。

 頭を撫でられ心地良かった俺はウトウトしいつの間にか眠ってしまった…
どれくらい時間が過ぎたんだろうか、何やら動くものに気付いて目を覚ますと、いつの間にか
俺の隣に看護婦が白衣を脱いで下着姿で横になっていた。

 白いブラに白いパンティー、白いガーターと白いストッキング姿の看護婦は俺の横で
俺のスリップの肩ヒモを降ろそうとしていた。
「奥さんのこと好きになっちゃった♪」 と、俺の耳元で囁いた看護婦。

 俺は無言で小さく頷いた。
看護婦は俺の目を見ると静かに俺の首筋に唇を這わせて来た。

 ネットリとした女の舌が俺の胸元、そして乳房へと滑るように動いた…
「ビクンッ!」 乳首に看護婦の舌が絡みつき俺を反応させた。

 時間の経つのも忘れ俺は看護婦との情事に溶け込んでいった。
女になって初めての女の味、そして甘味な匂いに俺は酔いしれていった。

 互いの陰部を合わせ引き合いながら、擦りつける初めての快感は俺を狂わせ俺の身体から
大量の水分を消失させた。

 看護婦もまた、俺と同様に陰部の恥毛が全くなくなっていたことには差ほど違和感はなかったが
激しいほどに看護婦の俺を求めるパワーに恐怖に似たものを感じていた。

 この日以来、男が来ない日は看護婦が来て俺を抱くようになり、
そして男もまた、俺が介抱してからと言うもの過激なプレイはせず普通のセックスに転じていた。

 更に数週間が経過したある日の夜…
「おい… どうだった~! 女の味はよぉ!」 と、俺を正常位で抱きながら突然話す男。

 俺は男の言動にうろたえた…
「偶には女の味もいいもんだろう!」 と、俺の中で前後しながら俺に語り掛ける男。

 次の瞬間!
「ホラヨ! ニュルッ! スブリュゥー! 痛ーい!! 痛い! 痛い! 痛ーーい!!」
 男は俺から硬い物を抜くと突然、アナルに入って来た。

 余りの痛さに悲鳴を上げてバタバタと手足を動かしもがいた俺に…
「今度からはこっちも可愛がってやらんとな! あっはははは♪」 男は容赦なく俺の中で前後した。

「痛い! 痛ーーい! 抜いてー! お願い! お願いだからー! 抜いてー!」 と、叫ぶ俺。

 男は痛さに泣き叫ぶ俺をニヤニヤしながら顔を嘗め回した…
「お前の涙は最高の飲み物だなぁ~♪ あっははははは♪」 悲痛にモガク俺に前後する男。

 数十分後、俺の中で逝った男は涙の止まらない俺の頬を抓むと…
「久し振りだったから良く締まったなぁ~♪ あっははははは♪」 と歓喜して風呂場へ行った。

 痛みの治まらない俺は、ベットの上で真横になっていた…
「どりゃどりゃ♪ 後始末はせんとな~♪」 そう言うと男は俺の尻に除菌シートを当てた。

「ギャァァーーー!! 痛ーーーーい!!」 俺は身体を仰け反らして悲鳴を上げた。

「あっはははは♪ そかそか♪ そんなに痛いか~♪」 男は歓喜して俺を押さえ着けた。

「お願いです! もう… もう堪忍してー!」 恐怖に小刻みに震える身体で嘆願する俺。

「これに懲りたら、二度と女なんぞと悪させんことだな! バシッ!」 俺の尻を叩いた男。

 男は俺と看護婦の仲を知っていた…
女としての人生こそ長いものの、男に生まれ、初めて触れた女(看護婦)の身体は徐々に
俺の男としての本能を呼び覚ました… そんな気がしていた矢先だった。

 看護婦はその後も何度か来ては嫌がるようになった俺を説得するように、抱いて帰るを繰り返した。
「おい! これは何だ! おい!」 男はビデオで隠し撮りした映像を俺に見せた。

 俺は男に平手打ちされ床に崩れた…
「ゆ… 許して下さい! もう… もう二度とこんなこと… アァァァーー!」 泣き崩れた俺。

「お前の泣き顔… ふっふふふ… たまんねえなー♪」 俺は着衣のまま男に抱かれた。

 俺の中から流れ出た男の体液がミニスカートに落ちるのを感じた瞬間だった…
「どりゃどりゃ、もう一回するかぁ~♪」 と、床に四つん這いにされ後から入ってきた男。

 そしてその夜…
「おい! いい加減気付けよ! なぁ! ペタペタペタッ!」 と、正常位で俺の中で前後する男。

 目を閉じる俺が…
「な… なに?…」 吐息混じりに掠れそうな小声で男に聞く俺。

 前後する男…
「まだ… まだ解らんのか? パンッ! パンッ! パンッ!」 と、前後する男。

 俺が…
「ご… ごめんなさい… なに?」 と、男にしがみ付いて吐息の中で聞く俺。

 すると…
「俺だよ! 俺! この! おんなのくせに! 頭の悪い女だなー! 全く! お前!
 わかんねーのか! お前、自分の亭主も忘れちまったのかー! あっはははははははは♪」
 と、意味不明なことを言っては前後しながら大笑いする男。

 そして…
「わからない… わからないよ~」 と、吐息の中に言葉を埋める俺。

 すると…
「頭が悪くなったんだなー お前! 忘れたのか? この言葉… 女のくせに!」 低い声を出す男。


【男が俺の上で…】

 俺が死んだ時に、迎えが来たんだが真っ直ぐに死神に着いて行かずに道を反れたらよー、
天国に行かずにこっちの世界に戻ちまってなー♪ アチコチ彷徨ってたら入れそうな奴が居てよ
そいつにピッタリと嵌ったって訳だ! 自殺考えてようでな! 身体から魂が出ちまってたから
そいつが身体に戻る前に、俺が入ったって訳だ! お影で楽しい人生だったぜ!
お前とも楽しめたしな~ あっははははは♪ 信じられねえだろうがこれが事実だ。
俺は、死んだお前の亭主だよ! 幼馴染で同級生で… お前の秘密を知ってる俺様だよ~♪
女のくせに! 女のくせに! 女のくせにって口癖だったからなぁ~♪
これからも、ダップリと可愛がってやるからな! ありがたく思いな!
しかし… お前も何処からどう見ても女になっちまったな~♪


 信じられない話だが俺が暮らしていた男は、病死した俺の最初の亭主だった。
亭主は他人を装い、俺を騙し続け俺をオモチャにし続けてきたことが解ったものの、俺の中では
残虐で非道な男と言うのは何も変らず、かえってアイツだと知って心が楽になった気がした。

 自分の素性を明かしたものの、男(アイツ)には何も変化もなく、逆に俺に対しての
折檻や異常性欲行動もなくなつたような気がしていた。

 そんな折、アイツが数日間の出張で大きな街へ出かけた日の夜…
「奥さん! もう我慢出来ない! 奥さんが忘れられない!」 と、訪ねて来た看護婦。

 看護婦はアイツが留守になったたことを知って、慌てて俺を訪ね形振り構わず俺を求めた…
突然の訪問に驚いた俺に看護婦はカードキーを見せ微笑した。

 その夜、俺は看護婦にベットで抱かれた…
裸でペニスバンドを装着した看護婦が、正常位で俺の中に入り何かを口走った。
「おい! 俺だよ! 気付けよいい加減よぉ~! 女のくせに…」 と、低い声の看護婦。

 俺はギョッとして頭の中が真っ白になってしまった!
「俺だよ! 俺! 出張に行ったんで気が抜けたのか! おい!」 と、前後しながらの看護婦。

「ちょっと! なに? どう言うことなの? ねえー! ねえー!」 と、看護婦に尋ねた俺。

「男も看護婦も俺だって言ってんだろう~! あっはははは♪」 と、歓喜する看護婦。

 そして遂に俺は…
「ちきしょーーーーーー!! 何でこんなことすんだー!! 同級生だろうーーー!!」





◆◆◆◆◆6話





「おい! 起きろ! いつまで寝てんだよ!」
 俺は懐かしい誰かの声に起されボーっとしながらも目を開け辺りを見回した。


「なにっ! こ、こりゃー一体!?」と、慌てて何度も辺りを見回した俺。

「夢でも見ているのか?」 まるで何日も寝ていたように思考回路はふやけていた。

 俺は大学時代に借りていた部屋のベットの上に居た…
「誰かいるのか?」 誰も居ない部屋に一人ごとのように問いただした俺。

 誰かと飲んだような形跡のある部屋は買物袋と缶ビールにツマミやカップメンの空き容器に
雑誌にジュース類の空き容器が転がり、片付けたはずのブラジャーが天井に干してあった。
「俺… 夢でも見ているのか… まさかあっちの方が夢… なのか…」と、頭を抱えた俺。

 すると…
「どうでもいいが、早く病院へ行けよ!」 と、後から誰かの声がした。

 咄嗟に俺は膨らんだ自分の両胸を腕をクロスさせて抱きしめてしまった…
「誰の声? アイツか?」 胸から手を離し後を振り返ったがそこには誰もいなかった。

 頭を抱え自分に何が起きたのか目を閉じて考えたものの、頭が回らずそのまま寝むくなった俺は
目を覚ますためにシャワーでも浴びるかと立ち上がった。

 タオルを取ろうと干してあるタオルに手を掛けた…
「1本、2本、3本… あれ? 1本、2本、3本… 変だな…」 俺は風呂へ移動した。

 シャワーから出た俺は、アイツのことを思い出していた…
「あぁー 母さん、これから家に帰るよ…」 実家に電話して母親に伝えた。

 バスと電車に揺られ徐々に近付く風景は確実に俺を懐かしい実家へと近づけていた。
見慣れた街並みから外れると両側に広がる広大な山々が太陽の光に包まれていた。
「次は~ ○○です、お忘れ物のないようお気をつけ下さい~」 と、車内アナウンスが聞こえた。

 僅か数ヶ月ぶりだと言うのに生まれ育った街が、まるで何十年ぶりにも感じてしまい
辺りをキョロキョロしては立ち止まって、見入った建物や公園の草木。

【実家にて…】

「あぁーそうそう! アンタに小包みが届いてたわよ♪」 と、居間のソファーの俺に話す母。

 俺に当てられた小包みの筆跡に見覚えもなく、二階の自室に上がり窓辺に直座りして
封をあけると中から、更にノートサイズの厚みのある封筒が出て来た。

 中からは一冊のノートと手紙が入っていた…
「○○様へ、ノートの中は見てはおりませんが、ノートの後に貴方様の名前が入っており、
 貴方様へお届けするほうが良いと考え勝手ながら御送りさせて頂きました、もし不要であれば
 処分して頂いても結構でございます」 と書かれた一通の手紙。

 ノートには…
『○月○日、今日もアイツの胸は最高だった! 周りの女子なんぞ寄せ付けねー勢いだ!』
『○月○日、やっほー! アイツと目があっちまった♪ 驚いた!』
『○月○日、アイツは俺の気持ちなんて知らない… でも俺はアイツが…』
『○月○日、アイツとは余り親しくないが、恥ずかしくて声を掛けられないよ!』
『○月○日、あぁ~ アイツにセーラー服 着せてみてえぇぇぇーーーーー!! 似合うぞ!』
『○月○日、体育でのアイツから目が離せねえ! アイツに告白… だが恐い… 知られたら…』
『○月○日、あいつ等、羨ましい… 普通にアイツに後から抱き着いてジャレテやがる!』
『○月○日、そうだ! アイツと同じ大学に行こう! そしたらまたアイツと会えるぞ!』

 延々と俺に対するアイツの想いがノートにビッシリと綴られていた…
赤面するような内容が日記として記されていて、俺に対する恋心が痛々しいほどに伝わった。

 同性愛… 受け入れられないアイツの想い…
俺はノートを持って、アイツの墓があると言う寺へ自転車を飛ばしていた。

 近くの売店で花を買い、静まり返った墓地へとゆっくりと足を運んだ。
アチコチから薄らと漂う線香の匂いが、俺の心を厳かにさせた。

 アイツが眠ると言う墓の前に立った俺… 
「お前、会いに来たんだな! 俺に…」 と、俺は花を供えシャガんで合掌をした。

 すると…
「来てくれたんだな! サンキュー♪ あ! そのまま! そのまま合掌してくんねえと、
 俺の声が聞こえないから、そのままで頼むよ♪」 と、嬉しそうに話すアイツ。

 そして…
「俺は、お前が好きだ♪ なんてな! 今更遅いな~♪ てか、読んだんだろ? 日記…
 母さんも余計なことしてくれたよ~♪ 恥ずかしいじゃねえか! それと、あんな夢見せて
 すまなかったな… ああでもしないとお前、病院いかんからよ… 
 俺なぁ、お前のこと子共の時から好きだったなんだよ… ずっと苦しかったよ…
 だから死んでからも、チョクチョク見に行ってたんだが、あの世で知り会ったオッサンが
 お前の病気のこととか心配してて、あぁ~ 確か守護霊とか言ってたな…
 マジでヤバイからな! お前… 進行してるから数日中には病院へ行けよ! あと俺が探した
 感じだと、大学の正面玄関から西側に行った先にある○○病院がいいらしいぞ…
 お前には、男のままでいて欲しいんだよ… くっそぉぅ~! 何言ってんだ俺は!
 話しがグチャグチャになっちまった~♪ あっはははは♪ スマン! その胸もなくなっちまうが
 俺は兎に角、お前には男で生きて欲しいんだよ」 と、シドロモドロの同級生。

 俺が…
「すまんかった… 気付いてやれなくて… 堪忍してくれな… だが俺は同性愛… すまん…」
 目を閉じて合掌して心で呟く。

 同級生が…
「同性愛、ホントは変態じゃねえーしとか言いたかったんだろう♪ いいって隠さんでも♪
 俺ら死んだもんは人の心がある程度解るんだよ~♪ しかしなんだなぁ~ お前も
 心の中では変態じゃねえとか言っておきながらよおぉぅ~♪ うっひゃひゃひゃ♪
 お前の住んでるアパートの部屋の箪笥の奥に眠る、グッフフフフ♪ おいおい、それでもお前は
 変態じゃねーのか? グフフフフ♪ 男物より多いんじゃねーのか? 女物の服とか下着とか♪
 あれだけあって、土日には部屋で完全に女装して鏡の前でウットリしてのは変態じゃねえのか?
 グフフフフフフフ~♪」 と、ニヤついた声で離す同級生。

 俺が…
「テメー! プライバシーの侵害だぞ! てか、その通りだな俺も変態かも知れんな…
 仕方なく着けたブラジャーだったが、着けてるうちにそれが当たり前になってしまって、
 ブラつけてて男物のトランクスは変だって思うようになっちまって、気付けばパンティー履いてて
 更に気付けばスリップとエスカレートして終いにゃ、パンストやスカートに服まで…
 カツラ着けて化粧して、夜の街をブラブラ散歩して… 大きい胸があるから誰も男だなんて
 思ってねえし、酔ったオッサンからかって遊んで気晴らししてたよ」と、心で語る俺。

 すると…
「お前、両性だからこのまま女になることも出来るが、女になった場合は夢と同じような
 人生が待っているんだ! ただ、性別は簡単に変えられないから遊びじゃないし、
 あんな人生、送って欲しくねえんだよ! 頼むから妙な気は起さないでくれよ!」 と、同級生。

 そして…
「なぁ! 一生に一度ってか、もう俺は死んでんだけど最後の頼みがある! いいか!」と、同級生。

 俺が…
「何でも言ってくれや!」 と、心で語る俺。

 じゃぁ…
「帰りに、お前の胸を俺に押し当てて行ってくんねえか?」 と、同級生。

 俺は…
「いいぜ、お安い御用だ…」 と、心で話す俺。

 そして、それから一時間ほど 同級生と話した俺は、同級生に別れを告げ立ち上がると墓に
自分の胸を擦り着けた。
「あぁ、そこじゃねえよ… そこは… もっと下だ… うん… そこそこ…」 と、同級生。

 瞬間…
「ヒャッァ~♪ ウゥゥゥ… アンッ! アンッ! アッァァンッ!」
 俺の胸に人間の唇と思えるものが吸い付いたと思うと、ザラザラした舌が乳首に絡み付いて来た。

 俺は墓に抱きついた状態で、墓地とは思えないような恥ずかしいヨガリ声を奏でていた。
服を着ているのに、まるで裸でいるように乳房、乳首に感じる人間の唇と舌先は、胸のみならず
やがて、身体のあちこちにまで移動しては恥ずかしい音を俺の耳に届けた。

 背中、腹部に尻に太ももにと唇と舌先は滑るように、俺の身体を流れそして…
「だ… 駄目… そこは… アンッ!!」 俺自身にムシャぶりついて来た同級生の口。

 激しい同級生の愛撫に否応なく俺から発せられるヨガリ声は墓地の鳥達をも赤面させた。
そして激しい愛撫がようやく終わったと思った瞬間! 俺は凄い力で前屈みから墓に対して
後ろ向きにさせられたと思った瞬間!
「痛えぇぇぇぇーーーーーーーー!!」 何か硬い物が尻の穴に入って来た!!

 俺は墓石に尻を向けさせられ前屈みで動けなくなっていた…
何かが激しく俺の中に前後し、俺の腰はガッシリと凄まじい力で固定され動けなかった。
「痛えぇぇぇー!! やめてくれぇぇーー!! 痛えぇぇーー!!」 と、硬い物が前後した。

 俺は痛みに少し慣れて来たのか薄目を開けた瞬間だった!!
俺の周りに沢山の人だかりが出来ていて、腰を屈めて唸る俺をみんなが見ていたのだ!
更に、寺の住職と思わしきお坊さんが、俺と墓石の中間に合掌して念仏を唱えていたのだ!

 前後される度に俺の身体は押し付けられ前へ後へと勝手に前後し、周囲の人たちの目も
俺に合わせて前後する奇妙な光景になっていた。

 坊さんが…
「えぇい! やぁーー!!」 と大きな声を叫んだ。

 同級生が…
「逝くーーーーーー!!」 と叫んだ。

 坊さんが…
「霊は離れて成仏した…」 と、小声で言った。

 同級生は…
「サンキュー♪ 逝かせてもらったから天国に逝かせてもらうよ♪」 と、小声で喜んだ。

 俺はその声を聞いた瞬間、倒れてしまった…
気付けば、寺の一室に寝ていた俺の横で、坊さんが…
「アンタ良いことをされましたな~♪」 と、満面の笑みでニコヤカな住職さんだった。

 寺からの帰り道、ジンジンと痛む尻の穴の中から何やら水分が出て来た感覚に襲われ、
人目を憚って知りの穴に指を… するとウンチの匂いに混じって確かに男の体液の匂いがした。

 俺の処女は確かに奪われしかも中出しされたと気付いた瞬間だった。

 その後、墓参りしたものの同級生の声は聞こえなかったが帰り道に何気に墓を振り返ると
俺の白いブラジャーが確かに墓石に装着されていたのをハッキリと見た俺だった。
「サンキュー! ブラジャー足りなかったろ! 一枚は俺が貰ったよ♪」
 
 アイツの声が聞こえたような気がした……

 完了

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