2019年6月18日火曜日

ブラジャーⅦ

【ブラジャーⅦ】


 呪い

 
【一話】






 
 三流大出の三流商社に勤務する三流ライフを送る二十七歳の恋愛とは縁のない独身男は、八時から十七時の勤務であったにも関わらず朝は七時から出社し終業はほとんど夜の九時を過ぎている。

 成績も悪く営業と言っても半ば雑用係りと言って良いほどの扱われようで、勤務先の会社では初の大卒として有望視されていたものの口下手な上に小柄で鈍才、動きの鈍さから「モスラ」とあだ名されるほどだった。

 それでも入社してすぐの頃は将来は会社を支える栄光の波に乗っていたが、徐々に明らかになる男の無能さに会社は勿論のこと周囲にまで愛想を付かされ会社からは自主退職して欲しいとさえ囁かれていた。

 だがこの不況では流石に鈍才男とは言っても「はい。 そうですか」と、辞めることも出来ずに男は名ばかりの営業職にいて会社の雑務をサービスでこなす日々を送っていた。

 そんなある日のこと、男はいつものように誰も居なくなった会社に一人で残り残業手当の付かないサービス残業をこなしようやく終えると既に時間は夜の九時を過ぎていた。

 そしてサービス残業に追われクタクタになって帰宅した男は、そのまま翌朝分のゴミ出しに出かけそこで転んで起き上がろうとした時、電柱の明かりの下に異物をみつけた。


「こっ! これってもしかして…… 警察! 警察、警察、警察!!」


 男は慌てて携帯を取り出すと震える手で百十番をプッシュしたが何度もボタン操作を間違え一度リセットするように深呼吸をした。

 そして斜屈んでもう一度袋の中身を凝視した男は携帯の明かりを近づけ何やら違和感を覚え、恐る恐る誰かが捨てたゴミ袋を開封して中を覗き込んだ。


「ドキッ! ドキドキドキドキドキ…」


 男はゴミ袋の中の肌色の物体に心臓をドキドキさせながら、お化けでも見たかの表情をして右手を入れると「ムニュッ」と、した感触に顔色を変え口を半開きに息を潜めた。

 そしてネクタイを左手で緩め辺りをゆっくりと見回し気にしながら静かに中のモノを掴んで取り出した瞬間「うわあぁ!」と、声無き叫びをして目を閉じ静かに目を開くと右手に持っていたモノを直視し尻餅ついて息を大きく吐き出した。


「あはっ! あっははははは♪ こりゃいい傑作だ~♪ 百十番しなくてよかった……」


 地面に尻餅付いていた男は「フッ」と、ヌーブラを手に女性のバラバラ死体と勘違いした自分が情けなくそして哀れに思えた。

 そしてそのまま自分の住んでいるアパート街をゴミステーションから見回して手に持ったヌーブラを元あった袋に戻そうとした。

 その瞬間、男はそのヌーブラに元に戻すに戻せない妙な感覚を覚え時間が経過した。

 男はヌーブラを持ったまま左腕の時計を見ると三十分以上もそこに居たことに驚き、無意識にヌーブラを背広の右ポケットに入れたままゴミステーションを後にした。

 そして再び帰宅した男は背広からヌーブラを取り出すと立ったまま両手で顔近くに近づけ凝視した。

 すると何処からともなく微かに女性の楽しげな笑い声が聞こえた気がして、男は驚いてブラを片手に自室をグルリと見回した。

 男は気の所為だと安堵してヌーブラを台所のシンクの横にポンと置いて、コンビニで買ってきた弁当と缶入りのお茶を袋から出し食べ始めた。

 そして座卓の上にあったノートパソコンで「ヌーブラの洗い方」と、検索してマウス操作しながら弁当を食い「ほほぅ~ なるほどなるほど」と、独り言をいい台所の横に置いたヌーブラをチラリと見て「ニンマリ」と、笑みを浮かべた。

 座卓を前に床に胡坐する黒髪の短髪、ギョロ目で骨っぽい百八十センチ台の男は太い眉毛を動かしてパソコンのモニターを読み続けた。


「水で洗って拭き取らずにそのままか…… 専用洗剤があるのか……」


 男は弁当の最後の楽しみにしていたコロッケを一気に頬張るとニンマリして束の間の幸福感に一人浸り飲み込むまで目を閉じて軽く上を向いた。

 夜の十時半過ぎ缶ビールを手に壁に凭れながら床に両足を投げ出した男は、台所で水洗いだけして自然乾燥させているヌーブラをチラリと横目で見て「どんな女性(ひと)がしていたんだろう…」と、一人でニヤニヤしてニンマリ笑みを浮かべてタバコに火を点けた。

 そして一口、タバコを吸うと目を閉じて「髪型は… こんな感じかぁ~」と、名前の分からないサイドアップの髪型を思い浮かべタバコを一口吸うと「背丈はこうで顔立ちはこうで…」と、孤独な男らしい想像力豊かな優雅で気品があってそれでいて少し子供っぽい美女を思い描いた。

 
 閉じたギョロ目の閉じた瞼が震える……


 そして翌朝、男は誰も居ない自室の玄関でカバンを手に「行ってくるよ~♪」と、干してあるヌーブラに声をかけると玄関の鍵を閉めて会社へと向かった。

 普段はポォーっと部屋を出て行く男もこの日は珍しく自然と笑みが零れ、会社へ到着するも普段は一時間かかる仕事を三十分で済ませ、サービス残業でやるはずの仕事に朝から着手し時間を短縮した。

 朝の八時、次々に出社する先輩たちは次々に面倒な書類を男の机に「バサッ! バサッ!」と、置いて行きいつのまにやら机は書類の山に変わり果てた。

 男は自分の机の上に次々に重なる書類の山を見て「やっぱり今日も残業だな…」と、小声で呟くも先輩や同期に後輩たちが男を見てヒソヒソ話して笑った。

 そして八時半、朝の朝礼が部長を前に全員整列して始まるも女子社員たちはワイシャツの後ろの裾が出ている男をチラチラ見て薄笑みを浮かべ誰も教える者は一人も居なかった。

 それどころか女子社員達を笑わせようと男の後輩が近づき、出ている裾を上に巻く利上げ朝礼は爆笑の渦に変り、慌てた男が部長に睨まれるという理不尽な叱責の一こまもあった。

 一見、ポォーっとしている長身の男は誰が見てもボォーっとしていた。





【二話】





 いつものようにサービス残業していた男は夜の八時、次々に明かりの落ちる窓の外のオフィスを気にすることなく仕事に励んでいた。

 社員も役職者も誰も居なくなった社内にポツンと一人で書類整理に追われる男は、黙々と淡々と仕事をこなしては壁掛け時計を見て書類の山を見渡して再び姿勢を丸めた。

 そしてドアを開ける守衛の足音に気づけば結局九時という時間に大きな溜息をついて守衛に戸を振って席を立った。

 誰よりも早く出社し誰よりも遅くに会社を出る男を、守衛たちは影で「社長さん」と、愛称していたことを男は知らない。

 男はヨレヨレになりながらボロボロの自転車に跨ると自宅アパートまでの四十分をひたすら漕ぎ続け、コンビニで馴染みの客の一人として弁当と缶入りの御茶を買うと再び自転車を漕いだ。

 コンビニでは決まった時間に来店する男のことを「巡回さん」と、影で愛称していたことを男は知らない。

 無口でギョロリとした大きな目と太い眉毛が印象的な男はアパート近くのタバコ屋の婆さんから「モアイ」と呼ばれ、男が店の前を通ると「そろそろ寝る時間だ」と、部屋の明かりを落とした。

 そんな男がアパートの階段を靴音を立てて上ると、一階の住人は「そろそろ寝る時間だ」と、部屋の明かりを落とした。

 男は自分が時計代わりになっていることも知らずに部屋のドアを開き、中に入ると「ただいま~」と、嬉しそうに小声を出して月明かりに照らされたヌーブルラを見てはにかんだ。

 靴を脱いで真っ直ぐにヌーブラへ近づくとニンマリして立ち尽くしてその光沢を目で楽しんだ男は深呼吸して部屋に明かりを灯すと、窓辺に移動して不審者のように窓の外を気にしながらカーテンを閉じた。

 そしてノートパソコンの載っている小テーブルにコンビニで買った弁当と缶茶を置くと、台所の上に干してあるヌーブラをチラチラ見ながらニンマリして弁当に喰らいつき、腹を満たすと部屋に備えられた小さな風呂場に腰を下ろした。

 長身の男にとって縦横九十センチの真四角の風呂は両膝を抱えて身動き一つ出来ないながらも、一日の疲れを癒すホッと一息つける場であったが、この日はその憩いの場から早くも撤退する男はパンツ一枚で首からタオルをさげベッドに凭れてタバコに火を点けた。

 片足膝立てで缶ビールを開けると一日の疲れが瞼を蕩けさせ十時を過ぎた時計を見てビールを一気に喉の流し込むと、男は枕にヌーブラを紐で装着すると縦に置いて自分は座布団を枕にしてヌーブラの感触を楽しみながら明かりを落とした。

 それから数日間、男は彼女でも出来たかのように毎日、帰宅するのが楽しみで部屋を出入りするときは必ず彼女(ブラ)に声をかけ続けた。

 
 数日後の金曜日の夜のこと、男はいつもどおりに帰宅し、いつもどおりに食事と入浴しいつもどおりに枕に装着したヌーブラを抱いて寝ようとしたが、彼女(ブラ)が来てからマスターベーションをしていないことにムラムラして気付いた。

 男は彼女(ブラ)に気遣ってブラとは逆側の壁を向くとパンツを下ろして元気のない肉塊をシコシコし始めたが、後ろに彼女(ブラ)が居ると思うと中々大きくならず困惑してパンツを元に戻した。

 だがムラムラ感が止まらない男は彼女(ブラ)の方を向いて左手を柔らかさの上にソッと這わせると目を閉じて寝ようとしたが、男はその柔らかさとブルブル感に胸のうちを「ムラムラモヤモヤ」と、最初の頃に自分がイメージした美女を思い出してしまった。

 そのことで更に眠つけなくなった男は思い切ってベッドから起き上がると明かりを灯し彼女(ブラ)に手を這わせたまま左を向いて、パンツを下ろして肉塊をモミモミそしてシコシコし始めた。 すると元気のなかった肉塊は途端に大きくそして天狗の鼻のように聳え立って男を興奮させた。

 男は聳えた硬いモノをシコシコし続け途中で手を止めティシュをシーツに数枚敷いて再びシコシコし始めた。 そして数分後にティシュの上にドロリと撃ち付けた黄色み掛かったゼリーのような液体に男は、ホッと額の汗をぬぐってティシュを丸めた。

 だが一本抜いただけでは収まらなかった男は再び二本目へとそのまま続けそして三本目を終えると精力は急激に減退したものの、胸のモヤモヤ感は残ったまま男は眠りについた。

 そして深夜、男は喉の渇きに目を覚まし胸のモヤモヤ感が消えていないことを気にしながら台所で水をガブ飲みしてそのままトイレに入った。

 男は目を擦りながらトイレから出ると座卓を前に胡坐してタバコに火を点けた。 そして深く一口吸うとカーテン越しに入る月明かりに照らされたベッドの彼女(ブラ)をチラりと見た。

 そして時計を見た男は深夜の二時少し手前にもう一眠りしようか迷いながら「これってどんな感じなんだろ…」と、枕に紐で装着されベッドに横たわる彼女(ブラ)を見つめた。

 女装趣味など全くなかった男はベッドに手を伸ばすと枕からヌーブラを外すとそのまま自分の手にとってみた。 プルプルした感触が男の手に心地よさとヒンヤリ感を伝えると、男はそのままヌーブラを自分の胸に装着しようと合わせて見た。

 その瞬間! 男を焼けるようにそして刃物で胸肉を切り裂かれるように凄まじい激痛が襲った!

 
「ギエェェー! 痛てええぇー! 痛えぇぇー!! グオッ! ウゲエェ! ウギヤアァー!」


 男の心臓は不整脈のように高鳴り脈拍を急激に上げ全身に高熱を伴い頭の中はインフルエンザのごとく、そして胸の凄まじい痛みは胸のみならず全身に広まり男は胡坐をしていられずにそのまま床に転がり蹲った。

 声も出ず動くことも出来ない男は胸からブラを外そうと試みたが両手の筋肉が石のうに硬直して動かず、そのまま数時間も脂汗を額から流して痛みと高熱に呻き続け思考回路は完全に停止した。

 そして二時間ほど経過した頃、全身の焼けるような痛みと高熱は嘘のようにピタリと止まり、四肢を動かせることに気が付いた男は起き上がって額の汗を手ぬぐいで拭いて壁掛け時計を見て「ギョッ!」と、した。


「そんな馬鹿な……」


 男は二時少し前の時計を見て唖然とした。 そして辺りをキョロキョロと見回しタバコを手にとって火を点けようとした瞬間、ライターの炎の中に揺らめく女の顔が座卓の向うの食器棚のガラスに映りこんでいるのを見て固まった。

 そして男はガラスに映った女から目をゆっくりと外して後ろのベッドに後ずさりし、視線を下に向けたまま静かに立ち上がると目を瞑って部屋に灯りを灯しそのまま台所を前に立つと、手探りでコップを掴んで水道から水を出した。

 目を瞑ったままで男は水をゆっくりと一口飲んでは自分に「落ち着け… 落ち着くんだ…」と、言い聞かせながら二口目、そして三口目で水を飲み干してから目をゆっくりと開いた。


「うぎゃああぁぁーーーー!!」


 男は目の前の壁掛けの鏡に映る女の顔に震撼し悲鳴を上げそしてその悲鳴の女声に更に強烈な悲鳴を上げその場に尻餅ついて両手で顔を覆いガタガタと全身を振るわせた。
 
 両手で顔を覆った男は「南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏!」と、声を震わせ唱えるものの唱えた声に知らない女の声が重なって聞こえ唱える口を閉じて心の中で念じ続けた。

 そして静まり返った部屋に安堵した男はゆっくりと目を閉じて頬を緩ませながら息を吐き出し顔を下に向けた。 その瞬間、男は眼下の光景に口を半開きさせ「あわわわわわわわわ」と、両手で頭を押さえ声を震わせた。

 
「夢だ! 夢に違いない! 俺は寝てるんだ!」


 眼下でプルプルと柔らかく揺れるCカップほどの乳房とピンク色した乳首と乳輪を見た男は、息を荒げて吐き出すと両手を頭から下ろしてそっと乳房を両側に這わすと「プルルン」と、ゼリーのように弾んだ乳房に目玉をギョロギョロさせ眉毛をヒクヒクさせた。

 乳房に這わせられた自分の両手に視線を移した男は、自分の手ではない他人(おんな)の手に顔を引き攣らせて両手を顔に這わせた瞬間、自分の顔ではないその顔に激しい違和感歯を感じて歯をカチカチ鳴らすほど震えて立ち上がった。

 そして顔から両手を離して鏡に顔を映すと「だれだあぁこりやあぁ!」と、女の声を鏡の前に放った瞬間「ジュワッ!」と、台所の前で失禁し生暖かい小便を両足に伝え床を濡らしたが、男は失禁していることにも気づかぬまま鏡に映った女が以前、自分が思い描いていたタイプの女性であるこに背筋を凍らせ呆然としていた。

 だがもっと男を仰天させたのは足元に視線を移した時、股間にあるはずのモノが無く、無いはずのモノが付いていたことに男は腰を前に曲げたままその場に崩れ失神してしまった。


「こんな馬鹿な… 馬鹿な… 馬鹿な… 馬鹿な…」


 男は過去に自分が思い描いていた想像通りの女になっていたことをブツブツと否定しつつ、小便に塗れた身体を深夜の二時半にシャワーで洗い流し薄い陰毛の下に「パックリ」と、割れる縦筋から目を背けながらセッケンで泡立てた手ぬぐいで夢のような美しい女体を洗い流していた。

 この男の名は浜田健吾、二十七歳独身で未だ童貞であるが、生まれて初めて見た女性のヌードが自分だったという皮肉な状況に、悲しさと嬉しさを幾重にも重ね両脚を開いて鼻から血をポタポタと滴らせた。


「夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ……」


 健吾は優雅で気品のある清潔感漂う美しい女性の身体で、首に手ぬぐいをぶら下げて屁を「ブリュッ!」と、放って風呂から出るとこの美しい身体の置き場に困惑して散らかった部屋の雑誌を押しのけベッドに腰を下ろした。

 そして学生時代に使っていて今は殆ど使っていない大き目のパイプ枠の鏡を押入れから取り出すと自分の前に置いて再びベッドに腰を下ろした。

 健吾は正面に置いた鏡の中に美しい女性の白い肌と形のいいツンと上を向いた乳房とピンク色の乳輪と乳首を照れ臭そうに見入り、身体を軽く揺らしてプルプルと震える全身の柔らかさに嬉し恥ずかしいの表情をニンマリ浮かべ両脚をソッと開いて薄い陰毛の下を凝視し鼻の下を像のように伸ばした。

 どうせこれは夢なのだから何をしても許されるのだと自分に言い聞かせ、鏡の前で立ったり座ったりベッドに横になったり後ろを向いたり窓の外が明るくなり始めたことにも気付かずに健吾はひたすらポーズを楽しんだ。

 歩けばゼラチンのようにプリンプリンと揺れる身体に健吾は両手を前に後ろに頬を紅く染め照れまくりだったが、小さいクシャミをしたことで自分が全裸であることを改めて痛感した健吾は急に肌寒さを感じてパンツを履き肌着を首に通したがその大きさに驚いた。

 首を傾げる健吾はとにかく着るモノをと、グレーの上下のスウェットを取り出すとそれを身に纏ったが、余りのダボダボ感に「ハッ!」と、して玄関のドアへ移動してドアと自分の身長を確かめると身体が縮んでいることに衝撃を覚えた。

 だかこれは夢なのだと薄笑みを浮かべてズボンの裾と服の袖口を折って窓を覆うカーテンを開くと、眩しい太陽の光が燦々と部屋の中に降り注ぎ両腕を頭の上に伸ばして大きな背伸びをしてニヤリと笑みを浮かべた。

 健吾は狭い部屋が突然大きくなったかのように嬉しくなって両手を広げてクルクルと部屋の中を回って遊び、一人で声無き歓声をあげ小さくなった喜びを噛み締めた。

 


【三話】




 
 童貞の健吾は遊んでいた。 童貞が故に触ったことも見たこともなかった女性、しかも超美人で自分のタイプに健吾は触りまくりの揉みまくりで時間を費やし、恐る恐る触れた女性の秘密の部分と乳首の快感に震撼して失神を繰り返した。

 そして女性の身体の素晴らしさと美しさを身を持って知った健吾は「この夢が永遠に続きますように」と、秘密の部分に滑らせた指を動かしながら愛苦しい表情をして心の中で願った。 そして睡眠不足からそのまま昼寝に突入した土曜日の午前、健吾が目覚めたのは昼過ぎだった。

 寝起きの健吾はベッドから起き上がるとボオォーっとしながら両手で顔を触り毛布を剥ぐって元の姿に戻っていないことを知ると、トランクスに両脚を通し上へ引き上げたものの慣れることのない履き心地の悪いトランクスに顔を顰めた。

 そして室温三十度近い部屋の中でスウェットズボンを手にベッドに座って考えこむと、スウェットをバサッとベッドの上に放り投げ乳房丸出しで押入れを開いた。

 確かこの辺りにあったはずだと、押入れの下段に上半身突っ込んでガサゴソやって引っ張り出した白い大きな布袋。 半所間商店街で買った一万円の福袋を開いた健吾は自分が履くには小さいサイズのジーンズと男物のビキニブリーフを取り出した。

 そしてトランクスを脱いだ健吾はビキニブリーフを履くとそのままジーンズを着衣し、マーカーで太もも辺りに印を付けて再び脱いで鋏でチョキチョキ他作業を始めた。


「よし! 出来た♪」


 健吾は履けなかったジーンズでショートパンツを作ると早速、両脚を通して鏡の前に立った。

 腰をフリフリして履き心地を確かめた健吾はニッコリすると鏡に映った自分の笑顔に顔を紅くさせ、後は何でもいいやと取り敢えずスウェットの上で上半身をごまかすと財布を手に男物のサンダルを履いて部屋を出た。

 腹を満たそうと近所のコンビニに弁当を買いに出かけた健吾はその全身に突き刺さる男たちの嫌らしい視線に気づくことなく店内に入ると、目当ての弁当と缶茶の他に貧乏人の強い味方である「若葉」を買い求めた。

 カウンターに立つ健吾は他の男たちに目で犯されていることにも気づかずいつも通りに店を出ると真っ直ぐに部屋に向かったが、通り道で小さな衣料品店の大きなガラスに映った自分に立ち止まった。

 
「あれだけ寝てたのに髪が崩れていない… やっぱり夢なんだな…」


 健吾は夢なら夢でもいいと、衣料品店に立ち寄ると籠を持って下着売り場へ移動し店内の鏡に映る自分を見て「この女性ならこんなのかな…」と、白や薄水色のフリルのついたスキャンティーを手に取ったが、籠に入れようとした瞬間、自分のサイズを知らないことに気づいた。

 腕組する健吾は暫く考え込んで清算カウンターに居たオバちゃんに近づくと「あのぉ… ちょっとお尋ねしますが、私の下着のサイズって解りますか?」と、小声で話しかけると、オバちゃんは健吾を下から上へ見流して「お客さん自分のサイズわからないのかえ? 変った人だねぇ♪」と、突然横に来て健吾の尻に両手を這わした。

 健吾はオバちゃんに触られる感触に首を少し仰け反らせ背伸びし不思議な心地よさに一瞬「ウットリ」と、目を虚ろにさせると「お客さんならLかLLってとこだねぇ~♪」と、笑顔するオバちゃんにペコリと頭を下げ無表情のまま再び下着コーナーへ戻った。

 ショーパン越しに尻に残る触手の余韻に健吾は直ぐにはモノ選び出来ずに立ち尽くした。 そんな健吾を見つめるカウンターのオバちゃんは「今時、自分のサイズを知らないなんて、何処の御嬢さんだろうねぇ~」と、不思議そうな表情を浮かべていた。

 健吾は取り敢えず両方のサイズを数枚籠に入れると再びカウンターに近づいて「すみません… 私のブラジャーのサイズって解りますか?」と、二度目ということもあって申し訳なさそうにオバちゃんに聞く健吾を、オバちゃんは神妙な顔して「コクリ」と、頷くと健吾の手を引いてカーテンボックスにつれて行った。

 そして健吾の顔を見てからスウェットを脱ぐように囁き健吾は恥らうことなく上半身を裸にした。 オバちゃんは驚いた顔して「キレイな胸だねぇ~♪」と、乳房を下から斜めから正目から見入るとアンダーとトップを図ってサイズをメモすると「取り敢えずスリップの寸法とスカートや服にストッキングも書いとくからね♪」と、健吾に寸法の記されたメモを笑顔で手渡した。

 健吾は渡されたメモを手に下着コーナーに再び移動し、その様子を見入るオバちゃんは「やっぱり金持ちの娘さんだわ…」と、溜息をついて健吾を見つめた。 自分がオバちゃんに観察されているとは考えていない健吾はサイズを見ながら取り敢えず書いてあるからには必要なのだろうと、メモに書かれているモノを籠に入れ婦人服のコーナーに移動するとカウンターに居たオバちゃんも吊られて移動した。

 そしてズラリと並ぶ婦人モノを前に健吾は「何を選べばいいんだろう…」と、カウンターに居るはずのオバちゃんを目で探すと、突然「あらあら♪ お困りのようねぇ~♪」と、何故か嬉しそうに健吾を驚かせ夢の中の親切なオバちゃんのお陰で自分のサイズを知りそして取り敢えずは夢の覚めるまでの間、着るモノを手に入れたことに健吾は安堵した。

 
 大きな買物袋と紙袋と弁当を持った健吾は「夢にしては随分とリアルだ」と、息を切らせて自宅アパートの一室に戻ってくると、さっそく全裸になって汗を拭き取りスキャンティーに両脚を通した。 ピッタリとフィットしたLモノと少し余裕のLLモノを履き比べた健吾は自分のパンツはLLと決め、ブラジャーを装着するや否やプルプルと揺れて邪魔だった乳房がスッキリ覆われたことに安堵した。

 そしてブラジャーの上からスリップを付けた健吾は自分を鏡に映して、腰を左右に振ってヒラヒラと舞うスリップの裾に「クスクス」と、照れ笑いしベッドに座ってパンティーストッキングを恐る恐る下半身に伝染させることなくフィットさせ、そのスリスリ感にウットリしながらも思わずガッツポーズを一人決めた。

 そんな健吾は衣料品店のオバちゃんの一押しだった薄水色のベルト付きの膝丈ワンピースを着衣すると、髪型と顔立ちと身体にピタリとマッチしたオバちゃんの見立てに百点を進呈した健吾は買ってきたサンダルを履くと思いつく全てのポーズを鏡の前で実演し一人笑みを浮かべて腹が減っていることも忘れた。


「おかしいな~ 何で夢なのに腹が減ったり、それに街並みもリアル過ぎるし… 時間も正確だし… 妙だなぁ…」


 ワンピース姿で床に胡坐をする健吾は弁当を食いながら缶茶を飲み窓から外を眺めてようやく異変に気づき始めた。 とは言いながらも鏡に映る自分はどう見ても女性であって男の自分ではなく、しかも自分の思い描いた通りの美女であることに首を傾げながら弁当を食い終え、タバコに火をを付け体育座りした。

 そしてタバコを一口吸う度に「いつ夢から覚めるのだろう…」と、不安げに膝に片手を置くと、カレンダーを見て「明日は日曜だからいいとして明後日はどうなるんだろう」と、両肩をすぼめ両脚のつま先を見つめ突然の尿意に立ち上がった健吾は、顔を強張らせて「あわわわわわわわ!」と、トイレに駆け込むとヒラヒラするワンピーの裾に「畜生! こんなときに!」と、手を焼きスキャンティーとパンストを一気に膝まで下ろして便座に座った瞬間、チョロチョロと割れ目に生暖かい小便を感じその後、勢いよく飛び散る小便に胸を撫で下ろした。


「確か拭くんだよな女は……」


 小便をし終えた健吾はワンピーの裾を邪魔にしながら両脚を開いてペーパーを丸めると股に入れ「何処にあるんだ? 小便の穴は!?」と、ペーパーを解らぬまま取り敢えず拭き上げた。 

 そして再び立ち上がった健吾はワンピーのヒラヒラする裾にイライラしながら、中腰にしスキャンティーをフィットさせ伝染するかも知れないパンストを戦々恐々の思いで下半身に覆い被せ、一安心とばかりに「プピイィー!」と、可愛い屁を放ってトイレを後にした。

 健吾は小便の度に一々脱がなければならないことに面倒臭さを感じながら、部屋の中でゴロゴロしてるのが勿体無いと近所の小さな公園まで散歩することにした。

 不慣れな女物のサンダルを履きアップにした髪の毛に微風を感じながら歩く健吾は、行き交う男たちの嫌らしい視線に気づくことなく歩いて十分ほどの公園に辿りつくも、行き交う女性たちはみんな手にバックなどを持っているということに気づいた健吾は、急に自分も何か欲しいなと辺りを歩く女性たちが気になり始めた。


「この格好ならハンドバックかな……」


 ベンチに腰掛て公園の柵の向こう側を通る女性たちを観察する健吾は、何を買おうと何を持とうと「どうせ夢なんだから」と、立ち上がると公園を出て歩道を商店街へと進んだ。

 水色のワンピースの胸元を内側からさり気無く飾る程よい大きさのCカップと、キュッと引き締まった細身のウエスト、そして形の良いヒップとそれを支えるスラリとした脚にサイドアップの髪型が似合うセレブ系の美人顔に行き交う男たちの足取りがピタリと止まる。

 優雅で気品に溢れそれでいて愛らしさの残る健吾の顔は、歩く度に成熟した女の香りを漂わせ男たちは無意識に進行方向を合わせていることらすら気づかなかった。

 そして健吾が店に入れば店先は催眠術にかかったように亡者がウインドーにへばりついて健吾を血走った目で凝視した。 その光景を目にした店員たちは慌てて健吾の接客に当たり何も気付かない健吾は「私に似合うバックはありますか?」と、飲んでしまいたくなるような愛らしい声を発し、女性店員ですら健吾に見とれるほどだった。


「これなど如何ですか?」


 陳列コーナーに導かれた健吾はその値段に暫しボオォーとし無言で見つめると「これ僕にプレゼントさせて下さい!」と、突然見知らぬ男が顔色を赤くして健吾と店員を驚かせた。

 すると見る見る間に健吾の周りは見知らぬ男たちで溢れ店内は殺気に満ち女性店員は危険を感じて健吾の腕を腕を掴むと奥の事務室へと連れ立った。

 男たちは店内で轟々と怒鳴り大声を上げそれに吊られるように外から男たちが押し寄せ我も我もと健吾への貢物の争奪戦が繰り広げ似れた。

 そして女性店員はソッと事務所の裏口へ健吾を案内すると「ここから脱出して下さい」と、丁寧に挨拶して健吾を裏口から店外へ出した。

 健吾は結局、パックを買うことが出来ないまま裏道を通って別の店に行くことにしたものの、歩いているうちにドンドン健吾の後ろは人集りになりその様子はまるで軍隊行進のように物々しく殺気だっていた。

 そしてさっきの店では高価なハンドバックが飛ぶように売れ在庫が尽きるほどの大盛況に変った。 そんなこととは気付かない健吾が立ち止まる度に後方の男たちは風に乗って飛んでくる健吾の香りにウットリして瞼を閉じ静まった。

 ザッザッザッザッと、軍隊行進のように健吾が進むたびに靴音が街中に広まり健吾が止まればピタリと靴音が止まり辺りは静まり返った。 


「何だろうコイツら……」


 健吾が立ち止まって後ろを振り返ると何百人にもなる男たちがまるで神でも見るかのような眼差しで健吾を見入り、健吾が突然ダッシュすると後ろの男たちは「うおおおぉぉー!」と、ダッシュし健吾がピタリと止まると男たちは静まり返ってピタリと止まった。

 男たちは殺気だち健吾が行く方向を個々に予想しつつ息を呑んで静まり返り、その数はドンドン増えて行きどれだけの数なのか解らない程になっていた。 そして再び歩き出した健吾を追うように軍隊行進が始まると健吾は右に左にフェイントを掛けると軍隊行進は「うああああああ! うおおおおお!」と、殺気だった大声を上げて右に左に大きく蛇行しそれはビックウェーブのように大揺れに揺れた。

 するとすかさず健吾はサンダルの音を立てて真っ直ぐにダッシュし健吾の後方は左右と直進で団子状態で騒然とし、数十人の男たちに追われるように健吾は別の店に入った。 するとそこでも同じように店内は健吾を追う男たちで溢れ返り、健吾が「アレを見せて」と、店員に言えば男たちは「うおおおおー!」と、一つのバックを奪い合い、健吾が「アレも」と言えば「うおおおおおー!」と、争奪戦が始まる始末。

 数人居た店員たちは清算カウンターにバックを持って殺到する男たちの対応に追われたが、健吾は物々しさの中で椅子に腰を下ろすと一息付いて脚組して辺りを見回した。 すると男たちは「アレを見た! コレを見た! そっちを見た!」と、ハンドバックを奪い合いカウンターは押すな押すなの大盛況にパニックになった。

 結局、ここでもハンドバックを買えなかった健吾は「何でコイツらついてくるんだ!?」と、不機嫌な表情を浮かべ店を出ようと出入り口に向かうと突然、男たちは「サッ!」と、道を一メートルほど開けた。 そして健吾が店を出ると店内に居た男たちは一斉に出入り口に殺到した。

 そして店先でポツンと立ち尽くした健吾の車道側に一台のタクシーが突然、猛ダッシュして急停車すると「さあ! 乗って!!」と、健吾を乗せその場から急発進した。


「御嬢さん芸能人かい♪ 危なかったね~♪」


 運転手はよく芸能人を乗せると言い数キロ走った場所で車を停めると「ちょっと待ってて」と、車を降りた。 健吾はそのまま顔を下に向けてジッとしていると運転手が戻ってきて「これ使いなさい♪ これなら顔を隠せるから♪ わたしからのプレゼントだから遠慮は要らないよ♪」と、色の濃い大きめのサングラスを健吾に手渡した。

 そしてタクシーカードを健吾に渡すと「今日は料金はサービスでいいから次回から呼んで下さいよ♪」と、健吾に送り先を聞くと自宅アパートの裏側を指定した健吾は無事にタクシーを降りて自宅アパートへと辿りついた。 そして部屋に入るなりグッタリと疲れを見せた健吾はウエストベルトを外し窓にカーテンを引くとワンピースを脱いでドスンッとベッドに腰を下ろした。 


「そろそろ夢から覚めないとマズいな…」


 スリップの下から突き出た両脚の膝を見る健吾は鑑に映る自分を見入ると言い聞かせるように独り言を呟き、ゴロンと仰向けに両腕を枕にして天井を見つめた。

 そして「はあぁ~」と、大きな溜息をするとゴロンと今度は膝を曲げて横向きになって乳房の重みが移動するのを感じた。 


「どうすれば夢から覚めるんだろ……」


 スリップの上からケツを掻いて、ブリッと屁を垂れた健吾は美人の屁も臭いんだなと、ケツの辺りを手の平で仰いだ。

 既に自分(おんな)の身体を見たり触れたりするのに飽きていた健吾だったが、憂鬱が故にケツを仰ぐ手でスリップの上からスリスリしながらしなやかな感触を楽しむうち、健吾は疲れからウトウトしそのまま熟睡してしまった。

 そして蒸すような暑さの中で寝苦しさに目を覚ました健吾はその暑さに仰向けのままスリップを慌てて脱ぐと、続けてパンティーストッキングを脱ぎ捨てブラシャーをも外した。

 全てから解放された健吾は左右に寝返りを打つたびにプルプルプルーンと、揺れ動く乳房を邪魔に思いながら胸の辺りに激しい痒みを覚えた。

 痒くて痒くて耐えられないほどの壮絶な痒みに襲われた健吾はプルプルと揺れる乳房を手当たり次第に掻いたものの、一向に痒みが収まらない健吾は「ならば!」と、スキャンティーを「パアッ!」と、脱ぎ捨て一路、狭い風呂へと突進し熱い湯を身体に浴びたが一向に治まらない痒みにイラだって風呂から出ると今度はクーラーを前回にして前にたった。

 だが、健吾の胸の激しい痒みは治まるどころか激しさを増すばかりで遂に業を煮やした健吾は、両乳房を掻き毟るように両手の爪を立て無意識に左乳房の脇近くを掴んだ瞬間、凄まじく乳房から全身に走る痛みと高熱に絶叫して気を失った。





【四話】





「あうぅ… どうしたんだ俺は……」


 脂汗を額に滲ませたまま健吾はベッドの上にうつ伏せに倒れている自分を見て辺りを見回し、記憶を辿りながら起き上がるとベッドの上に落ちているヌーブラを見て身体が男に戻っていることに驚いた。

 ようやく長い夢から覚めたのだと思わず笑みを零した健吾はベッドから降りて部屋に灯りをともし、ベッドの上を見て唖然とした。 ベッドの上に置かれた女物の下着とストッキングを見た健吾は首を小刻みに左右に振り「えっ!?」と、顔の表情を曇らせ床に落ちている薄水色のワンピースと腰ベルトに目を奪われた。


「そ! そんなはずないだろう! 夢の中の出来事が! 有り得ない!」


 健吾はベッドの上のパンティーストッキングを手にとって部屋の中を見回して時計を見ると、気絶する直後と時間にズレがないことに再び驚いた。

 そしてベッドの上の下着と床に落ちているワンピースと腰ベルトを一箇所にベッドま上に集めると、慌てて震える手てせ財布の中身を数え始めた。


「そんなアホな!! 夢の中で使った金なのに!」


 家賃を振り込もうと入れていた財布の金が減っていることに愕然とした健吾は、そのまま床に崩れて今までのことが全て現実だったことを悟った。

 だが、現実とは言いながらも自分が思い描いていた美しい女性になっていたなどとは到底信じられない健吾は、財布の中に入っていたタクシーカードを見て震撼した。

 そして座卓に置いてあるタクシー運転手から貰ったサングラスを手に、一番最初から最後までを記憶を一つ一つ確かめる健吾はベッドの上に置かれたヌーブラを見て「もしや!」と、腕を伸ばしてそれを掴んだ。

 健吾は掴んだヌーブラを目の前に、この場で着けてみようか悩んだ末にそれを座卓の上にポトリと置いて、そのまま風呂へ移動し冷たい水で顔をジャブジャフと洗い流すとそのまま温めのシャワーに身体を浸した。


「もしあれで本当に女に変身できるとしたら…… 痛ええぇぇーー!!」


 健吾はハンドバックを買うために街中を歩いていた時のことを思い出しながら身体を泡立て股間を洗い、何故かパンパンに溜まりに溜まった睾丸に触れて飛び跳ねるような痛みに顔を顰めた。

 余りの痛みに健吾は両手で睾丸を左右から抱くように支えると、肉袋の中の玉が病気にでもなったかのように腫れていて触れているだけでも激痛を感じて顔色を変えた。

 健吾は睾丸の腫れが変身と何か深い関係があるに違いないと思いながらシャワーを終えると首からタオルをブラさげて風呂場を後にした。

 タバコに火をつけ自分が女としてさっきまで自分が履いていたスキャンティーを左手に、その内側の汚れ見た瞬間、突然健吾の一物はムクムクムクッと大きく聳え立ち硬さを自らの根元に伝えた。

 美人が一日中着けていたスキャンティーとは言え、その美人が自分であると認識しながら男の悲しい性(さが)か健吾は、タバコを消すと右手で硬く聳えた肉棒をグイッと握り左手にもったスキャンティーの内側に鼻先を押し付け「スウゥー!」と「臭っせええぇぇぇーー!!」と、深く吸い込んで口からの吐息を外に吐き出し余りの激臭に涙目になった。

 何とも言えない熟成した美女の使用済みスキャンティーの匂いに、健吾は涙目で右手は忙しく前後を繰り返しスキャンティーを吸い込む鼻と吐き出す口は蒸気機関車のように給排気を繰り返し健吾の舌がスキャンティーの当布の上を滑る頃、前後する右手はその動きを益々早めた。

 そして散々匂いを嗅ぎ舐めまわしたスキャンティーに風味が無くなると健吾はスキャンティーで肉棒を包んで尚も手を忙しく前後させ、数分後に濃厚な男の体液を根元をズキズキさせながらティシューにタップリと撃ち放った。

 だがそれだけでは腫れた玉は元に戻らず、健吾の左手は下半身を覆い包んでいたパンティーストッキングを掴むと再びその濃厚な女の匂いに、給排気を早めながら手の動きを加速させ二度目のフィニッシュを向かえブラジャーで三度目に突入しスリップで四度目を撃ち果たした。

 健吾の睾丸は次第にその腫れをひいて普通の大きさに戻ったものの精神的にも体力的にも凄まじい衰えをこのとき感じていたが、フラつく足取りで立ち上がるとヌーブラを台所で水洗いし自然干しして買い置きのカップメンとレトルトライスで腹を満たした。

 そして使ってしまった家賃をどうしようかと安いコップ酒を飲みながら考え始めた健吾は、ハンドバックを買おうと街中で男たちに追いかけ回されたことを振り返った。 


「待てよ… アレが夢じゃないとすると……」


 健吾は台所の上に干してあるヌーブラを見つめ数秒間動きを止めると、男たちが口々に高価なハンドバックを自分にプレゼントしうとする必死な形相を思い出し「これを使えば家賃分取り戻せるかも知れない」と、神妙な表情を浮かべた。

 そして翌朝の七時、目覚めた健吾はヌーブラが乾いているのを確認すると持ってきて座卓前の床に胡坐して、深呼吸を一度してからヌーブラを胸に装着した。


「痛ええぇぇー!! うぎやあああぁぁー!!」


 胸に装着したヌーブラを眼下に見た健吾は、ヌーブラから無数に伸びた同色の針金のような物体が自分の胸の肉に突き刺さるのを見た瞬間、壮絶な痛みに絶叫して気を失った。

 そして数時間も痛みに耐えていたと思っていた健吾が目を覚まして時計を見ると、装着した瞬間の時間に戻っていることに気付き、痛みの残る中で床から起き上がると健吾は眼下にプリンプリンした乳房と丸みを帯びた美女になっていることに驚愕した。


「やっぱり夢じゃなかった!!」


 健吾は目を丸くして自分の身体を見回すと立ち上がって鏡にグルリと全身を写し、その美貌たるやに頬を紅く染め照れながら男物のトランクスからバンティーに履き替え、ブラジャーとスリップそしてパンティーストッキングを下半身に密着させた。

 そして白いブラウスに深スリット入りの膝上黒タイトスカートを纏うと、鏡に映った自分が美女とは言えスッピンであることに違和感を覚えた健吾は、ついでに「化粧道具も買ってもらうか」と、鏡の前で可愛らしい笑みを浮かべると、時間が来るのを待ってアパートから外へと向かった。

 健吾はアパートの近所で目立ったも仕方ないと、サングラスを掛け人目を避けるように歩き始めること十分「そろそろいいだろう」と、サングラスを外しブラウスの胸元に掛けた瞬間、何処からともなく沸いたように健吾の後ろは男達で溢れ街へ行くためのバス停につくころには付近は催眠術に掛かったように男たちで埋め尽くされた。

 商店街の近くのバス停をグルリ取り囲む男達は殺気を漂わせ健吾に声をかけるチャンスを伺い、健吾はそれに気付きながらも目を合わせないように両手を前側にバスを待った。

 すると猛スピードで近づく数台の乗用車が健吾のいるバス停で急ブレーキをかけ降りてきた数人の男達は健吾に声を掛けようとして掴み合いの喧嘩が始まった。 そしてそれに周囲の男たちも加わって辺りは騒然とし大乱闘に発展、バス停に立つ健吾を中心に半径五メートルの円を描いてバトルが始まった。

 健吾は周囲の光景と騒音にイライラし愛らしい顔に険しさを滲ませると、大きな声で「うるさあああぁぁーーーーーーいぃ!!」と、黄色い声を高らかに発した。 その瞬間、二百人以上の大乱闘はピタリと静まり一斉に男たちの熱い視線が健吾に注がれた。


「今日、私は○○に化粧道具とハンドバックを買いに行く予定です!! もしみんなが私のことを思ってくれるなら! 静かにして欲しいの!!」


 健吾の可愛らしい声が高らかに付近に届くと男達は一斉にその声にウットリし、癒されたかのごとく萌え萌えの空間に男達はドップリと浸った表情を個々に見せ静まり返ったと思った瞬間、車の男達もバイクの男達も自転車の男達も徒歩の男達も一斉に健吾の行き先を目指してその場から一瞬にして姿を消した。

 そして健吾はサングラスを再び掛けてバスに乗ると座席で俯いたまま到着するのを只管待ち続けた。 だがそんな健吾を見逃すはずもなく健吾に魅かれるうに一人、また一人と健吾の座る座席に男が近づきスリットから零れる美味しそうな脚に男達の目は充血していった。

 そんなところへ次のバス停で乗ってきた体格のいいオバサンが男達を腰でガンガン蹴散らし「ドッコイショ!」と、健吾の窮地を救った。 男達は窓際にいる健吾が見たくて何とかして見ようと試行錯誤したが結局、巨漢のオバサンに阻まれて願いは適わなかった。

 だがバスに揺られること十数分、たまたま隣りの巨漢オバサンと降りる場所が一緒だった健吾は一緒に立ち上がるとオバサンの後をついて降り口に移動したものの、突然の太ももへの何者かのタッチに「キヤアァーー!」と、無意識に悲鳴を上げた健吾にバスの中は再び騒然になった。

 
「コイツだああ!! コイツが痴漢しやがったあ!!」


 数人の男たちがバスの中央部で怒声を発し健吾に痴漢したと思われるサラリーマン風の男を取り囲んだ。 そして次のバス停の直前でバスは騒ぎに急停車し、健吾は前に立つ巨漢オバサンの背中に救われ難を逃れるべくバスからトッとと下車したが、一瞬とは言えストッキング越しに触られた肌の感触が脳裏に焼きついた。

 自宅近くの商店街で衣料品店のオバサンに尻を、そしてバスの中での痴漢に太ももを触られた健吾は触られる快感(よろこび)を忘れられなくなっていた。 だが、巨漢オバサンの後ろを歩いていた健吾は目的地の辺りに黒々とした人集りを見た瞬間、大きな溜息を付きながらも「あのくらいならいいや…」と、後ろに視線を感じて振り返った瞬間! 押すな押すなの男集りの山に顔色を青くし巨漢オバサンをバリケードにして俯き加減でデパートを目指した。

 だが健吾を追う男達は群集となって車道と歩道を塞ぎ交差点は人と車がゴッた返して辺りは車のクラクションで大きな渦と化した。 そんな中、健吾は巨漢オバサンの後ろを付いて行くものの店先の群集に行く手を阻まれ、健吾は再び「みんなー! 静かにしてえぇぇー!!」と、店の前で両手に拳を握り叫んだ瞬間、辺りはウッソウとした森林地帯のように静まり返った。


「私はここで化粧用品とおー! ハンドバックを買うのおお!! 誰か私にプレゼントしてええぇぇー!!!」


 静まり返った大都会の街中、健吾の声だけが空を駆け巡りビルとビルの間にこだました瞬間、何千、何万という群集が「うおおおおおおーーー!!」と、デパートの玄関へ健吾を菱形に避けるように突進し飲み込まれていくと、車を降りた男達もまた次々にに群集化してデパートへ飛び込んで行った。

 まるでアニメのようにそして映画のように男達は健吾の声に催眠術に掛かったように一心にものすごい勢いで掛けぬて行った。 だが健吾は「こんな状態ならプレゼントを受け取ったら殺し合いになりかねない…」と、近くにあった交番へと飛び込んだ。

 すると交番の警察官までもが健吾を見た瞬間「うおおおおおー!!」と、交番を飛び出しデパートの玄関へ突進して行ってしまった。 健吾はホトホト困り果て交番の中のパイプ椅子に力が抜けて座り込んでしまったところへ婦警さんが来てくれた。


「そおぅ…… それは困ったわねぇ~ でもここなら取り敢えず安全よ♪ 少し様子を見ましょう♪」


 健吾の魔法のような催眠効果は女性には効果なかったのか、交番へ来た婦警さんは親切に対応してくれると出入り口の引き戸の前で外を見張った。

 そして十分ほど経過すると、再びデパートの出入り口から「うおおおおおおーー!!」と、言うものすごい群集の雄たけびと足音が聞こえ、健吾を震え上がらせそれに気付いた婦警さんは健吾を自分の身体で隠したものの、群集が「居たぞおお! アソコだあぁー!!」と、交番を数万の男達が一斉に取り囲んで「うおおお! うおおおお!」と、雄叫びを上げ始めた。

 そんな光景を目にした婦警は身体をガクガクと震えさえ顔色を真っ青に変えた、そしてその瞬間! 男の警官が血相を変えて交番に入るや否や「プレゼントを持って参りましたあぁー!!」と、高価そうな小箱を健吾の前に跪いて両手で差し出した。

 警官の姿に婦警は目を丸くしてそれに見入り唖然とし、警官から小箱を受け取った健吾は黙ってそれを受け取ると「お願い! 私を助けて!」と、跪く警官を見入ると「ムクッ!」と、立ち上がった警官は腰ベルトとから拳銃を取り出して天に掲げ、入り口に立って黒々プレゼントを手に持つ群集をグルリと見回した。

 健吾はその勇壮果敢な警官の背中に身を潜めると「お化粧道具が欲しいの…」と、耳打ちし「フッ~」と、軽く息を吹き掛けた瞬間、警官は「次は化粧道具だあああーー!!」と、群集に向かって怒声を放った。 その瞬間警官の怒声に静まり返った群集は「うおおおおおー!!」と、デパートの入り口へ轟音を立てた。

 そして再びその光景を見た婦警は後ずさりして奥の別室へ姿を隠し、健吾は警官に隠れるようにしてパイプ椅子に再び腰を掛けると「兄が御家賃を払えなくて困っているの…」と、切なげな声を警官の背中に呟くと「よっしゃああ!」と、ガッツポーズを決めて健吾に「振込先は何処?」と、健吾を振り返ってウットリ見つめて優しく尋ねた。

 そうしていると再びデパートから轟音が立ち上がり、健吾に受け取って貰おうと一番を目指した群衆が交番に突進して、それを見定めるように警官は入り口に立って拳銃を空に向けた。 群集は両手に様々な大きさのデパートの袋を持ち中には化粧台ごと抱える者も汗だくになって警官に「渡してくれえぇー!! プレゼントだあぁ!」と、血相を変えた。

 すると警官が拳銃を持った手を左から右方向へゆっくりと振ると、騒然としていた辺りは突然静まり返り、警官はゆっくりと健吾を振り向くと「好きなモノを選んで下い御嬢さん…」と、優しい笑みを浮かべた。 健吾は警官の前に立つと「みなさん! ありがとうございます!」と、少し大きな声を辺りに掛けると熱い眼差しで見つめる群集の中から化粧道具が入った袋を受け取った。

 その瞬間、群集は「うおおおおおー!! パチパチパチパチパチ!」と、雄叫びとともに盛大な拍手が空いっぱいに響き、健吾は笑みを群集に向けた瞬間、群集は感動したとばかりに号泣し始めた。 そんな中、健吾は警官の後ろに再び戻ると警官は拳銃を持つ手を空に向けて数回左右に激しく振って辺りを静まらせた。


「このお嬢様の兄が家賃を払えなくて困っているらしい! 九万円! 振込み先はここに貼っておくから宜しく!!」


 警官は健吾から聞いた健吾の預金通帳の番号を書いたメモを入り口の引き戸の窓ガラスに貼り付けると、引き戸を閉めて中へと入った。 健吾は貼られたメモに群がる群衆を前に警官に立ち上がって笑みを零すと、警官は立ったまま感無量の涙を流し群集はそれに気付かぬまま近くの銀行を人で埋め尽くした。 だが健吾はその数に戦々恐々と警官に「あんなに親切な人が… でも私… 怖い…」と、表情を曇らせると「日本は親切な人で溢れている! 貰っておきなさい!」と、沈む健吾を元気付けた。

 そんな警官に「家の近くまで送って頂けませんか…」と、切羽つまった表情を見せると、警官は「了解!」と、健吾に敬礼し不動の姿勢を示し、奥に部屋に居る婦警にパトカーを取ってくるように命じ、健吾は交番をグルリと取り囲んで山積みされたプレゼントを婦警に「良かったらこれ貰って下さい」と、出て行く瞬間の婦警に笑顔を見せた。

 すると男性警官は「あぁ… なんて御優しい御言葉…」と、根性ドラマのように号泣して右腕で涙を拭き、婦警がパトカーを持って来ると何十台ものパトカーが騒ぎを聞きつけ交番へ向かって来ると、婦警が「巡査部長が! 巡査部長が!」と、警官を大勢の警官達に指差して教えた瞬間「うおおおおーー!!」と、警官達は健吾目掛けて突進し婦警の目の前で全員が跪き婦警を呆然ささせた。

 
「さ、お足元をお気をつけ下さい」


 健吾は警官にエスコートされパトカーの助手席に乗ると警官はサイレンで群集を蹴散らしながらチラチラと健吾の右太ももを見て鼻血を滴らせ遠回りな道を進んで途中からサイレンを止めて走行した。

 そしてハンドルを握る警官に「お巡りさん優しいのね♪」と、微笑みかけた瞬間、警官は鼻血を「プファー!」と、噴出しフロントガラスを白いティシューで埋め、自宅近くで降りようとした健吾に「もし何かあれば私に連絡して下さい!」と、名刺を手渡して名前を尋ねた。

 健吾は警官に二度と会うことも無いだろうと「麗華」と名乗り、深々と頭を下げて建物と建物の間に姿を消した。 警官は健吾をウットリして見送ると健吾が座っていたシートに頬擦りに匂いを嗅ぎ再び鼻血を悪化させた。

 そして人目を忍んで自室に戻った健吾は台所で水を飲むと「ブリュ!」と、屁を垂れてタバコに火を点け高価そうなハンドバックを取り出してニッコリと笑みを浮かべると「ブリュッ!」と、再びへを垂れて化粧道具の入ったデパートの紙袋から大きな箱を取り出した。

 すると健吾はタバコを吸いながらブラウスのボタンを全て外し「あんまりモテるのも困りものだよ♪」と、笑いかけて脱ぐとベッドの上に置いて床に座ったままで深スリットのタイトスカートを脱ぎ、再び「ブリユゥッ!」と、大き目の屁を垂れ、鏡に映る美女に「こんな美しい人でも屁は垂れるんだよな~」と、笑いかけた。

 そして胡坐をして手を伸ばして小さな冷蔵庫から麦茶を出してゴクゴク飲んだ健吾は、自分の股間から俄かに立ち上る成熟した女の匂いに腰を後ろに傾げ「パタパタ」と、雑誌で股間を仰いで匂いを蹴散らした。

 


【五話】





「浜田くん! まだ終わってないのおぅ! 全くグズなんだからぁー! これから会議があるのにぃー!」


 健吾は朝から同期入社で高卒のイヤミと呼ばれる高野真由美に頼まれた書類作成が間に合わず、叱責されていたが口答えせず黙って仕事をやり遂げようと黙々と手を動かしていたが、イヤミなる女子社員は健吾の前から書類を奪い取るとそのまま会議室へとその場から立ち去った。



女子社員:あっひゃひゃひゃー♪ モスラがまたイヤミさんに叱られてるわぁ~♪ モスラに頼むと遅くなるの知っててああやってさ~ クスクスクスクス……
 ヒソヒソ話しで盛り上がる数人の女子社員たち。


女子社員:ああしてモスラを虐めるのがイヤミさんの月曜日じゃん♪ 毎週月曜はイヤミさんのモスラ虐めでスタートよぉ~♪
 ヒソヒソ薄笑みして健吾を遠くから見る女達。


女子社員:だけどさぁ~ モスラもよく黙ってるわよね~♪ 役立たずのモスラだって一応は係長なのにねえ~♪ あっひひひひ♪ まあ、何でもやりますの係だけどさ~♪
 辺りをキョロキョロ見回して顔を並べて声を弾ませ、部長の小山を見るなり女達はチリジリに消えた。



小山:浜田君♪ すまんがタバコを切らしてしまってね。 君、お使いを頼まれてくれんか♪
 夢中になって机に噛り付く健吾の肩をポンと軽く叩いた小山は右上を見上げる健吾にニッコリと笑むと小銭を手渡した。


健吾:あ… あう… あ… はい部長……
 歯切れの悪いいつも通りの返事をして席を立つ健吾は小山に一礼するとフラフラと千鳥足で部署を出て行き、相変わらず山になって机を埋め尽くす書類を見て感慨深げに右手を頬に当てた。

  
小山:津崎くん! ちょっと浜田君のことでちょっと……
 小太りで丸顔の小山は尖った顎のバッタのような顔した課長の津崎を手招きで呼びつけ何処かへ消えてしまった。


 その頃、本社ビルから外へ出た健吾は真っ青な空を見上げ吹き抜ける温い風に髪の毛を靡かせ一路コンピニを目指した。

 周囲はキビキビと書類の入ったカバンを手に営業へ向かうエリート風の男や女たちで溢れ、歩道で立ち止まって空など見上げている者もない場所で、健吾は小銭を落とさぬよう握り締めた。

 
オバちゃん:いらっしゃい♪ 健ちゃん♪ 今日は誰かのお使いかい♪
 小銭を握り締める健吾の右手を見たコンビニ経営の馴染みのオバちゃんはニッコリ笑ってタバコの棚を見上げた。


オバちゃん:今日は専務さんかえ? それとも常務さん?
 タバコ棚に腕を伸ばして健吾に尋ねた。


健吾:ああ。 うん。 ああ。 きょうは部長さん♪ あは。 あははは♪
 オバちゃんにタバコ銭を渡してガム一枚を貰い満面の笑みを浮かべる健吾はルンルン気分で店を出た。

 そして青々とした空を見上げると両手を空に向け大きな背伸びして白い歯を見せた健吾は風に揺れる街路樹の葉を見て足を薦めた。


「部長。 遅くなりました♪」


 部署に戻ってタバコを二つ手渡した健吾に、笑みを浮かべてキャンディーを数個手渡す部長は、課長の津崎に「後は頼んだよ」と、言い残すと仕事場からそのまま老化へ姿を消した。

 そして健吾が自分の席に戻ろうとすると、課長の津崎が健吾を呼び止めた。


津崎:浜田くんちょっと… ああ、いやいい。 すまんな呼び止めたりして…
 健吾を呼び止めた津崎は何か言おうとしてそれを取りやめるとそのまま部屋を廊下へと移動し、健吾はそのまま自分の席に戻り再び仕事に身を入れた。

 一々相手のことを詮索しない性格の健吾は黙々と山積みの書類整理に追われ、誰もいない部署の静けさに壁掛け時計を見て昼休みに入っていたことを知った。

 そして健吾は再びオバちゃんのコンビニへ出たものの財布の中身を見て唖然とし、やむ得ず預金から昼食代を引き出そうと再びオバちゃんのコンビニのATMへ向かった。


オバちゃん:健ちゃん♪ 今からかえ♪ みんな当に食べ終わってる頃なのに精が出るわね~♪ 健ちゃんの好物弁当、一つとってあるからね♪
 ニコニコして健吾に話しかけるオバちゃんは奥の事務室をチラッと見た。

 健吾はオバちゃんに頷くとそのままATMへと向かって残高照会をした瞬間、首を傾げたままモニターを見る目が点になりそのまま石地蔵のように固まった。

 そしてモニター画面に表示された数字を人差し指で数え始めた健吾は再び最後に固まり、前日のデパートの一件を思い出し、呼吸が増し顔が火照るのを感じた健吾は両手で顔を覆った。

 何度数字を数えてもそこには「四億六千五百五十三万八千円」と、言う巨額が入っていることに健吾は両膝をガクガクさせ何度も何度も慌しく数字を確認すると、五百八十円だけ引き出してそのままオバちゃんの元へ千鳥足で移動した。


オバちゃん:どしたの? 健ちゃん!? 大丈夫!?
 顔色こそ変っていないが様子がおかしい健吾を見抜いたオバちゃんはカウンター内の小さな脚立に上ると健吾の額に手を当てた。

 健吾はボオォーと立ち尽くして熱を計ってもらうとオバちゃんの目をジーッと見つめると「あう… あう…」と、返事した。

 
健吾:オバちゃんありがとう……
 コンビニを出た健吾はフラつきながら歩道をテクテク歩きだし、立ち止まっては巨額を考え再び歩き出してはまた止まった。

 そんな健吾が買物袋を提げて会社へ着くと部署の入り口前の廊下の壁が俄かに騒々しかったが、頭の中が巨額で埋まっている健吾はそれ所ではないまま部屋の席に戻ると弁当を食い始めた。

 すると廊下で騒いでいた大勢の女子社員たちが健吾のそばにやってきて左右から挟んで「浜田係長! 課長昇格おめでとうごさいまーーす♪」と、健吾の肩の左右に手を乗せて右に左に大きく揺すった。


 その瞬間!
 
 
 健吾は大好物のコロッケを口に入れる直前、ポロリと床にそれを落とし、それに気付いた女子社員達は一斉に顔色を変えゆっくりと後退りを始めた。

 顔を下に向け目を床の一点に集中させた健吾は全身をプルプルと小刻みに震えさせ両手を置いた書類山積みの机をガシガシと揺らせた。 

 女達はその光景に顔色を変えコッソリとその場から離れるとドアと壁の陰から顔を縦に並べて目を丸くして見据え、食事中の健吾に近づいてはいけないという部署のルールを忘れ近づいたことで健吾の爆発を恐れた。

 食事中の健吾にはあの通称イヤミと呼ばれる高野真由美ですら近づかないほど健吾の顔は見る見る間に大魔神のように変化したが、頂点に達した瞬間、見入る女子社員達は顔を顰めたものの健吾は何故か怒りを沈静化させた。

 いつもなら椅子の一つや二つ飛ばすはずの健吾はこのとき、心の中で「これはコロッケ弁当ではなく、漬物弁当なのだ」と、自分に言い聞かせ帰宅したら「コロッケ弁当を買おう」と、巨額の残高を少しだけ使わせてもらおうと考えた。

 そんな健吾を女子社員達は戦々恐々としながら見定めると始業開始とともにチリジリに何処かへ消えて行き、健吾もまた黙々と自分の仕事に没頭し廊下の張り紙など見る時間も無いままに終業時間を経て、尚も九時までのサービス残業に打ち込んだ。

 そんな姿を遠くから見守る守衛さんは廊下で健吾の昇進をひそかに喜び、同僚達や後輩や先輩たちは居酒屋で健吾を肴に盛り上がっていた。

 健吾は何も知らないまま九時過ぎに守衛さんから声を掛けられペコリと頭を下げて会社を後にした。


 そして自転車を漕ぎ続ける健吾はいつもののようにコンビニでコロッケ弁当を買い、自宅アパートへヨレヨレになって帰宅すると、散らかった部屋に置かれたヌーブラをチラッと見て心の中で「ただいま」と、同時に座卓の前に胡坐して弁当を食い始めた。

 その間、健吾はコロッケから一瞬たりとも目を離さず見入ったまま黙々と弁当を食いそして最後に残ったコロッケを「パクリ」と、頬張るとこの世の春とばかりに満面の笑みを浮かべた。

 タバコに火をつけいつもと同じように一口吸うと上着を脱いでスボンのベルトを緩めベッドに寄りかかりながら天井を見つめ、一日が終わったことを自分に言い聞かせるも昼に床に落としたコロッケが今、何処でどうなっているのか考えてもいた。


 健吾はタバコを吸い終えるといつものように狭い風呂場に入り、いつものように身体を縮めて縦横九十センチの箱のなかに身体を丸めた。

 そして預金残高を思い出し「返さなきゃ…」と、家賃分を差し引いた全額をどうやって返すのかを考えた。 誰が振り込んだのかもわからない巨額をどうやれば返金出きるのか健吾は頭に手拭いを乗せて考えた。

 
「そうだ! あのお巡りさんに相談して!」


 健吾は俄かに思いついた秘策に風呂を出ると身体を乾かして、干してあるヌーブラを全裸の胸に装着した。 そして数時間の痛みと苦痛に耐え目を覚ました健吾はその痛みと苦痛が幾分和らいでいることを悟った。

 そして時計を見て、渡された警官の名刺の携帯へ電話をかけながら一日ぶり会う女の自分と鏡の仲で再開した健吾は、電話が繋がった瞬間「麗華です。 覚えていますか?」と、声を細めると相手の警官は「どちらへお掛けですか? 貴女のお名前に心当たりは無いのだけど…」と、間違い電話のごとくな対応に、健吾は前日のことをさり気無く伝えた。

 だが警官は麗華(けんご)に「昨日はそういうことは無かったが…」と、不思議そうな声を麗華(けんご)に聞かせた。 間違い電話と警官に伝えた健吾は電話を切ると悔しし表情を浮かべ警官の名刺をくずかごに破り捨てると、肌寒さに箪笥から女物の下着を出して取り敢えず肌を覆うと、腕組してベッドに寄りかかった。

 タバコに火を灯した健吾は鏡に映った麗華の悩ましい姿を見ながら「みんな記憶がなくなるのか!?」と、何も覚えていない警官のことに質問を重ね「てことは… あの大金のことも誰も?」と、困惑した表情を浮かべ「これじゃ返せないじゃないか」と、額の汗をタオルで拭いた。

 そして冷蔵庫に手を伸ばして缶ビールを取ろうと四つんばいで手を伸ばした瞬間、座卓にあったテレビのリモコンスイッチを触れた。 テレビ画面が明るくなるのを横目にビールを取り出した健吾は再びベッドに寄りかかって缶ビールを開けた。

 
「昨日、○○交番に突如現れた大量の小箱に入ったハンドバックと化粧道具は今も引き取り手の無いまま………」


 何処かのテレビ局のリポーターがマイク片手に交番の屋根よりも高く積み上げられた品々を険しい表情で伝え、交番をスッポリと包む量に道行く人たちは驚きの顔してそれに見入っていた。

 健吾は婦警さんにあげたことを思い出していたが、テレビに映った大型トラックで数十台はあろうかという量を見て息を飲みながらテレビをオフにした。




【六話】





「どおーですこの広さ! しかも最上階で中古ながら内装からバスやキッチンまで新品入れ替えでこの価格なら借りるより遥かにお得ですよ♪」


 1ヵ月後、健吾は女物の衣類と男物の衣類整理をするべく不動産屋の担当者と一緒に街中の二十階建てのマンションの部屋を見に来ていた。

 不動産屋の言うとおり二十階建ての最上階は付近に高層物のない景色も見晴らしも最高だった。 借りれば保証人やらなんやで面倒くさいことになることを嫌った健吾はこの4LDKのマンションを一括現金払いで購入し、管理費用やら積立金やらも二十年分を前金で納めた。

 悪いことと知りつつも返そうにも返すことの出来ない金だったが、増えていく女物の置き場にベッドの場所も取られる状態を打開すべく今回の事態となった。

 今、住んでいる場所かに勤務先までも二十五分以上の短縮になる上、街場までも近い立地条件に健吾は後ろ髪引かれる思いで五千万円を現金で納めた。

 そして不動産屋のサービスで引越しを終えた健吾は一人で住むには広すぎる程に広い4LDKを一人で見て回ると「ここは麗華の衣裳部屋だな」と、新しく買い入れた彼女に相応しい洋服ダンスを見て笑みを浮かべながら、自分をリッチにしてくれたヌーブラが収められた桐の化粧箱の前で頭を下げた。


「麗華さえ傍にいてくれたら俺は…」


 旗日を利用しての引越しは丸一日を要したが衣類以外に荷物の少ない健吾は、夜の九時にはホッと一息つける状態になっていた。

 悪いと思いながらもボロの自転車からミニバイクに乗り換え、ヨレヨレの背広を安物だが新しいのに替えた健吾は、名ばかりとは言え課長に相応しい様相を自分なりには見せていた。

 偶々、空きのあった庶務課長のポストを貰った健吾だったが相変わらずの部下無しだったが、誰にも邪魔されずに黙々と仕事に打ち込める納戸のような小さな小部屋を貰ったことで、健吾は自分なりには充実していた。

 そしてそればかりか、麗華(おんな)になって街を歩けば追い掛け回されるだけの最初の頃とは違い、ヌーブラにモテ過ぎは困ると頼んだ所為なのか追いかけ回されることが少しだけ軽減した。

 缶茶とコロッケ弁当が大好物だった健吾は知らぬ間にドンドン贅沢な食事が普通になっていった。 そして月日がかさむうちに麗華になっている間は女言葉と可愛らしい仕草が無意識に出るようになって、変身時の痛みや熱も殆ど出なくなっていった。

 そして当然のことながら男女の関係を迫る紳士も多くその都度、無意識ながら口から出る断り方に健吾本人も度肝を抜かれることはシバシバだった。

 だが麗華になっている時の健吾は徐々に「この紳士(ひと)になら触れられてみたい」と、思うようになりそれを抑える別の自分が身体の中にいることもシバシバだった。

 そのうち頭は二分割されたように相手を欲しがる麗華と、相手は男なんだと引き止める健吾が明確に二人いることに気付いて行くものの、あわやキスを許してしまいそうになる場面も登場した。

 だが健吾は時間の経過とともに「麗華になっている間だけなら男に触れられて見たい」と、男に愛欲される気持ちよさを想像してベッドの上で自慰する日も増えつつあった。

 そして健吾は次第に自慰では満足出来ずに熟した肉体を持て余すように麗華側に近づいて行った。

 
 ある日のこと健吾は麗華に変身して夜の街をいつものように漂っていると白髪交じりの五十代の紳士と出会った。 大手企業の重役の名刺を差し出す彼は清潔感ある爽やかな印象で、魅かれた健吾はその紳士とホテルのバーで会話を楽しみそして彼の部屋へ導かれた。

 彼の部屋でウインドーから見える夜景を見ながら再び酒を口にした彼は、数年前に妻に他界され独り身であることを健吾に聞かせると一瞬寂しさを表情に滲ませたが直ぐに別の話題へと振り替えた。


紳士:失礼だが見たところ遊びで夜の街を俳諧しているようには思えないのだが……
 窓辺のソファーに対座する紳士は上着を脱ぎながら麗華に尋ねるように呟いた。


麗華:私を! 私を買って下さい!
 テーブルの向うにいる紳士を見つめて直ぐに俯いた麗華は自らの言葉に恥じ入るように無言になった。


紳士:話してごらん……
 麗華の表情に只ならぬものを感じた紳士はネクタイを緩めながら麗華の右横に移動すると、軽く麗華の右肩に手を這わせた。


麗華:父の会社が倒産して… 婚約者とも破談して… 
 紳士は麗華の話に表情を硬化させたが直ぐに優しい笑みを浮かべた。


紳士:今夜は帰りなさい。 帰って自分が何を言っているのか確かめるんだ。 第一、君は男を知らんのだろう見れば解るよ…
 俯く麗華を右側から覗き込む紳士は優しく麗華をなだめた。


 紳士は麗華の話を三十分ほど聞いた後、ソファーを立ち上がると別室へ行き再び戻ってくると麗華に「いくら必要なんだね。 言って見なさい…」と、再び麗華の右横に腰掛けた。


紳士:一千万か… 安くはないが君ほど美しい女性でしかも処女となれば一千万が一億でも高くはないな… その代わり君の操を朝までの条件なら……
 俯いたまま涙を零す麗華に紳士は額面を書いた小切手を手渡すと左肩を抱き寄せて足組してウイスキーを一口、含むとそのまま麗華に口移しした。

 
 麗華はその口移しに両肩を強張らせると紳士は直ぐに麗華から驚きの表情を見せて離れた。


紳士:まさか君はキスも経験が無いのかね!? まさか今回がファーストキスなのかね!? そ… そんな!?
 ファーストキスであることに無言で俯いた麗華を見た紳士は麗華に渡した小切手を奪い取って破ると、新しい小切手に数字を書き込んでそのまま麗華のバックに捻じ込んだ。

 紳士に導かれ寝室へ移動した麗華は紳士を前に後ろ向きになると、ドレスを涙ながらに脱ぎ紳士はその狂おしいほどの麗華の美しさに息を飲み部屋の明かりを小さく絞った。

 黒いスリーインワンから伸びたガーター紐と、それに吊るされた黒いガーターストッキングに包まれた見事なまでの脚線美を見て紳士は目を大きく見開いて呼吸することさえ忘れた。

 そしてガーター紐の下のレースの更に下に見える黒い小さなスキャンティーを見た紳士は、麗華が本気で自分の人生の全てを投げ出す覚悟が出来ていることに感服し、それならば男としての全てを麗華(このこ)のためにと意気込んだ。

 下着姿になった麗華は俯いたまま無言で心身の方を向くとベッドに腰掛ける紳士へと歩き出すと、紳士は両手で麗華の腰を受け止め腹部に頬を寄せるとそのまま両手を尻から裏モモへと滑らせた。

 麗華は触れられる感触に全身を強張らせ雨に濡れた子猫のように震えると、紳士は感動したように頬を離して真下から麗華を見上げ、ポタポタと落ちる涙の雫に麗華をそのままベッドへ抱き倒すと、麗華の肩から肩紐を途中まで外して両手を優しく顔に這わせると、口の中に舌を入れて麗華の唾液を貪った。

 紳士は腫れ物に触るような手つきで麗華に乳房を晒させると、純潔を守り通したビンク色のつぼみを唇で覆い隠し、両手で優しく丁寧に乳房を揺らしストッキングを脱がしスキャンティーを剥ぎ取って愛撫を繰り返した。

 麗華はそれだけで頭の中が真っ白になり自分に何が起きているのか解らぬまま、ギコチない身悶えと喘ぎ声を奏でそして突然の凄まじい陰部の奥への痛みに「痛あぁぁぁーーーい!」と、泣き叫んで紳士の硬いモノを体内に受け入れた。

 紳士は薄明かりの下でベットシーツを鮮血で染め痛がって泣く麗華を見て、何という酷いことを麗華にしたのだろうと自分を責めながらも、美しい裸体を見せる麗華に獣の本能を止められず再び麗華の身体を貪った。

 そして早朝、紳士をそのままに身支度を整えた麗華はベッドで眠る紳士に両手を前にして深々と頭を下げるとその場を静かに離れたが、それに気付いていた紳士は麗華と出会えたことを人生最大の幸福と位置づけベッドに漂う麗華の残り香に酔いしれた。


 


【七話】





 健吾はたった一晩で一億円という法外な金額を稼いだことに味をしめ、そして処女を失ったことで女として自信をつけたことも手伝って、同じように二度目のチャレンジに踏み切った健吾だったが、二度目にして健吾は思わぬハプニングに驚いていた。

 それは確かに凄まじい痛みを伴って処女喪失を果たしたはずなのに、麗華の身体はその痛みの元である処女膜を再生させていたことだった。 処女喪失後少しずつ女の喜びというモノを感じられると信じていた健吾にとって、それは信じられない事実だった。

 男に全身を舐められ味見される喜びと辱められる快感を満喫した後にやってきた処女喪失の痛みは慣れることの出来ない苦痛でしかなく、二度目だというのに麗華はベッドの上でその痛みに泣き叫び相手の男を喜ばせた。

 相手の男は美しい麗華の鮮血と痛がる様相に処女を貰った喜びに浸り多額の金額を援助したものの、麗華はショックを隠し切れぬまま相手の男のベッドから立ち去った。

 
「もしかしたらこの身体は永遠に処女再生を繰り返すのか!?」


 ならば確かめてやれと、男に戻った健吾は麗華に変身しドレスアップして夜の街へ相手を探しに出かけるも、結果は同じで麗華の身体は処女膜を再生し、それが四人、五人と回を重ねても麗華は女の喜びに浸ることはなかった。

 相手の男達は麗華の処女喪失に人生最大の喜びと御満悦だったが、男を体内に受け入れる度によみがえる処女喪失の痛みに麗華は女として絶望の淵に立たされていた。

 そして麗華に変身と同時に酷い生理痛に見舞われた健吾は「麗華にも生理があるのだ」と、知りショックを受けたが、過去を振り返り今の月日を重ねた時、今までは麗華が生理に突入しているときに変身したことが無かったことに気付いた。

 予め用意していなかったナブキンの変わりに手拭いを切ってパンテイーの中に折り畳んで入れた麗華は、股間をゴワゴワさせながらサングラスを掛けナプキンを買いに行くものの、何がどう違うのか解らず途方に暮れながらテレビCMで見たモノを買い込んだ。

 そして腹の奥からドゥルドゥルと降りていく得体の知れない不快な感覚に「女は一生この感覚と痛みを…」と、男として生まれたことに感謝しつつ薬店のトイレで血糊のベッタリついた手拭いを捨てナプキンに交換し、割れ目の溝にピタリとフィットするナプキンに違和感を覚えながらパンティーストッキングで下半身を包むとスカートの裾を直して麗華は買物袋を手に店を出た。

 大き目のツバつきの帽子を被り大き目のサングラスで顔を隠しても尚も麗華に魅かれる男達に健吾は追われながら、帰宅してタバコに火をつけた瞬間「男に戻ればいいんじゃないかー! 俺は一体何をしてんだよ! 全く! あっははははは♪」と、高級ソファーに座り高い天井を見て大笑いするも、男に戻った健吾は顔色を青ざめさせた。


「そ! そんな馬鹿な!!」


 男に戻ったはずなのに生理痛はそのまま残った健吾は、麗華同様に腹の奥の不快な感覚が肛門に達しているを知ると、慌てて全裸になってトイレに駆け込んだ。

 そして下痢したように肛門から便器に「ブフアァー!」と、吹き出た血糊を見て生理になったら男に戻っても無駄なんだと言う事に青ざめた。


「これなら麗華で居たほうが合理的だ…」


 健吾は再びヌーブラを胸に当てて麗華へと変身を遂げると再び女として生理痛に悩まされ、ソファーにゴロンと横になって痛みが和らぐのを待ったが頭痛は治まったが腹痛は延々と続いた。

 そして健吾は翌日、男に戻りトランクスの下にサニタリーショーツを履き肛門にナプキンを挟んで出社すると、腹痛に耐えながら黙々と仕事に打ち込みいつのまにか腹痛が治まっていることに気付いた。

 いつものように出社しいつものように机の上の書類に追われいつものように夜の九時に会社を出た健吾は最近、口にしていないコロッケ弁当を思い出し前に通っていたコンビニへとバイクを走らせた。

 そしてコンビニに入ると、この時間に居るはずの顔馴染みの店員が辞めたことを聞かされショックを受けた。


「あの! いつも同じ時間に来る。 もしかして巡回さんですか!?」


 レジにいた店員の女の子は健吾に視線を合わせて何かに期待するような表情を見せたが、健吾は始めて聞く巡回さんという呼称に「はて?」と、言う顔すると女の子の店員は気まずそうに無言になった。

 健吾はその巡回さんという呼称が自分のことを指していると何となく思ったことで、嬉しさが込上げて店を出るとこの店にはもう来ることはないだろうと自分に言い聞かせてバイクに跨った。

 ただ、話したことすら無い男性店員だったが店に入ると「あっ!」と、言う表情を見せられ健吾もまた「あ!」と言う表情を見せていただけの知り合いだったが居なくなったことへの寂しさが急に込上げた。

 そしてバイクのエンジンを掛けようした時、店の中から女の子が出てきて「あの! 前の人から九時半ごろにコロッケ弁当を買いに来る人が居るから必ず一つは取って置いてくれと言われたんです! 巡回さんというのは身内で使ってる名前なんです! ごめんなさい! でも、もしお客さんが巡回さんなら、コロッケ弁当は巡回さんの分は取って置きますからまた来て下さい!」と、緊張した面持ちで急ぎ言葉を健吾にかけるとそのままお辞儀して店の中へと女の子は消えた。

 健吾はバイクの上から店内から自分を見る女の子に右手を振るとペコリと頭を下げて駐車場を後にした。 健吾は自分を毎日待っていてくれる人が居るという事実にヘルメットの下を嬉涙で濡らし、帰り道を更に遠回りして自転車と同じような経路でアパートまでバイクを走らせた。

 ボロの自転車で額に汗して漕いだ経路をバイクでトロトロスピードで走ると、今まで気付かなかった店やら看板やらがあって健吾を驚かせた。 そしてアパートの前に着いた時、長年住んでいた建物の部屋が空室になっていることに安堵の表情を浮かべ健吾は「フッ」と、麗華との出会いをくれたゴミステーションに視線を移動した。

 すると外灯の下でブツブツ何かを言ってゴミを漁る不審な人影に「ギョッ!」として目を凝らした健吾はバイクに跨ったままゴミステーションに近づいてバイクを止めた。


「どうしたんですか? 何か探し物ですか?」


 薄気味悪さもあって敢えて声をかけた健吾だったが、背を向けて中腰に両手で何を探すロングヘアーの女性は健吾を振り返ることなく「探さなきゃ… あれが他人に渡ったら大変なことになる… 探さなきゃ… あれが他人に…」と、声をボソボソ繰り返して放っていて、健吾は関わりになりたくないとバイクのエンジンを再び掛けて走ろうとした瞬間、背を向けていた女性が健吾を振り向いた。

 その瞬間、健吾は「で! で! で! 出たああぁぁぁーーーー!!」と、大声を出し無我夢中でアクセルを回してその場から逃げ出したが、五十過ぎの黒髪ロングのカツラをかぶって女装した男とハッキリ分かる様相はまるで幽霊のようだったことに健吾は帰宅しても尚、身体の震えが治まらなかった。

 そしてその日の夜、麗華になって眠りに就いた健吾は「探さなきゃ… あれが他人の手に渡ったら大変なことになる…」と言うエコーの効いた声を発する醜いオカマに追いかけ回される夢にうなされ、その悪夢は数時間続き丁度、生理が終わる頃に健吾はその夢をピタリと見なくなったことに安堵した。

 だが健吾はあのゴミステーションで拾ったヌーブラがもしかしたら醜いオカマの探し物なのではないか「いつか取り返されるのではないか」と、不安に陥りそれならば確かめてみようと土曜日、デパートの婦人服コーナーで買ってきたヌーブラをその日の夜、あのゴミステーションに放置して身を潜めてオカマを待った。

 すると夜の九時四十分。 黒毛ロングのオカマがワンピース姿で再び何処からか現れゴミステーションを探し始め、数分後「キエエェェェー!」と、奇声を上げると辺りを見回してそのまま中腰でアパート街へと消えて行った。

 健吾はその一部始終に「やっぱり…」と、顔を強張らせバイクのある場所まで逃げるように走り、二度とこの辺りには近づくまいと心に誓いその場を離れた。 だが数日経っても健吾の疑問は薄れることなく麗華に変身する度に「大変なことって何なんだ…」と、ヌーブラを両手に考えるようになった。

 ヌーブラを着けて麗華になることの何が大変なことなのか、変身後の魅力溢れる成熟した身体を鏡の中に見る健吾は、そのピンク色の乳首とキレイな割れ目を指で弄りながら身悶えして愛らしいヨガリ声を自らの耳に聞かせた。

 黒いレースのスキャンティーを履き腰に着けたガーターベルトの紐に黒いストッキングを吊るし立ち上がると、黒いブラジャーの上に黒いミニスリップを纏って、鏡の中に立つ妖しい色香を放つ麗華にウットリして見入る健吾は「何もない… あるはずがない… このヌーブルは俺にとって神以上の存在だ!」と、ミニドレスを纏い化粧を施した。

 男として麗華を抱くことは出来なくても麗華の美しさは永遠に自分(おれ)のモノなのだと健吾は幸せに浸って、動く度に柔らかく弾力するその揺れに満足感を漂わせた。 そして俺は一生独り身でも麗華さえ居れば「ヌーブラさえあれば幸せなんだ…」と、歓喜してオバケオカマの独り言を払拭した。

 そして黒いストッキングに包まれた両脚の爪先をヒールの中に入れた麗華は高級スーツに身を包み夜の街へと消えて行った。

 



【八話】





 会社の仕事も順調でからかう者も居ない個室での課長職は、会社の厄介者だった健吾を必要な人間に変えその能力の高さに噂は確実に広まりを見せた。

 ボサボサ頭はスッキリした形に変わり一着しかなかった万年スーツは、毎日替えても日数が足りないくらいに増えていき、ネクタイもビシッと決まり健吾を密かに想う女子社員たちも増えつつあった。

 将来は部長はおろか役員にも取り立てられるのではと囁かれたが、当の本人の耳には全く入らず健吾は朝七時出勤の夜九時終業を変えることなく黙々と静かな環境の中で成果を重役達に見せていった。

 そして夜は絶世の美女として夜の街に出没し、麗華が男に戻ればその記憶は全て海の泡のように消えた。 そして着実に健吾名義の預金通帳の残高はその額を数十億にまで膨らませ、自分が勤める会社の取引企業の筆頭株主にまで辿りついていた。

 引っ越してきた当初は広すぎて何処でどう暮らせば良いのかと悩んだマンションも、買い求めた高級家具と男達からのプレゼントに溢れ既に引越しをも考えなければと思うようになっていた。

 欲しいモノがあればサングラスと帽子を外し街場に出向いて追っかけに漏らせば、転売できるほどのプレゼントの山がいくつも出来て、金額を提示すれば一億や二億などは一瞬にして振り込まれる麗華としての日々を謳歌した。

 だが肉欲においては未だに処女喪失を何度も繰り返し、その痛みは薄れることも慣れることもないまま麗華は完全な女になることの出来ない身体に悔しさを滲ませた。 そして数ヶ月が半年そして一年と経過したが、麗華の美貌に陰りはなく話し慣れた会話術には磨きがかかり麗華は男を手玉に取れる女になっていた。

 そしてヌーブラを手にしてから二年目に突入した頃、ゴミステーションにいる何処かの主婦を見て例の幽霊オカマを思い出した健吾は「探さなきゃ大変なことになる」と言う意味深な言葉を振り返り、わが身に何ら変化がないことに鼻で笑った。

 そんな健吾は鏡に映る麗華に恋焦がれるも身近に居て手の届かない彼女にイラつくことも多々あった。 麗華の身体を触ることは出来ても男として麗華を抱けない自分に業を煮やし、その度に麗華の身に着けた下着やストッキングの匂いで自分を誤魔化し続ける健吾は童貞と言う惨めな思いのまま麗華を抱く紳士に自分の想いを重ねた。

 そればかりか本来知る必要の無い美しい麗華の脱糞の色や形や臭気、そして目糞に鼻糞に耳糞と言った男として耐えられない現実に健吾は打ちのめされてもいた。 そして鏡の前で両脚を開き更に割れ目を両手でひらいて写真撮影しプリントした写真を見ながら麗華(じぶん)が一日中履いていたパンティーの匂いを嗅ぎマスターベーションに明け暮れる。

 味気ない性処理は代わり映えせず鏡の前で両脚を開く度、麗華の割れ目を直に舐めて味わって見たいという願望は叶うことはなかった。 


 健吾はこの日もいつものようにドレスを身に纏うと夜の街へと出かけ、金を持っていそうな紳士を探して高級店に顔を出していた。

 麗華を見て鼻の下を伸ばさない男はいないと頑なに信じていた健吾(れいか)にも強敵がいない訳ではなかった。

 それは「ゲイ」であり「同性愛者」たちだったが、彼らだけは女性同様に麗華の魅力の虜にならない性質を持っていた。

 大勢の男達が麗華を追う中で逸れ鳥のようにその集団とは明らかに違う行動をとる、一見普通の男性達は麗華の魔法にかかることなく振舞っていた。 

 だから麗華(けんご)には一目で男の正体を見抜くことが出来たが同じ雰囲気を楽しむなら麗華はそういう場所に身を潜めることもあった。

 ただ、そうは言いながらも女装しているにも関わらず男の本性を丸出しにして麗華の魅力の虜になる、女装して何も知らない女をハンティングする犯罪紛いの女装子も大勢見受けられた。

 そして店の中には当然のこと普通の女性もいることで、麗華も一息つける場所になっていたが、よく来るこの店で何処かで聞き覚えのある声に麗華(けんご)は胸の奥をドキッとさせた。


「何で彼女がこんなとこに!?」


 振り向いた麗華(けんご)は係長時代に散々自分を馬鹿にした、高野真由美(通称・イヤミ)の存在を目の当たりにして動揺した。

 ドレスアップした彼女は、メガネを外し周囲の女装子たちに打ち解けて好かれている感の漂う美人系だったことに麗華(けんご)は彼女の別な顔を見た気がした。

 そんな麗華(けんご)の視線に気付いた真由美もまた、麗華(けんご)に視線を重ねると、突然その場を離れて麗華(けんご)の隣りに席を移した。

 酒と雰囲気を楽しむ麗華と真由美は直ぐに打ち解け互いに親しみを持つレベルに達したが、会社とはガラリと違う真由美に麗華(けんご)は違和感を覚えた。

 だがこの日を境にして真由美と麗華(けんご)はこの店で待ち合わせをするほどの仲に発展し友情関係を構築した。


真由美:そっかぁ~ 麗ちゃんも浜田さんて言うのか~ 実はアタシね好きな男性(ひと)が居たんだけど、その人はアタシの手の届かないとこへ行っちゃったんだ…… まあ、自分で言うのも変だけどさ。 グスでノロマのモスラって言う仇名なんだけとさ~
 麗華(けんご)は耳を疑う事実に直面していた。

 真由美の話しを端的に言えば次の通りだった。

 初の大卒として入ってきた有望されし男は能力はあるものの人付き合いが下手だというだけで周囲から敬遠され孤立し、やがて無能社員のレッテルを貼られたが実績を上げれば上げるほどモスラは周囲のストレス解消の的にされた。

 何とか真由美はモスラの名誉挽回を模索したものの、多勢に無勢で手に負えず、やむ得ず、真由美がみんなの前でモスラを叱り飛ばすことで周囲を圧倒し、周囲がモスラにそれ以上何も言えなくする奇策に転じたと言う。

 だが真由美は周囲から女王様と呼ばれ陰口を叩かれ、それまで付き合いのあった同僚や後輩たちは見る見る間に関わりたくないという心理から離れて行ったという。

 そして自らもモスラに嫌われるながらにしてモスラは係長から課長へ昇進し真由美が顔を見ることも出来ない部署へ移っていったと言い、会社側が何故モスラを課長に昇進させたかと言えば、数年以内に離島の営業所長を務めている人が定年を迎えるべくその後任として課長経験者を当てる会社の規定にモスラを乗せるための措置だったと麗華(けんご)だと知らずに打ち明けた。

 本当は優秀な人なのに誰も解ってくれないと真由美は麗華(けんご)の前で涙を溢れさせた。


 麗華(けんご)は、まさか真由美が自分を好いて応援してくれている女性だなどとは夢にも思わっておらず、真由美の話に吊られて麗華として涙を見せる場面もあった。

 

「あん… あああああぅ! ぅあっ! あひっ!」


 麗華と真由美は街中のホテルでベッドを共にしていた。

 同性は初めて同士の二人だったが、互いに上になり下になるうち互いが互いの片脚を支えあって一つの形を形成し、何度もそれは繰り返された。

 早朝、麗華は真由美を残し静かに立ち去ると自宅へ急いで帰り男に戻るべくヌーブラを外そうとしたが、どういう訳かこの日に限っては中々外れず業を煮やして、爪を立てて乳房を引き剥がそうとした。


「いぎいいぃ! うおぉーりゃあぁぁー! 痛てええぇーーー!」


 爪を食い込ませた乳房はそのまま激痛を麗華(けんご)の脳に伝え麗華はソファーの上で七転八倒して尚も外れぬヌーブラに顔色を変え表情を歪めた。

 このままじゃ会社に行けないと乳房に血を滲ませながらも麗華(けんご)は乳房の脇近くを掴んで引っ張ったが、女にしか解らない乳房を痛みに絶叫し続けた。

 そしてようやく乳房(ブラ)が外れかけた瞬間、乳房は剥がされまいと何十本もの針を指のように出して胸にしがみ付いているのがチラリと見えた。


「なんで今日は頑固なんだよ!! すんなり外れてくれよおおぉ! 頼むから!!」


 麗華(けんご)は剥げかけた乳房(ブラ)に顔を歪め壮絶な痛みに耐えながら嘆願すると乳房(ブラ)は「パカッ」と、何事も無かったかのように外れた。

 荒い吐息を肩でする健吾は男に戻った自分を見回した後、外したヌーブラを手にとって、語りかけるようにヌーブラに「もしかして女同士は嫌なのか? そうなのか?」と、小声を震わせると、ヌーブラは意思を持った小動物のように健吾の手から「フワリ」と、跳ねるように床に落ちた。

 それを見た健吾は唖然として「もしかしてお前、生きているのか!?」と、首を傾げるとヌーブラは縦に立ち上がって「ペコリ」と、健吾に頷いて見せた。


「そ… か… き… 気付かなくて悪かったよ… で… でも! も… もしかして俺の言葉とかも解るのか!?」


 縦に起き上がったヌーブラを前に健吾は表情を強張らせながらも冷静に問うと、ヌーブラは人間が頭を下げるように頷くと健吾は真っ青になって言葉を失った。

 ヌーブラは健吾が麗華として使っているスマホの画面に「ようやく貴方と心が繋がった」と、文字をブラのカップの端で打ち込むとそのまま力が抜けたようにパタリと床に倒れた。

 健吾が驚いてヌーブラを拾い上げるとヌーブラは全体を熱くさせ、まるで風邪を引いて熱を出したようになっていることに、健吾は麗華の服装のままヌーブラを寝室のベッドに運び、頷いた方を頭にして手拭いを折りたたんで枕に寝かしつけると、全身にタオルを重ねて掛けてやり、台所から持ってきた濡れタオルで冷やしてやった。

 ヌーブラは仰向けのまま軽く頭を「ペコリ」と、するとそのまま意識を失って動かなくなり、数分間ヌーブラを見守った後、触って見ると熱くなっていたヌーブラは少しだけ熱が下がってきたことにホッと胸を撫で下ろした。

 健吾はベッドに寝かしつけたヌーブラの傍を静かに離れると寝室から出て、衣装部屋へ移り時計を気にしながら下着と服装を麗華から健吾に替えた。

 そしてチラリと寝室を見た健吾は意思疎通の出きるヌーブラに「看病できなくてゴメンよ…」と、囁くと会社に向かった。





【九話】





 ヌーブラの容態を心配しつつ会社に到着した健吾は仕事場に来ると外で買ってきた缶コーヒーを飲みながらタバコに火を着けて、ヌーブラのことを考えていた。

 健吾はヌーブラがスマホに書いた文字と頭を下げる仕草を思い出しタバコを一口吸うと、長時間麗華に変身して起こる副作用を股間に感じて、ズボンの上から触れてみると、精液が溜まってパンパンに膨れ上がった睾丸に激痛を感じた。

 そして仕事前に「トイレで抜かけりゃダメだな…」と、タバコを吸って一仕事始め流れる時間の中に身を置いた後、ドアがノックされ手を止めた瞬間、ドアの向うから「一課の高野です」と、早朝まで麗華として愛欲しあっていたその声に健吾は仰天しつつ応答をドアに向けた。

 ドアを開いて中に入ってきた高野真由美はその視線を健吾に向けながら机の前に立って「お話しがあるのですが…」と、神妙な表情を見せ山積みされた書類を見渡した瞬間、健吾は「ハッ!」と、麗華になっていた時、真由美に「告白」を勧めたことを思い出した。 


「あたし! あたし!! ずっと前から浜田くん… 浜田課長のこと好きでした!! それだけです!!」


 視線を健吾から外した真由美は視線の焦点定まらぬまま赤面して両手を前に重ねると、突然大きな声を発して一礼するとそのまま逃げるように部屋を出て行ってしまった。

 健吾はその様子に真由美と同じく赤面して石地蔵のように固まり真由美が出て行った後、暫く思考回路が停止していた。

 数分後、正気に戻った健吾は告白を麗華(じぶん)で真由美に勧めていながらも、実際に面と向かって言われた告白に照れてしまっている自分が恥ずかしかった。

 そして健吾が時計を見て再び仕事を始めようとすると、間違って持って来てしまったスマホがカバンの中で着信音を健吾に聞かせ、その音に驚いてカバンから麗華専用のスマホを取り出すと真由美からのメールに仰天した。


「浜田くんに告白した。 胸がドキドキドキしてる。 恥ずかしい…」


 麗華宛のメールを机の上で見た健吾はその文面に照れながらも同じ文面を何度も読み返すと、麗華の気持ちで「おめでとう♪ 課長さんのお部屋に行って、お色気振り撒ちゃいなさい♪ そして押して押して押し捲りなさい! ここまで来たらやるしかないよ♪」と、真由美をけしかけた。

 すると数分後、麗華に言われた通り再びドアがノックされ部屋の中に俯き加減で真由美が入ってきて、健吾に一礼するなり「ツカツカツカ」と、サンダルの音を立てて健吾の席の真横に来て「浜田課長が好きなんです!」と、スカートの両端を掴むと「スルスルッ」と、上に引きあげライトブラウンのパンストに包まれた太ももを健吾の真傍にあらわにした。

 真由美は顔を真っ赤にして肩を小さく震えさせると健吾は迷うことなく真由美の右脚の内モモに右手を這わせた。 真由美は目を閉じて健吾からの触手に全身を強張らせ健吾はそんな真由美が可愛くて、太ももをスリスリしながらその手を上へと滑らせた。

 健吾は男として初めて触れる自分の手に馴染む柔らかくて弾力のある真弓の下半身に、胸の中は爆発寸前になって股間にテントを張り、真由美は内モモの付け根にスリスリする健吾の手に膝をガクガクさせ首を軽く仰け反らせて小さな喘ぎ声を健吾に聞かせた。

 そして健吾の手がストッキング越しパンティーの上から真由美の恥ずかしい部分に這わせられると、真由美は健吾に触れられた嬉しさから閉じた瞼の内側に涙を滲ませ、健吾はその手を前後に優しく擦った。

 真由美はブラウスの襟元近くにまで伸びた長い黒髪を身体の振動でサラサラと揺らせ、健吾の触手に深く吐息すると、真由美は突然健吾の前に斜屈んで健吾のテントの上に頬ずりしてチャックに手を掛けた。

 健吾は胸の奥を「ドッキン! ドッキン!」と、高鳴らせ真由美に下半身を任せると、やがて硬くなった肉棒は真由美の顔の前に晒され「カポッ」と、紅い口紅が飛び上がるような快感(しげき)を健吾の脳を爆撃した。

 真由美の両肩に置いた健吾の手はキリキリと真由美の肩を掴んでそして健吾の視線は真由美の口元に釘付けになった。 そして真由美のフェラチオに健吾はものの数分もしない内に水分を失ってドロドロした精液を撃ち放った。

 健吾の放った精液を飲みながら尚も舌を滑らせ首を前後する真由美に、健吾は直ぐに肉棒を復活させ二度、三度と溜まりに溜まった精液を撃ち放ち溜まり過ぎて痛かった睾丸を縮小させ、健吾がスッキリする頃には真由美は六本もの精液を飲み干していた。

 
健吾:あとで連絡するから……
 肉棒の根元を親指と中指で押さえて中に残った精液を搾り出して飲み干す真由美は下から健吾を虚ろな目で見入ると、小さく頷いてズボンのチャックを閉じて立ち上がると、メモに連絡先とメアドと住所を記して健吾に手渡した。

 健吾はそれを受け取ると胸ポケットに仕舞いこみ目の前の真由美を見上げると、立ち尽くす真由美は自分のしたことが突然恥ずかしくなって表情を強張らせると、椅子から降りた健吾は真由美の前に斜屈むと真由美のスカートの中に顔を埋めて中の匂いを吸い込んだ。

 恥ずかしい匂いを嗅がれた真由美はその耐え難い行為に火の出そうな顔を両手で覆い隠し、尚も健吾に吸い込まれるパンティーの中を体温に両脚を内側に強張らせた。

 健吾は心の中で「これでようやく童貞とお別れ出きる…」と、密着させた鼻先で吸い込んだ真由美の匂いに胸を躍らせ、時間を忘れて仕事に没頭した。

 そして夜の九時、巡回の警備員に声を掛けられ時計を見た健吾は「もうそんな時間か…」と、後片付けをすると会社を後にしてミニバイクに跨ってエンジンを掛けようとした瞬間、突然後ろからの声にビックリして肝を潰した。


「お疲れ様です♪ 浜田くん♪」


 振り返るとそこには真由美が立っていて、バイクから降りた健吾に突然抱きついて猛烈な口付けをした。

 真由美は舌を健吾の口の中に入れて絡めると、健吾はその猛烈なアタックに真由美を抱いて身体を密着させた。

 
「じゃあ、住所はここですから♪ あたしは電車で待ち合わせしましょう♪」


 ミニバイクを押しながら歩いて真由美を駅まで送った健吾は胸を躍らせて教えられた住所へとミニバイクを走らせた。

 そして先に着いた健吾は今か今かと真由美が出てくるであろう駅の前でタバコに火を点けて、カバンの中の麗華のスマホの電源を落として待っていると駅から手を振って出てきた真由美は満面の笑みを浮かべて近づいた。

 健吾はバイクを押しながら左肩に頬を寄せて甘える真由美の甘い香りに鼻の下を伸ばし、短く感じる十分の道のりを「アッ!」と、言う間に終えて真由美の暮らすマンションにたどり着いた。

 1LDKだという真由美の部屋は七階建ての五階の角部屋で鉄筋コンクリート造りのマンション群の中の一つだった。

 健吾は真由美に連れられてエレベータに乗りそして部屋の中へとそのまま吸い込まれた。


「男性にはちょっと狭いけど女一人には丁度いい広さでしょ♪」


 リビングに通された健吾に振り替えって笑顔を見せる真由美は、生まれて初めて入った真由美(じょせい)の部屋に照れる健吾に視線を重ねると、健吾は我を忘れて真由美を抱き寄せると唇を重ねた。

 そして濃厚な口付けをしながら真由美を後ろから抱いてそのまま近くのソファーに腰掛けた健吾は「こんな俺で本当にいいのかい…」と、真由美の右耳に囁くと真由美が頷くのを待ってブラウスのボタンを後ろから腕を回して外していった。

 
「あんっ… ああああぅ…」


 真由美の後ろからブラウスを両肘まで降ろしブラジャーとスリップの肩紐を外した健吾は、そのまま蛍光灯の下で乳房を後ろから「ムニュムニュ」と、揉み回しその指を徐々に乳首に絡めて行った。

 恥ずかしそうに左側に俯く真由美は心地よさにフワフワと上半身を揺らし、乳首に指が絡み始めるとスカートから伸びる両脚をクネクネとクネラセながらモジモジと絡み合わせ、全身をビク付かせて愛らしい声を後ろの健吾に聞かせた。

 そして健吾の右手が真由美の太ももをストッキングの上から滑り始めると、真由美は絡みつかせた両膝を震わせて両肩を小さく揺らした。 そんな真由美をそのまま左側に抱き倒し仰向けにした健吾は、スカートを捲くり上げそのまま両足の間の白いパンティーに顔を埋めると、真由美は恥ずかしさに「いやぁん…」と、頬を紅く染め両手でパンティーの上を覆い隠した。

 すると健吾は真由美の両手を片方ずつ避けて再び真由美のパンティーの上に顔を埋め鼻先で匂いを嗅ぎながら、真由美の下半身を右側から起こし気味にしてホックを外しファスナーを降ろしてスカートをスルリと脱がした。

 その瞬間、真由美は「いやぁん…」と、恥ずかしさ前回に両手で顔を覆い全身をモジモジさせると、健吾はスリップの裾を捲くり上げてストッキングに包まれた真由美の両膝を支えて左右に開かせた。

 両脚を開かれた真由美はその瞬間、健吾の行動を先読みしたのか両手で股間のパンティーストッキングのシームを覆い隠して「お願い! お風呂に行かせてぇ! ねっ! お願い!」と、匂いを嗅ごうと陰部を見入る健吾に目を潤ませて哀願し始めた。

 だが、真由美の匂いを嗅ごうとする健吾はその部分から真由美の両手を優しく外すと、そのまま顔をパンティーをパンスト越しに思い切り鼻先を押し付け嗅いだ瞬間、真由美の濃厚なの女の匂いに頭をクラクラさせ心臓の鼓動を早めた。

 真由美は一日中、パンストとパンティーの中で蒸れに蒸れた恥ずかしい匂いを嗅がれ、顔から火が出るほどに熱い火照りを健吾に見せ恥らう真由美の匂いに健吾は時折、咽て咳込みながらも匂いを嗅ぎ続けると真由美はとうとう恥ずかしさに涙で目を潤ませた。

 健吾は麗華に変身していて蒸れた女の陰部がどれほどの刺激臭を放つのか熟知していながらも、恥ずかしがる真由美の表情を楽しんでいた。 そしてパンティーストッキングに長時間包まれた真由美のカガトを持ち上げた健吾はその爪先に鼻先を近づけ匂いを吸い込んだ瞬間「ゲホゲホゲホッ」と、高濃度の塩分と酸味の混ざった納豆臭に咳込んで涙目になった。

 真由美は女として男には知られたくない秘密を暴かれ遂に潤ませた目から涙を流して吐息を振るわせた。 だがその仕草や表情さえも健吾を獣のように興奮させる要素だった。

 健吾は涙を流して恥らう真由美の表情に女らしさを見いだし背中をゾクゾクさせると、伸ばした両手で真由美から下半身を包むパンティーストッキングをスルリと剥ぎ取るとプルプルと揺れる乳房に両手を添えて乳首に貪りついた。

 
「ぅあっ! あひっ! あんっ! あああああぅ…」


 真由美は首を仰け反らせソファーに降ろした両脚をモジモジと絡ませて密着する健吾の足にその感触を楽しませると、健吾は鼻息を荒くさせ甘い味のする真由美の乳首を左右交互にしゃぶって乳房を揉み回した。

 柔らかい肌を持つ女の麗華では感じることの出来なかった真由美の柔らかさを、健吾はゴツゴツした男の手で充実感を得ていたが、その触手と味見の仕方に真由美は麗華の存在を脳裏の隅に思い浮かべ麗華と健吾が時折重なる妙な違和感を抱いていた。

 そして乳首を味わいながら真由美からパンティーを剥ぎ取った健吾は再び真由美を辱めるべく、彼女の目の前で剥ぎ取ったパンティーの内側に鼻先を押し付け「スウゥーハアァー」と、激しい吸引力を真由美に見せると、真由美は「うううぅぅぅ…」と、両手で口と鼻を覆い隠すと健吾に恥じらいの泣き声を聞かせ、健吾はその表情と声に女を辱める喜びに浸った。

 真由美はそんな健吾が次に何をするのか考えた瞬間、ソファーから這い出して逃げ出そうとしたが健吾に両脚の自由を奪われ左右に開かれた。 健吾は真由美の両脚を押し付け後転姿勢にさせると汚れた割れ目を左右に開いて直に鼻先を近づけ深呼吸するように鼻で凄まじい臭気を吸い取った。


「いやあぁん! やめてえぇ! やめてえぇー! 汚れてるからやめえぇー!」


 汚れた割れ目を開いて匂いを嗅ぐ健吾から全身を揺すって逃げようとした真由美は泣き声を発して健吾に哀願を重ねたが、健吾は一日の汚れが内肉にベッタリと張り付いている真由美の割れ目に舌を押し付け「ベェロリ!」と、膣からクリトリスに滑らせた。

 真由美は健吾の舌の感触に「クハッ!」と、喉を鳴らし、腰と首を限界まで仰け反らせるとソファーに両手の爪を立てた。 健吾の舌は真由美の一日分の汚れを削ぎとって口の中に運ぶと「クチャピチャクチャピチャ」と、口の中に音を立てそれを飲み込むと、直ぐに割れ目の内肉に舌を押し付け「ベロベロチュパチュパ」と、中の具材を舐め回して味わった。

 プリプリと弾力のある太ももと尻肉を弾ませて振動させる真由美はソファーを掻き毟りヨガリ声を部屋の隅々にまで溶け込ませ健吾は男として女を味見する獣の醍醐味を満喫していた。

 そして真由美の生肉を味わいながら下半身を裸にした健吾はカウパー視線液の溢れて滴る肉棒を聳えさせそのまま真由美の中に先っぽを挿入し、体温とヌルヌルした真由美の感触を亀頭に感じると肉棒を一気に真由美の奥へと到達させた。

 
「痛あぁぁーーーい! あああああん! 痛い! 痛い! 痛ああぁぁーーーい!」


 真由美は首を左右に振って健吾の背中に両手の爪を立て出血させるも、その量よりも遥かに多い鮮血で尻下のクッションを紅く染めた。

 早朝のフェラチオと麗華との愛欲で真由美は経験済みの女だと思い込んでいた健吾は真由美の痛がる表情に感動を覚え、痛がって泣き揺れる真由美をしっかりと支えて尚も腰を振り続けた。

 そして健吾が射精し終え真由美に身体を重ねると真由美は両腕でしっかりと健吾に下から抱きついて離れず、好きな男との処女喪失に感動の涙を見せた。

 



【十話】

 

 

「麗ちゃん。 アタシねぇ! 遂に彼に守ってきた処女を捧げること出来たんだ♪! これも麗ちゃんが背中を押してくれたおかげだよ♪」



 真由美からメールを受け取った麗華(けんご)は真由美と会うべく夜のホテルへと出かけバーで祝杯をあげたあと、ベッドの横で見詰め合って脱衣し下着姿になるとどちらからと言う訳でもなく抱き合って口付けを交わした。

 黒いパンティーストッキングに包まれた二人の美女の両脚が触れるか触れないかの間合いで胸と胸が押し付け合いながらそのままベッドに静かに崩れた。

 ベッドに仰向けにした真由美の両肩からブラとスリップの肩紐がスルリと降ろされると、麗華はその白い乳房に唇を吸い付かせ豊胸ではない、自然な柔らかさの乳房に両手の指を溶け込ませた。

 真由美の乳首は麗華の愛撫に直ぐに反応して勃起すると、真由美の両手の指は麗華の尻をパンストの上から円を描くように回され滑らされ、麗華はその刺激に両脚の爪先を閉じさせられた。

 二人の美女の甘い香りが重なって溶け合って濃厚さを増す頃、互いのパンティーの内側は当て布にヌルリとした湿り気を帯びさせた。

 高まる体温と荒くなる吐息の中で、互いの唇と四肢が様々に絡み合い窪みの肌と肌が擦れ合うと、可愛らしい女の鳴き声が薄暗い部屋の明かりに溶け込んだ。

 
 その頃、街中のとある精神病院では、ゴワゴワの長い髪の毛を振り乱し帯の解けた入院着を大きくユラユラさせる患者が口からヨダレを床に滴らせ「何とかしないと大変なことになる…」と、独り言をブツブツ唱える老婆のような女が千鳥足で鍵の掛かった白い部屋の中をグルグル回っていた。

 シワシワだらけの垂れ下がった乳房が歩く度に前後左右に揺れ、シミだらけの水分を失った全身は九十代の老婆を思わせその顔には覇気はなく目は虚ろに一点を見つめていた。

 そんな光景を廊下側から鉄格子のついた小窓に見入る看護士は「可愛そうに…」と、歩きながら失禁する下半身の割れ目を見て目を伏せた。 割れ目からガリガリの足伝いに床に落ちる小便を足の裏が踏みつけてピチャピチャと音を立てた。

 看護士はドアの横についているインターホンで雑巾を持ってくるように別の看護士に連絡してその場を立ち去った。

 老婆のような醜い女は「何とかしないと大変なことになる」と、プツプツ呟き休むことなく部屋を回り続けた。

 
看護士A:何かさぁ~ オカルトみたいだよねぇ~ 怖いわ… 
 ミィーティングテーブる両肘立てて二人の看護士に話しかける女性看護士。

看護士B:そうそう。 先生達も驚いてアチコチに問い合わせしてるみたいよ。
 巻いた包帯を解いたり巻いたり繰り返す女性看護士。

看護士C:もうこの街だけで十人以上になってるし。
 二人を見回す女性看護士。


 三人の看護士たちは表情を強張らせ原因不明の突発的なことに戸惑っていた。


 その頃、ホテルのベッドで真由美を右腕で枕する麗華は、息を整えながら真由美の乳房を後戯するように左手で回しては乳首を軽く指で弾き、身体をビクつかせる真由美はその刺激に麗華に虚ろな視線を合わせた。

 
真由美:アタシ… 麗ちゃんと別れたくないから… いいでしょ!? 今まで通りアタシの親友でいて欲しいのぉ…
 麗華に甘えるように声を掠れさせる真由美は切なそうな表情を浮かべた。


麗華:だめよ。 真由には彼氏が出来たんだから浮気なんかしたら…
 乳首を弾いていた左手をそのまま真由美の右頬に這わせてオデコに軽いキスをする麗華。


真由美:いやあ! いやいやいや! お願い~! 麗ちゃん!
 甘えて目を潤ませる真奈美は自分を見下ろす麗華に下から抱きついて涙声を小さな放った。


麗華:しょうがない甘えん坊さんねぇ~♪ 
 抱きつく真由美をベッドに降ろして顔を密着させて視線を絡み合わせる麗華はそのまま口付けして舌を絡ませた。

 引力に吸い寄せられた麗華の柔らかい乳房が仰向けで流れる真由美の乳房に密着し互いの硬くなった乳首が互いの乳房に食い込んだ。

 そして麗華の舌は真由美の乳房に吸い付き二度目の愛欲に突入すると、そのまま開いた真由美の割れ目に舌を押し滑らせた。

 激しい真由美の身悶えとヨガリ声は麗華の割れ目の奥を愛液で溢れさせ、そのまま麗華は身体を回して真由美の顔を跨いでシックスナインの体位へと突き進んだ。

 二人の女は互いの尻を抱きながらネットリした舌で割れ目の内肉を味わい溢れた愛液を舐め摂ってはクリトリスを舌先で回し互いのクリトリスはそのコリコリ感を互いの舌に感じさせた。

 そして深夜の一時過ぎ二度目の愛欲を終えた二人はそのまま一つのベッドで静かな寝息を立てたが、寝静まって三時間が経過した頃、麗華は身体の異変に気付いて目を覚ました。


「ドキッ!! ドキドキドキドキドキ……」


 ベッドの中、真由美を横にして麗華から男姿に戻っていたことに気が付いた健吾は口から心臓が飛び出さんばかりに震撼して身を隠すようにベッドから降りて、シーツの上に転がったヌーブラを持って寝室から静かに抜けるとトイレに急いだ。


「どうしたんだよ!? おい!? おい!?」


 トイレの中でヌーブラに問いかけたが応答なく健吾は仕方なく、デカイ男姿(からだ)のまま寝室へ戻り麗華の下着と衣類をリビングに運ぶと、小さい麗華の下着と服を着てオカマのごとく大き目のサングラスで顔を覆いそのまま逃げるようにホテルを飛び出した。

 そしてタクシーを拾おうとしたものの、自分の薄気味悪い姿を省みた健吾は、辺りをキョロキョロしてオカマバーがある場所までサイズの合わないヒールのまま走り、オカマバーの辺りでタクシーを拾って飛び乗った。

 だが乗った場所が場所だけに運転手は健吾を見ても動じることも驚く様子もみせずにそのまま健吾を乗せて走り、健吾は目をサングラスで隠し俯いたままマンションの近くに到着するのを待った。

 
「ちくしょおう! どうしちまったんだあぁー!」


 ハンドバックから取り出したヌーブラに怒り心頭の健吾は立ち上げたノートパソコンの傍にヌーブラを置くと、ヌーブラはフラフラと立ち上がってパソコンのキーボードの上に「ヒョイッ」と、乗って「疲れた… エネルギーが足りない… 男に抱かれてくれ…」と、疲れ果てたような仕草をしながらキーボードを打ち文字をモニターに映した。

 そしてヌーブラの話しによれば美しい女を抱く男の欲望のエネルギーを吸い取って生きていると言い、相手が女の場合は逆にエネルギーを吸い取られるのだと語った。

 だから少し前に真由美と愛欲した後に胸から外れなくなったのはエネルギーが不足して離れる力が不足したためだとも付け加えられた。

 そう語ったヌーブラに丁度いい機会だからと、健吾は「何故、何度も男に入られてるのに処女膜が再生し続けるんだ!?」と、聞くとヌーブラは「もうそんなことは無い。 童貞を失った時点で次からは女の喜びにドップリと浸れる」と、健吾を喜ばせた。

 健吾はヌーブラに何度も念を押すように確かめると急に「ニンマリ」と、笑みを浮かべて「疲れたから寝る」と言うヌーブラ専用に購入した子供のオモチャのベッドに寝かせると優しく布団を掛けた。

 

 
 
【十一話】




「うんっ… ぅぅん! ぅあっ! 痛ああぁぁーい! 痛あぁぁぁーーー!!!」



 ヌーブラの栄養補給のために夜の街に出かけた麗華(けんご)は、セクシーなサイドッアップに合う深スリットの入った黒系のドレスを纏い高級宝石店の経営者と出会い、軽い酒のあとホテルの部屋へとその身を隠した。

 いつものように五十過ぎの清潔感ある紳士を選んだものの、紳士は薬物患者のように麗華の魅力に酔いしれ麗華の話を全て鵜呑みにし数千万円の小切手をスラスラ書き込むと、それを麗華に手渡した。

 ヌーブラの話しが本当なら、これで処女とおさらば出来ると麗華(けんご)は内心ワクワクして嫌らしさのない紳士からの愛撫に喘ぎ身悶えして処女喪失の証をベットシーツに紅く残した。

 紳士は涙を流す麗華を宝石でも見るかのような視線で見つめ続け、麗華から処女を奪ったことに感動と後悔の混じりあった念に動揺しながらも、自らが散らせてしまった美しい花びらを一枚ずつ拾い上げるように二度、三度と麗華の中に自らの硬い肉棒を入れ痛みに涙を流す麗華に興奮した。

 そして紳士からの愛欲が終った深夜過ぎ、一人でバスルームに行った麗華は大きな鏡の前で美しすぎる自らの身体を見て溜息を付いて汗を洗い流した。

 
 早朝四時過ぎ、身支度を整えた麗華は紳士をそのままにホテルを出ると普段使っているタクシーを呼んだ。 自宅に到着した麗華はドレスを脱ぎ捨てると、ガーターベルトの吊紐から黒いストッキングを外して脱ぎ捨てると、ソファーにドッカリと音とを立てて腰を下ろし床に両脚を投げ出した。

 そしてタバコを銜えて天井を見上げてから紳士から受け取った三千万円の小切手を見て、タバコに火を点けると二度と元に戻らない処女膜に寂しさを感じて涙をポロリと頬に伝えた。

 
「どうだ!? 少しは腹の足しになったか?」


 男に戻った健吾は腰を下ろしているソファーの左側に置いたヌープラに声を掛けると、ヌーブラは立ち上がってピョンピョン跳ねて見せ深々と健吾にお辞儀した。

 健吾は喜ぶヌーブラを見て釣られて笑みを発すると、その声に釣られたヌーブラは再びピョンピョンと跳ねて見せた。


「文字とかじゃなくてお前と普通に会話出来ればいいんだけどな~♪ その方が楽だし聞きたいこと山ほどあるし♪」


 健吾の言葉に跳ねるのをピタリと止めたヌーブラは、普段会話に使っているパソコンへ「ピョォーーン」と、大きく跳ねると健吾に立ち上げるようにジェスチャーした。

 ヌーブラに即された健吾はブラジャーとガーターベルトを外しながらパソコンへ近づくと電源を入れて椅子に座った。


「言葉を使えるようになるまで男性経験を残り三十人ほどして下さい」


 パソコンのモニターに打ち込まれた文字を見た健吾は「なにいぃ!?」と、キーボードの上に立ち尽くすヌーブラを凝視した。

 そんな健吾にヌーブラは再びキーボードを打ち込み「健吾さんに麗華さんを抱かせてあげることも出来るよ♪」と、モニターに麗華の顔を映し出して見せた。

 健吾は両目を見開いて口を開いたまま「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」と、うめき声を発するとヌーブラは健吾に「千人の男性と経験して下さい」と、お辞儀して見せると「マズは二人が会話出来るように頑張りましょう♪」と、キーボードを打ち込んで健吾を喜ばせた。

 そんなヌーブラに健吾は「お前は天使なのか? 悪魔なのか?」と、問うとヌーブラは「人間界で言うところの魔法使いでしょうか♪」と、健吾を再び喜ばせたが、健吾は少し不安げな表情を見せて「俺の命が縮んだりするのか?」と、尋ねるとヌーブラは「装着者を傷つけたり危害を加えたりすることはありません♪ 安心して♪」と、ヌーブラは健吾を安心させた。

 健吾は誰かとチャットしている気分で目の前のヌーブラに「お前は男? それとも女?」と、聞くとヌーブラは「私に性別はありません♪ 強いて言うなら胸や性に恐ろしい程の執念を持った女性の身体に憧れた男性が私を作り出したのだと思いますが、私はその方から支配されている訳ではありませが、私が心を持つ前は私を普通のブラジャーとしてその男性が使っていたようです♪ 実際には私が何故、こんな能力を持って人間と会話が出来るのか私自身が今一わからないのです」と、キーボードを叩いて見せた。

 そして健吾が「一体、キーボードはどうやって叩いているんだ?」と、聞くと「私にも四肢があるのですが健吾さんに見えないだけなんです♪ 私が健吾さんの胸を覆うとき、何千本という細い四肢を出して健吾さんに合体するのですが、その痛みももう慣れたでしょ?」と、健吾を納得させると「今夜は満腹なので先に休ませて頂いても良いですか?」と、健吾は「ハッ!」としてヌーブラを両手で抱きかかえるとヌーブラ専用のベッドに寝かしつけた。

 
「これから行くから朝飯頼むよ♪」


 健吾はパンパンに溜まって腫れた金玉を気遣いながらシャワーで化粧を落とすと男物に着替え、真由美のマンションへとミニバイクを走らせた。

 土曜日の朝日は健吾には眩しかったが、真由美に射精(だ)して貰おうと朝の向かい風に心地よく髪を乾かした。

 真由美の家に来た健吾は味噌汁のいい匂いを大きく吸込むとスリップ姿で台所にたつ真由美の尻と裏モモを見て「ゴクリ」と、喉を鳴らした。 その喉の音を微かに聞いた真由美は胸の奥を「ドキッ!」とさせて、恥ずかしい部分の汚れが気にな始めた。

 そして「彼が御飯を食べてる間にキレイにしてこよう…」と、真由美は心の中で思いながらも、尻に突き刺さる健吾の視線に困惑して恥らったが、そんな真由美を見ている健吾は彼女の微妙な身体の揺れで彼女の心の中が透けて見えていた。

 健吾は真由美の尻と裏モモを見て「風呂なんかに行かせない… 本物の真由美を味わいたいからな…」と、再び喉を「ゴクリ!」と、大きく鳴らして真由美を不安がらせてからかった。

 真由美は再び聞こえた健吾の喉の音に両脚を内側にジリジリ詰めてスリップの裾を揺らし、それを見た健吾は直ぐにでも飛びつきたいのを我慢して「マズは空腹を満たそう」と、真由美から視線を外した。

 そして三十分後、食事の支度を整えた真由美は健吾に給仕すると風呂場の方へ移動しようとして、その手を健吾に掴まれ真由美は戸惑いを見せたが、健吾は「一緒に居て欲しい…」と、声を掠らせて囁くと真由美は無言で頷いて健吾の横に椅子を持ってきて座った。

 健吾は真由美から漂う甘い女の香りをウットリしながら家庭の味に舌包みを打ち続けた。

 そして腹を満たした健吾はお茶の後、洗面台に移動して歯を磨いたが真由美の右手を片時も離さずそのままリビングに戻るとタバコに火を点けた。

 真由美はシャワーを浴びること叶わぬ状況下でドンドン追い詰められ、目を潤ませ始めたが健吾はそんな真由美が可愛くて早く味見したいと、真由美の肩を抱いて煙を真由美とは逆の方に吐き出した。

 
「駄目えぇぇー! やっぱり駄目えぇー!」


 ベッドで口付けしながら真由美の太ももを触手する健吾を突然押しのけた真由美は、涙声になって両手で口元を覆うと、健吾から逃げるようにボッドの端っこに身を寄せた。

 健吾は何が駄目なのか知りつつも知らぬフリして壁に身を寄せる真由美に近づくと、真由美は困惑しつつ「お願い… シャワーに行かせてぇ…」と、太ももを見る健吾の視線に背を向けた。

 そんな可愛らしい真由美を見た健吾は「おら! こっちに来い!」と、ワザと強引に引き寄せベッドに押し付けると、真由美からパンティーを剥ぎ取って両脚を開かせて真由美を辱めた。

 真由美は唇を噛んで涙顔を両手で完全に隠すと、健吾は真由美の割れ目を左右に開いて近づけた鼻先で聞こえるように大きく吸い込んだ。 真由美は開かされた両内モモをプリンプリンと揺らして全身を震わせたが、健吾が大したことのない匂いを大げさに「ゲホゲホゲホッ!」と、咳込んでみせると真由美は「うわあぁぁぁーーん」と、両手で顔を覆ったまま泣き出してしまった。

 健吾は「訳ありとは言え、これが会社で自分を叱責し続けたイヤミなのか!?」と、我が目を疑いつつも愛らしい真由美の仕草と声に興奮し開いた割れ目に舌を押し付けて「チュパチュパ」と、汚れを吸い取りながら味わい、真由美は両脚を震わせそして乳房を震わせて恥辱と快感に喘ぎ声を喉に溜め込んだ。

 そして恥辱と快感の狭間で割れ目を味見した真由美と上下を変えた健吾はシックスナインの体勢をとると、カウパー視線液の溢れた肉棒を「ヌポッ!」と、真由美にシャブらせて自分は下から再び真由美の割れ目を舐めて愛液を飲み始めたが、健吾は亀頭に絡む真由美の舌に耐えられずに直ぐに濃厚な精液を真由美の口中に放ってそれを飲み干された。

 真由美は想像も出来ないほど生臭く苦い精液に咽て咳込みながらも、愛する健吾のためと喉を鳴らしながら直ぐに硬くなった肉棒にムシャブリついた。

 麗華になる度に痛いほどに溜まる精液を真由美に三本飲ませた健吾は、腰を振れるほどに身軽になったことで直ぐに体位を正常位にすると、生で真由美に入って男の業を満たした健吾は真由美の顔に四本目を射精し、五本目はゴムを使って真由美の中に果たした。

 そして暫く抱きしめられた真由美は顔にカペカペに張り付いた精液を洗い流すべく風呂場へと裸のまま移動し、その後姿を見て再び肉棒化した健吾は我慢できずに真由美を追いかけシャワーの下でバックから六本目を真由美の背中に射精した。

 



【十二話】





「あひぃ! いひいぃ! あんっ! あんあんあんあんっ!!」


 ホテルのベッドの上、二時間にも及ぶ前戯(あじみ)の末に硬い肉棒を挿入された麗華は、両手でシーツを鷲掴し腹部から脳天を突き抜けるような凄まじい刺激に鳴き声を部屋に充満させ、麗華を抱く五十代白髪交じりの紳士は身悶えして腰を仰け反らせる麗華の表情に酔いしれていた。

 処女喪失後、数人の紳士を経て女の喜びに浸ることの出来た麗華は、中毒と言っても過言でないほどに官能と快感の虜になっていた。 そして男とは全く違う体内から壊れてしまいそうな鋭く凄まじい快感に我を忘れて乱れ、愛らしい声を奏でながら柔肌を揺らし続けた。

 麗華はヌーブラと直に話してみたい一心で一晩に二人の紳士を相手にしていたが、回数を重ねるごとに麗華の身体は女として得られる快感を増して行った。 紳士に抱かれる麗華は大海原の中を漂う水母(くらげ)のようにユラユラと波に揺られ体内で前後する肉棒に濃厚な愛液を絡みつかせていた。

 そんな麗華の髪の毛の一本にまでを溺愛する紳士達はやがて消えてしまう記憶を知る由もなく、ただ只管に官能という深くて暗い海の中に麗華に引き寄せられて入って行った。

 そしてこの日も二人の紳士の相手をした麗華は身体の火照りを収めること出来ぬまま「もっと抱かれたい! もっと感じたい! もっと気持ち良くなりたい!」と、切ない表情を浮かべてホテルの部屋を後にした。

 
「はうっ! はぁん! はぁ…あっ… はひぃ!」


 火照った身体のまま帰宅した麗華はドレスを脱いでガーターストッキングを着けたままスキャンティーだけを脱ぐと、寝室のベッドに飛び乗って密かに通販で買った擬似ペニスを仰向けで挿入し物足りなさを自ら補った。

 右手で握った擬似ペニスを体内に出し入れする麗華の恥ずかしい部分からは「ヌッチャクッチャヌッチャクッチャ」と、半濁音が静かな寝室に広まり、やがてその音は速さを増しながら麗華の愛らしいヨガリ声が重なった。

 
「あああんっ!! 気持ちいい…… 気持ちいいいいぃぃーー!!」


 乳首をピンと勃起させた麗華は額に汗して擬似ペニスを出し入れし続け、二人の紳士では到達出来なかったエクスタシーへ自らの手で突入し、心の中に溜まった異物を一気に吐き出してグッタリと身体をシーツに預けた。

 そして数分間の休息後、四つん這いになって右腕を伸ばし手にした電動バイブを自らの口でシャブって唾液を絡めるとそのまま恥ずかしい部分のに挿入した。 体内で「ブイィ~ン」と、振動する異物(バイブ)は生身の紳士にはない独特の快感(しげき)をもたらし麗華は直ぐにヨガリ声を奏で全身を筋肉を硬直させた。

 一時間にも及んだ自慰が終わる頃、麗華は男に戻ることも出来ぬほどに疲れ果てそのまま翌朝の昼近くまで死んだように眠り続けた。 麗華の周りには大きさの違う二本の擬似ペニスと電動バイブが転がりシーツにはオビタダシイ量の愛液の痕跡が残っていた。

 
 目覚めた麗華は疲れの所為で重たく感じる身体を両手で支えて起き上がると、全裸のまま両脚を床に降ろして暫くは「ボォ~」として目覚めの心地よさに浸っていた。 そして眼下に見えたツンッと上を向く左乳房を見て左手で下から支えて軽く揉みまわすと、両脚を軽く開いて割れ目に右手中指を滑らせた。

 その中指を鼻先に近づけて匂いを嗅いだ麗華は、その刺激臭に一瞬咽ながらも開いた口の中に入れて指をシャブッて味わうと、再び割れ目にその指を滑らせて恥ずかしい女の匂いと味を確かめながら、勃起したクリトリスを親指と中指で摘まむようにクリクリと擦り首を後ろに仰け反らせ熱い吐息を吐き出した。

 数分後、麗華は指についたクリトリスの匂いを嗅ぎそして味わうとヌルヌルした汁の出る穴の中に中指を入れて入り口付近を滑らせた。 刺激を強めぬように気遣いながら微かな刺激だけを楽しむように麗華は指先に愛液を絡めそれを自らの口の中に入れて舌を絡めて飲み干した。

 麗華は女であるこの幸福感に浸っていたが五分ほどが経過した頃、微かな快感では物足りなくなった麗華はベッドの上に転がる擬似ペニスを右手で拾い上げると、その刺激臭に顔を顰めベッドの小引き出しから出したコンドームを被せるとそのまま仰向けになって体内に挿入した。


「気持ちいい… あん! 気持ちいい… ああんっ!」


 麗華は薬物患者のように自慰に時間の流れを忘れ身体を火照らせヨガリ声を上げ続けた。 そしてエクスタシーに達して再びそのまま眠ってしまった。

 美しい全裸の女性が右手にコンドームを被せた擬似ペニスを握ったまま、ベッドに横たわる姿は実に奇怪で実に奇妙な光景だった。

 
 昼の二時過ぎ、再び目覚めた麗華は「女で居ればまた自慰してしまう」と、ベッドにうつ伏せになったまま状態を起こしてヌーブラを胸から外し男に姿を変えると妙な安堵感に包まれた。

 だがそんな安堵感は壮絶な喉の渇きによって掻き消された。 健吾はパンパンに張った金玉に激しい痛みを感じながらガニ股で台所に急ぐと冷蔵庫から冷えた麦茶の二リットルのボトル取り出すと全身を震わせてカブ飲みし始めた。

 飲んでも飲んでも癒えない喉の渇きに健吾は顔色を変え、二本が三本と麦茶を飲み続け腹の中をタプタプにさせて尚も四本目を飲み終えた。 健吾は始めての出来事に「俺の身体はどうしちまったんだ!?」と、癒えてきた喉に炭酸飲料をゴクゴクと流し込んだ。

 そしてようやく落ち着いた健吾が寝室に戻ってヌーブラを連れてリビングでパソコン越しに会話すると、ヌーブラは「アッヒャヒャヒャヒャ♪」と、大笑いし「あんなに自慰したら誰だって水分不足になるよ♪ アッヒャヒャヒャヒャ♪」と、健吾を笑い飛ばした。

 健吾はヌーブラから自慰は一日に時間を置いて二度~三度にしておくように助言を受け、愛欲の回数によって金玉に精液が溜まることを教えられた健吾は紳士二人が限界と位置づけた。

 そしてヌーブラを専用の洗剤で洗い流した健吾はそのまま自然干して寝室に戻ると、溜まりに溜まった金玉を鎮めようと麗華が履いていたスキャンティーとストッキングの匂いを嗅ぎながら肉棒をシコシコ扱いて数発を勢いよく撃ち放った。

 女のエクスタシーとは違う攻撃的な射精快感に健吾は獣の雄叫びのごとく大きな唸り声を発して六発を撃ってことを終えた。 女とは言いながらも麗華(じぶん)の履いたスキャンティーとストッキングの匂いで射精を終えた健吾は、いつものことながら自己嫌悪を陥りながらも、空腹感に耐えられず是からのまま買い置きしていたレンジ用のピザを過熱した。

 そしてチンと同時に取り出すと別のを加熱させながら、熱々を貪ってリビングに来てテレビをつけて喰い漁った。 


「現在この病院に運び込まれた男性と同じ症状で既に数十人が発症していると言われる奇病はいつ何処でどうやって生まれたのでしょうか!」


 テレビの大画面の中、テレビ局のリポーターが病院の前で深刻な顔をしてマイクを握って声に力をこめていたが、リポーターの話しに依れば五十代男性が一夜にして八十代のように変化を遂げたと言い、既に数十人が発症して原因が掴めぬままだった。

 ピザをムシャムシャ喰いちぎる健吾はタポタポの腹に牛乳を少し流し込んで、意味不明なニュースを伝えるリポーターの説明に見入っていた。 そしてリポーターは現代の奇病を語りながら病院の敷地内に入ると大勢の報道関係者が声とカメラのシャッター音を渦巻かせていた。

 
「そして! 不思議なことに発症した五十代の男性の全員が前日の記憶が全てなくなっている状態で、警察は事件性もあるとして捜査を検討すると発表しました!! 以上です!!」


 カメラは騒然とする辺りの中にいる警察官を写すと画面はテレビ局のスタジオへと切り替わって、キャスターが深刻の顔してコメンテーターにコメントを求めていた。

 前夜の記憶が消失していて三十歳も年を一晩でとるということに、コメンテーターは「宇宙人に依る拉致と人体実験説を唱えざるえませんな!」と、真顔でコメントし、別のコメンテーターは「何処かの国の軍事目的での拉致と人体実験では」と、顔を曇らせた。

 健吾はその番組をボーッと見つめテレビのスイッチを切ると、何も考えずにレンジから別のピザを持ってきて再び貪りついた。

 三十分後、空腹を満たした健吾は上下にスウェットを着ると再びテレビを点けてゴロンとソファーに横になって寛ぎながらチャンネルを替えた。


「奇病を発症した男性と一緒にいる美女を目撃したという女性が数人いることが解りました! 目撃者によればその女性はいわゆる絶世の美女で気品高くスタイル抜群のセレブな感じだったといい、この女性が何らかの事情を知っているものと見て警察は捜査を慎重に進める方針を明らかにしました!」


 健吾はこの報道に横にしていた身体を起こし前かがみでテレビに食い入ると、そのまま固まって動かなくなった。

 そして数分間、テレビを見入った後に自分のことを伝えている報道であると顔を強張らせたが、目をギョロギョロさせて「麗華に変身するを控えよう」と、心の中で自分を落ち着かせたが、チャンネルを替えても麗華の報道ばかりで健吾は次第に怖くなっていった。

 警察が捜査を始めれば遅かれ早かれ切られた小切手の流れ先からここに来るのは時間の問題だと思った健吾は、男の目だけは誤魔化せる麗華の姿の方が良いのではないかとも考えたが、麗華と健吾(じぶん)が同一だと知る者もいない以上はこのままの姿が安全だとも考えていた。

 だが、この日から数日を経過しても健吾の下には小切手の件で警察は現れず健吾は若干の平穏を取り戻しかけていた時、ヌーブラに相談してみると健吾はヌーブラの言葉にアンドの表情を浮かべた。

 紳士が切った小切手はそれを手にした全ての男女の記憶から消滅し、それが通った機械やパソコンにも一切の記憶が残されていないというヌーブラの言葉は、暫く麗華になっていなかった健吾を安心させた。

 
「消えるのは人間の記憶だけじゃないんだ~♪」


 健吾の不安は一気に何処かへ飛んで行くと同時に麗華への募る思いは健吾を麗華に変身させ、暫くぶり柔肌の感触と擬似ペニスの快感に健吾は自室の中で女の喜びに浸った。

 そして健吾は会社から帰宅した数時間だけを麗華として過ごし、ホトボリがさめるまで麗華での外出を全て取り止めたことでいつしかテレビ報道もなくなっていった。

 そんな中、会社へ出勤した健吾に思わぬ出来事が待っていた。




【十三話】





「課長! おはようございます♪」


 仕事場で黙々と励んでいた健吾の部屋を真由美が尋ねてきて机の前で深々と頭を下げた。

 会社では出来るだけ接点を持たないようにとの二人の決め事を破った真由美に呆気に取られた健吾は、立ち上がるとドアのほうを気にして真由美を抱きしめた。


健吾:どうしたの? 駄目だよここに来たちゃ。
 真由美の額に軽くオデコを重ねた健吾。


真由美:今日からこの部署でお世話になることになった高野真由美です。 宜しくお願いします。
 健吾から一歩後ろに離れた真由美は両手を前に深々と頭を下げ、健吾を驚かせた。


健吾:お、お世話になるって言ったって!? 俺にはそんな権限なんか……
 両手を前に差し出してタジログ健吾は真由美の目に視線を重ねた。


真由美:浜田課長… もしかして御存知無いの…? 先週から東側の人事の掲示板に浜田課長のサポート役をやってくれる希望者を募ってるの!? 普通なら人事部で勝手に配置換えするのに何故か今回の人事は希望者を募る形にした見たいなんです♪ だからアタシがそれに応募して人事部の承認を受けて来たんです♪ まあ、モスラと評判の浜田課長の下につきたいと思う人はいないと人事は踏んだんでしょうけどね♪ 
 ニコニコ照れるように健吾のネクタイを直す真由美は健吾に視線を重ねた。


 健吾はそんな真由美を放置し慌てて東側の廊下へ一気に駆け出し到着と同時に掲示板のお知らせ欄を凝視した。 そこには真由美が言っていた通りの内容が記載されていて疑いの余地は無かったものの、偶々その書面を外しに来た人事の人間が健吾を見てニヤリと不適な笑みを浮かべた。


人事部:これは浜田課長♪ この度は部下の方が決まったようで~♪ 何でも営業一課にいた有名な高野女史とのこと♪ クックククク♪ せいぜい仲良くお願いしますよ♪ クックククク♪
 健吾をニヤニヤして見る人事の人間は健吾を見て噴出しそうになりながらも耐えるように話すとその場を離れた。


 人事の人間が立ち去った後、健吾は掲示板に左手で身体を支え自分を守るためにイヤミと陰で恐れられていた真由美に不敏さを感じた。 そしてトボトボと自分の部屋へ戻る途中、廊下の両側で以前居た一課の女子社員たちのヒソヒソ話しが健吾を苦しめた。


女子社員:見てみて… やっとイヤミから逃げられたのにね~ 流石に気の毒だわ… 何も追い掛けてまで虐めなくてもいいのにねぇ~ 
 口元を手で隠しながらも数人の女子社員の顔を見回して真由美のことを悪く言った。


 健吾は大きな溜息を付きながら肩をガックリと落として廊下を歩いたが、その光景はイヤミに依るものだと周囲は勘違いした。

 そして自分の仕事部屋まで来た健吾は開いたドアに「何だろう…」と、近づくと一課に居た真由美の部下たちが机と椅子を運び終えて戻るところだったが、一課の連中は真由美をチラッと見てから健吾に哀れみの視線を送ると一例してクスクス笑いして立ち去って行った。

 健吾は再び真由美に対して申し訳ない気持ちで一杯になって後ろ髪を引かれる思いで仕事場に入ってドアをしめた。 そして自分の机の左側、入り口に向かって設置された机に向いて座る真由美をチラッと見た健吾は真由美に「ゴメンな… 俺のために…」と、口を篭らせて見入ると真由美は「?」と、健吾に微笑を見せた。

 そして部屋の壁際を山のように埋め尽くす書類を見て、大きな溜息をした真由美に健吾は「暫くはそこで様子を見てろよ…」と、やりかけの仕事に戻ると黙々と無言で背中を丸めた。 その様子を見た真由美は心の中で「早くなってる… 前の数倍、違う… アタシの三倍くらいの速さになってるわ…」と、健吾の驚くべきスピードと書類の正確さに眼を丸くさせた。

 健吾は休憩も昼休みも取らずにただ只管に黙々と仕事に精を出し三時ごろに何かに驚いたように「パッ!」と、手を休めると「昼飯買ってくるよ」と、一人で部屋を出て行き、真由美はその間に、健吾の終えた書類の山を見てその正確さに絶句した。

 小さな買物袋に中に入った大好物のコロッケ弁当と御茶を机の隅っこに置くと、真由美を見ることなく黙々と口に運び真由美を気遣って換気扇の真下でタバコを吸う健吾は、昼食とタバコ一本の休憩を終えると再び机に向かい黙々と続きに精を出した。

 お喋りを楽しみながらラブラブで時間を過ごす事を夢見ていた真由美にとっては余りに惨い健吾の勤勉さはに、真由美は寂しさを覚え五時になっても止める気配の無い健吾に「今日も九時までやるの!?」と、心の中で寂しさに輪をかけていた。

 そして八時五十五分、ドアがノックされ警備員が顔を出すと、健吾はピタリと手を止め席を立ち上がるとようやく真由美を見て「お疲れさん」と、笑みを浮かべた。

 顔なじみの警備員のオジサンに挨拶した健吾は薄暗くなった廊下に靴音を響かせ真由美と共に会社の外の駐車場にバイクを取りに来た。


健吾:駅まで送るよ。
 バイクを手押しする健吾は風に靡くネクタイを邪魔に胸ポケットに押し込めた。


真由美:今夜は来ないの?
 真由美はバイクのハンドルに手を掛け一緒に歩き出した。


健吾:なんか不思議な気分だよ… お前と仕事を終えて帰宅するなんてさ♪
 チラっと真由美を見て照れ臭そうに笑みを見せる健吾。


真由美:泊まって欲しいな… 一人じゃ寂しいもん…
 風に靡く髪を直しつつ健吾をチラッと見る真由美。


健吾:そだな… お前の熟したスカートの中も気になるしな♪
 ニヤリと笑みした健吾はスカートの上から真由美の股間辺りを見た。


真由美:ちょっと! もおぅー♪
 股間辺りを押さえて隠す真由美は恥ずかしそうに微笑んだ。


健吾:このまま何処かのホテルへ行こう… 我慢できなくなってきた…
 ハンドルの右側を真由美に預け手を放した健吾はその右腕で真由美の右肩に這わすと、真由美は恥ずかしそうに小さく頷いて見せた。



「あんっ! 駄目よ… 駄目… 汚れてるわぁ… あん! 恥ずかしいわ!」


 ホテルの部屋の中で口付けを交わした健吾は真由美の前に斜屈むと、そのままタイトスカートを上へと巻くり上げライトブラウンのパンティーストッキングに包まれた真由美のパンティーに顔を埋めて熟した女の匂いにウットリし両手を尻に這わした。

 真由美はパンスト越しに尻に滑る健吾の十本の指に目を閉じて小声で喘ぎ声を奏でると尻の割れ目をキュッと閉じた。

 
健吾:はぁはぁはぁはぁ…
 鼻先をパンティーの下側に押し付け勢いよく匂いを吸い込むと、尻に滑らせていた両手の指をそのまま裏モモに移動させ両手の中指で裏モモを真ん中から外側に滑らせた。


真由美:あひぃ! あああーん!
 裏モモを滑る健吾の中指に甲高い喘ぎ声を出して腰を伸ばした真由美は、触れられる喜びに浸りながら健吾にされるままに両脚を開いた。

 健吾は開かれた真由美の陰部へ少しでも鼻先を近づけようと顔を埋めてパンスト越しにパンティーの匂いを嗅ぎそして、両手で真由美の裏モモを蜘蛛のようにくすぐりながに滑りまわった。

 真由美はヒザをガクガクさせて健吾の頭の上に両手を置いてそのまま静かに床へ腰を下ろすと健吾の両手に支えられながら仰向けになった。

 健吾は真由美の両脚を開かせるとパンティー越しに軽く食い込むパンティーストッキングのシームに鼻先を押し付け、そのまま物凄い吸引力で中に篭った匂いを吸い込んだ。

 真由美はパンティーの中から体温が奪われて行くのを感じながら、愛する人から受ける辱めの心地よさにウットリし同時にストッキング越しの健吾の滑る指に癒されていった。

 健吾は真由美の熟したパンティーの匂いに意識を朦朧(もうろう)とさせ彼女からヒールを脱がせると、その爪先の酸っぱい匂いに刺激され意識をハッキリさせた。

 そして暫く真由美の恥ずかしくも熟した匂いを嗅ぎ続けていた健吾は、やがてパンティーストッキングに包まれた真由美の太ももに頬ずりして感触にウットリすると、真由美からソレをゆっくりと剥がしシットリとした太ももに舌を滑らせムシャブリついた。

 真由美は太ももを直に舐められる感触に目を閉じて投げ出した両手の爪で床に立て滑らせた。 そして健吾の舌が膝裏に円を描くように滑ると尻に力を入れ濃厚な吐息を吐き出した。

 健吾は夢中になって真由美の甘い香りの漂う脚に頬を寄せ舌を滑らせ口いっぱいに吸い付き、真由美はトロトロに蕩けるように全身から力を抜いて床の上に置かれたゼリーのようにブラウスの下の乳房を振るわせた。

 
真由美:あんっ! 駄目! 駄目! 駄目えぇ! そこは汚いから駄目えぇ!
 手に持たれた左脚の爪先に健吾の熱い吐息を感じた真由美は、一日中ストッキングに包まれヒールの中で蒸れに蒸れた爪先をギュッと閉じて健吾が味わうのを拒んだ。

 健吾は左脚を引き離そうとする真由美を物ともせず脚の裏に舌を滑らせ数回動かすと、真由美はその心地よさに閉じていたつま先をパッと広げその瞬間、健吾は親指の付け根に舌を絡ませて滑らせた。

 納豆のようにヌメリを帯びて酸っぱ苦い匂いを漂わせる真由美の爪先を口に頬張った健吾は、チュパチュパと音を立ててしゃぶりそして指の間に舌を滑り回した。

 真由美は蒸れた指の間を舐められ上半身を左に右にとユラリユラリして喉の奥に切ない息を溜め込み、やがて真由美の爪先はヌメリの取れたソラリとした状態になっていった。

 そして健吾は満足したとばかりの笑みを浮かべると首を倒してグッタリする真由美を跨いでブラウスのボタンを外し、ブラウスを脱がせると、そのブラウスの脇の下部分に鼻先を密着させ甘酸っぱい脇の匂いに笑みを浮かべた。

 真由美は自分に触れてこない健吾を瞼を薄っすら開いて見入ると、ブラウスの脇の部分を嗅ぐ健吾を見て「だめえぇー」と、吐息交じりにブラウスを力無げに奪おうとした。

 そんな真由美の紅く染まる頬を見た健吾は、真由美を辱めるようにワザと見せつけて匂いを嗅ぎ真由美は切なげな表情を浮かべて再び瞼を閉じ、健吾は空かさず真由美の両手首を床に押し付けると、蒸れて汗ばんだ真由美の脇の下を区と一杯に頬張ってしゃぶるように舌を滑らせた、


真由美:あひぃっ!! ああああーーーんっ!! 汚いからやめてえぇ…
 泣きそうな声を出して弱々しく健吾を制止する真由美は顔を真っ赤にして恥じ入り首をゆっくりと左右に振った。

 健吾は恥辱に浸る真由美の表情をチラチラ見ては「ニンマリ」と、笑みを浮かべ「これでもか!」と、舌を脇の下に忙しく滑らせた。

 真由美は健吾の舌使いに腹の筋肉をヒクヒクさせ両脚を内側に閉じて強い刺激に悶え苦しみ、押えつけられる両腕から全ての力を抜いた。

 健吾は「そろそろいいだろう」と、真由美の両腕を下へ降ろすとスリップとブラジャーの肩紐を下へ外し目の前に「プリリーン」と、晒させた乳房の真ん中、ピンク色の乳首に喉をゴクリと鳴らした。

 両手で下から支えるように揉み回した真由美のプリプリした乳房に視線を奪われた健吾は、再び喉をゴクリと鳴らすとそのまま美味しそうな左乳首にムシャブリついた。

 すると乳首は健吾の口の中で直ぐにギンギンに勃起して心地よいコリコリ感を健吾の唇に伝え、同時に甲高い鳴き声を健吾の耳に届けた。

 健吾は舌の横を勃起した乳首に回して滑らせ時折、唇を窄めて吸いながら甘噛みしては仰け反る真由美をチラリと見て男であることことに喜びを感じた。

 そして時間と共に乳房を揉まれて吸われる真由美は感情の高ぶりを隠すことなく曝け出し全身を激しく震えさせ、甲高い鳴き声と重々しい喘ぎ声を部屋の中に繰り返した。

 健吾は麗華(おんな)として男達に教えられた官能と快感(しげき)の粋を真由美の身体に余すことなくその舌と手で伝え続け、やがて真由美の下半身に再び戻った瞬間、グッショリと濡れたパンティーに心躍らせた。

 柔らかい真由美の両内モモに手を掛け開いた健吾は、グッショリと濡れたパンティーを見て喉を「ゴクリ」と、鳴らすとパンティーの上から滲み出た嫌らしい液体を「ペロリ」と、舐め舌堤を打って味わうと「ニンマリ」と、鼻の下を伸ばした。

 そして真由美からパンティーを剥ぎ取った健吾は真由美の恥ずかしい部分を開く前に、全体の匂いを鼻先回して嗅ぐと恥骨の陰毛に浸み込んだ甘塩っぽい匂いに目を笑わせた。

 
「ニチャリィッ!」


 左右の親指で開いた真由美の回れ目の中に白いクリームが付着しているのを見た健吾は、右側の大陰唇を薬指で押さえて親指でクリームを削ぎ取ると、真由美は「ガクンッ!」と、腰をビクつかせ健吾はその糸引くクリームを指に絡めて自らの口の中に入れてしゃぶった。

 濃度の高い塩分と酸味の中に仄かに混じる甘い匂いに健吾は、舌堤を何度も打って味わい獣の笑みを浮かべて両手の親指で開いた大陰唇の真ん中へ舌先を押し付けクリームを舐め取った。

 真由美はその舌の動きに全身を硬直させて痙攣し柔らかい女の肉肌をプルプルと揺らし、割れ目の中を舐める健吾の頬を両側の内モモで擦らせ触れさせた。

 真由美(おんな)の蕩けそうな内モモの肉肌が心地よく健吾の両頬を打ちつけ健吾は我慢できないと、その両脚を外側から抱きこんで割れ目に舌を押し付け男の業をブツけるように舐め味わった。

 ドゥルドゥルという女独特の汚れが健吾の舌先に積もると、健吾は嬉しそうにそれを口に運んで舌堤を打って飲み込み、時間の経過と共に真由美の汚れた内肉は次第に元の綺麗さを取り戻した。

 
「ズブリュウゥー!!」


 真由美の体内に太くて硬い肉棒が入ったのは恥辱から四十分以上してからだった。 真由美は恥辱される喜びの中に身を置きながら肌の隅々にまで行き届く快楽の中で女として生まれた喜びを噛み締めていた。

 そんな真由美の心の中が手に取るように逐一解る健吾は真由美を愛欲しつつ、心の中の隅で麗華(じぶん)を愛欲していたことに気付いてはいなかった。

 だが真由美は健吾の愛欲のしかたが麗華に似ていることを脳ではなく身体が感じていたが、それを理解するまでには至っていなかった。

 この夜、ホテルに泊まった二人は着替えの下着類を店で買ったあと、食事を済ませ再び愛欲を幾度も重ね求め合った。




【十四話】





「謎の絶世の美女の正体は宇宙からやってきたバンパイアか!?」



 ホトボリが覚めてきたと思っていた健吾に新聞の見出しは再び再燃の予感を覚えさせた。

 前夜の記憶が全くない八十代に姿を変えた五十代男性の奇怪な病気として報道した新聞各社は、あること無いことを書き立て果ては麗華を人間の生気を吸い取る女吸血鬼とも誇張した。

 だが実際に麗華を抱いた男達は、抱いたと言う記憶も無いままに衰弱し奇病として扱われ、これに対して日本政府は公安庁に捜査を指示したと噂された。


「なあ、ヌーブラよお~ 麗華って本当にバンパイアなのか~? 何かあの男達を救う手立てってないのか~?」


 仕事を終えて帰宅した健吾は大好物のコロッケ弁当を食いながら相棒のヌーブラとパソコンを交えた筆談を始めた。

 ヌーブラは筆談の中で健吾に「そんなの簡単だよ♪ 麗華に奪われた生気は別の男から奪えばいいだけ♪ 麗華は元々は男だからね♪」と、笑みを交えて健吾に話した。

 健吾はその返答に首を傾け「男から奪うたってなぁ~ オカマとかそんなんでいいのか? 肛門使うセックスだろ~? そんなの無理だよ~♪ ホモじゃないんだからさ~♪」と、話しながら笑い出し飯粒を飛ばした。

 
「なあ、ヌーブラ~ お前、マネキン! ああ、解んないな… そだな、人形に貼り付いたら麗華みたいな人間になれるのか~?」


 健吾はパソコンのキーボードの上にいるヌーブラに前かがみになって目を大きく見開いてニヤニヤと照れ笑いして尋ねた。

 するとヌーブラは「麗華のこと抱きたいんだろ? でもそんなことしたらお前まで八十代になっちまうぞ♪」と、釘を刺すと「お前の彼女に僕を装着すれば彼女の命に関わるからそれも止めた方がいい」と、健吾の考えていることに大杭を刺した。

 ガックリと肩を落とした健吾はそのままヌーブラに小さく頭を下げると、そのまま胸にヌーブラを装着し麗華に変身した。 そして壁に取り付けてある等身大の鏡の傍に行くと、見事なプロポーションと顔立ちに暫くは見とれてウットリ鏡を見つめた。

 麗華に変身した健吾は自ら両手で乳房を支えると、鏡に向かって腰を落としてセクシーポーズを決め、トランクス姿にニッコリと照れ笑いして寝室へ移動すると自分を慰める道具をベッドの上においてトランクスを脱ぎ捨てた。

 ベッドに横になった麗華は両手で乳房を押し上げ乳首に唇を近づけるものの、アンダーの細い麗華の乳首はあと僅かというところで届かず悔しさいっぱいに諦めた麗華の表情がワンカップに映りこんでいた。

 そして麗華は起き上がると寝酒に用意したワンカップを半分ほど一気に飲み干すと、再びチャンレンジしてみたものの「アンダーさえ太ければ…」と、眼下の美しいボディーに喉を鳴らし、この夜はオモチャを使って女の身体を慰め続けた。

 
 深夜の二時、何度ものエクスタシーに達して寝入ったはずの麗華は「フッ」と、目を覚ましパンティーを着けていない黒いスリップ姿でベッドから降りると、フラフラと寝室を出て台所へと千鳥足を進めた。

 そして大きな冷蔵庫のドアを開け、中の光に眩んだ目を閉じて火照った身体を冷やすべく麦茶のボトルを取り出すと一気に喉に流し込んだ。


「欲しい… 男が欲しい… あんなオモチャじゃ満足出来ない…… 男に舐め回されたい……」


 ハンドサイズの麦茶を飲み干した麗華は閉じた冷蔵のドアに左手を添えてもたれると、スリップの裾の中に右手を入れ割れ目の間に中指を滑らせると、抑えきれない女の欲情に暗がりでヨガリ声を放ちそのまま床に腰を降ろした。

 そして両脚を開いて中指を滑らせる麗華は左手で右乳首をコリコリして荒い吐息を暗闇に溶け込ませると「ぅぅぅぅううう…」と、余りの切なさに涙を頬に伝えたが、この時、麗華の身体には健吾の心は宿っていなかったようだ。

 街に出なくなって一週間が十日になる頃、麗華は男の健吾に戻ってさえも心の中では「男が欲しい…」と、繰り返すようになっていて、仕事を共にする真由美を求めたいという男の欲望も減少していた。

 だがそんな真由美も健吾の異変に気付かないはずはなかったが、健吾の仕事のペースを乱してはと一人、案ずる言葉を出さぬように耐えていもいた。 


 そして二十日が過ぎたある日の夜、我慢できなくなった健吾は麗華としていつもとは違う街にその姿を現した……


 その翌日、麗華は溜まっていた女の業を全て吐き出し自宅マンションでタプタプに溜まった金玉をそのままに大の字になって疲れ果てた身体をベッドで休めていたが、ホトボリの冷めかかっていたバンパイアが出没したと街中は騒々しくなっていた。

 十人の紳士が一夜で八十代になって病院に運び込まれたことで、健吾の知らぬ間に土曜日の朝だというのにテレビや新聞が一斉に「バンパイア出没」と、取り上げた。

 そんなことも知らずに眠る健吾を起こしたのは真由美からの携帯だった。 朝の十一時過ぎ、その携帯音に目を覚ました健吾は上半身を起こすと有り得ないほどパンパンになった金玉に震撼した。

 左右の睾丸(たま)がゴルフボールより一回り大きくなっていた健吾は恐る恐るベッドが降りると直ぐ傍のテーブルで鳴り続ける携帯に手を伸ばした。


「ズッキイィィーーーーン!!  痛てえええぇぇぇーーーー!!」


 まるでタヌキの置物のごとく巨大化した金玉は男として生まれた健吾に壮絶な痛みを与え、真由美からの電話に出られなくさせた。

 健吾はガニ股状態でブラブラする金玉を気遣って真っ青な顔をして「早く出さないと瞑れる…」と、気を静めてベッドに戻って腰を「ソロリ」と降ろした。

 だが、右手でペニスを握って扱いたものの極度の緊張からかペニスは一向に肉棒化せず、逆に扱く振動が金玉に響いてズキズキと痛みを脳へ運んだ。


「真由美に出して貰わないと…」


 健吾は真由美に電話すると、これから向かうとだけ言い残して電話を切った。 そして肥大化した金玉を気遣いつつスウェットを身に纏うと、まるでヘルニアにでもなったかのような姿勢でマンションを出てバイクに跨って真由美を目指した。

 真由美は健吾の異様な姿を見て握った手を口元に当て驚くと「ノソノソ」と、腰を曲げてガニ股で歩く健吾を後ろから見つめた。


「真由美。 出してくれ! うっ! 痛てぇ!」


 リビングのソファーの前で腰を曲げたままスウェットとトランクスを下ろした健吾は、顔色を青くしたまま肥大してブラつく金玉を右手で揺れぬように押さえて座った。

 額に脂汗を浮かせる健吾を見た真由美は慌てて近づくと健吾の額をハンカチで拭き取ると、不安げに健吾を見つめた。 そんな真由美に健吾は再び「溜まり過ぎて痛いんだ… 驚くのは後にして兎に角、銜えて出してくれないか… 頼む!」と、顔を顰めた。

 真由美は「うん!」と、健吾の辛い表情を見て頷くと、健吾の開いた両足の真ん中にアヒル座りして髪の毛をピンで留めると、健吾のペニスをソッと右手で掴んで口に銜えた。

 健吾はその瞬間「クワアァッ!」と、首を仰け反らせ両手に拳を握って背中を待たれさせると開いた両膝をガクガクさせペニスを肉棒化させた。

 真由美は目の前の肥大した金玉を怖くて見ていられず瞼を閉じて舌を絡ませ、暫くぶりの健吾の味と匂いを楽しむ余裕ないまま首を振った。

 そして真由美が肉棒をしゃぶって二分ほど経過した瞬間、健吾は嘘のように込上げた射精欲に「いくううぅー!」と、半分唸るような声を出すと、真由美は飛び散るであろう精液に備えた。


「ジュウゥーーッ!!」


 健吾が射精した瞬間、肉棒を加えていた真由美はその精液の量に、目を大きく見開いて顔を顰める健吾を凝視した。

 口の中に飛び散った健吾の精液は有り得ない程の量で真由美の口中を一杯にし、その凄まじい精液臭に真由美も顔を顰めて苦しむように飲み干した。

 そして「プハアァー!」と、口を開いた真由美からは激しい精液臭が辺りに漂い、その匂いに驚いた真由美は直ぐに口を閉じて健吾の亀頭に精液を塗れさせて尚もしゃぶり続けた。

 健吾は射精と同時に肉棒を縮めることなく真由美の口中で再びギンギンに硬くし位置止めの射精より一分ほど遅くに二発目を、再び真由美の口の中を一杯に埋め尽くした。

 真由美は二度目のその精液の量に目玉をキョロキョロさせ、信じられないとばかりな表情をしたまま喉を大きく鳴らして飲み干したが、徐々に小さくなる金玉を見て再び亀頭に舌を絡めて滑らせた。

 そして射精する度に楽になっていく健吾を見た真由美は「とにかく急がなきゃ!」と、三度目の射精を健吾に果たさせ射精量を現象させその回数を六回にまで増やした頃、ようやく健吾に安堵の表情を真由美は見いだして縮んだペニスを口から出した。

 真由美の胃袋は健吾の放った精液で「タップンタップン」と、音を真由美に感じさせたが、健吾の安堵した顔を見てニッコリと笑顔を見せた。

 
健吾:すまん… 真由美。 ずっとお前とのセックス、我慢してたから… ゴメンな真由美…
 肩で息する真由美の笑顔を見た健吾は溜まった理由を摩り替えて真由美に説明すると、真由美の頭を数回撫でた。


真由美:アタシこそゴメンなさい… 気がついて上げられなくて… はぁはぁはぁはぁ… 今度から溜まったらいつでも口でしてあげるから言ってちょうだい… はぁはぁはぁ… でも凄い量だった…
 健吾の両膝に手を置いた真由美は下から健吾を愛おしそうに見つめた。


健吾:驚いたろ… あんなの見たら怖いよな… ふふっ♪ さてと! 落ち着いたところで! 味見させてもらうぞ真由美!
 ニッコリと笑みを浮かべた健吾はその場に立ち上がると、ショーパン姿の真由美を「ヒョイッ!」と、抱き上げてお姫様抱っこすると、寝室に移動してベッドに真由美を抱き下ろした。

 
真由美:……♪
 恥ずかしそうに頬を紅く染めた真由美は目を閉じて健吾に身体を預けた。

 そして白いタートルネックのノースリーブにショーパンと言う真由美の姿は、健吾に七発目に挑戦する意欲と性欲を激しく与え、健吾は貪るように真由美の身体を揺らした。

 



【十五話】






「新しい私を作って欲しいのだけど…」
 有給休暇を消化するために無理やり休まされた健吾はヌーブラと筆談し、ヌーブラが脱皮するように新しい身体を求めていることを知らされた。
「どうすればいいんだ?」
 健吾は眉を歪めてヌーブラに説明を求めた。
「麗華になって麗華の乳房でオーダーメードのヌーブラを作る。 それだけだよ。 後は出来上がったヌーブラに私を重ねて一晩寝かせてくれればいいんだ♪」
 ヌーブラの解りやすい説明をメモする健吾はパソコンモニターに打ち込まれた文書に相槌を打った。
「メーカーは○○がいい。 メーカーの担当者の記憶は全てが終わった時点で消えるようにするからね。 安心していいよ。」
 健吾はヌーブラの説明に相槌を繰り返してメモを残した。

 ヌーブラの話に依れば、過去に二度ほど生まれ変わって今回で三度目だと言う。 今回、生まれ変わればヌーブラの力も一層増して、健吾と直接会話も出来るという。
 健吾は「それならば急ごう!」と、インターネットでヌーブラのオーダーメードを探し、電話で確認すると早速、麗華に変身しようとヌーブラを手に取ろうとした。
「麗華が動き回っても支障が無いように世界中から一時、麗華の記憶を消すからね。 安心して出かけるといい… 但し制限時間はせいぜい1日だ。 それまでにはここへ戻って欲しい…」
 ヌーブラは健吾に一日の猶予を提案すると、そのまま健吾の胸に同化し健吾を麗華に替えた。
 
 麗華に変身した健吾は等身大の鏡の前に立つと、いつものように麗華の美貌を楽しむようにグルリと身体を回しそのまま衣裳部屋でドレスに身を包んで化粧を施した。
 
「先ほどお電話差し上げた者ですが…」
 昼間の街中、大勢の男達に追いかけ回されることなく、素顔のまま訪れたブランドのショールームのカウンターで麗華は対応に出た女性に会釈した。
「何枚かコンピューター解析のためのデーターを取らせて頂ますね♪」
 白衣姿の女性数人が麗華を取り巻き上半身裸の麗華の胸に記しを点け巻尺で計ってはカメラにそれを納めた。 麗華はテキパキとすばやい対応をする数人の女性達を興味深く見入り女性達もまた、見事なまでの麗華の乳房に触れる喜びを少なからず楽しんでいた。
「今日はお時間、大丈夫ですか? これから特殊な材料を使って実寸で型取したいのですが…」
 リーダーらしい女性が寝台に仰向けになる麗華に問い麗華もまた無言で軽く頷いた。
「電話でも申し上げましたが、代金には糸目はつけませんが、寸法取りは今日しか時間が取れないので…」
 麗華は確認するように女性に伝えると女性達はニッコリ笑みを浮かべて三人揃って頭をさげ、そのまま個室を立ち去った。 そして待つこと一時間、ようやく女性達が戻ってくると麗華の胸に被せ固まった材料を取り外すと、今度は二つ穴の開いた寝台に移された麗華は寝台にうつ伏せで寝そべった。
 二つ穴に麗華の乳房が吸い込まれると、寝台の下から最初と同じトロトロして冷たい材料をハケのような物で突然塗りつけられた。 その快感(しげき)に麗華は全身をビ付かせ耳タブを紅く染め喉の奥に耐え難い喘ぎ声を溜めたが、寝台に下にいる二人の女性達は淡々と作業を進めた。
 麗華は切なげな表情を頭から被せられたタオルの下で浮かべて耐えると、リーダー格の女性が「本来なら時間ょかけて何度かに分けるのですが、お客様に時間がないようですので無礼を承知で行っております。 もう少しの辛抱をお願いします…」と、丁寧な口調で官能する麗華に話し、麗華もまた何故に寸法取り前にパンティーの中にナプキンをセットするよう言われたのか、その理由が明確に解って赤面した。

 寸法取りが始まって二時間を経過した頃、再び起き上がった麗華の乳房からハケで塗られて固まったプルプルしたモノを剥ぎ取る二人の女性達と、まん前で「もう少しで終わります♪」と、笑顔で頭を下げたリーダー格の女性に麗華は安堵の表情を浮かべた。
 
「今回、このような金額になっております♪ お届けはご自宅で宜しかったですか? 次回はデーターがありますので微調整で承ります♪」
 三十万の明細書を見せられた麗華は、躊躇せずに現金で支払うと届け先を自宅マンションにしてショールームを立ち去った。

 そして自宅に戻ろうとタクシーに乗ろうと手を上げた瞬間、麗華よりも少し早く手を上げた中年太りの何処かで見た顔のオッサンが麗華を見て軽く頭を下げた。

「良かったらお先にどうぞ♪ わたしは後でも構わないのでね♪」
 暑苦しい太ったハゲのオッサンを見た麗華は、自分の勤務する会社の社長に唖然としながらも、麗華が健吾だと気付くはずもない社長はハンカチでギラギラしたハゲ頭の汗を拭った。
「どちらまでですか? 良かったらご一緒してもよろしいのですが…♪」
 会社に戻ることを知っている麗華に社長は顔を真っ赤にして照れ笑いし、麗華が同じ方向だと話すと途端に仰天してタクシーに乗り込んで麗華を待った。
 麗華は心の中で「まだ時間はタップリあるが、コイツだけ麗華の虜にしたいものだな…」と、思った瞬間「いいよ♪ 今日は疲れたろ? ご褒美だ♪」と、ヌーブラの声が身体の中から聞こえた瞬間、ハゲ社長の麗華を見る目は突然トロトロに蕩けた。
「ささ! 御嬢さんこちらへ♪」
 先乗りしたハゲ社長は巨漢を椅子の上でずらして麗華を招き入れると、麗華はニッコリと微笑んでハゲ社長の横に座った。 ハゲ社長はハゲた頭から汗を噴出させワイシャツの袖は見る見るまに汗で色を変色させた。
「ここが貴方の会社なの?」
 社長専用の入り口から入ったハゲ社長はネクタイを緩めて通りかかった秘書からハンカチを奪い取ると、そのまま頭を拭いて口をモゴモゴさせ大きく数回頷いて見せた。
 そして社長専用のエレベーターに麗華を乗せたハゲ社長は最上階の社長室に麗華を通すと、続き部屋の応接室に麗華を招き入れた。
「確か… ここに浜田健吾さんと言う課長さんが居たと思うのだけど、貴方はその人のことをどう思っているのか聞かせて貰えないかしら」
 ソファーに腰を下ろして足組する麗華にハゲ社長は再び頭から汗を噴出して、麗華の前に跪くと「ハテ? そんな課長は居たかいな~?」と、言う顔して見せた。
 その表情に「えっ?」と、思った麗華は自分の部署名を口にすると、ハゲ社長は「あああー! はいはい♪ アレは中々の人間でしてな♪ 無能な重役共にはあの男の価値が解らんようで♪ 何れ重役に取り立ててやろうと思っている最中です♪」と、麗華の魔性の魅力に獲り憑かれたハゲ社長はニッコリ笑みを浮かべた。
「では彼を直ぐにでも重役に取り立てなさい♪ さもないと彼は退職してしまうでしょうね~♪ 部長たちが結託して彼を離れ小島の営業所へ飛ばそうと画策しているようよ♪」
 麗華の言葉を聞いたハゲ社長は「ギョッ!」と、した表情を見せた瞬間、足組して座る麗華に深々とお辞儀すると慌ててその場を立ち去った。

 ハゲ社長は魔物に獲り憑かれたように汗だくになって重役達を会議室に招集すると、課長の浜田健吾を取締役に加えることを提案した。
 会議室では突然の突拍子も無い社長の提案に重役達は騒然としたが、それを押し切るようにハゲ社長は浜田健吾の取締役への取立てを強行し採決で重役達は纏まった。
「御嬢さん♪ 御嬢さんの言われた通りに致しましたです♪ ハイ♪ ゴクリ…」
 ソファーに横になってスリットから食み出した麗華の膝を見て喉を鳴らしたハゲ社長に、麗華はワザとその膝を滑らせて太ももをチラつかせた。
 ハゲ社長は麗華の太ももに顔を強張らせ両手で頭を抱ええると、ガマカエルのように油汗をダラダラと滲ませた。


 その頃、社内は騒然となっていた。


「おい! あのモスラが取締役に昇格したらしいぞ! 全く世の中は解らん! あんな事後処理の倉庫係りが取締り役だなんて!!」
 廊下に張り出された浜田健吾の取締り役への突然の知らせに社員も管理職も顔を青ざめさせ、課長経験させて後に離れ小島の営業所へ飛ばそうと画策していた連中に激震が走った。
「俺ら… あの大卒野朗を相当虐めたしな… 逆襲されちまうな。 トホホホホ… オマケに浜田の野朗、人事権を持つみてえだし厄介だなぁ~ まったく!」
 部署中の様々な隅で行われるヒソヒソ会議に社内は暗い雰囲気に包まれたいた。

 
「あああーんっ! いい気持ちだわぁ~♪ お上手なのね社長さんて♪」
 ソファーにうつ伏せになった麗華のフクラハギをマッサージするハゲ社長は、この世の春とばかりに時折ストッキングに手を滑らせた。
 麗華は心の中でヌーブラに「ハゲ社長の記憶も残して置いて欲しいな♪ でないと折角の昇進がパァーになっちまう♪」と、ヌーブラに語ると「いいよ♪ その代わりこのハゲの生気を吸い取ってくれ♪ 結構、パワーを使ったからね♪」と、麗華を唖然とさせるヌーブラは「ケラケラケラ」と、薄気味悪い笑みを麗華に聞かせた。
 すると麗華はヌーブラの言葉に顔を青ざめ「他のヤツにしてくれ! こんなヤツに味見なんてされたくない!」と、訴えると「コイツなら一人で数人分はある♪」と、ヌーブラは言い返し「待て! だいいちコイツが年食ったら九十代か下手したら死じまう! 俺は人殺しは御免だ!」と、麗華は慌てて言い返した。
 麗華の言葉にそれ以降は全く無反応になったヌーブラは最後の力を使い切ったかのように何を言っても返答はなかった。 麗華は真っ青になって自分の意思とは正反対の行動に涙目を隠した。 そして十分後、本皮ソファーは愛らしい麗華の鳴き声を吸い取っていた。

「うあんっ! あひっ! あひいぃー!」

 見た目とは相違あるのが人間と言わんばかりに麗華の身体を味わうハゲ社長は、ネットリと絡みつくように舌と触手で麗華が予想だにしない愛欲を見せ付け、麗華は数分でトロトロに蕩けて恥ずかしい声を奏で続けた。
 目を開かぬように過去に自分を抱いた紳士達を思い浮かべてハゲ社長の濃厚な愛撫と触手に身悶えで反応繰り返す麗華は、パンティーを剥ぎ取られ乳房を晒されて熱すぎるデブの体温に自らの体温も上昇させられた。
 チビ、デブ、ハゲと三拍子揃ったハゲ社長の嫌らしい触手と舌使いは麗華を普段の何倍もエロティックに悶えさせ、本皮ソファーはハゲ社長の落とした脂汗で覆われていった。
 見た目と違い過ぎるハゲ社長のテクニックは決して大きいとは言えない肉棒をフルカバーして麗華に過去に無い程、女の感動を与え続けエクスタシーに達した時、麗華は失神していた。
 そしてその麗華が目覚めた瞬間、あれ程までに嫌っていたハゲ社長に「もう一度してぇ…」と、おねだりさせたハゲ社長は「おお!!」と、目を見開いて感激すると、ソファーに横たわる麗華の足元から再び麗華へと移動した。
 麗華はハゲ社長にこの世の春を徹底的に教え込まれ何度ものエクスタシーを与えられた後、社長室にあるシャワールームへと一人で移動出来ない麗華は、ハゲ社長に運ばれて身体を荒い流された。

「御嬢さん! わたしの! いや、ワシの願いを聞いて欲しい!」

 身支度を整えた麗華はソファーに腰掛、床に正座するハゲ社長の両手に左脚を預けストッキング越しに感じる触手にウットリしていた。 何度ものエクスタシーに落ちていながらも、脚の甲を摩るハゲ社長の触手に麗華は夢見心地で首をフラつかせた。
 ハゲ社長はそんな中で「御嬢さん! いや! 麗華様! 是非、ワシを麗華様の下僕にして頂きたい! お願い致します!」と、麗華の爪先に口付けし油ぎったハゲ頭を下げた。 麗華はその申し出に答えるようにストッキングに包まれた爪先を「グイッ!」と、ハゲ社長の口の中に押し込むと、ハゲ社長は酸味の利いた爪先を愛おしむようにムシャブリ啜った。
 チュパチュパチュゥチュウと耳障りな音を立ててストッキングの汚れを味わうハゲ社長は、ウットリして尚も、股間の肉棒を撓らせ動かし亀頭を紫色に染めた。 麗華は見た目の醜さとはまるで違うハゲ社長を自分のモノにしたという事実に妖しい視線をハゲ頭に向けた。
 
「私の下僕なりたければ、少し痩せたほうが良いでしょう… そんな醜い身体では私に不釣合いです」

 爪先を一心に舐めシャブルハゲ社長は突然、麗華の爪先を口から出すと、麗華をチラリと見て「仰せに従います!」と、麗華の左脚を頭の上に両手で持ち上げたまま床に頭を擦りつけた。
 麗華はニヤリと笑みを浮かべるとその場に立ってパンティーストッキングを脱ぎ「フワリ」と、ハゲ社長の頭に投げつけると「新しい黒いストッキングを持ってきて頂戴」と、女王様口調で命令した。
 ハゲ社長は慌てて身支度を整えると、天下の一大事とばかりに社長室を飛び出し麗華は再びシャワー室でハゲがしゃぶった左脚を洗い流した。 ハゲ社長は秘書課へ血相を変えて移動すると「誰か! 黒いストッキングは無いか!!」と、獲り憑かれたように叫んだ。
 その頃、ハゲ社長の大きな机に「今日は楽しかったからまた連絡する」と、メモを残した麗華は一人、専用エレベーターを使って社屋から外へ出ると、時間を確かめて自宅へと急いだ。
 



【十六話】




「ありがとう♪ これで新品が届けばまた一つ進化することが出来る気がするよ」
 パソコンで筆談する健吾にヌーブラは喜びの文字を打って知らせ、健吾もまたそんなヌーブラに喜びを伝えたが、相変わらず宇宙人バンパイアの話題はテレビから消えることはなく健吾は自由に動けない苦痛に悩んでも居た。
「なあ、ヌーブラよ~ お前は本当は魔法使いなんじゃないのかあ?」
 キーボードの上に立つヌーブラにコーヒーを飲みながら質問する健吾は、俄かに嫌らしい笑みを浮かべた。
「男か女か解らないから敢えて自分のことを僕と呼ぶが、僕に出来ることは男を女に変身させることと記憶を操ることだけだよ。 それも女になりたがってる男ではなく普通の男だけ。 前にも話したけど、僕自身も何故人間と話せるのか、何故心を持っているのか知りたいくらいなんだ。 でもそんなこと考えても仕方ないからさ。 君を麗華にすれば僕もそれなりに気持ちいいからね♪」
 ヌーブラは淡々と健吾に筆談し置かれた状況を簡素に話すと、健吾は神妙な顔して再びヌーブラに質問した。
「なぁ、何であの日の夜にあのゴミステーションに捨てられて居たんだ? お前みたいな相棒を捨てるヤツの気が知れんよ」
 机の上に両腕で頬杖つく健吾は目の前に立っているヌーブラに聞いた。
「前の僕の持ち主とは心の疎通は無かったように思えるな~ 健吾ほど親しい関係じゃなかったと思うよ。 記憶が曖昧なんだけどね。 ただね。 何か女の身体に異常なほど執着していた気がするよ。 多分、男だねアレは。 女に憧れて自分が本当は女なんだと信じて疑わないような、健吾の言うところの病人みたいな記憶が残っているよ。 女物の服を着た男って感じかな♪ だけどさっきも言った通り、僕は女になりたがってる男を麗華のような女には変えられないからね。 大した接点は無かったと思うよ…」
 ヌーブラは再び微かな記憶を辿っては時折考え込んで健吾に答えた。
「なあ、ヌーブラよぉ~ 俺は偶に思うんだけど、お前が俺らみたいな巣がしてたら一緒に飯を食ったり酒を飲んだり友達みたいに付き合えるんだけど。 無理なのかな♪」
 健吾はコーヒーをヌーブラの前に差し出し、香りを手で仰いで嗅がせた。
「いい香りだね~♪ 以前はコーヒーの香りなんて解らなかったのに、健吾と一緒に過ごすようになってから解るようになったんだ♪ 健吾に張り付いている時間が長いほど人間の五感が伝わってくるから不思議だよ♪ 神様ってのが本当にいるなら僕の聞きたいことを全部、聞いて見たいもんだよ♪」
 ヌーブラはパソコンに絵文字をも打てるようになっていて、感情の伝え方にも磨きが掛かって来たのを健吾は嬉しく思った。
「新品が届くのは来週末だけど、それまで大丈夫か?」
 話題を変えた健吾は再びコーヒーを飲むとパタパタと香りを仰いで嗅がせた。
「ああ、大丈夫だよ♪ 新品に移ったらどんな力が備わっているのか試して見たいな♪ 待ち遠しいよ♪」
 踊るようにピョンピョン跳ねるヌーブラはクルリと回って答えた。


 その頃、とある精神病院では…


「大変だあー! 百三号室の患者が逃げ出したぞお! 早く探さないと大変なことになる!!」
 白衣に身を包んだ病院職員たちは血相を変えて北に南に東に西にと手分けして逃げ出した老婆のような女を捜していたが、病院から数キロ離れたビルの裏路地にブツブツ唱えるような奇妙な声が聞こえていた。
 髪の毛を振り乱した老婆のような女は白い患者着のまま解け掛かった帯をそのままにフラフラとサマヨウに歩き回った。 そして道行く人たちはその様相に薄気味悪さを覚え立ち止まりそして近づかんばかりに逃げ去った。
 健吾とヌーブラま安住するマンションまで直線で数キロまで近づいた女は、時折立ち止まっては直立不動して目を閉じて「何処へ行った… 何処へ行ったのだ…」と、ブツブツ呟いて腰を曲げて縦に長くシナビル乳房をブラブラさせて再び狂気の目をして彷徨った。
 
 
 その頃、とある病院は妙に慌しかった…


「教授! またこんな妙な手紙が…」
 白衣を着て机を前に医学書で何かを調べている白髪で金縁メガネの教授に、部屋に入ってきた医師が手紙を手渡し、教授は「またか…」と、その手紙の中に目を通した。
 封筒の中には「奇病に掛かった患者に同性愛者と性交させれば直ぐに完治する、急がないと直らなくなる」と、書かれた文字に教授は「心無い悪戯をするものだ!」と、何者かの書いた手紙をクシャクシャに破り捨てた。
 特別室は全部で五つ。 その五つに八十代の姿をした五十代の紳士がヨボヨボの身体で横になっていて覇気なく、そして当然のこと笑みなど浮くはずはなかった。 「何故こんなことになったのか…」と、患者たちは個々に記憶を探り続けたが思い出すはずはなかった。
「麗華と言う女性に覚えはないか!?」と、何度も入れ替わり立ち代りに聞かれた記憶だけが脳裏に焼きついていたが、本人達は一向に「麗華」を、思い出すことはなかった。 ただ記憶の中に残るこの世の春を感じた気がしたことだけは記憶していた。
 

 そして健吾はこの夜も女の喜びを得るために麗華として夜の街に繰り出していた。 「この人なら…」と、思う紳士にだけサングラスを外して顔を見せた麗華に紳士は一瞬にして虜となって魂の抜け殻のようになった。
 紳士は麗華にこの世の春を求めようと話術を駆使し、麗華もまたその話術に自ら乗り出しハマッタふりして、紳士に導かれるように部屋へと向かった。 大勢の客が賑わう中で顔をサングラスで覆う麗華は俯き加減で周囲と自らの隔離を図ってその場を離れた。
 そして紳士の後を付いて廊下に出た瞬間、突然麗華は後ろから呼び止められた。 

「アンタだろ! 麗華って女はさあ!」

 言葉にピタリと歩みを止めた麗華は身の凍る思いでそのまま立ち尽くしていると、前を歩いていた紳士が慌てて麗華と後ろ何者かの間に割って入った。 その瞬間、紳士は突然腹を抱えて呻きながら廊下に蹲って気を失った。
 麗華はそのまま一歩前へ進んでから左の壁を背にして顔を上に上げると、そこには有り得ないほどの美形男子が一人、立っていて麗華を見て笑みを浮かべていた。

「残念ながら俺はアンタには魅力を感じない。 取り敢えずこんなところじゃ落ち着いて話しも出来ないから場所を替えて貰おうか…」

 麗華は右手首をギュッと掴まれそのロングヘアーの美形男子に別の部屋へと連れ込まれた。 そして部屋に入るなり美形男子は麗華からサングラスを両手で静かに外すとそれを麗華に渡して「美しい… 確かに綺麗だ… 溜息が出ちまうよ……」と、麗華を見て表情を一変させた。
 そして両手を前にバックを持って俯く麗華に「俺は女には魅力を感じない。 だからアンタの魔力には引き込まれない…」と、声を細めて窓辺に寄りかかって窓の外をチラリと見た。 すると麗華は落ち着き払った口調で「お話しはそれだけですか? 他にないのであれば私はこれで…」と、美形男子の前を横切った瞬間「フワリ」と、麗華の甘い香りが美形男子の鼻を掠めた。

「そ! そんな馬鹿な! お! 俺が! 俺が女なんかに!」

 美形男子が麗華の香りを脳に到達させた瞬間、その下半身に大きな膨らみを眼下に気付かせた。 美形男子は突然顔色を真っ赤に変え、両手で大きく膨らんだ箇所を覆うと「な! 何をした! 俺に何をしたんだ!! 俺は同性愛者… 女なんかに感じるはずなどない!」と、ヨダレを垂らして麗華の前で腰を引くと両手で膨らみを押さえて身体を屈めた。
 麗華はそんな美形男子をチラリとも見ることなく背筋を伸ばして無言で立ち去ろうとした。 その瞬間「畜生ーー!」と、美形男子は麗華の肩に両手を掛けた瞬間「あうぅ!! あああぁぁーーん!!」と、奇声を発して両手で膨らみを押さえたまま床に尻から落ちて両足を閉じて曲げ転げまわったが、麗華はそれすら見ることなくその部屋から静かに立ち去った。
 だが一人部屋に残された美形男子は涙声を上げながらズボンを脱ぎパンティーを下ろした瞬間、射精と言う信じられない己の光景に驚愕し心を乱していた。 そして麗華はそんな忌まわしいホテルを後にすると車を拾って帰宅の途に付いた。
 
「男の同性愛者か… とんだ邪魔が入ったもんだ……」

 麗華はドレスを脱いで投げつけるとそのまま寝室へ入りベッドの上にゴロンと横に、紐スキャンティーを脱ぎ捨て小引出の中から五つの筒状ケースを取り出した。 
 女の業を溜めたまま帰宅した麗華は寝室を鳴き声で埋め尽くし数時間、出ることはなかったが、美形男子を見た後だと言うのに何故か思い出していたのは、ハゲ社長からの愛欲シーンだったことに違和感を増大させていた。 だが、そんな麗華の住むマンションを地上から見上げる恐ろしい形相をした老婆のことなど知るよしもなかった。
 
 
 数日後……


 健吾はオーダーしていたヌーブラが手元に届くと早速、ヌーブラに言われるまま脱皮の儀式に取り掛かった。 今まで使っていたヌーブラと新しいヌーブラを言われた通りにピタリ合わせると、そのままヌーブラ専用のベッド寝かして時間が経つのを待った。
 そんな時、会社に出ていた真由美から健吾の携帯に電話が来て正式に健吾が取締役に昇格したことを知らされたが、真由美は声を裏返し健吾もまた仰天したフリして話しを合わせた。 そして既に納戸のような仕事場が無くなって別に個室が用意されたことを真由美から知らされた。
 既に会社ではモスラと異名を取った健吾が取締役に選任されたことで反応は二分され、中には仕返しの左遷を恐れて退社を考える者まで出てきたとも聞かされた健吾は、真由美に「そんなことしないよ♪ でもお前を俺の秘書にするように会社に頼んで見るよ…」と、笑みを放った。
 
 
 同時刻……


 麗華に相手にされなかった男性同性愛者は、麗華(おんな)に陰茎を勃起させてしまったことを恥じ数日間、自宅アパートで惨めな思いに浸りながら酒に溺れていた。
 そして同性愛者として生きてきた年月を振り返り幾度もの肛門科治療も乗り越えてきた美形男子は、恥じとは真逆に熟睡中に夢精をもしてしまったことでその落ち込み度は半端ないものとなっていた。
 一度ならず、二度までも麗華(おんな)を夢に見て勃起し且つ、自宅で夢精をしてしまった男は同性愛者(ネコ)としての自信を無くしてしまっていた。
 更に同時刻、麗華を女王様と崇め下僕に志願した、ハゲ社長はフィットネスクラブに人目をはばかって入会し女王様(れいか)に言われた通り、ダイエットのための訓練に励んでいた。
 だが、麗華と関係を持ったはずのハゲ社長は何故か九十代の身体になっておらず、そればかりかミナギル体力を持て余しタップタップの腹を汗だくで震わせていた。
 そんな女王様に愛される男を目指すハゲ社長の頭の中は麗華一色で埋まり、仕事のことなど何処かへ飛んでいっていた。 このハゲ社長の名は姓を、戒名字(かいみょうじ)、名を信玄(しんげん)と言う。
 そして自宅アパートでくすぶっている美形男子こと姓を、般若(はんにゃ)、名を心経(しんぎょう)と言い、麗華のことが頭から離れない同性愛一筋の寺住職の三男であった。
 



【十七話】





「健吾くん♪ おはよ♪ 取締役昇格おめでとう♪」
 
 
 有給休暇を終え七時に出社した健吾が仕事場に来ると思いつめた表情を見せつつ満面の笑みを見せた真由美が出迎えた。 仕事部屋は電話で真由美が言った通り何一つなく真由美だけがそこに居た。
 真由美は健吾に抱きつくなり口付けし嬉しさに潤ませた目で健吾を下から見上げ、健吾は抱きつく真由美の腰を両手でしっかり受け止めた。

「全然、来てくれなかったから寂しかった……」
 健吾を見上げる真由美の瞳からジンワリと涙が溢れた瞬間、健吾はその愛らしさに今度は自分から真由美に口付けし身体をゆさぶった。 

「新しいお部屋へ行きましょう♪」
 健吾の手を引く真由美は嬉しそうに靴音と肩を踊らせ、健吾もまた我がことのように喜ぶ真由美に大柄な身体で歩調を合わせ、長い廊下は二人の靴音がこだました。
 
「凄いな…… ここが新しい俺の仕事場なのか……」
 取締役とだけ書かれたプレートの貼られたドアを開いて見せた真由美は、健吾から一歩下がって両手を前にお辞儀したまま健吾が中に入るのを待った。
 白い壁と大きな窓と木目の真新しい大きな机、そして花が入れられるであろう花瓶に壁に掛けられた絵画を見た健吾は、とっさに真由美の手を掴むと中に引き入れた。
  
「えー この度、資料課から社長直々に抜擢された資料課長の浜田君をみんなに改めて紹介しよう♪」
 全社員が集まった臨時の大朝礼の席上、大きな拍手ととも社長以下の取締役の列に身を置いた健吾は深々と頭を下げ、事前に用意された文面をマイクの前で読み上げると盛大な拍手が場内を埋め尽くした。
 そして社長の言葉の後には副社長、専務、常務、本部長と次々に祝辞が放たれた後、最後に社長から臨時の株主総会でも健吾の取締役への昇格が決まった報告がなされた。
 僅か三十分程の朝礼だったが演壇に居る健吾を涙ながらに見守る真由美の視線だけが健吾の脳裏に焼きついた。

「お願いがあるのですが…」
 頭を低くして戦々恐々する健吾は秘書に真由美の起用を常務に申し出た。
「おいおい♪ 浜田くん。 我々はもう同じ取締り役の一員♪ そう畏まらんでも良いんじゃないかな♪ 秘書の件は君の意に沿うから安心したまえ。 あっはははは♪」
 頭を下げて怯える健吾の斜め前に来て肩をポンポンと軽く叩いた常務はニッコリ笑みを浮かべてその場を立ち去ると、女性秘書課長が健吾の傍に来た。
「浜田取締役! ただいま常務から秘書の件、承っておりますので御安心下さい♪」
 黒系のスーツに身を包んで髪を後ろに全て縛った秘書課長の松田美里は、厳しい表情で右脚を左脚の斜め前に置いて両手を前に深々と健吾に頭を下げると笑みを浮かべた。
「松田さん、ところで俺… いや僕は何をすれば良いのですか?」
 歩きながら左側、一歩後ろにいる松田美里を振り返る健吾に、美里はニッコリと笑みを見せると株主への挨拶から社内重役への挨拶と淡々と健吾に語り聞かせるとエレベーターを使って健吾の部屋へと導いた。
 
 健吾は自室で美里に一時間ほどこれからの予定を聞かされた後、美里に連れられて社長室、副社長室、専務室、常務室そして本部長室を半日かけて回ると昼休みも返上で、社外取締役や筆頭株主たちの家々を運転手付きの車で挨拶周りへ駆り出された。
 普段、会社では会うことも見ることすらない人達に、美里に教えられた通り挨拶する健吾は緊張に次ぐ緊張で最後のほうになると車の後部座席で目を虚ろにしてしまった。
 そんな健吾を見た美里は「さあ、浜田取締役! 頑張って下さい! 高野さんはもっと大変な思いをしているんですよ! 事務職をしていた高野さんにとって秘書課では礼儀作法から学んで貰うんですから! さあ、頑張って!」と、健吾にハッパを掛けた。
 そして全ての挨拶周りを終える頃、車窓の外は既に夜になっていた。 健吾が時計を見ると既に夜の九時を過ぎていて車は急いで会社へと向かったが、健吾は背筋を伸ばして脚組かる美里を横に見て「松田さんて凄いんだね… 僕はもうヘトヘトだよ♪」と、笑みを浮かべた。
 すると美里は「挨拶回りは初めての方にはとても辛いものです♪ 本部長や常務もそうでしたからね♪」と、グッタリする健吾のネクタイを寄り添って直す美里に健吾は胸の奥を「ドキッ!」と、させ「取り敢えず、高野さんが秘書として可能になるまで私が浜田取締役の臨時秘書を勤めますから。 宜しくお願いします♪」と、健吾のワイシャツのヨレを直した。
 そんな会話がされている車の中で「でも… 今だから申しますが、何か変なんですよね… 元々、浜田取締役の昇格は常務や専務から一年ほど前から既に出ていたんですが、なぜ社長から突然だったのか… 専務も常務も社長にはまだ進言していないはずなのに…」と、考え深げに腕組して息を吐き出しながら声を健吾に聞かせた。
 健吾はそんな美里の呟きに眉を顰めてカーテンの掛かっている左側の車窓から外を眺めると直ぐに右側を向いて、美里に「僕が専務や常務からですか!? 僕は華々しい成績なんてないのだけど…」と、声尻を潜めた。
 それに対して美里は健吾に「専務も常務も本部長も浜田取締役の仕事に対する前向きさは毎日のように評価していましたよ♪ 見ている人は見ているということなんでしょうねぇ~ でももしかしたら誰かが社長に進言したのかも知れませんね♪」と、笑みを浮かべた。
 
「浜田取締役! 本日はお疲れ様でした♪ バイクは地下駐車場の専用スペースに移動してあると思います♪」
 松田美里と別れた健吾は自室へ立ち戻り時計を見ると既に九時半を回っていたことに驚いて、足早に役員用のエレベーターで地下駐車場に向かった。
 そして薄明かりの灯る初めて見る地下駐車場に人影を見た瞬間、それが真由美であることに気付いた健吾は足早に近づいた。
「真由美~! 待ってたのか!? 全く先に帰ってればいいのに~ お前ってヤツは……」
 薄暗い中でバイクに腰掛けて待っていた真由美は、朝とは違う黒系のスーツ姿でバイクから降りると、近づいた健吾に抱きついて甘えるように頬を健吾の胸に埋めた。
 健吾はそんな真由美が初めての秘書訓練に疲れ切っているのが解って頭を撫でて労をねぎらうと、バイクを置いて真由美と手を繋いで外へと歩き出しタクシーを拾うとそのまま真由美の自宅へと向かった。
 
「なんか疲れちゃった… アタシ…… 今までのスキルは何も役に立たないんだもん……」
 ソファーに腰を降ろした健吾に抱きついて甘える真由美は、疲れきった表情で健吾を見上げると、健吾にそのままソファーに仰向けに口付けをされた。
 そして健吾は仰向けにした真由美と口付けしながらブラウスのボタンを外し下着を晒させると、ブラとスリップの肩紐を両方同時に下ろして、甘い匂いのする白い乳房にそのまま唇を寄せ真由美からスカートを脱がした。
 上半身を灯りの下に晒された真由美は目を閉じて乳首に絡む健吾の舌に喘ぎ声を喉に溜め、黒いパンティーストッキングに包まれた太ももに滑る健吾の右手に腰を仰け反らせた。
 健吾は左手でズボンを脱いでトランクス一枚になると、中で硬く撓った肉棒を真由美の右脚に押し付け中に入りたいと意思表示を真由美に伝えた。 そしてパンストとパンティーを剥ぎ取る健吾に腰を浮かせる真由美は目の前で、剥ぎ取ったパンテイーの内側の匂いを嗅ぐ健吾に赤面して首を恥ずかしげに傾けた。
 すると健吾の右指は真由美の左乳首に絡められ、同時に真由美が一日中履いたパンティーの内側には健吾の舌が滑り汚れを味わって真由美を恥辱した。 真由美の濃厚な汚れは健吾に時折、咽咳を上げさせたが健吾は怯むことなく真由美の汚れを味わうと、左右に広げた真由美の白い両脚の真ん中に迷うことなく顔を埋めた。

「あひいぃ! あんっ! あああんっ!」
 左右に開かれた真由美の割れ目の中に舌を押し付ける健吾はその激臭に咳込みながらも、内肉に張り付いた真由美(おんな)の汚れを舌で削ぎとって舌堤を打って飲み干した。
 強い塩気と酸味が健吾を涙目にしたが、健吾は負けんばかり勢いで割れ目の内側から全ての汚れを取り除き、クリトリスの皮を両手で剥いて尚もその味に笑みを浮かべた。
 そして真由美の甘い匂いのする白くてプリプリした内モモに抱きついてムシャブリながら両脚を開いて持ち上げた健吾の舌は、パックリと割れた真由美の尻の間、肛門に押し付けられチロチロと肛門の塩分を舐め摂った。
 真由美は狂おしいとばかりに全身を激しく振ってヨガリ声を部屋に充満させ顔と耳を紅くさせヒクヒクと肛門を開け閉め繰り返した。 その瞬間、ソファーの上にあったテレビのスイッチが入りそれに驚いて止めようとした健吾は再び何かのスイッチを押してしまった。
 
「ああんっ! あん! あん! あん! あひぃあひぃあひぃー!」
 突然、テレビに映し出された映像と音声に健吾は真由美の肛門から舌を離してテレビに見入って仰天した。 映しだされたモノはAVで両腕を後ろに縛られ乳房に蝋燭をたらされ喘ぎ声を上げる女のもので、同時にそれに気付いた真由美は慌てて後転姿勢のままで、テレビを消そうと両手を伸ばしてリモコンを健吾から奪い取ろうとした。
 だが、健吾は真由美を後転姿勢のまま押さえつけリモコンを遠ざけて画面を見据えると、眼下に居て目を開く真由美と視線が重なった。 真由美は「見ないでえ! お願い見ないでえぇ!」と、泣き叫び仰天する健吾に大粒の涙を見せた。 
 
「お前! こんなものを!」
「消して… お願いだから消してちょうだい… ぅぅぅうううう…」
 後転姿勢の真由美を真上から見据える健吾と、健吾の視線から逃げるように首を倒して目を閉じ涙声を上げる真由美。

「こういう風にされたかったのか… だったら言えばいいものを……」
「ぅぅぅぅうううう…… うわああああーーーーん!!」
 健吾は画面に映る女優が後ろ手に縛られたままベッドの上で尻を突き出し、垂らされる蝋燭に喘ぎ声を上げるのをジッと見つめ真由美は性癖を知られたことに声を出して泣き始めた。

「よし! お前が気持ちいいならしてやる!! 蝋燭はあるのか!? 真由美! 愛してればこその愛欲だ!!」
「いやあぁーん! やめて! やめてえぇー!」
 健吾は後転姿勢で泣く真由美を自由にすると真由美から剥ぎ取った黒いパンティーストッキングで真由美を後手に縛り上げた。
 そしてテレビ画面に映しだされた女優が男に尻を平手打ちされるのを見た健吾は、縛った真由美を自分の両膝に抱えると右手で真由美の尻を「バッシイィーン!」と、平手打ちした。

「あああぁぁーーーん!」
 真由美の柔らかい尻はプリンプリンと四方八方に大きく揺れ、健吾は両目を大きく見開いて初めて味わう視線での快感に口を半開きした背中にゾクゾクする何かを覚えた。
 健吾は嫌がる真由美の身体をしっかりと左手で支え、右手で数発平手打ちを続けると、真由美の尻と裏モモの揺れに目を点にし真由美の放った悲鳴とも呻きとも唸りとも、真由美(おんな)独特の鳴き声に脳に心地よさを覚えた。
 そしてその鳴き声を聞きながら、平手打ちを繰り返し真由美の揺れを楽しむ健吾は両脚の付け根の割れ目からキラキラ光る愛液が滲み出しているの見つけた。 健吾はニンマリと笑みを浮かべるとそれを右中指で絡め取ると匂いを嗅いでそのまま自らの口の中に入れチュパチュパとしゃぶった。
 真由美は間違いなくマゾだと気付いた健吾は、ウットリする真由美に蝋燭の場所を尋ねると真由美は力無げに右手でテレビの台を指差した。 そして真由美から抜け出した健吾はテレビ台の下の奥に隠してあった小箱を見つけると「ニンマリ~♪」と、不適な笑みを浮かべてソファーの上でグッタリする真由美にパンティーを半分だけ割れ目を守るように履かせ膝を立てさせた。
 小箱の中にあった赤い蝋燭を取り出した健吾は、グッタリする真由美に「これを垂らして欲しいのか!? これでいいんだな!?」と、声を躍らせて問うと真由美は無言で首を振って見せた。
 健吾は長さ二十センチほどの蝋燭に火を灯すと六十センチほどの高さから自分の内モモに蝋を垂らして温度を確かめ、その激熱に「アッチイィ!!」と、声を出したものの火傷するほどでないことを確かめると、立ち上がって真由美の白い尻に六十センチほどの高さからポタリポタリと蝋燭を垂らした。
 
「あひぃ! あひいぃ! あひいぃー!!」
 白い尻をブリンプリンと大きくそして裏モモをプリプリと小刻みに震わせる真由美は、目を閉じて顔を顰めて歓喜な鳴き声を健吾に聞かせた。 健吾は真由美の予想出来ない尻と裏モモの大きな揺れに目を大きく見開き、ヨダレが口から零れていることにすら気付ぬまま口を大きく開けて声無き声を出して肩で笑った。
 健吾はその嫌らしい尻の動きにヨダレを垂らしたまま赤い蝋燭をポタリポタリと白い肉肌に垂らし続け、真由美は半分履かせられたパンティーをグショグショに内側から濡らし外側に滲ませ、健吾はその量の多さに目を丸く充血させた。
 
「気持ちいいのか! 真由美! 気持ちいいかぁ~♪ はぁはぁはぁはぁ♪」
 健吾の声に右頬をソファーに密着させる真由美は荒い吐息をしながら無言で頷くと尻を上下に振って健吾に見せつけた。 すると健吾は真由美のパンティーを真後ろから膝まで降ろし舌で割れ目をペロリと舐めると愛液を飲み込んで今度はパンティーをしっかりと履かせた。

「今度は前側だぁ♪ タップリと可愛がってやるからな真由美!」
 後手に縛ったままの真由美を仰向けにした健吾は真由美の右脚を自身の身体で押さえ左脚を左手で押し広げさせると、プリプリと揺れる真由美の内モモにポタリと赤い蝋燭をたらした。

「あひいぃ! いひいぃ! いひいぃー!!」
 内モモの柔らかい肉肌に赤く溶けた蝋が落ちた瞬間、真由美は目を閉じた顔を歪めて首を左右に忙しく振って左脚の膝を曲げ伸ばしして熱がった。 そして健吾はその様子と内モモの揺れを見て再び口を開いたままヨダレを滴らせると、満面の笑みを浮かべて垂れて固まった蝋が固まる瞬間を見据えた。

「よしよし♪ 今度はこの可愛くてどうしようもない乳房を虐めてやろう……」
 左手で二つの乳房を真横に交互に数回軽く撫でると乳首は直ぐに反応してピンと勃起して健吾に虐められる喜びを伝え、真由美は「あぅあぅ」と、喉を鳴らして身体を震わせ乳房をプリンプリンと震わせた。 
 そして真っ赤な蝋がポタリポタリとプルプル揺れる白い乳房に落ちた始めると、真由美は首を左右に振ってその熱さに腰をガクガクさせて「あ゛あ゛あ゛あ゛」と、全身を小刻みにヒクヒクさせて両脚の爪先をピンと伸ばした。 
 健吾はその様子に背中をゾクゾクさせニヤニヤ見入ると、真由美の右脚首をテレビ台の中にあった引越し荷造り用のロープで縛り上げ、ソファーの背もたれに膝を曲げさせてそしてそのロープを「グルリ」と、背もたれに回して縛り付けた。
 更に真由美の左脚を見た健吾はその足首に再びロープを回すと、再び動かせないようにソファーの下側を潜らせて足に縛り付けて固定した。 健吾は額の汗を拭うと両脚を開かされて動きを封じられた真由美を見て「ゴクリ」と、喉を鳴らしてニンマリと笑みを浮かべると、再び火の点いた蝋燭を真由美に垂らし始めた。
 真由美は予期せぬ場所に予期せぬ量の蝋を垂らされその都度、驚きと快感の鳴き声を健吾に聞かせ健吾はその興奮からトランクス一枚になっていつでも真由美の中に入れるように準備した。 白くて柔らかい真由美の乳房、腹、太もも、内モモは真っ赤な溶けた蝋が貼りつき蝋の落とす場所が減少してくると、健吾は最後の砦でもあるパンテイーを凝視し近くにあった鋏でチョキチョキとグショグショに濡れたパンティーを切り剥ぎ取って捨てた。
 そしてパックリと割れた真由美の割れ目に顔を近づけ鼻先で匂いを嗅ぐと、両手で左右に開いて再び内肉の匂いを思い切り吸い込んで舌先を押し付けて「ベロベロ」と、舐め回した。 真由美は健吾の舌に意表をつかれたように驚きそしてその快感に全身の筋肉を硬直させて甲高いヨガリ声を響かせた。 そして真由美の内肉に風味がなくなると同時に右手に火の点いた蝋燭を持った健吾は、目玉をギョロリとさせて蝋をポタリと内モモと大陰唇の間に落とした。

「いんぎやああぁーー!! いひっ! いひいいぃぃー!!」
 敏感な部分に蝋を落とされた真由美はソファーが壊れんばかりに顔を歪め全身を跳ねさせ、腰を上下左右に振ってその熱さから逃れんばかりに健吾の前で踊った。 健吾はその光景に仰天して蝋燭の炎を消そうとしたした瞬間、真由美の口から「もっと… もっと虐めてぇ…」と、小さな声が蝋燭を消そうとする健吾を止めた。
 すると健吾は大きな深呼吸をすると、再び真由美の大陰唇と内モモの境目にポタポタと赤く溶けた蝋を垂らし、流れて固まる蝋の先を見つめながらうごめく真由美の身体を目で追った。 その真由美は蝋燭が落ちるたびに腹式呼吸のように腹を大きく動かし動けないように固定された両脚を引き攣らせロープをギシギシと鳴らして、その音を健吾に聞かせたが同時に真由美の口から放たれる声はいつもの可愛らしい鳴き声に変わっていった。
 そしてパックリと割れた割れ目のみ残して赤い色に埋め尽くされた真弓の肌から、乾いて剥がれ落ちた蝋燭のカスが黒いソファーに赤い色の模様をつけ、それを流すように真由美から溢れた愛液がキラキラ光りながら赤い蝋を少しだけ押し流した。 健吾はそれを見た瞬間、再び真由美の割れ目を開いて溢れた愛液を口ですすりとると、トランクスを脱ぎ捨ててギンギンに撓った肉棒を真由美の中に勢いよく挿入した。
 中に肉棒を挿入された真由美は健吾が腰を振る度に、全身を身悶えさせ肌に貼りついた蝋をパリパリと音を立てて黒いソファーに落とし、二つの乳房は見る見る間に赤色から白い肌を露出させ健吾はその乳房を両手で貪るように揉み回し、忙しく勃起した乳首を指で弾き続け一度目の射精は真由美の中に、そして二度目は口の中に、そして三度目は顔に回して掛けるころ真由美はエクスタシーに達して失神した。
 健吾は失神した真由美から蝋を全て払い落とした後、真由美を寝室のベッドに寝かせそして一人で真由美の性癖を鑑賞するべく灯りを落としたリビングでテレビの前に陣取った。 チビリチビリと寝酒をしながら画面に映った嫌らしい映像の中の女優に真由美を重ねながら肉棒を扱き続けた。





【十八話】
  




「健吾くん。 色々と世話になったけどようやく脱皮が終わったよ♪ これも君のおかげだよ♪ 後は古い方を何処でもいいから捨ててきて欲しいんだ♪」

 脱皮を無事終えたヌーブラは健吾の心の中で話せるようになり、健吾は古いヌーブラを布で覆うと袋に入れてマンション近くのゴミステーションへと持ち込んだ。 ただ健吾にしてみれば自分がゴミステーションから拾ってきたものを今度は自分が捨てると言うことに違和感を覚えてもいたのは事実だった。
 真由美の家から直接出社し取締役二日目の仕事をして会社から真っ直ぐに帰宅した健吾は、その足で外に出るとヌーブラの脱皮祝いもソコソコに小さな袋を持って建物の裏手にあるゴミステーションへと移動した。 そして外灯の灯りを確認した健吾は観音開きの柵を開くとその中に入って小さな袋を静かに腰を屈めて置いた。
 健吾は大きな溜息をして愛着のあるヌーブラを一度振り返ってから再び柵を広げてゴミステーションを離れた。 だが、十メートルほどしてから突然、ゴミステーションの方からゴミ漁りをするガサゴソと言う激しい音がしてギョッとしてゴミステーションを振り返ると、そこには白い浴衣のようなモノを着て長い髪を振り乱す人影を目撃した。

「オバケか!?」
 健吾は気付かぬフリしてその場を離れようとした瞬間「ケラケラケラケラ♪ アッキャキャキャキャキャ♪」と、言う不気味な大笑いを耳にし全速力でその場から走り去った。 そしてマンションの中へ辿りついた健吾から「フッ」と、ロックの掛かった玄関をガラス越しに見ると痩せ細った老婆が健吾の捨てたゴミ袋を持って満面の笑みを浮かべて健吾の方を見ていた。
 それを見た健吾は両手で頭を抱えて「うわあああああぁぁー!!」と、エレベーターの中へと逃げ込んで壁際に背中をピタリとつけて部屋へ逃げ帰った。 そして部屋の窓から下を眺めると風に長い髪の毛と浴衣の裾を靡かせる老婆の姿がハッキリと見えた。 老婆は後ろを振り返ることなくフラフラと千鳥足で暗闇の中に消えて行った。 
「どうした健吾? そんなに怯えて…」
 健吾の怯えはヌーブラにも即効で伝わり、健吾は窓の下にヘタリ込んでヌーブラの問いかけに答える余裕は無かった。 
「え? 僕の脱皮を持って行った人が? あんなの持って行っても何の力もないのに…」
 健吾から事情を聞いたヌーブラは不思議そうな声を健吾の心に聞かせた。

 
 その頃、とある精神病院では……


「も! 戻って来たあぁー!」
 裏口から中に入った例の老婆風の女は、ユラユラと幽霊のように痩せ細った顔を突き出して廊下を千鳥足で歩くと、長い廊下を自分の部屋の方へと移動し、後ろから医師と看護師が戦々恐々と近づいて見守った。
「良かった… これでこの世は救われるぅ… ワシの責任は果たされたぁ… ブツブツブツブツ…」
 一人で病室に入った女はベッドに腰を降ろすと月明かりの下で安堵の表情を浮かべ独り言を延々と呟き始め、それをドアの窓から静かに見守る医師と看護師は共に顔を見合わせてその声に耳を澄ましていた。
 すると女は医師と看護師の見守る中でゴミ袋をゴソゴソと開くと中から使い古しのヌーブラを取り出すと、それを数十秒間もニヤニヤして見入ってから「でゅりぁぁー!」と、ウルトラセブンのように自らのしなびた乳房の上にあてがった。
「!?……」
 女は自分のしなびた乳房に重ねたヌーブラをそのまま両手で押さえ付け、数十秒が経過した。
「そ! そんな! そんなそんなそんな馬鹿なあぁー!!」
 女が手をヌーブラから離すとヌーブラは床にそのままペタリと落ち、女は天井を見上げて口を大きく開いてケタタマシイ声を叫び放った。 その形相はまるで妖怪とばかりな表情でドアの窓越しに見入る医師と看護師は恐怖からドアノブの鍵を確かめるほどだった。
「元に! 元に戻れぬではないかぁ…… グフッ! 畜生ー! 畜生ーー!!」
 女はベッドから床に崩れ落ちると両手で頭を覆い泣き叫んでその声は部屋の窓を揺るがすほどだった。 医師は女の只ならぬ様子にインターホンで警備員を呼ぶとドアの前に立たせ警備を厳重にするよう指示してその場を看護師と立ち去ったが、一人残された警備員もまた中にいる女の泣き叫ぶ声に両耳を塞いで顔を顰めた。
 
 その頃、健吾は話せるようになったヌーブラから妙なことを聞かされていた。

「僕が何処でどうやって生まれたかは実際には定かでないことは前も話したとおりなんだけど、ただね。 その記憶を辿ると醜い人間の欲と言うか、健吾にも欲は当然あるのだろうけどね。 まあ、その欲のおかげで僕もエネルギーを貰っているのだけど、それとは凄まじい違いの欲に僕自身が利用されていたと言うか、奴隷のように使われていたと言うか。 まあ、僕の出生の秘密が解き明かされれば明確なんだろうけど。 さっき健吾が窓の下に居た時、僕の記憶の中にある僕自身が忘れていた何かが突出したような気がしたんだよ。 それが何かは僕にも解らないんだけどね。 何か恐ろしくオゾマシイ記憶なんだ… でももしかしたら僕が悪者なのかも知れない恐怖も僕にはあるんだよ…」
 ヌーブラは言葉にならない何かを健吾に話し始めたが結局、その何かが思い出せず煮え切らない息遣いを健吾に聞かせた。
「そういえば新しい力ってどんなのだい? 何か発見はあったかい?」
 椅子から降りて床に胡坐して缶ビールを一口飲んだ健吾は笑みを浮かべて椅子に立つヌーブラに聞いた。

 するとヌーブラは「ハアッ!!」と、声高らかに健吾の心に気合を発すると、その場にこともあろうに麗華を登場させた。

「ひいぃー! あわわわわわわわ!」
 麗華に変身したヌーブラを見た瞬間、胡坐していた健吾は仰天して後ろに反り返り倒れ、仰向けの健吾を覗き込むように夢にまで見た麗華の顔がそこにあった。 麗華は仰向けの健吾の両手を引き上げるとニッコリと笑みを浮かべて後ろへ下がると、生まれたままの姿を健吾にポーズをとって見せつけた。
 健吾は顔色を真っ青に驚きながらも、愛らしく全裸で腰を振ってクルリと回る麗華に息を飲んで目を点にした。 そして再び麗華が健吾の方を向くとそののま体育座りしてM字開脚して、恥ずかしい部分を健吾に見せつけた。

「変身していられるのは一時間… 一時間もあれば用は足りるだろ健吾♪ 但し健吾からもパワーを吸い取ってしまうけど年齢は変わらないから安心していいよ♪ 麗華が欲しくなったら僕を抱けばいい♪」
 ヌーブラは麗華の口から麗華の声を発して股間を凝視する健吾に頬を紅く染めた。

「あんまり見るなよ健吾♪ 見た目だけじゃなく麗華(おんな)の心も同時に変化してるんだからさ♪ 恥辱される女の気持ちが良くわかるんだ♪ しかも匂いや味もあるから麗華そのまま。 但し健吾の前でしか変身出来ない気がするけどね♪ これで健吾の夢も果たせるだろ♪」
 頬を紅く染める麗華は恥ずかしそうに語ると顔を俯かせ、健吾は今にも飛び掛らん体制を自分でセーブしていたが、胡坐する健吾のトランクスの中はギンギンに肉棒が撓っていた。
 
「麗華(ぼく)を抱ける時間は一時間が限界なのと、一度抱いたら三日間は我慢しないと健吾はミイラのようになっちゃうからね。 パワーと同時に射精時にそれも吸い取られるから十分注意して。 もっとも僕が変身しなければいいんだけどね♪ 今までのお礼だよ健吾♪」
 健吾に両脚を大きくひらいて割れ目を見せるヌーブラはありとあらゆるポーズを健吾に見せ、健吾はそれだけでトランクスを内側から肉棒の先を我慢汁でベットリと濡らし、高鳴る興奮を抑えていることに健吾は限界を感じた。
 

「もう我慢出来ねえぇー! 麗華あぁー!!」

 
 健吾は目を血走らせて全裸の麗華に襲い掛かると真っ先に麗華の割れ目にムシャブリつき、プルプルと大きく揺れる乳房を両手でムニュムニュと揉み回して両手の指で乳首をビシビシと弾き回した。 健吾は夢にまで見た麗華(じぶん)の匂いと味と肌の感触に興奮し獣のようにその肌を貪り味わい匂いを満喫していた。
 麗華に変身したヌーブラも、己を忘れ麗華(おんな)として愛らしい鳴き声を奏で健吾に聞かせ身悶えと仰け反りは勿論のこと、シックスナインでは硬く漲った健吾の肉棒をムシャブリ、健吾(おとこ)の愛液を美味そうに飲み干し首を振って健吾に射精を即した。 
 だが健吾は麗華の中で出したいと言う思いからイキそうになった肉棒を麗華の口から無理やり引き離すと、麗華をお姫様抱っこし寝室へと連れ立ち机の引出から取り出したコンドームを何枚も重ねて麗華の中に肉棒を挿入した。 
 コンドームを何枚も重ねられ一回り大きくなった肉棒を挿入された麗華は発狂したように全身を悶えさせ、鳴き声を甲高く変えて寝室を麗華一色に変えた。 健吾は凄まじい勢いで腰を振りながら両手でこの世の春といわんばかりの麗華の肌の感触を心行くまで堪能し頭の中が真っ白になるほどの勢いで愛欲を続けた。
 そして正常位からバックへと移行して尚も健吾は、麗華に挿入した肉棒を出し入れして麗華(じぶん)とのセックスを楽しみ、ヌーブラもまた我を忘れて麗華同様に愛らしくそして熟した女として身体を震わせた。
 そんな二人の愛欲が始まって五十分が経過した瞬間、健吾の腕時計がアラームを聞かせた。 その瞬間、健吾は重ねて装着していたコンドームを全部取り払い、肉棒を生のまま麗華に再び挿入すると麗華の生肉の感触に絶叫して数分後に射精を終えた。
 そして更に数分後、グッタリする健吾が抱いていた柔らかい麗華は一瞬のうちに姿を消し、そこにはヌーブラが横たわっていた。 そして麗華の中に射精した健吾が瞼を開くと凄まじい脱力感と倦怠感に立つこともママならず、またヌーブラに問いかけてもヌーブラ自体も疲れ果てたように眠っていて、健吾は一時間は起き上がれなかった。
 時計の針は夜の十一時を回り、ようやく健吾は起き上がると床に倒れているヌーブラをヌーブラ専用のベッドに寝かしつけ、フラフラと台所で麦茶を煽った。 凄まじい空腹感と喉の渇きに健吾は冷蔵庫から取り出したハムをムシャムシャ貪り喰い、そして麦茶をゴクゴク飲んで潤いに安堵の表情を浮かべた。
 そしてそろそろ寝ようかとリビングの明かりを落とし寝室へ向かった健吾はトランクス一枚でベッドに身体を横たえた。 だが初めて麗華を抱いたと言う興奮が閉じた瞼の下に蘇り打ち消しても打ち消しても健吾の睡眠を妨げ、業を煮やした健吾は「バッ!」と、ベッドから飛び起きると衣裳部屋へと足を急がせ、そしてヌーブラに手を添えると胸に貼り付けた。 

 その瞬間! 麗華に変身した健吾は凄まじい快感にその場に崩れ落ち、両手で床を掻き毟って乱れた。 誰もいない部屋で麗華に変身した健吾は何者かに乳房を吸われ揉みまわされ、更に両太ももと尻を撫でられ舐めるると言う奇怪な現象にヨガリ声を高らかに上げ身悶えにして狂乱の一時に身を浸した。 そして目に見えない誰かに両脚を広げられると激しい割れ目の内側への舌の快感(しげき)に麗華は逃げようと四肢をバタ付かせた。

「いやあぁー!! やめてぇ! やめてえぇー!! 助けてえぇーー!! いぎいぃ!」
 麗華を抱く透明人間のような何者かは麗華の割れ目にムシャブリついて全身への触手を繰り返し、麗華は恐ろしくなって逃げようとモガイたが何者かの力は想像を絶する怪力で麗華は逃げること敵わずに、正常位で目に見えない硬い肉棒を割れ目の奥へと挿入された。
 
「助けて! 助けて! たすけてえぇー! いやああぁぁーーーー!!」
 透明人間が腰を振ると麗華の体内で肉棒が擦れて激しい快感を麗華の脳へ伝達され、恐怖で一杯になった麗華は泣き叫んで透明人間を両手で叩いて逃れようと必死になった。 だが透明人間には一向にダメージは伝わらないまま、打ち付けられる度に麗華の身体は大きく揺れそして逃げられないままに正常位からバックへと物凄い力で押さえつけられると、再び後ろから肉棒が「ズブリユウゥー!」と、勢いよく麗華の中に挿ってきた。
「いやぁー! あん! あん! あん! やめてえぇー!! あひいぃー!!」
 麗華はパニックになって逃げようとモガイタが透明人間の壮絶な力には全く及ばず、麗華は訳もわからないままにレイプのように見えない相手からセックスを強いられた。 だが相手の激しい出し入れに悲鳴を上げながらも割れ目を愛液で溢れさせる麗華は心と身体が分離していくことに苛立ちを覚えた。 抵抗してもまるで通用しない、見えないモノに犯される我が身を哀れに思いつつも想像を絶する快感に麗華は涙を流してヨガリ声を上げ全身を悶えさせた。
 そして目に見えないモノは再び麗華を正常位に無理やり戻すと、透明人間にして唯一人間味のある体温を麗華の中に感じさせた。 最初の正常位も次のバックも何も感じなかったはずなのに、三度目の体位の正常位では麗華の体内に熱い肉棒の体温を擦れる度に感じさせた。 そして体内に感じる快感に麗華は声を拒絶の叫びから鳴き声へと変え乳房を揉まれながらエクスタシーに達して失神してしまった。
 
 数十分後、虚ろな目をして意識を取り戻した麗華はゆっくり起き上がると、下半身を見入り割れ目から流れ落ちた愛液が床を零らしているのを見つけた。 オビタダシイ量の愛液を見た麗華は眼下に勃起したままの乳首を見て、夢ではないことを覚ったが、辺りをキョロキョロと見回して誰もいないことを確認すると慌ててそのまま寝室へ逃げベッドに潜り込んで肩を震わせた。
 間違いなく自分は透明人間に犯されたのだと麗華は被った布団の中で涙を零して泣き声を発し、両手で乳房を隠して両脚を屈めて肩を震わせ犯されて尚も乳首に残る透明人間の感触にヨガリ声を発した自分が憎くて堪らなかった。 麗華は何処の何者とも解らない透明人間に犯されたことを恥じて泣き続けて知らぬ間に朝を迎えた。 そしてベッドから起き上がろうとした瞬間、突然腹の中で何かが剥がれるような違和感に慌てて寝室からトイレへと駆け込んだ。

「そんな! こんな時に来るなんて!」
 麗華はトイレの便座に腰を下ろすと壁に貼ってあるカレンダーを見て生理が始まったことを知った。 生理が始まれば男に戻ることは出来ないことは前々から知っていたことで、生理の時だけは麗華に変身せずに男のまま過ごすことを決めていた健吾にとって大失態だった。 しかも会社に仮病の連絡しようにも声は麗華のままでは電話も出来ず、取り敢えず麗華は腕を伸ばしてナプキンと生理用ショーツを取った。
 割れ目にゴワゴワ感を感じながらショーツ一枚でトイレから出た麗華は、以心伝心でヌーブラとの会話を試みたがそれも叶わず、ブラとスリップを身に着けるとワンピースで身体を覆い、秘書課の松田美里にメールを送信した。

「すいません! もしかしたらインフルエンザに掛かったかもしれず、声も出せない状況なので取り敢えず検査に行って参ります! 本当に申し訳ない!」
 麗華は健吾の携帯から美里にCメールを送信するとそのまま携帯を手にリビングのソファーに腰を下ろして返事を待った。 そして待つこと三十分後、同じく美里からメールが麗華に変身したままの健吾を安心させた。 これで一安心と麗華は台所でミルクを飲むと寝室へ移動しワンピース姿のままベッドに横になるとそのまま眠りに就いた。

 十時過ぎ目を覚ました麗華は髪を直しながらベッドを降りるとトイレに入った。 そして便座に座り用足しを終えるとナプキンを交換し「はあぁ~」と、大きな溜息をついて生理カレンダーを見入った。 風邪なら二日の欠勤だがインフルエンザともなれば一週間以上でも理由はつけられると思いながらも、取締役になりたてての一週間を逃したのは仕事的に勿体無いものだと痛感していた。
 そして徐々に麗華(じぶん)を襲う微熱と腹痛を考えると再び大きな溜息をしてトイレから出た麗華は、昨日の出来事を考えながらそっとソファーに腰を下ろし透明人間に犯されヨガリ声を奏でて悶えた一時を思い出して顔を火照らせた。 恐らくはヌーブラが新しくなった事による何らかのトラブルと自分を納得させながら、心でヌーブラと交信を試みたもののヌーブラからの応答はなかった。




【十九話】



 
 
「ブッ! ブピピピピ! ブウッ!」
 絶世の美女であろうとも腹に糞が入っている限り屁は垂れるものと観念しての麗華の放屁は、広々したマンションのリビングに充満させた。 麗華は鼻を摘んで窓辺に移動すると自分の半身ほどの大きさの窓を開けて中に新鮮な空気を入れると暫くそこに非難した。
 そして風に揺れるレースのカーテンに軽く指を滑らせると生理が終わるまで何をして過ごそうか考えながらもそれに伴う仕事の遅れに不安を覚え唇を少し噛んだ。 サイドアップの髪にレースのカーテンがフワフワと滑り髪を直しながら屁臭さが消えたリビングの中央へと移動すると、再び「ブビイィ!」と、屁を放った。
  
 そこへ真由美から健吾の携帯にメールが届いた。

「大丈夫? 心配… 検査終わったらメールでいいから連絡頂戴。 あと、健吾を虐めてた津崎課長が依願退職したらしい。」
 麗華は健吾宛のメールを見て髪を直しながら神妙な表情をしてテレビの前のソファーに腰を下ろし足組してテレビのリモコンをONにした。
 興味の無いモーニングショーの画面を見入ると津崎に虐められていた日々を振り返った麗華(けんご)は「仕返しなんて考えてないのに…」と、窓から入る風に揺れるレースのカーテンに視線を移し口をヘの字にして再びテレビに視線を移した。
 
 その頃、麗華の魅力に男の本能を引き出されてしまった同性愛者の姓を般若、名を心経と言う例の美形男子は、目の下に隈をこしらえロングヘアーをゴワゴワにして今日も朝から酒びたりになっていた。
 同性愛者として人生を謳歌していた般若は、麗華の魅力に陰茎を勃起させたショックから未だ立ち直ってはおらず、考える度に勃起する陰茎を握り締め扱いてはそのモヤモヤを晴らし、そんな般若心経の自慰のオカズは何故か麗華になっていた。
 そんな般若は同性愛者のパートナーでもある男と疎遠状態に陥り、ここ何日も連絡を拒み続けていた。 ところが何度連絡しても応答の無い般若に業を煮やした男は酒びたりの般若の部屋を突然、尋ねた。

「フザケるな!! 心配して来て見りゃぁ! 昼間っから酒なんぞ飲んで一体何があったんだ!!」
「キャアァー! もう! もう駄目! 貴方とはパートナーで居られない!」
 頬を平手打ちされ床に身体を投げ出した般若は仁王立ちするマッチョな男に号泣して訴えた。

「なにいぃ! ネコのお前を勃起させただとおぉ!? そんな馬鹿なあぁー!?」
「ぅぅぅうううう…」
 号泣する般若から麗華の話しを聞いた男は顔色を青ざめさせた。

「そんな化け物見たいな女に仕掛けるからそんな目に遭うんだろうがあぁ! いいか! ソイツは化け物か宇宙人なんだぞ!」
「だから俺は確かめようと!!」
 男は般若の着ているシャツの襟元を掴むとグイッと引いて顔を上に向けさせると、パッと手を離して般若を落としそして般若は床に悔しさを吐き出した。

「とにかく! もう二度とつまらねえ了見を出すんじゃねえぇ! 相手は人間かどうかも解んねえんだからよお!!」
「ぅぅぅううう…」
 男に怒鳴られ再び床に泣き声を響かせた般若のショーパンから突き出た足を見た男は、喉をゴクリと鳴らしそのまま般若の身体に覆いかぶさった。

「やめろおおぉ! やめてくれえぇ! いやあぁだー! やめてくれえぇー!」
「うるせえぇ! こっちだって溜まってんだ! 大人しくしろおぉ!」
 男はうつ伏せの般若に覆いかぶさると仰向けにさせて左足に手を滑らせ、そのままショーパンの裾の中に指を滑らせた。
 般若は両手で男を跳ね除けようとしたが、マッチョな男は怯むことなく般若の着ているシャツを捲くり上げると、乳首に吸い付き般若はケタタマシイ叫び声を上げながら乳首を吸われた。
 そして抵抗むなしく般若は見る見る間にショーパンを脱がされ、フリルの付いた男性用パンティーを剥ぎ取られると、元気のない陰茎は男にムシヤブリつかれた。
 般若は抵抗しつつも腰を仰け反らせ首を左右に振って男の両肩を手で押したが、やがてその抵抗も空しく般若の陰茎は男の口の中で硬く撓りを見せた。

「いやぁん! ああ! ああぁぁぁ! ぁぁぁ… はうっうん!」
 般若の硬く聳えた陰茎をムシャブリそして扱く男は、般若の先っぽから溢れ出る透明な汁を舌に絡め自らの唾液を竿に滴らせヌチャヌチャと扱き、般若は徐々に抵抗を止めて悶え始めた。
 男は般若が悶えるのを見計らって般若を四つん這いにさせると、尻を両手で左右から大きく開いて肛門に舌を滑らせた。 般若の陰茎は聳えたまま透明な「汁」を、糸引くように床に滴らせた。
 
「ズブリユウゥゥーー!!」
「はうぅ!!」
 男の太くて逞しい勃起した陰茎が般若の肛門に挿入されると、般若は大きく息を吐いて腹から力を抜くと男の両手が般若の腰を左右から押さえ激しい打ち付けが始まった。
   
「パン! パン! パン! パンパンパンパンパンパン!」
「すっ! はっ! すっ! はっ! はっはっはっはっはっはっ…」
 尻を打ち付けられる般若は鼻で息を吸い込み口で吐き出す機関車のように肛門から奥へと突き上げる陰茎にリズムを保ち、上に乗った男は腰を振りながら般若の左乳首を「コリコリ」と、伸ばした左の指先で弄り回した。
 
「あああぁぅ! いいかぁ! 般若… ネコの癖に嫌らしいことすんじゃねえぞぉ! お前の身体は死ぬまで俺のモンだ! ネコはネコらしく丸まってりゃいいんだ。 解ったかあ!」
「うぅ…ん! うん! ああ! うん! ごめんなさい… 俺のこと許してぇ… あひぃ! あひぃあひぃあひぃぃー!」
 尻を打ち付ける男に般若は伸ばした首を何度も頷かせて返事をし切ない喘ぎ声を後ろの男に聞かせ、男もまた時折締め付ける般若の肛門に唸り声を発した。
 そして般若の中に入る男の左手が勃起した般若の乳首からはなれ腰に当てられると、今度は右手が離れて般若の勃起した陰茎を後ろから握った。 般若は伸ばした首を上に仰け反らせ扱かれる快感に透明な汁を増量させた。
 男は溢れる般若の汁を右手の平で回すように絡め取ると、そのまま陰茎を握って滑らせるように扱いた。

「まだだ! まだだぞお! 一緒に! 一緒にイコうなぁ! 般若!!」
「うん! 一緒に、一緒にイコう!!」
 男と般若はこの時、一つになってゴールを目指し、般若の中から麗華の面影は全て消え去っていた。

 その頃、自宅マンションに居たはずの麗華は暇を持て余し散歩にでも出ようと、サニタリーの上から黒いパンティーイトッキングを履きポーチを持って玄関でサンダルに足を入れていた。 そして顔を大き目のサングラスで覆いツバつきの帽子をかぶると麗華は腹の違和感を忘れようと鼻歌混じりにエレベーターに乗った。
 そして共有玄関の自動ドアを開けて数歩歩いた瞬間、幅数メートルの舗装路の右側から突然、手にカマを持った白い浴衣の老婆がシナビタ乳房を晒して飛び出して麗華の前に立ちはだかった!

「ワシの! ワシのモノを返して貰おうかのお!! さあ! ワシの宝を返せ!!」
 右手にカマを握った老婆はダミ声で麗華を前に薄気味悪い笑みを浮かべて見据えると、一歩片足を進めて来て左手を差し出してその人差し指を麗華の胸に指して振るわせた。
 麗華は余りの恐ろしさに身を凍らせて右手で胸を隠しながら後退りを始めると、ジリジリと老婆は足を進めラヤリと笑い、麗華は直感でヌーブラのことを言っているのだと悟った。

「貴女のモノなど取ってはいないわ! 勘違いしないで! 貴女が捨てたから私が拾っただけよ… そしてまた貴女は私の捨てたモノを拾って帰った…」
「アレはワシが作ったモノじゃ! 作ったワシに返すのが通りじゃろ!」
 後退りしながら麗華は老婆の目を見入って低い声で反撃すると、老婆は目をギラギラさせて声を荒げた。

「嘘よ! アレは貴女が作ったモノなんかじゃないわ! 貴女も何処かで拾っただけ! そうでしょう!」
「うぬぬぬぬ… そんなことはどうでも良い! 早くアレをワシに返せ!! 返さぬばお前をここで殺す!」
 後退りしながら左に進路を変えた麗華に老婆は業を煮やして脅しを入れたが、麗華は老婆の目を睨み続けたその瞬間、老婆の後ろから数人の白衣を来た男達が大声を放った。

「ソコで何をしている!! よせ! よすんだ! 警察! 警察を呼んでくれえ! さっ! 早く中へ! 今の内に!」
「チッ! 邪魔しおって! このまま放置したら大変なことになると言うのに!」
 四人の男達のうち一人は携帯電話をし、残った二人の男達は麗華のに立ちはだかり一人は老婆からの右横で機会をうかがったが、老婆はカマを振り上げ威嚇しながら横と前を忙しく見回した。
 麗華は前に立ちはだかる二人の男達に出てきたマンションに入るよう急かされそのままなかに入ってロックすると、男達は植え込みから棒を取って一斉にカマを振り回す老婆に立ち向かったが、一人の男は着ていた白衣を真っ赤な血で染め、駆け付けた警官に老婆は取り押さえられた。 
「いいか! 必ず取り返す! 何処に隠れても無駄じゃからのおー!! アッヒャヒャヒャヒャー♪」
 老婆は警官達に取り押さえられパトカーで何処かへ連れ去られたが麗華は警察からの調べを恐れ、そのまま自室に逃げ帰った。 そしてレースのカーテン越しに外の様子をうかがうと居なくなった麗華(じぶん)を探して警官がウロウロしているのが地上に見えた。
 だが生理が終わるまで元に戻れない健吾は警官が居なくなるのをジッと待ってから、せめて服装だけでも変えようとワンピースを別のモノに変えて外に出るチャンスをうかがった。
 
 そして昼近く、辺りを気にしながら外に出た麗華に突然、後ろから誰かが声を掛けてきた。



【二十話】





 後ろから声を掛けられた麗華はドキッとして全身が金縛りになったように固まりそして動けなくなった。 すると後ろから回り込んだ警察官に麗華は無意識にサングラスを外した瞬間、警察官は突然麗華の前に跪いて「お伺いしたいことがありまして…」と、麗華を見上げて目を虚ろにさせた。 
 麗華は下から自分を虚ろな目で見上げる警官に「立ってもよろしいのよ♪」と、微笑して命じると、警官は恐れ多いとばかりに数歩後ろに下がって麗華に一礼した。 麗華は内心ドキドキしていたが警官の様子を見ているうちにいつもの自分を取り戻したかのように自信に満ち溢れた。
 
「私とあの老婆は全くの無縁。 全く関わりはありません。 これでいいかしら?」
「はっ! 承知致しました! お会い出来て光栄であります!」
 麗華が二言、三言発すると警官は大名のお姫様にでも相手する奉行所同心のように丁寧にお辞儀して爽やかな笑みを浮かべた。 そして警官が帰ろうとした瞬間、麗華は何かを思いついたように瞳を一回り大きく見開いた。

「ねえ♪ 宜しかったら私のお部屋でお茶でみ如何ですか? 遠慮は無用ですいらして頂けませんか♪」
 麗華の誘いに警官は突然、ガクガクブルブルと膝と全身を震わせ麗華に視線を合わせると、警官帽子を取って「は! はい!」と、頭を深々と下げた。 麗華はクルリと身体の向きをマンション入り口に向けると「いきましょう♪」と、後ろの警官に楽しげに声を掛けた。
 警官は天にも昇る気持ちで膝を震わせながら麗華の後を追いそしてエレベーターへと居場所を一つにした。 そして部屋に到着すると警官をリビングのソファーに麗華はローズティーを入れに台所へと移動した。 警官しソファーに腰を下ろしソワソワしながら広いリビングを見回し華麗なる絶世の美女の暮らす空間に心臓をドキドキ高鳴らせていた。
 
「どうぞ♪ このクッキー、私の手作りですの♪ よろしければお召し上がりになって♪」
 麗華は膝を曲げて大きなテーブルの上にティーカップとクッキーを置いて警官にニッコリと笑みを浮かべると、テーブルを挟んだ逆側のソファーに腰を下ろした。
「は! 恐縮です!」
 警官は緊張してカチコチのコンクリートのように固まりティーカップを持つ手を震えさせ、麗華はそんな警官を見て内心「可愛い」と、思いながらも表面的には平静を装い静けさを保ち続け、警官が一口お茶を飲んだ辺り脚組して警官にあの老婆のことを尋ねた。
 すると警官は一瞬、黒いストッキングに包まれた麗華の脚をチラリと見て赤面すると、直ぐにその視線を外して「住所も氏名も年齢も不詳の精神病患者なので困っているのです」と、表情を硬くしてチラリと美しい麗華に視線を向けた。
 ただ警官の話に依れば、老婆を診察した医師の話しでは推定年齢は三十歳くらいでありながら、その概観は八十歳と衰弱していて何かの病気を抱えている可能性があると言う。 そしてしきりに「大変なことになる」と、ブツブツ念仏を唱えるように一日中口にしそれ以外は何も語らないと付け加えた。
 麗華はヌーブラのことが公になっていないことを知り「ホッ」と、心の中で胸を撫で下ろすと、再び脚を組み替えて警官の視線を膝に感じた。 

「ねえ♪ お巡りさんて何かスポーツとかやってません♪ 私、凝りしょうな物で……」
 右手を左肩に置いた麗華は警察官の目を見つめて辛そうな表情を浮かべた。
「麗華さん! ぼ! 僕で宜しければ!」
 上着を脱いだ警察官は首を数回回して両腕をグルリと裏表に数回まわした。


「ああんっ! いい… あんっ! いいわぁ… ぅんっ! あんっ!」


 愛らしいエロティックな喘ぎ声を奏でる麗華はソフアーにうつ伏せ、背中越しに警官の太い筋肉質な両手、両腕が麗華の肩を優しくそして強くその逞しい手で揉みほぐしていた。
 警官は愛らしく悶えるように喘ぐ麗華に股間を膨らませ口を半開きにして目を泳がせ、時折チラリとスカートからスラリと伸びた麗華の脚を黒いストッキング越しに捉えていた。
 そしてその警官のゴツゴツした手が麗華の背中を捉え徐々に南下を始め腰へと近づくと警官の目は、悶える度に「プルプル」と、スカート越しに揺れる尻の揺れに釘付けになった。

「お尻… うっふ~ん… お… お尻もお願い出来まして~?」
「はっ! はいいぃー!!」
 スカート越しにブルブルと揺れる尻を凝視した警官は喉をゴクリと鳴らして大きな返事と共に首を大きく縦に数回頷くと、両手を震わせて世界一の美女の尻に脂汗を額に浮かせ、それをハンカチで拭うと同時に押せば溶けて流れてしまうような麗華の尻にゴツゴツした両手をピタリと這わせた。

「キャァ! あ! ご… ごめんなさい…」
「うわ! す! すいません!」
 添えられた警官の両手のスレ具合に思わず尻の筋肉を内側に寄せ小さな悲鳴を上げた麗華と、その悲鳴に驚いて脂汗を浮かせて詫びる警官。

「ごめいなさい… 大丈夫ですから続けて下さい…」
 麗華の言葉に超緊張する警官は喉がカラカラに渇き心臓が高鳴りながらも、震えるゴツイ手を尻に這わせ指圧する度にプルプルと揺れる麗華の柔らかさにウットリ安堵の表情を浮かべた。
 
「あんっ! あああーん! あんっ! ああああ…」
 麗華の喘ぎ声を聞きながら警察官はズボンの中、トランクスの内側をベッタリと我慢汁で濡らしながらも只管に尻揉みを続けた。
 そして麗華が「脚もお願い…」と、吐息交じりに囁くと警官の目は突然血走り「はぁはぁ」と、呼吸を乱れさせた。
 警官は黒いパンティーストッキングに包まれた世界一の美女の美しい脚線美を目の前に手の平にかいた汗をズボンに拭くと、麗華からの「早くぅ~ お願い~♪」と、言う吐息交じりの小声に大きな深呼吸をして両手をワンピースの裾の上から裏モモに密着させた。
 麗華は警官の強くて逞しくそれでいて優しいアンマにウットリして夢見心地で警官の熱い体温を感じていた。 そして警官は麗華以上にその柔らかく蕩けそうな肉肌(はだ)にウットリしていつしか目を閉じて時間を共有していた。
 そして警官の両手が足首を経て足裏に到達すると、警官は麗華の膝下を曲げて「モミモミモミモミ」と、足裏を指圧刺激し麗華は眠ってしまいそうな心地よさにウットリ感を一層深めた。
 
「お願い… 後ろのファスナー降ろしてぇ……」
 甘えるように囁いた麗華の声にウットリ感に浸っていた警官は突然、首を床側に回し鼻血を噴霧させると慌ててティシューを丸めて鼻血の出る穴に詰物をした。

「お巡りさんのこと… 信じてるわぁ…… だから、お・ね・が・い……」
 ワンピースを脱いで指圧してもらおうと夢見心地で囁いた麗華の声に、警官は全身を小刻みに震わせて血の滴る別の鼻の穴にも慌てて詰物をし、言われるままに麗華からワンピースを脱がせた警官はズボンの下、トランクスの内側を射精した精液でドロドロにしていた。
 そして口を開いたまま吐息を荒くしながら、自分の下でうつ伏せに横たわる世界一の美女の黒いスリップ姿に両方の鼻の穴に詰めたティシューの詰物の先っぽを赤く染め、再び慌てて詰物を取り替えた。

「はぁはぁはぁはぁはぁ…」
 両方の鼻の穴を詰物で塞いだ警官は口でする呼吸を荒くして尚も、麗華の肩から直接伝わる体温と滑らかな肌の感触に背筋をゾクゾクさせ額に脂汗を浮かせた。
 スリップの中に透けて見えるブラジャーの紐と、スリップの裾から伸びた見事な脚線美を包む黒いパンティーストッキングのエロチシズムに警官は理性の九割以上を失い、指圧で揺れるプリンプリンした尻に薄っすらと見えるショーツに鼻に詰めた詰物が飛んで行きそうなほど肩に力を込めた。
 そして警官の両手が肩から再び背中、背中から尻に移った瞬間、警官は「はぁはぁはぁはぁはぁ」と、更に吐息を荒くさせウットリして動かない麗華の尻を横から軽く叩いてその蕩けそうな柔らかさを目で追い「ニヤニヤ」と、嫌らしい薄笑みを浮かべた。

「お嫌でなければ… この辺もお願いしたいのですが……」
 うつ伏せの麗華は両手で黒いスリップを尻の辺りまで捲くりあげると黒いパンティーストッキングに包まれた下半身を露にして、両手で裏モモをペタペタと叩いて警官に見せた。 警官はパンストの切り替え部分を血走った目で凝視すると両手を前に爪を立てて顔を狼男のように顰めて仰天した。
「お・ね・が・い……」
 麗華の囁きに鼻穴の詰物が真っ赤に染まる警官は再び詰物を替えると両手を麗華の裏モモに這わせゆっくりと揉み始めた。 すると黒いパンストに包まれた麗華の裏モモはその心地よい弾力を警官の手に伝えた。
 警官は心地よさの延長線上、その両手の親指を内モモに指し込み掴むように揉み始めると、パンスト越しに肌に摩れる刺激が麗華に「うんっ… ぅぅん! ぅあっ! あんっ!」と、小さく愛らしい喘ぎ声を放たせた。 警官は顔全体を赤面させ新しい詰物を真っ赤に染め額に汗を浮き立たせ荒い吐息を放って夢中になってアンマを続けた。
 そして麗華が右脚を僅かに開いて膝を曲げた瞬間、警官は「ふんぎやあぁぁーー!!」と、奇声を発して天井を向くとそのまま後ろに倒れ同時にズボンの下のトランクスの中に再び射精し動かなくなった。 
「!?……」
 警官の奇声が聞こえ途端に静まったことを妙に思った麗華はソファーの上に四つん這いになって後ろに視線を向けると、両膝立てて仰向けのままニヤニヤして動かない警官に目を丸くした。 そして辺りに漂う栗の花の臭気に麗華は警官が射精をして果てたのだと知らされた。
「何で射精なんか!?」
 床に降り立って警官を不安げに覗き込む麗華は、首を傾げてアンマのために脱いだワンピースを再び身に纏うと「さあ、起きてちょうだい♪ 今日はありがとうねぇ♪ もう、帰ってもいいわよ♪ でも、いい~! 貴方は私のことを忘れるかも知れないけど、私があの老婆とは無関係だということは忘れてはいけないからね♪ 忘れないでね♪ 無関係だったと報告するのを忘れちゃ駄目よぉ♪ さあ、お帰り~♪」と、警官の耳元で優しく囁いた。
 警官はゆっくりと瞼を開くと軽く頷いて起き上がると上着をきて帽子をかぶると、夢遊病患者のようにフワリフワリと部屋を出て行った。 そしてリビングの窓から外を眺める麗華は地上に見える警官を目で追った。
 マンションを出た警官は右側の植え込みブロックの上に腰を下ろすと「ハッ!」として辺りをキョロキョロと見回して自分の股間を凝視して口を大きく開いて驚きの仕草を麗華に見せた。 そして警官はベトベトになった股間を庇うようにガニマタでマンションの敷地から立ち去った。
 麗華は室内に漂う警官(たにん)の精液臭に顔を顰め窓を開けるとトイレに入って血糊の他に恥ずかしい液体の形跡をナプキンに見つけ赤面した。 




【二十一話】
 
 


「麗華様♪ 今宵は面会頂いて有難うございます。 早速、麗華様の御指示通り浜田健吾を取締役へと昇格させましてございます♪」
「戒名字くんはいい子ねぇ~♪ 今夜はご褒美に私を食べることを許可します…」
 警官の接触で身体の火照りが止まらない麗華は健吾として勤務する会社社長である、ハゲ社長こと姓を戒名字、名を信玄と密会するべく高級ホテルに部屋を取らせその場に身を置いていた。
 ベッドに腰掛ける麗華の目の真、床に跪く戒名字は脚組する麗華の脚の爪先を黒いガーターストッキング越しに頬ずりし、匂いを嗅いでウットリしていた。 
 満面の笑みを浮かべ満足げに麗華の爪先を楽しむ戒名字の左手が麗華のフクラギに添えられると、麗華はストッキング越しの心地よさに「ぅん…」と、吐息交じりの喘ぎ声を小さく放った。
 
「予め言いますが今夜の私は月のモノがきています… それでも良いならこの身体を自由になさい……」
 爪先の匂いを嗅ぐ戒名字はその言葉を聴いた瞬間、ニッコリと麗華に視線を重ねて大きな吐息を震わせて頷いた。 麗華は目を大きく見開いて笑顔を見せる戒名字をそのままに、黒い大きなスリットの入ったドレスを座ったままで脱ぐと、戒名字にそれを手渡し戒名字は両手で受け取り頭より高く上げて部屋の壁に埋め込んである洋服箪笥に片付けた。
 レースとフリルがフンダンにあしらわれたガーター紐付きの黒いスリーインワンと、ガーターストッキングだけの麗華を見た戒名字は、思わず飛び掛りそうになる自分を必死に抑えて「何か飲み物を」と、言う麗華にシャンパンの入ったグラスを手渡すと、犬のように麗華の前、床の上に正座し麗華を物欲しそうに見上げた。
 
「ところで浜田君はどんな取締役にしたの? まさかヒラ取では無いでしょうね~♪」
「めっ! 滅相もございません! そ! そのようなことは決して!」
 シャンパンを飲みながら戒名字に視線を流す麗華に、戒名字は驚いた表情を浮かべヒラ取ではないと事実を曲げた。

「ただいま浜田君の得意分野などを精査しておる次第でして、近々何がしかの席に着任して貰おうと…… ただ、現在彼は病気療養中でしてその…… 回復の折は必ずや麗華様の! はい!」
 ハゲ頭に噴出した汗をハンカチで拭き取る戒名字はチラチラと麗華を見ては怯えるように身体を小さく震えさせ頭を何度もさげて言い訳をした。
 麗華は内心「このハゲ親父め…」と、笑みを浮かべながら戒名字の言い訳に小さく頷いて見せるとシャンパンを一気に喉に流し込んだ。
 そしてグラスを戒名字に手渡すと、そのままベッドにズリあがって仰向けに後頭部を枕にくっつけた。

「さあ、お食べなさい。 私を心行くまで味わうがいい♪」
 両腕を下に向けて投げ出した麗華はその言葉にベッドに這い上がる戒名字の下半身に視線を移すと、ファッショナブルなビキニショーツを履いた戒名字の顔をチラリと見た。
 オッサンらしい白無地のブリーフだったはずの戒名字もそれなりに気配りしているのだと麗華は内心爆笑し、笑いを堪えるのに必死になっていた。
 
「では、頂きます!」
 麗華の揃えられた両脚の数センチ下に膝たちして合掌して見せた戒名字は、目を閉じて食事の礼儀作法を麗華に見せると、深呼吸してから麗華の身体を跨いでその巨漢の体温を麗華に感じさせた。
 そしてスリーインワンの肩紐を恐る恐る外すと下へゆっくりと剥ぎ取り世界一の美乳を前に喉を「ゴクリ!」と、鳴らして両手を添えて乳首に吸い付いた。 麗華は戒名字からの触手と吸い付きに女の鳴き声を部屋に響かせた。
 丁寧過ぎるほどに丁寧でそれでいて全身に絡みつくような戒名字の愛欲は始まって数分もしないうちに麗華を興奮させ、そしてエクスタシーへ導いたが麗華は既に達したことを戒名字に知られまいと隠した。
 そして一度もエクスタシーに達して再び十分ほどした頃、麗華は二度目のエクタシーに突入する三度目にして「もっと! もっと! 私を! メチャメチャにしてえぇー!」と、感極まって戒名字に要求した。
 戒名字はその言葉に突然いきり立って「ぬおおおおおー!!」と、気合を入れると凄まじい速さで触手しながら舌を滑らせ麗華を激しく悶えさせ仰け反らせ続けた。 
 麗華の身体は右に左に激しく揺らされ上半身を晒され・・・・・・・・・・

 そして麗華から黒いスキャンティーが剥ぎ取られた瞬間、戒名字はスキャンティーの内側に月のモノの形跡を濃厚にそしてキラキラ光る愛液を見た瞬間「ぬおおおおぉー!」と、いきり立ち片手で麗華の乳房を揉み回しながら汚れたナプキンにムシャブリ付いた。
 チュゥーチュゥーチュパチュパと怪しい音を立てる戒名字はナプキンに密着させた口で汚れを舐め取って飲み込んで御満悦の笑みを浮かべ、ナプキンに風味が無くなるとストッキングに包まれた麗華の両脚を膝立てして広げた。
 無駄毛処理を施された綺麗な大陰唇を見て喉をゴクリと鳴らした戒名字は、左右に開いた割れ目の内側に貼りついた月のモノの形跡と体内から溢れた愛液に夢中になって舌を滑らせシャブリ取って飲み込んだ。
 麗華は狂おしいほどに悶えに悶え鳴き声を甲高くそして連続させてベッドを大きく揺らし、麗華の興奮に巻き込まれるように戒名字もまた我を忘れ麗華を味わった。 

 その頃、高野真由美は連絡を待ってもメールも来ない健吾に不安を覚えながらも、秘書課課長の松田美里と居酒屋にいて遅めの夕食を摂っていた。 そして共にスーツ姿の二人は小上がりに膝を崩して座りジョッキで乾杯しながら焼き鳥に舌堤を打ち、互いの経歴や会社の雑談に意気揚々としていた。
 
「確かにセクハラはあるわね… だから下着なんかも本当に着けたいモノじゃなくてね。 見られても恥を欠かないモノを着けてるわ。 まあ、世間ではセクハラ撲滅とか言うけど実際には何処の会社の秘書課もセクハラどころか会社妻状態よ… ホント! 家族にバラしてやりたいくらいよ! でも、高野さんは前々からの上司の浜田さんだからいいけどね~」

 美里はテーブルに頬杖ついて体面する真由美に意気消沈しながら口を尖らせ、真由美はそれを気の毒そうに聞いていた。 美里は秘書課の課長になるまでの苦労話を延々と真由美に聞かせ、真由美もまた興味津々と美里の話しにのめり込んでいった。
 
「高野さん今、どんな下着つけてる? ちょっと見せて♪」
 四角いテーブル沿いに真由美に擦り寄った美里は辺りを見回して誰の視界にも入ってないことを確認すると、恥ずかしがる真由美のスカートを捲り上げてパンスト越しに大き目の婆パンを見て大爆笑した。 真由美は顔を真っ赤にして指差して笑う美里に「松田さんのも見せて~♪」と、美里の左肩に両手で寄りかかると美里は惜しげもなくスカートを自ら捲り上げた。
 真由美はパンスト越しに見えた美里のレースのスキャンティーを見て目を丸くして絶句した。 勝負パンツと言ってもいいほどの高級そうなスキャンティーもソコソコに真由美は里美の太モモに心の中で喉を鳴らした。 そして麗華を思い出した真由美は笑みを浮かべて自宅に美里を引き込もうと誘いを掛け美里も勢いから「よおし今夜は高野さんのとこに泊まっちゃおう♪」と、楽しげに笑った。
 
 三十分後、美里は何も知らぬまま真由美に連れられタクシーにその身を乗せた。

 
 そして同時刻、麗華の魅力に獲り憑かれていた同性愛者の般若心経はベッドに四つん這いになって、パートナーの津崎源五郎と愛を育んでいた。 尻の穴にゴムを被せた極太スリコギ棒を入れられ手で出し入れされる般若は、同時に扱かれる自らの勃起した陰茎からの快感に喘ぎ声をあげ、今か今かと津崎源五郎の熱い肉棒の挿入を待ちわびていた。
 男同士の激しい愛欲はオモチャを使っての刺激欲に獲り憑かれ、般若は麗華のことを思い出す余裕もないほどに、強い快感にその身を任せた。 そしていよいよ津崎の挿入が予感された瞬間、津崎が肛門に挿入したスリコギ棒を抜こうと引いた瞬間、般若は恐ろしい痛みに「ギエエェェーーー!!」と、唸り声を上げて肛門にスリコギ棒を入れたままベッドの上で苦しみのた打ち回った。
 その十五分後、般若の住む自宅マンションに到着した救急車の中に肛門に極太スリコギ棒を入れた般若の惨めな姿があった。 そして付き添っているであろうパートナーの津崎源五郎の姿は何処にもなかった。 救急車を呼んだ後、般若を一人残して逃亡した津崎は救急車が到着しても戻ることはなかった。 
 救急車のベッドの上で全裸のまま両足を曲げ尻に尻尾が生えたかのような般若は、真傍で患者の様子を相手先の病院に伝える隊員の声に羞恥心全開で悲しい大粒の涙を流して枕を濡らしていた。 救急隊員は携帯電話で「肛門に太いスリコギ棒が入っておりましてー」と、大変解りやすい説明を繰り返したものの、何処の病院も「当院に処置出来る医師が不在で…」と、断られ続けていた。
 そしてタライ回しにされた般若はスリコギ某を入れたままの惨めな姿を某大学病院へとその身を搬入された。 表で待ち受けていた看護師たちは救急車から出てきた般若を一目見ようと無関係の者まで大勢集まり、寝台車に乗せられる瞬間、風にフワリと浮いた掛け物の下に見えた極太スリコギ某を見て騒然とし、女性看護師たちはヒソヒソと般若を滑稽な目で病院に入るのを見送った。
 救急隊員たちもまた大勢の女性看護師たちの間を赤面して無言のまま歩き、般若の乗った寝台車を押して中へ入ると女性看護師たちの激減した数に震撼した。 そして廊下を押して進む般若を見て掛け物の下でカタカタと揺れるスリコギ棒に噴出しそうになるのを必死に抑えて処置室までの間を耐え忍んだ。 そして病院側に般若を引き渡して戻る途中、隊員達は我慢できずに「あっひゃひゃひゃひゃ♪ あっきゃきゃきゃきゃ♪」と、腹を押さえて腰を屈めて大爆笑の声を廊下に響かせた。
 だがその声は静まり返った病院の廊下を通って処置室に居た般若とその周囲にいる女性看護師や医師にも聞こえまくっていた。 そして十数分後、般若は処置室にその身を投入するも夜にも関わらず大勢いる医師達(けんぶつにん)に「それほど重大な状態なのか!」と、戦々恐々の思いを胸に仕舞い全身麻酔に深い眠りに落ちていった。 
 医師達は口々に「こんな太いモノが入るのか!?」と、腕組みして肛門専門の医師に尋ねるも実際に処置に当たっているのは担当医一人だけだったことを般若は知る由もなかった。 そして一時間の奮闘の後、医師は大勢の無関係医師たちの大拍手の中で遂に極太スリコギ棒を取り出し、ガッツポーヅを周囲に決め爽やかな笑顔を振りまいた。
 そして処置を終了さ終えた般若の下半身に履かされていたのは女性看護師が用意した同性愛者には不似合いな純白のフリルの付いたパンティーだった。 般若はパンティーを履かされたまま何も知らずに病棟へと運ばれその眠りを朝まで継続させた。 

 その頃、真由美の部屋の寝室、ベッドの上でスリップ姿で酔いの回った里美はグッタリして熟睡し、その横で美里を見据え床に立つスリップ姿の真由美は里美のストッキングに包まれた太ももを見て喉をゴクリと鳴らした。 その妖しげな視線を里美に向けたままスリップを脱ぎブラジャーを脱ぎ捨てた真由美は静かに部屋の明かりを絞ると里美との距離を縮めた。
 
「可愛い…」
 四つん這いで美里の寝顔に見入る真由美は可愛い寝顔の美里の額に小さなキスをすると、開放するフリをして抱き起こすと熟睡する美里のスリップの肩紐を外しブラジャーを外すと、両手を後ろに浴衣の帯で縛り上げて再び美里の身体をベッドに横たわらせた。
 年上でありながらも年齢差を感じさせない美里のプリンプリンした乳房を見つめた真由美は、そのピンク色の乳首に唾液を飲み込んで喉を鳴らすと、静かに美里の乳房に顔を近づけ年上の女の匂いを鼻先を回して吸い込んだ。 甘酸っぱいフルーツのような香りを放つ美里の乳房の真ん中、ピンク色の乳首をそっと口の中に収めた真由美は両手で乳房を優しく揉み回した。
 そして自らの身体を美里の横に移動させた真由美はパンティーストッキングに包まれた自らの右脚を左側から美里のパンティーストッキングに包まれた両脚にスリスリと摺らせてストッキング越しの互いの肌を確かめ合った。 美里は時折その快感に眉を顰め里美の表情をチラチラ見て吸い付く乳首へ強弱つけて舌を滑らせた。 
 
 そして時間の経過と共に真由美の美里への愛撫と舌使いは徐々にその密度を増し強い快感と違和感に意識を取り戻した美里は、ハッとして目を開いた瞬間、両太ももに滑る妖しい指と乳首から脳を直撃する強い快感に起き上がろうと首を持ち上げ自分が真由美に味見されていることを知った。 
 里美は持ち上げた首を左右に振って目を大きく見開き強い快感(しげき)に顔を顰めつつ「いやあぁぁぁーーー! やめてえぇぇー!! やめてええぇぇ! あんっ! ああんっ! やめ! やめ! ああああーーーーんっ!!」と、身体を左右に振り両手の自由が利かないことに恐怖を感じた。
 
「真由美ちゃん! ま! 真由美ちゅん! やめてえぇ! あああんっ! いやあぁぁーーーん!! あひいぃ! あん! あぁぁぁぁ…… ぅんっ! うあんっ!」

 真由美の両手でパンティーストッキングに包まれた美里の両脚を開き、そのまま両手の指を内モモに滑らせると、美里は喉に息を詰まらせ悶え狂った。 真由美の舌は美里の脇腹辺りを滑り回り美里は全身をビクンッと何度もビク付かせながら拒絶の声を徐々に小さく絞った。
 そして真由美は体位を上下に替えると自らの陰部の匂いを美里に嗅がせるように美里の鼻先に密着させ、広げた美里の下半身からパンティーストッキングをビリビリと音を立てて引き千切ると、露出した美里の内モモに舌を滑らせムシヤブリついた。 美里は突然の真由美(たにん)の割れ目の凄まじい匂いに首を左右に振って逃げようとしたが、押し付けた真由美の陰部は美里の鼻先に食い込むことはあっても離れることはなかった、

「オェッ! ウエェッ! ウギュゥ!」
 レズではない美里にとって押し付け嗅がされる真由美(たにん)の凄まじい女の臭気は地獄以外の何物でもなかったが、真由美が腰を浮かせて匂いを嗅がせるのを止めた瞬間、悪臭から逃れられた美里は深呼吸を繰り返しながらも安堵と内モモから来る快感の一時に安らぎを感じた。 美里は目の前に広がる他人の股間に恐怖を感じながら戦々恐々とした面持ちで真由美の愛欲が早く終わることを祈った。
 だが真由美の愛欲は終わること知らぬように美里から破れたパンティーストッキングを剥ぎ取ると、慌しく美里の甘い香りの漂う両太ももと尻に舌を滑らせ愛撫を繰り返した。 そして美里は次第に真由美からの刺激に恐怖に戦きながらも反応をすべく身悶えと喘ぎ声を奏で始めた。 その喘ぎ声に応援されているような気のする真由美は一気に「勝負!」と、ばかりに美里からスキャンティーを剥ぎ取った。
 膝たちさせて大きく広げた美里の物凄い匂いのする割れ目を左右から開いた真由美は、その内肉に貼り付いた摩り下ろした山芋のような白いモノを見た瞬間、舌を押し付けるのを躊躇(ちゅうちょ)した。 その開かれた内肉の中から発する臭気はこの世のモノかと思わんぎかりの恐怖に満ちた匂いだったが、真由美は「ここで止めれば私は変態扱いされる…」と、息を大きく吸い込んで止めると舌をベロリと出して陰毛を左右の頬に感じて生暖かいトロロ芋に舌を押し付け滑らせた。
 その瞬間、美里は「あひぃ! あひぃ! あひいぃーー!!」と、凄まじい身悶えと仰け反りを真由美に見せ甲高いヨガリ声を部屋に響かせた。 ベッドはギシギシと大きく撓り真由美はその瞬間、舌使いを急激に忙しくさせ息を止めていたことも忘れて塩臭い内肉を舐め回し美里はその壮絶な舌使いに我を忘れて愛液を溢れさせ両脚の筋肉を硬直させ全身を小刻みに痙攣させ息遣いを激しくした。
 そんな美里の狂おしい声と姿を目の当たりにした真由美は自らの下半身からパンティーストッキングとパンティーを毟りとり、再び美里同様に汚れた割れ目を美里の顔の上に覆い被せた瞬間、美里は目の前の無駄毛処理され匂い立つ大陰唇に首を持ち上げベロリと出した舌を押し付けて「ニッチャァ~」と、小気味悪い舌触りに吐き出しそうになれながらも、自らの割れ目から脳を打ち抜く激しい刺激に動かされたように舌を滑らせ回した。
 真由美はその瞬間、美里と一つになれたと感動の涙をポタポタと美里の割れ目の両側に滴り落とした。 美里と真由美は互いの汚れた部分を洗い流すように自らの唾液で生まれたままの姿を取り戻していった。 考えただけでも吐き気のする一日中、蒸れに蒸れた女の秘密の匂いと味を真由美と美里は共有する迄に「絆」を深めた。 そして真由美は涙ながらに美里の両腕を自由にすると今度は真由美を下にして両脚を開かせた美里が再び真由美に愛らしくも甲高い声を部屋に響かせさせた。
 
 そして同じ頃、ホテルの一室で激しくも溶け込まんばかりの愛欲を終えた麗華は、グッタリとベッドにうつ伏せになって裸体のまま戒名字にマッサージをさせウットリしていた。 



【二十二話】




 
 見た目は八十代、されど中身は五十代の男性はこの夜も眠れぬ夜を窓辺のベッドで過ごしていた。 奇病と診断された数十人のうちの一人だったこの男性、朝となく昼となく夜となく女性看護師のワンピースの中を想像しては薄っすらと見えるブラジャーのホックに女日照りの焦りを感じていた。
 普段なら両手に女を置いて美味い酒を飲むクラブ通いの傍ら、週に数度は女を買い漁っていたあの頃を思い出しトイレでコッソリ好みの看護師を想像してマスターベーションに息を潜めた。 救急搬送されて二ヶ月、帰宅も許されないまま毎朝の検温時に屈んだ看護師の胸元の白いブラジャーに胸をドキドキさせる日々を過ごしていた。
 そんな彼は今夜もトイレに行ってドアを閉めて便座に座り息を潜めて「シコシコ」と、哀れなペニスを肉棒化させ目を閉じて看護師の尻を思い出した。 見た目は八十代といえど中身は女に飢えた五十代。 想像した看護師の尻に直ぐに反応してカウパー視線液を先っぽから溢れさせた。 そんな彼の耳にヒタヒタとトイレに向かってくる何者かの足音が聞こえ、彼は肉棒を扱く手を止め耳を澄ました。
 彼がマスターベーションの手を休めること数分、何者かが用足しして帰るのを待ったが一向に用足しをしない何者かにイライラを募らせた彼は「何をやってるんだ! さっさと用足しして帰ればいいだろうに!」と、静かにドアの鍵を外し外の様子を見ることに。 そしてドアの隙間から顔を出した彼は左側の男子用トイレに立つ髪の長い女の姿に髪の毛が逆立つほど震撼した。
 
「何で男性トイレに女がいるんだ! しかも患者着もなしにパンティー一枚で立ちションとは!!」
 男は白いパンティーを太ももまで下ろしチョロチョロと用足しする女に縮んだモノを再び硬くさせ、白くてプリプリした脚に目を釘付けにした。 そして隣の棟の精神化からでも紛れ込んだに違いないと身勝手な推測を立てると、硬くなった肉棒をそのままに下半身を晒して静かに個室を出ると、女に近づいて壁に付いているトイレの灯りのスイッチをパチリと消した。
 小さな小窓から入る僅かな月明かりを頼りに男は、灯りが消えたことにも無反応な女の後ろに立ちニヤニヤ薄ら笑みを浮かべた瞬間、聳える肉棒を右手に持って左手に唾液を吐き出して亀頭に塗り付け女の肩を前に押し倒した瞬間「ズブリュゥーー!!」と、その肉棒を女の穴に挿入した。 その瞬間、女は「ハウゥ!」と、声を漏らし響かせ上半身をガクンっと前に倒し男の腰フリに「ああんっ!」と、ヨガリ声と身悶えを挿入した男に見せつけた。
 男は目を血走らせ息使いを急激に荒くさせ目の前の女の腰に両手を添えて「せいや! せいや! せいや!」と、小さな掛け声を吐息に重ねて吐き出し女は突かれる度に「あん! あん! あん!」と、長い髪の毛と全身を大きく揺らせた。 そして暫くぶりに女の中に入った男の興奮がヒートアップし腰の動きが加速していくと、男は腰に這わせた手を少しずつ上へ上へと滑らせ後ろからは見ることの出来ない乳房を捜しまわった。
 だが所定の位置に両手を滑らせた男は息を荒くし腰をフリながら、捜しても見つからない乳房に「貧乳」を想像したが小さく硬い乳首に両手の端が当たると、過去に経験のない程の小さな勃起した乳首に違和感を覚えたが、親指と中指を使ってコリコリと回してもてあそぶと、女は突然、首を仰け反らせ激しい身悶えを後ろの男に見せ付けた。
 そして男が射精欲に打ち付ける腰の速さを加速させた瞬間、女は自らも腰をフリ始め「一緒に… 一緒に行こうね源五郎!」と、小さな声を強めその声に違和感を覚えた後ろの男は射精間近の腰フリの最中「どんな女なんだろう」と、射精十秒前になって突然、身体を右に移動させ悶えてヨガル女の顔を三秒前に後ろから覗き込んだ! その瞬間、幽霊のような顔をした般若心経が覗き込んだ男を右後ろに視線を重ねた。

「ひえええぇぇぇーーーーー!!! うわあああああああああー!!!」
 男は肉棒を射精と同時に引き抜くと般若の背中にドロリとした精液を飛ばし、床にポタポタと滴り落としたまま下半身丸出しで床に尻餅ついて這うようにトイレから大声を放って逃げ出した。 病院の中はケタタマシイ男の叫び声に患者達は恐ろしさを覚え布団に身体を肩まで包み隠し震えた。
 
 そして翌朝、女性看護師からプレゼントされた白いパンティーに糞汁をタップリ付けた般若心経と、ペニスを糞塗れに目を覚ました男は共に女性看護師にその様子を見られ部屋の中に女性看護師の悲鳴にも似た叫びを響かさせた。 更に女性看護師を震撼させたのは八十代に見た目を衰弱させていた男が元通りの身体である五十代に戻っていたことで、担当医師や他の看護師たちは騒然とした始まりを迎えた。
 その頃、白いパンティーを糞汁に塗れさせた般若は女性看護師の質問に「昨日トイレで源五郎が居て… それで… それで…」と、意味不明な言動を繰り返した後、肛門から取り出された極太スリコギ棒を手にこの大学病院を後にした。 だが五十代の元の身体に戻った男は一晩の変化の説明に躊躇していたが、医師たちに説得され真実を語ると医師たちは目を点にして口を半開きにした。
 だが目を点にしたのは医師達だけではなかった。 自宅マンションに戻った般若がシャワーを浴びようと服を脱いで風呂場に入った瞬間、鏡に映ったAカップ程の乳房と比例した乳輪と乳首に目を点にして呆然と立ち尽くした。 そして大学病院では奇病の特効薬が男性同性愛者のネコということを世間に公表出来ないとして、それを医学的に理論付けるための作業部会が開かれていた。 
 そして目を点に呆然としていた般若が我に返りシャワーの湯を身体に当てた瞬間、床に滑り落ちて排水溝に重なる両足のすね毛の量に再び唖然とその光景に震撼した。 無駄毛処理を毎日欠かさなかった般若はその光景に何か恐ろしい病気に掛かったのではないかと震えが止まらなかった。 

 その頃、会社に出勤していた高野真由美と松田美里は誰も居ない給湯室でスーツ姿のまま抱き合って口付けをしていた。 朝、ベッドで愛し合ったばかりだと言うのに二人の雌ネコは互いの尾っぽを絡めるように両手を互いの身体に纏わり付かせ濃厚な口付けを楽しんでいた。
 そんな美里のスカートの中、パンティーストッキング越しに見えるのはパートナーになり立ての真由美から貰った御ニューの熊さんパンティーだった。 勤務が終わったら仕事用のパンティーを買いに行く約束をしている真由美に甘えるように「今夜も一緒に… ねっ♪」と、愛欲を勧める年上の美里は恥ずかしそうに頬を紅く染めた。 そして二人の勤務する会社の最上階では異変が起きていた。
 
「しゃ! 社長!! どうしたんですか!?」
「え?」
 木目の大きな机を前に椅子に座るハゲ社長に新聞を渡そうと社長室に入ってきた秘書の女性は目を丸くしてそのハゲ頭を凝視した。

「カツラですか~♪ なんか変ですよ~♪ 社長~♪」
 照れ臭そうに頬を紅く染める秘書は黒々とその頭を覆う髪の毛を見て両手を前にしてハゲ頭から視線を社長の目に移動させた。 ハゲの社長である戒名字は「へ? 何が?」と、右手を頭に乗せた瞬間「ヒエェェーーーーーー!!」と、仰天してその場に立ち上がると「こ! これは!? これは!?」と、秘書の方へと近づくと「君! ちょっと確認してくれたまえ!!」と、秘書に手で触らせそして軽く引っ張らせた。
 戒名字は頭に生える黒々とした髪の毛を秘書から渡された手鏡で凝視すると顔色を青ざめさせたが、それ以上に身を凍らせたのは目の前で石地蔵のように固まる社長秘書歴数年の女性だった。 戒名字は手鏡を持ち右手で頭をガシガシと疑いを晴らすように触り秘書はその様子目を点にした。 会社に入社して以来、ハゲ頭しか見たことの無い秘書にとって黒々した頭の社長と「毛が生えた」と言う摩訶不思議な現象は秘書の思考回路を故障させた。
 そしてこの噂は瞬く間に社内中に広まり「見た!」から「見たい!」へと社員達に広まった。 秘書同様にハゲ頭しか見たことの無いという社員達が殆どだった会社で唯一、若き日の社長を知る守衛の男性は廊下を歩く自信に満ちた社長の姿に涙を零して今は亡き先代に手を合わせて喜んだ。 社長のハゲが直ったという噂の広まる中で戒名字は心の中で「麗華様の鮮血が利いたのだ… 麗華様、有難うございます…」と、手を合わせていた。
 生理中の麗華の恥ずべき部分にムシャブリ付いた戒名字はフサフサの発毛を見ては、密かに麗華にこの晴れ姿を見て欲しいと手を合わせた。 そして麗華への恩返しとばかりに病気療養中の浜田健吾について、重役会議召集すると異議を唱える者を押し切って「代表取締役・副社長」へと異例に異例を重ねる人事案を発表したが、重役達の攻勢に「代表取締役副社長・補佐心得研修」と入れることで合意した。 
 だが、社長が何故にここまで浜田にするのか重役達は激しい違和感を抱きつつも、社長には何かの「秘策」があるに違いないと周囲は心の中で思っていた。 そして当然のように浜田の昇格は社長の頭髪同様に社内に一斉に広まった。 冴えない書類整理しか出来ないモスラが何故に猛スピードで昇格したのか社員達は一様に首を捻るだけだった。 
 



【二十三話】



 
 
「代表取締役副社長・補佐心得研修? なんだそれ~♪ あっはははは♪」
 麗華のまま生理が終わるまで待っている健吾はメールで真由美にインフルエンザを伝え、二度目の昇格を聞かされるとその呼称に大笑いしている返信をした。
 そのメールを受け取っている真由美の横には秘書課長の松田美里が居ることを健吾が気付く由もなく、真由美のスカートの中には床に斜屈む美里の両手がパンティーイトッキングにスリスリと滑らせれていた。
 真由美に抱かれ女を教えられて以来、すっかり女同士の愛欲にハマってしまった美里は年下の真由美を「姉」と慕い、真由美は美里を妹と位置づけていた。
 
 真由美のスカートを巻くり上げパンスト越しに真由美の匂いを嗅ぐ美里の両手がスリスリと尻に滑らされ真由美のパンティーを内側から湿らせ、匂いを嗅ぐ美里もまた同様に湿らせていた。
 秘書訓練の個人指導と称して個室で二人きりの美里は真由美の身体の匂いが気になるらしく、隙を見ては何かにつけて真由美の身体にアクセスしていた。

「はぁはぁはぁはぁ… 真由美ちゃん似合ってるわぁ~ とても似合ってる… はぁはぁはぁ…」
 尻へパンスト越しに顔を押し付ける美里は紫色のレースショーツに染込んだ真由美の身体の匂いに息を荒くさせ前側に両手をスリスリと滑らせた。
 真由美は机に両手を置いて身体を支えつつ、膝をガクガクさせ美里の愛欲に吐息を押し殺した。 美里はそんな真由美からパンストとショーツを一度に剥ぎ取るとプルプル揺れる尻を左右に開いて、蒸れに蒸れた真由美の肛門に舌を押し付け滑らせた。
 ほんのり甘くそれでいて酸味と塩気の利いた真由美の肛門にヌルリと押し滑らせた美里の舌に真由美「ああああんっ!!」と、尻を突き出して身体を支える机をガタガタと揺らせた。
 
 その頃、奇病から奇跡の生還を果たした男は肛門から大腸にかけて徹底的に生還した原因究明のための検査を受けていた。 初めはその検査を拒み続けていた男も病院側からの「回復原因を同性愛者との性交によるモノだと世間に公表してもいいか?」と、言う半ば脅迫的な説得に屈服した形だった。
 大勢の医師と看護師に見守られながらも、何故に同性愛者との性交で回復したのか肛門とペニスに内視鏡を入れられそのデータはパソコンに逐一収められた。 そして般若の肛門の中で付着した男のペニスに残った糞汁を採取し電子顕微鏡で調べる一方、男から採取した精液やカウパー支線液も同時にチェックされた。
 そしてスリコギ棒を引き抜くに際して般若から吹き出た糞汁の汚物も検査に回されたが、そんなことなど何も知らない般若は自宅で自分を放置して逃げ去った源五郎への憎しみの念を只管メールに打ち込んで送信し続けていた。
 更に般若は膨らんだAカップの乳房を眼下に、体毛の抜け落ちた足のスネを見て涙を零して「どうなっちまったんだあぁー!!」と、頭を抱えて身体を揺さぶり、プルプルと揺れる乳房に絶望的な叫びを部屋の隅々にブツけた。
 
 その頃、トイレでナプキンを交換していた麗華(けんご)は、出血の量が薄くなってきたことに俄かに笑みを浮かべながらサニタリーから普通のパンティーに下着を替え、ショコラブラウンのパンティーストッキングをヘソ辺りまで引き上げた。
 白無地の半袖ワンピースの裾を元に戻してトイレから出た麗華(けんご)は、真由美と美里が会社の個室で愛欲しているなどと知らずに、携帯から「来週には仕事復帰出来るから」と、メールすると健吾用の携帯をテーブルの上に置いた。
 
「よし出かけるかぁ~!」
 暇を持て余していた麗華(けんご)は、ハンドバックを手にサングラスを掛けマンションを出た。 何処へ行く当てのないブラッと散歩だったが、何かに吸い寄せられるように歩いて二十分ほどのデパートの中、尋ねたのは有名陶器作家の催し物をしていた会場。
 会場に到着した麗華は大した興味の無い陶器に「何故ここへ来たのだ?」と、首をかしげながら「何かに引き寄せられたんだ…」と、足の向く方向へと身を任せた。 張られたロープに従って左側に陶器製品を見ながら目で一つ一つ見るものの足は勝手に進み足の止まった場所でグルリと周りを見回した。
 すると縦百五十センチ、横に百センチほどの大きな箱が気になって引き付けられるようにその箱に近づいた。 紫色の布が掛けられていたその巨大な木箱の前に立ってい麗華に後ろから「御嬢さん…」と、白い髭を鼻の下に蓄えた六十歳代の紳士が立っていた。

 カーネルサンダーのような優しい笑顔の白いスーツ姿の紳士に麗華は心の中で「カーネル」と、名づけ笑顔で軽くお辞儀するとカーネルは「お気に召したモノなどありましたでしょうか?」と、麗華に優しく微笑むと、麗華の右手は麗華の意に反して勝手に目の前の巨大な箱を指差した。 
「この催し物のオーナーでジョン江戸川と申します。 そう。 それですか… それは実は私の作品でないのです。 私を幼少の頃より見守ってくれている、そう。 守り神様のような存在でしょうか… ですから見るだけであれば…」
 カーネルは麗華に囁くと軽くお辞儀して麗華の右横をすり抜け巨大な箱の前にたった。 
「御見苦しいモノでございますが……」
 紫色の布を捲り上げた瞬間、突然の強い光が麗華を襲い麗華はその凄まじい光に顔を左に回し右手の甲で光を遮った。
「なに!? お! 御嬢さんこの光が見えるのですか!? 見えるんですね!! この眩しい光があ!!」
 凄まじい光に顔を背けた麗華にカーネルは歓喜な大声を上げて紫色の布を持つ手を離し元に戻すと、麗華を照らしていた光はサッと消えた。
 カーネルはそんな麗華の前に立ちはだかって満面の笑みを浮かべると一人でガッポーズした。 そして麗華に文具の下敷きを手渡すと「もう一度ごらん下さい」と、紫色の布を捲くり上げた。
 麗華は正面から箱の中を見つめると、中には箱とほぼ同じくらいの石か陶器で出来た大きな土偶が姿を現した。 麗華は何故かその奇妙なそして巨大な土偶の前にまるで足に根が生えたように固まってしまった。
「何!? 今… 目が動いた! 確かに目が動いて私を見ている!? キャァー!」
「だ! 大丈夫ですか!!」
 麗華は動く土偶の目が自分をジロジロと見ていることに気付き、驚いて離れようとしたが足が動かずその場に尻餅を付き、カーネルは尻餅ついた麗華を気遣った。
「今! 今! 土偶の目が何度か動いて私を見たの! 怖い!!」
 カーネルの手を借りて立ち上がった麗華は未だにジロジロと見ている土偶の目に思わずカーネルに抱きついた。 そしてカーネルは思わず「この土偶が生きていることに気付いたのは四十年間で私を入れて貴女で三人目だ……」と、顔色を真っ青にし直ぐに喜びの笑顔に変わった。 
「元々この土偶は陶芸を営む私の父親の何十代前から伝えられていたモノでしてね。 まあ、我が家では家宝としてそして守り神として奉っているのですが、私の代に入ってからはこうして催し物を行うたびに一緒に連れて歩いているのです。 私が初めて土偶の光を見て生きていることを知ったのは思春期の頃でしてね~ まあ、私にも青春はあったのでしょうか。 土偶が生きていることを知る貴女は貴重な二人目の方ですから正直に話しますが、山間の小さな村で育った私がまだ中学生だった頃、好きだった同級生の女の子の乳バンド。 まあ、今で言えばブラジャーでしょうかね♪ 盗んだことがありまして。 盗んだと言っても正確にはゴミ捨て場から拾ってきたんですが。 好きで好きでどうしようもなかった割りに告白する勇気が無いままにその恋は終りましたが、彼女と一つになれる気がしてブラジャーを身に付けたことがあったんです。 そして欲求を満たしてもいたのですが、ある日のことこの土偶のある土倉の中で土偶の目にそのブラジャーのカップを当てて見たんですよ。 その瞬間、土偶から今、貴女が見たままと同じ… それからと言う物、私は色恋を他所に土偶に魅かれまくりで、生きた陶器をこの手で作って見たいとこの年まで独り身を通して参りました…」
 陶芸家のカーネルは聞きもしない赤裸々な話しを麗華に聞かせたが、麗華は目の前の紫色の布で覆われた土偶と乳房として胸に埋め込まれているヌーブラが何らかのコンタクトを取っている。 そんな妙な感覚を覚え何故かこの薄気味悪い土偶が欲しくて欲しくて仕方ない欲求に駆られた。
 麗華はカーネルに土偶を売って欲しいと率直に頼んだが早々に断られ、悪いと思いつつ「それならば」と、サングラスを外した! その瞬間、カーネルは「はい解りました… 無料で差し上げます麗華様…」と、言うのかと思いきや「心苦しいのですがそれは出来ません… この土偶は私にとって命なのです」と、麗華に元気ない返事をした。 
 
「そんな… 私の魅力が通じないなんて…… この人は同性愛者か……」
 ならば時折尋ねても良いかとカーネルに申し出るとカーネルは「喜んで♪」と、満面の笑みを麗華に見せ名刺の裏に携帯番号をしたためてくれた。 一見、モテそうな六十代の紳士、カーネルが同性愛者だっことに麗華はガッカリして陶器会場を立ち去った。 
「元に戻ったらヌーブラに聞いて見よう… あの土偶とヌーブラとの関係を… まさかヌーブラは土偶のアイマスクだなんて言わないだろうけどね♪」
 腹の空いていた麗華はそのまま階を買え空腹を満たそうと店に入り中華丼を注文し、出てくるまで雑誌を手にヒラヒラと捲っていた。
「宇宙人? オカルト? 謎の絶世の美人は誰なのか!? そして奇病患者続出。 警察は捜査に乗り出したが突然の捜査打ち切りに関係者は何故??? 公安庁は捜査を継続??」
 週刊誌の本文中に麗華のことを書いた記事があって中華丼が来たことにも気付かずに読み続け、レンゲを手にして食べながら熟読する麗華をカウンターの中の厨房にいた数人の男性がチラチラと気にかける。
 
 そして記事を読み終えた麗華が冷めて食べやすくなった中華丼を一気に腹の中へ納め水で喉を潤した瞬間「失礼ですが…」と、突然後ろから声を掛けられた。

「公安庁… 国の役人なんですがこの女性は貴女ではないですか?」
 後ろから声をかけた公安庁の捜査員は左右に分かれて取り囲むように麗華の右側から似顔絵を出して麗華に見せた。 麗華はその似顔絵を見てから無言でサングラスを外そうとすると、左側の捜査員は「ああ、そのままで結構です。 サングラスを外されると我々も困りますからねぇ♪」と、サングラスを外そうとする麗華を制止した。
「私かどうか解りかねますが…」
 麗華は落ち着き払ってそう答えると、捜査員たちは店員に店を閉めるよう離れた場所で伝えた。 麗華は右側の捜査員に「私が何か罪でも犯したのでしょうか?」と、微笑して首を右側に捻ると捜査員は麗華が読んでいた週刊誌を指差して「我々は警察ではありませんが捜査の権限は総理大臣から頂いています…」と、冷静な口調ほ麗華に返すと、麗華は「お電話、宜しいですか?」と、左側の捜査員に申し出た。
「私です。 少々困ったことが…」
 麗華は携帯で居場所を伝えると数分でデパートの周囲をケタタマシくサイレンを鳴らした数百台のパトカーと機動隊が取り囲んだ。 そしてあれよあれよと言う間に麗華のいる場所に何人もの警察署長が集結し、それを見た麗華は咄嗟に立ち上がってサングラスを外した。

「麗華様! 麗華様ああぁー!!」

 突然店の中に拳銃を持って押しかけてきた大勢の警察官に公安庁の捜査員は仰天し、自分達を包囲する刑事と東西南北の警察署長たちに震撼し怒鳴り声を上げた。
 そして立ち上がった麗華の素顔を見た瞬間、石地蔵のように固まった公安庁の捜査員の間から「ぬうぅ!」と、出てきた女性捜査官は拳銃を麗華に向けると「麗華様! 伏せて!!」と、誰かの大声がして突然「パアァーン!」と、言う発砲音とともに女性捜査員の手から拳銃が弾き飛ばされた。
 咄嗟に身を縮めた麗華の横で手を出血させる女性捜査員は鋭い眼光を麗華に放って、悔しそうな顔をすると麗華は女性捜査員に「私が犯した罪を明確にして下さい。 さもないと彼らが貴女に何をするか解りません!」と、甲高い声で怒りを露にすると「そだそだそだああ! 麗華様は何もしていなあーい!」と、包囲する警察官とさっきまで麗華を圧迫していた公安庁の捜査員が一斉に手を汚した女性捜査員を攻め立てた。

「私はこれで失礼していいかしら? 総理大臣に伝えて頂戴。 今後も私を付け狙うなら国を挙げて来ないと大変なことになると…」
 麗華は毅然として女性捜査官に低い声を放つと周囲の男達から「パチパチパチパチパチ」と、大拍手が巻き起こった。 
 そして麗華はそのまま店を出ると大勢の警察官に護衛されデパートの前からパトカーで自宅近くへと送られた。
 
 サングラスを掛けた麗華は一人、失禁していることに気付いて公衆トイレに入ると小便を吸いすぎたナプキンを取り払って、送ってきた警官を巻いて自宅マンションへ到着すると恐怖からソファーに身を投げ出して大声で号泣した。
 こんなこともあろうかと事前に東西南北の警察署長と関係を持っていた麗華だったが、流石に拳銃を突きつけられた恐怖は簡単には消えなかった。 これを期に公安庁は警察に続き捜査の打ち切りを宣言したがマスコミは警察と公安庁を叩くことはなかった。
 



【二十四話】




 
 深夜の二時、自宅寝室のベッドで寝ていた麗華は何やらとてつもない眩しさに睡眠を妨げられ目を覚ました。 それは太陽の数倍はあろうかと言う眩しさで瞼を開いた麗華は咄嗟に枕に顔を埋めたほどだった。
 すると枕から入り込む光はドンドン麗華に近づいてきてピタリとベッドの端っこで止まった。 そして麗華が枕で顔を隠したまま「眩しいいぃー!」と、甲高い声で叫んだ瞬間、目の眩むような光はピタリと治まり室内に暗さが戻った。
 そして麗華が枕を顔から少しずつ引き離し暗さに目が慣れるのを数秒間待つと、突然「ドスンッ!」と、ベッドの端っこが低い音を立てた。 麗華はその音に「もしかしたら…」と、瞼を閉じたまま上半身を起こして両手で探りを入れた。

「あっはははははは♪ よせ♪ くすぐったい! あっははははは♪」
 声のような音のような、ウルトラマンに出てきたバルタン星人のような声が麗華の部屋の空気を大きく震わせた。

「誰? もしかして土偶ちゃん? ねえ土偶ちゃんでしょ?」
 麗華は両手でふくよかな体系のザラついた石の感触に思わずそう呼ぶと瞼を少しずつ開いて暗闇に慣れた目を開いた。
 月明かりにボンヤリと浮かんだ二頭身に、ヌーブラを被せたくなるような大きな目をした土偶が麗華のベッドの端っこに立っていたこちらを見ていた。
 
「どうしたの? こんな真夜中に… てか良くこれたわね~♪ そんな形でぇ♪」
 麗華は、ズングリムックリと見た目がとても可愛い土偶の傍に近寄って、笑みを浮かべてペタペタと冷たくて気持ちいい土偶を軽く叩いた。
 すると土偶は「ズズッ… ズズズズズズツ…」と、カーペットの上で身体を重そうに引きずって麗華の方に姿を斜めに向けると、細い目をパッチリと開いて硬く閉じた口をニッコリさせた。

「ワシは土偶という名ではない。 それはお前達愚かな地球の動物が勝手に付けた名… 地球より遥か数千光年の惑星から数千年ほど前に飛来しお前達に文明を伝えた。 乗って来た乗り物が壊れお前達に直させようと文明を伝えたのにお前らときたら一行に上達せん。 そればかりか勝手にワシラを大昔の動物(にんげん)と勘違いし歴史を捻じ曲げた… まあ、それは良いとして御主は何故、人間のメスのフリをしているのじゃ? お前の胸に着いておるのはワシら惑星でお前らのような形をした生命体で普段は召使として仕えている動物のメスを増やすために作られたモノ… メスは弱くてのおう、直ぐに死んでしまうから逆に殺しても死なないオスをメスに変えて腹に子を宿させるために作られた変性器なのじゃ…」
 土偶は淡々と目の前にいるであろう麗華に話し聞かせたが麗華は土偶が話している間、寝室から出て台所に居た。
「ぬうぅぅぅ… くそ! 馬鹿にしおってえぇ… 何処へ行っておった! ちゃんと人の話しを聞けと親に教わったろうに… これだから人間は… ブツブツブツブツ…」
 土偶は悔しそうに愚痴を零すと寝室に戻って来た麗華から缶ビールを貰い、突然嬉しそうにニッコリと笑って一口飲んだ。

「で!? 何処まで話したの? 土偶ちゃん♪」
 何も聞いていない麗華はビールを美味そうに飲む土偶の頭をペタペタと叩いて軽く撫でてやると、土偶はニッコリして麗華にお代わりを頼んだ。

「もう飲んだのぉ~♪ 面倒臭いなぁ~ だったらリビングへ行きましょう。 お抓みもあるし♪ 食べれるんでしょ?」
 土偶は麗華の誘いに二頭身で頷くと、ニッコリして寝室をドスンドスンと跳ねて移動した。
 そしてリビングに来ると麗華に渡された缶ビールを喉に流し込み、出されたイカの燻製をムシャムシャと頬張った。

「この惑星に来て… こんなに親切にされたのは久しぶりじゃぁ… ぅぅぅぅぅうう… ヒックッ!」
 突然涙ながらにソファーに座ってビールを飲む麗華に語る土偶は大きな目から巨大な涙を床に落とし、麗華はそれを見て慌てて手拭いを大量に持ってきた。
「ねえねえねえ! 土偶ちゃん泣かないで貰える? タオルが足りないよ~~♪ ね♪ いい子だから泣かないで~」
 水浸しの床を斜屈んでスリップ姿で拭く麗華の、尻と太ももをニヤニヤして見つめる土偶は泣き止んでいた。

「御主… 中々いい脚と尻をしとるのおぅ~ グッフフフ♪ 変身する前はどんな男だったかは別としても実に美味そうな良い身体をしちょる♪」
「キャァ! こ! こら土偶! てめぇ下手に出てりゃあいい気になりやがって! うわ! な! 何する! こら!」
 嫌らしい口調で麗華の身体を舐めるようにニヤニヤして見いる土偶に麗華が立ち上がって雑巾代わりに使ったタオルを振り上げた瞬間、突然麗華の身体は自由を奪われ、それが土偶の仕業だとピンと来た麗華は土偶を睨み付けた。
 土偶は立ったまま動けなくなった麗華に近づくと、二頭身の身体の全身を揺らせて麗華の左太ももにスリスリした。

「痛てええぇぇー!! やめろ! やめろ土偶! 肉が肉が引き千切れるうぅー!」
「ハッ! す! すまん! 忘れておったわい石のままじゃった! ならばそれえぇ! パッ!」
 麗華は壮絶な痛みに叫び声を上げると、その声に驚いた土偶は石のままだということに気付いて突然、白い煙を立てて変身した。

「ナハハハハ♪ お前らの文明では確か、こうして変身するのが美徳なはず♪  どうじゃ今の変身ぷりは♪」
 意味不明なことを言って照れ笑いする土偶は、一瞬のうちに白い煙の中からその可愛らしい姿を絶世の美男子に変え麗華を驚かせた。 そして麗華はその姿に女心を熱くたぎらせた。 
 
「これで良しと♪ あとは傷ついた箇所を直さんとな♪ チチンプイのプイ!」
 絶世の美男子に変身した土偶は再び大昔の漫画の魔法を唱えると麗華の傷は一瞬して癒え、触手していないはずの土偶の右手から凄まじい官能が麗華の脳を直撃した。
 麗華はその瞬間、床に崩れ落ちアヒル座りしてパンティーの内側を大量の愛液でグッショリと濡らした。 そしてそんな麗華の前に片膝を床に付いて斜屈んだ土偶は「すまんすまん続きはベッドするか~♪」と、麗華を見つめた瞬間、麗華は切なそうな顔して土偶に立たせてもらうとさのまま寝室へと移動した。
 
「飲み食いさせてもろおた礼にお前を天国に導いてやろうかのおぅ~♪」
 ベッドに仰向けになった麗華に跨った土偶は身体に触れることなくスレスレを広げた両手でフワリフワリすると、その途端に麗華は全身の隅々を一度に舐められている壮絶でそれでいて重圧で柔らかい舌触りに気絶寸前、パンティーの内側は愛液で溢れ全身をヒクヒクさせ物の一分もしないうちにエクスタシーに達してしまった。
 それどころか土偶がそんな麗華を見てニヤリと笑みを浮かべ再び手かざしをすると、麗華は全身の表面と身体の内側の表面を一度に数万の舌で舐められている、そんな恐ろしいほどの快感に失禁して気絶してしまった。 
 そして麗華が気絶している最中、土偶は麗華から剥ぎ取ったパンティーの匂いを嗅ぎ舐めた後、大きく開かせた両脚の真ん中に舌を押し付けて味わい始めた。 その瞬間、失神しているはずの麗華はその壮絶な快感に無理やり目を覚まさせられ悲鳴をあげ狂乱して悶えた。
 土偶は「グフグフ」とその容姿からは想像も出来ない音を喉で鳴らし、開いた麗華の割れ目を血走った目で見入り、ベッドが壊れんほどに汗だくの麗華は髪を振り乱して悶え狂った。 そして数分間の間に数十回を数えるエクスタシーは麗華に白目を剥いて意識を完全に喪失した。
 
 翌朝、麗華は数日間走り続けたごとくな激しい疲労と凄まじい体力の消耗に瞼を開くこともままならないほどだった。 そしてうつ伏せになって寝ていた麗華が数分かけてようやく瞼を半分開くと、自分と一緒に添い寝する二頭身の土偶に目を大きくさせた。 ベッドはその重みで土偶の側に大きく沈み麗華を押しつぶす気配は無かったが、麗華は恐怖に全身を震わせ這うようにしてベッドから床に下りて非難した。
 そして床に這い蹲ったまま全裸でジリジリと前進しベッドから離れた瞬間、ベッドは「ドスン!」と大きな音を立てて土偶の重さで破壊された。 麗華は全裸のまま身体を横に転がし両手で椅子に掴まると顔を歪めて「ウッガアアアアアー!」と、叫びながら椅子に座ることに成功した。
 そして椅子に腰掛けた麗華は壊れたベッドの真ん中で床に寝ている土偶を睨み付けながら椅子の肘掛を掴んで「ウガアアアアー!」と、再び叫んで立ち上がった。 するとそんな麗華を仰向けで目だけ動かして「ジィーッ」と、見入る土偶が「おっはようさーーん♪」と、声だけ出して再び眠った。
 そんな土偶を見て苛立ちを覚えた麗華は傍にあった掃除機の枝を土偶目掛けて投げつけた。 だが貧弱な力故に枝は「スコーン」と、軽く土偶を掠めただけだった。 ところがそれが気に喰わないと土偶は突然、ベッドを粉々に壊して「ゴロゴロゴロゴロ!」と、麗華へと転がって向かってきた。

「ひっ! ひえええぇぇぇー!」
 脚の動かない麗華はその場の椅子に座って叫びながら両脚を両手で持ち上げると、転がって来た土偶は椅子の直前で「ピタリ!」と、止まって仰向けのまま目だけ動かしてジロリと麗華を見た。

「どしたの? 麗たん…」
 その言葉に麗華は思わず両手で持ち上げていた両脚をどく土偶の顔にペタリと降ろした。 その瞬間、土偶は「ニヤアァ~♪」と、笑みを浮かべて麗華の両足をそのまま口に入れてシャブリ始めた。

「ひいいぃぃーー! やめ! やめ! やめろおおおぉー! あっひゃひゃひゃひゃ♪ ひいぃー! あっひゃひゃひゃひゃ♪」
 口に両足を入れられシャブラれた麗華は動くことで出来ずに顔を歪めて椅子に座ったまま狂ったように笑い踊った。 そして麗華の両足をシャブル土偶はこの世の春とばかりに満面の笑みを浮かべて「チュパチュパレロレロ」と、耳障りに音を出してシャブリ続けた。
 
「もう! もうやめろおおおおぉぉー! あっひゃひゃひゃひゃ♪」
 麗華の叫びに土偶はピタリとシャブルのを止めると口を開いて麗華の足を解放すると、再び麗華の方に目だけをジロリと向け「ニンマリ♪」と、笑みを浮かべた。 その笑みに麗華は戦々恐々と嫌な予感がした瞬間「ゴン!」と、麗華の座る椅子を土偶の身体が半転がりで直撃した。

「ああっ! ああぁー! ああああああーーー!!」
「ドスンッ! キャァー!」
 椅子が押されてバランスを崩した麗華は逃げようと上半身を左側に半反りした瞬間、後ろへと尻餅付くように転げ落ちた。 そして次の瞬間! 麗華の下半身に激しい異変が起き凄まじい快感が麗華を襲った。

「ひいぃー! ひいぃー! ひいいぃぃーーー! あひぃあひぃあひいいぃぃー!!」
 麗華は狂乱のごとくな髪を振り乱してヨガリ声を発した瞬間、我が身が尻からスッポリと土偶が開けた巨大な口の中に入っていることに気付いて上に出ている膝下(あし)をバタ付かせて抵抗した。 麗華は股間と尻と裏モモを同時に「ベロンベロン」と、舐める巨大な土偶の舌に恐怖と激しい快感に絶叫し悶えた。
 土偶の口は身体の何倍にも大きくなり口の中にハマッタ麗華の下半身を大きな舌から何十本もの小さな舌が「ウネウネ」しながら「ピタピタ」と、麗華の肌に密着し「レロレロ」と、独立した動きで麗華を味わって舐め回し、麗華はその何十本もの舌と底辺で尻を舐める巨大な舌の動きに口からヨダレを垂らして恐怖と快感を重複させた。
 そして快感と恐怖に狂乱する麗華の身体は何十本もの土偶の舌に上半身をも絡み付かれ、乳房と両腕の脇の下と首から下には恐ろしいほどの舌が平たいヘビのように密着し個々に舐め回して味わっていた。 麗華の全身は土偶の唾液に塗れ、どの舌がどう言う動きをしているのかさえ解らないほどにヌルヌルと絡みつかれていた。
 麗華は首をユラユラさせ意識なくそのまま土偶に全身を味見され両手もダラリとぶら下がったまま、ピクリとも動かなかった。 それが二十分ほど経過した後、麗華に味もにおいもなくなったのか土偶はピタリと動きを止め「ペッ!」と、吐き出すように麗華を口から放り投げて、椅子の上にウルトラCのごとく座らせた。
 すると土偶は「えぇ味やったわい♪」と、顔を元の大きさに戻して「スウッ!」と、水平から垂直に立ち上がると、椅子に座る麗華の乳房に「なぁ~ シモーヌ♪ そろそろワシらの惑星(ほし)に帰らんか~? 宇宙に出れば地力で戻れるけぇ、種子島へ行ってちょっくら乗せてもらおうかとおもっちょーよ♪ そけともその男の方が住み心地ええのんかいな~♪」と、心配げな声を出した。
 土偶の声に気絶している麗華から乳房が半分ペラリと捲れると「おらぁ~ もう少しこの人間と遊んで居たいのおぅ~」と、乳房に変化したヌーブラが、丸い目だけをチョロッと、カニのように出して土偶に声を発した。 すると土偶は「次の種子島のロケットには乗ろうかと思ってるでなす~」と、不安げに呟くと「次の種子島発にオラも一緒に乗るだぁ~ 一緒に連れて行ってくんろぉ~」と、日本昔話的な発音を発した。
 そう言うとヌーブラはピタリと麗華の胸に張り付き、土偶は「ドスンドスン」と、一人でリビングのテレビの横に立つと土偶らしく目を閉じて動かなくなった。 そしてそれから数時間後、気のついた麗華は立ち上がると床に崩れて再び深い眠りに付いた。




【二十五話】




 身体の自由が利くようになった麗華はリビングのテレビの横にドカンと立つ大きな土偶の前に座り、孫の手でグイグイ押して遊んでいた。
 青いマイクロショートパンツにボタン付きの半袖シャツで身体を包む麗華は、床に胡坐して前かがみになって起きろと言わんばかりに押した。
 すると土偶は薄っすらと目を開け「まだ起きる時間ではない」と、再び目を閉じると麗華は土偶に「そろそろお昼だから! 土偶ちゃんはお昼は要らないの!?」と、土偶の硬い頬をグイッと押した。
「何を食するつもりなのかのおぅ?」
 土偶は麗華の言葉にパッと目を開いた土偶はジィーッと麗華を細い目で見入った。
「人間になってくれれば何でも食べれるところへ行けるわ♪」
 デカイ土偶の顔に自分の顔を近づける麗華は出掛けようと言わんばかりな顔して首をチョコンと傾けて見せた。
「ワシはこの様に石で出来ておるから底冷えするでのおぅ、何か熱い物を食したいのおぅ…」
 土偶は目を細い閉じて考え込むと手を伸ばして麗華の手に触るとヒンヤリした体温を麗華に伝えた。
「よし! ラーメン食べに行こう♪ ラーメンなら美味しいお店があるぞおぅ~♪ ところで土偶ちゃん、ジョン江戸川さんの方はどうなってるの? まさか家出した訳じゃないんでしょ♪」
 大きな目をした土偶に視線を合わせるとラーメンと言う言葉に一瞬笑みを浮かべたものの、ジョン江戸川の名を出した途端、ギクッとした表情を見せた。
 土偶の話しに依ればジョン江戸川は土偶を普段は扉を何重にも重ねた暗い倉庫の奥深くに入れ滅多に見に来ることなく、土偶を御本尊だの守り神だのと言う割には儲けさせてやっても蒸かし芋しか供えることなく時折、こうしてエスケープしては気晴らしをしていたと言う。
 故に土偶は田舎の町外れで地蔵のフリをして町人が間違えて供える団子や菓子を食べて生きていたと言い、半ば乞食同然の暮らしを何千年もしてきたという。 そんな話しを聞かされた麗華は他人事とは思えずにホロリと涙を滲ませた。
 
「変身! とおぉー!」
 白い煙を出して土偶は得意の変身を麗華に見せ付けると麗華は嬉しそうに拍手して土偶は恥ずかしそうに照れて赤面した。
 絶世の美男子に変身した土偶はガニマタでヒョコヒョコ歩くヒョウキンさを麗華に見せると、麗華は土偶に健吾(じぶん)の服を着せてマンションから腕組して外へと出た。
 
「ねえ、土偶ちゃん。 今だけ私のこと世界中の人の記憶から消してもらえないかな~ 出来るでしょ♪ 出ないと追いかけられて御飯どころじゃなくなるし♪」
「了解!」
 土偶は歩きながら時折ガニ股になってそれを麗華に直されつつ、指パッチンして麗華に視線を合わせニッコリと笑みを見せた。
 麗華が土偶を連れていったのは麗華のお気に入りのラーメン店で平日の早い時間帯もあってすんなり店内に入れた。 土偶は初めて見る店内にキョロキョロと田舎者を演出し、調味料を手にとっては便底を目に当てて望遠鏡のように覗いたりズルズルとラーメンを食べる他の客を見ては「ダラシナイのおぅ…」と、呟いた。
 
「いい。 土偶ちゃんお箸はねえ~」
 目の前に来た二つのラーメンを不思議そうに凝視する土偶に、箸の使い方を説明する麗華とラーメンをチラチラと見往復させる土偶は首を傾げながらも数秒で箸をマスターした。
「こうして、ふぅ~ ふぅ~! して食べるのよ~♪」
 麗華を見よう見真似で箸を使う土偶は一口ラーメンを食べた瞬間、大きな涙を床に「ボタッ!」と、落として「美味い!」と、呟いて泣いた。
 その光景を見ていたラーメン店主の井坂重蔵は全身を震撼させ口元を押さえると、顔を傍にあった鍋で隠し、ポロボロと大粒の涙を床に落としてラーメン店として勝ち抜いてきた我が身の人生を振り返った。
 土偶はラーメンを一すすりする度、スープを飲む度に涙声を震わせ「こんな美味しいモノが地球にあったとは…」と、感動を麗華に呟き、それを見ていた井坂重蔵は太い眉毛を眉間に寄せて「俺のラーメンが地球一とは!」と、店員達の見ている前で床に泣き崩れた。

「オーナー! オオーナァー!」
 泣き崩れる店主に寄り添って男泣きする店員達は、口々に井坂重蔵を心から労った。 

 そんなこととは全く知らない麗華と土偶は汁一滴残さずにラーメンをたいらげると、カウンターの中にいたオーナーの井坂重蔵は麗華と土偶の前に来て「人生最大の喜びです!!」と、二人の前に土下座して泣き、麗華は何かに巻き込まれてはと、逃げるように土偶をつれて店を立ち去った。
 その後、麗華は土偶を連れて街中に食物屋を数件ハシゴしたが変身したとは言え元々からだの大きい土偶は、その喰いっぷりで麗華を楽しませタクシーに乗れば乗ったで土偶側に車が傾き運転手は顔色を真っ青にさせた。 
 
 そして夕方の暑い西日を涼しいカフェで過ごした麗華と土偶はビルの屋上を利用したビアガーデンにその身を置いた。 屋上の角側の席に陣取った二人はジョッキ生で乾杯すると腹の満たされていた土偶は豪快な飲っぷりで周囲の客達の目引き続けざまに三杯を片付けた。
 ラッパスピーカーから流されるノリノリのトランスに肩を左右に揺らし四杯目を半分ほど空けた土偶は、出された空揚げをムシャムシャ口に入れ「ドスドスドスドス」と、足を床に叩いて御機嫌をアピールしたがいつの間にか周囲の注目の的になっていた。
 鉄筋コンクリート製のビルの屋上がスピーカーのように土偶の足音で重低音を響かせ、テーブルの上を足音に合わせ「カチャカチャ」と、食器を鳴らし椅子に座る客達は呆然とその音の音源を目で辿った。 静まり返った空間がたちまち広がり周囲の視線を一身に受ける土偶は気付かずに楽しげに音楽に乗った。
 そしてその静けさが延々と続いたあたり、一人のスーツ姿の若者が「ドンドンドンドン」と、鳴り響く床の上に立ち上がっテトランスダンスを始めた瞬間、両手の親指を星空に舞い上がらせ「フイィーーーバアァーーー!!」と、ケタタマシイ叫び声を放った。 
 その瞬間、周囲は突然「フイィーバァーーー!」と、男も女も客も店員も総立ちして土偶の放つ靴音にノリノリのダンスを始めた。 その背筋がゾクゾクする光景は麗華を感動させたが、当の本人である土偶は空揚げを食いながらジョキを「グビグビ」と、煽り音楽が替わっても足音で屋上を叩き続け周囲を楽しませた。
 
 キラキラと光る星空の下、周囲には人間に見える土偶も地球にきて大いに楽しんだに違いなかった。

 そして散々飲み食いしてビルから降りる頃には麗華はホロ酔い気分で土偶と腕組してタクシーを拾ったが、二人を乗せたタクシーは言わずと知れた後輪がパンクするのではと言うほどに沈んでいた。
 ルームミラーに映るスリムな男女二人を運転手はチラチラと見ながら後部座席が異様に下がった車を走らせた。 そして二人が降りた瞬間「フワリ」と、元に戻った車に運転手は真っ青になってその場から逃げ出した。
 土偶に寄り添う麗華に土偶は毅然として帰るべくマンションを目指して只管歩きマンションの入り口まで来ると、突然土偶は麗華を突き放して車道側にクルリと身体を回した。 麗華は植樹に寄りかかって「どしたの?」と、土偶に話しかけた瞬間、土偶は直立のまま頭だけを下げた。

「オエェェー! ウエェェー! オエエェェェー! オエッ! ウェッ! ゲロゲロゲロゲロ…」

 想像を絶する臭気が辺りに立ち込める中、凄まじい量の胃の内容物が勢いよく滝のように土偶の口の中から車道へ数メートル飛び、土偶は人間の身体と土偶本来の身体がタブついて見える現象を傍にいた麗華に見せ、その凄まじい臭気に麗華もシラフに戻ったかのようにマンションの方へと逃げだした。
 道行く人は車道に物凄い勢いで滝のように嘔吐する土偶に、化け物でも見るかのごとくな顔して口元をハンカチで押さえ逃げ出し辺り一帯は生ぬるい酸味を帯びた独特の刺激臭で覆われた。 ジョッキ数十杯の量の生ビールと二十人前のツマミは星空の下の綺麗な車道を奇妙な色で覆った。
 土偶と一緒にいたら大変なことになると麗華は「先に戻ってるからねえー!」と、言い残し一人でマンションの自室に慌てて戻り窓から地上を眺めると、土偶の水源として片側四斜線の車道は下水管でも破裂したかのように変わり果てていた。
 
「ほっといても勝手に戻るだろう…」
 麗華は嘔吐している土偶をそのままにして汗を流そうと風呂場へシャワーを浴びに行き脱衣場で、月のモノが終っていることに気づいた。
「これで男に戻れる♪」
 ホッとした麗華は取り敢えず女の身体を丁寧に洗い終えると熱い湯に身体を浸し、土偶とのデートを振り返って思い出し笑いを延々。 そしてそろそろ戻った頃だろうとシャワーを終えた麗華は脱衣場で乳房の左脇の手前に右手の指を食い込ませ軽く引いた瞬間、麗華は健吾(おとこ)に戻った。
 すると土偶の嘔吐(ヘド)どころではないトンデモナイ臭気が眼下から広がり、健吾は思わず「オエェー!」と、出たばかりの風呂場へと逆戻りして鏡に映して見ると、胸は垢に塗れ発酵状態にあることを知って、健吾は慌てて温い湯で一週間近くも蒸れに蒸れた胸を洗い始めた。
 
「おかしい… いつもなら痒くて仕方ないのに何で今回は… 何かが変だ…」
 泡だったスポンジで湿疹したように赤く広がっている胸を綺麗に洗い流した健吾は、脱衣場の棚に置いたヌーブラに「ゴメンな…」と、声をかけるとフルチンのまま洗面台へ移動し、ヌーブラ専用の洗剤で汚れを丁寧に洗い流しリビングへと持ってきた。
 そして健吾は衣裳部屋で男物のトランクスで股間を隠すとそのままリビングの窓から地上にいる土偶を探した。 だが土偶は嘔吐していた場所には見当たらず「ジョン江戸川の家に帰ったのかな…」と、窓辺から離れて台所に移動した。

「何やってんだよお~! あっはははは♪」
「すまんな。 口あんばいが悪い時は梅干に限るな…」
 台所の冷蔵庫の前に正座する土偶は買い置きしていた梅干を口に入れて、酸っぱそうな顔して呆れる健吾を大笑いさせた。 

健吾:それより土偶も風呂に入るなら入っていいぞ♪ 
 梅干を貪り食う土偶の肩をペタペタと軽く叩いた健吾。

土偶:薄気味悪いでのぉ。 触るでない。 男のくせに。
 首をグルリと斜め後ろの健吾へ回して細い目で冷ややかに言い放つ土偶。

健吾:あのなぁ! さっきまで仲良くしてただろ。 全く何を考えてんだか。
 土偶に言い放った健吾は土偶の頭をグイッと邪魔とばかりに押して、冷蔵庫から冷えた麦茶を出して飲むと、土偶は麦茶をジーッと見つめた。

健吾:土偶も飲むか♪
 ペットボトルを土偶に差し出す健吾。

土偶:要らん。 男の口を付けたモノなど病気になるわい。
 差し出したペットボトルを健吾に押し返して、最後の梅干を口に放り込んだ土偶はヒョイっと立ち上がると「スッ!」と、直立したまま数センチ宙に浮いてリビングへと移動した。

健吾:お! お前、宙に浮けるのかあぁー!? 
 目を大きく見開いて仰け反る健吾は、ペットボトルを持ったまま土偶の後を付いてリビングへ移動した。

土偶:健吾。 少々疲れたでの。 少し早いが休ませてもらうぞ。
 健吾を前にしてテレビの横に移動した土偶は床に下りるとそのまま細い目を閉じて動かなくなって、健吾はソッと近づくと土偶の鼻を「ツンツン」と、つついたが土偶は起きなかった。
 そんな健吾を後ろから見ていたヌーブラは土偶同様に宙を舞って健吾の後ろから「ヒョイッ」と、健吾の頭に降りて健吾を驚かせると「スウッ」と、頭から降りて健吾の顔の前で浮いて見せた。
 
健吾:ヌーブラも飛べるのか!? てか、本当は話せるんだろ? 
 ヌーブラは健吾の顔のまん前でプカプカ浮きながら頭を下げて頷くようにして見せた。 そして「スゥーッ」と、床に着地すると「ポンッ!」と、小さな音を出して白い煙を立てて見せた。
 健吾は目の前に立つ四十センチほどの背丈の埴輪(ハニワ)を前に「ニッコリ」と、笑みを見せて胡坐して座ると「初めまして♪ かな~♪」と、頭を少し下げて見せた。

埴輪:ごめん… 騙してて… これが本当の僕の姿だよ。 因みに男だよ。
 薄茶色の身体で出来た身体と円らな瞳の埴輪は、モジモジしながら俯いて話すと健吾を見上げた。




【二十六話】





「君が土偶と呼んでいる積極的な彼はこの原始的な惑星で生きるために地蔵になったり家宝になったりしてたんだけど、僕は彼ほど積極的ではなくどちらかと言えば消極的でね。 行動派の彼とは違って僕は臆病でいつも何かにしがみ付いてないと不安で、それで君の身体に一体化させてもらってたんだ。 こま惑星の動物達(にんげん)は互いにちゃんとした性別を持ってるのに他人の性別を羨む癖があることを知った僕は、女に成りたがっている自分の性に不満を持ってる男に同化することを決めたんだ。 自分は病人だと思い込んでいる男にね… 最初は女の方にパンティーとして、まあ昔は腰巻とか言ってたけど。 でも我慢できないほど辛かったんだ… 土偶のように女好きなら良かったんだろうけど、僕はそっち系は弱くてね… 結局、女の陰部の刺激臭と言うか、早い話が臭くてさ… それが辛くて辛くて。 昔はブラジャーと言うものが無かったならね。 昔も居たんだよレズってのが… でもヒョンなことから毎日、来る日も来る日も平らな胸を密かに揉んでいる男の子を見つけてね。 その子はお椀を紐で繋げて女の乳房に見立てて女物の着物を着ていたんだ。 僕は直ぐにそのお椀に変身して男の子の胸として一体化を始めたんだけど、副作用ってのだったんだよ。 男の子は君が経験したような痛い思いの後、男の子が理想とした女に生まれ変わった。 そして次々に男達に抱かれ女の喜びに時間を費やしたんだ。 だけどその内にだんだんと男の本能が出てきて女になった自分を男の自分として抱いて見たいと言う、君と同じ病魔に犯されたんだ。 でも当時の僕はまだ副作用のことが余り解ってなくて彼の願いを叶えて上げられる力もなくてね。 結局彼はお椀に業を煮やして捨ててしまったんだ。 それから次に僕を見つけた人が居たんだが、紐で繋がったお椀を見て何だろうと色々と試した挙句に偶然、平らな胸にお椀の僕を押し当ててしまったんだ。 それからは前の男の子と同じ運命を辿ったんだけど、違うのは女に成りたがってる人では無かったと言う事。 でも結局は一度でも女の喜びを知った者は… その繰り返して今に至っているんだけどね。 途中からブラジャーが出てきて僕はブラジャーにそして今に至っているんだ… でもね、ここまで意思の疎通を持ったのは君が始めてなんだ。 しかも脱皮まで手伝ってもらって。 僕が始めて君と出合った頃は二十センチほどの身長だったのが今では倍になったろ。 僕達は数千年に一度の脱皮を繰り返しているんだ。 僕と土偶は隣り合わせの惑星で生まれた幼馴染でね地球で言うところの小学六年生になると、惑星外に放浪の度に出されるんだけど、僕達の乗った乗り物が地球の辺りで故障して降り立ったんだ。 直ぐに修理しようとしたんだけどね。 あとは君が土偶に聞いた通りだよ… ただ僕達は次に打ち上げ予定されている種子島のロケットに姿を変えて乗り込み宇宙へ出ることになってる。 宇宙へ出れば何とかなりそうなんだ。 君にはとても世話になりっぱなしで心苦しいのだけど、僕もそろそろ家族にも会いたいしね。 最後に君の願いを叶えたいと大判振る舞いをしたいとこなんだけど、僕に出来るのは精々、君の望む性別にこの世の記憶を書き換えるくらいしか出来ないんだ。 女として人生を歩くなら君が女として生まれたと地球規模で書類を書き換えるくらいだね。 もちろん麗華のままでOKだよ。 男として今まで通りで偶に女になりたいというならそれも簡単だしね。 僕が居なくなっても代わりのグッズを君に置いていくからね。 それで今まで通りだ。 まだ時間はあるから考えておいてね♪」
 床に胡坐して座る健吾の前で細くて小さい声を頑張って発する埴輪(ハニワ)は、チョコンと正座して時折、健吾をチラチラ見て話し終えると土偶の横へ浮遊して床に立って小さな目を閉じた。

 健吾は思いも依らない事実を前にしたが、既に何があっても驚くことなくそのままゴロンと床に仰向けになると、首を回して土偶と埴輪をチラっと見てヌーブラとの出会いを回想して一人笑みを浮かべた。
 そして一時間ほど回想を楽しんだ健吾は「ああ… 取締役になったのになぁ~ 元の課長へ逆戻りか…」と、大きな溜息をして寝室へと異動しそのままベッドに横になったが、早朝物凄い息苦しさに汗をかいて目を覚ました。

「こおうらああぁぁー!!」
 目を覚ますと左側に土偶と右側に埴輪が居て健吾を左右から重圧していると言う、まるでアニメの世界だったが、怒りながらも健吾はその愛嬌のある寝姿に心を癒されていた。
 
 そして数日後、土偶は埴輪は健吾の家から種子島宇宙センターへと旅立って行った。 全ての謎は解決した。 健吾は埴輪に手渡された金の指輪を生涯の宝物として男を基本に好きなときに今まで通り麗華として女の喜びを追及して行こうと思った。
 だが土偶と埴輪の居なくなった部屋は妙にガラーンとしていて寒く感じるほどに寒く、健吾は取り残されたような寂しさに男泣きをしたが、全てが消えてしまったと思われた会社での地位や真由美とのことも消えずにそのまま残ったことに感謝してやまなかった。
 


 だがそれから更に数日経って健吾は麗華として街に繰り出していた時のことだった。 麗華が最近行くようになったバーでいつものようにカウンターの端でカクテルを楽しんでいると見知らぬ三十五歳前後の男が声をかけてきた。
 麗華は身体が目当てなのだろうとサングラスを外そうとした瞬間、男は「外さなくてもいいよ。 君の身体が目当てじゃないし、君を満足させられる男でもないからね」と、麗華の横に座り麗華は警戒しつつサングラスを下に戻した。
 髪の長い銀縁メガネの男は席につくとバーボンをダブルで注文すると、タバコに火を点け前を見たまま麗華の目の前に封筒を差し出した。

「……?」
 麗華は差し出された封筒を手にとって中の写真を取り出してそれに見入った。

「そこに映ってるのは君だろ?」
 男は前を向いたまま小声を発しバーテンが差し出したバーボンを口の中で転がした。

「これが何か…?」
 麗華は一枚の写真を封筒に戻すと男の前に封筒を押し戻した。

「それは少し前に君が色白のイカした男と入ったラーメン店での写真だろ? そして二枚目がビアガーデンの写真… ラーメン店の中に居た人と君には色白の二枚目さんが確かに見えていた… でもこの通り写真には何も映っていない。 これが何を意味しているのか君には解るかい……」
 男は麗華に写真を見せながらチラっと麗華を見て直ぐに前を向いて独り言のように呟いた。
 その瞬間、麗華はサングラスを外そうと右手をフレームにかけた。

「俺には通用しないぜ。 それを君が外しても俺は魔性には獲り憑かれないよ。 俺の名は浅見光彦。 ルポライターだよ。 夜な夜な街に出没する魔性の女を追い求め君で三人目。 証拠は無いがいつか証拠を掴んで見せるよ。 ああ、俺に君の力が通用するか試して見るといい… また会おう♪」
 男は残りのウイスキーを飲み終えると立ち上がって、麗華の左頬をムギュッと親指と人差し指で摘んで軽く引っ張ってニヤリと笑むとそのまま去った。

 麗華はこの時、既にサングラスを外していた。
 
麗華:何者なんだろう… 私の魅力に平然としているなんて男じゃないわね。
 肘立てした両手を目の前で組んで遠くを見つめる麗華。

 膝上十五センチほどのミニドレスに身を包んだ麗華は再びサングラスで顔を隠すと席を離れ、男達の視線を全身に感じながら店を後にした。
 
麗華:気分悪いなアイツ…
 タクシーを拾って自宅マンションの前に到着した麗華が建物に向かって歩き出すと突然後ろから声をかけら、振り向くとバーで会った銭形だった。

浅見:豪勢だねぇ~ 一体何人の男を魔性にかけたらこんな暮らしが出来るんだい? 浜田健吾取締役さん♪
 麗華は浅見の言葉に震撼して全身が凍り付いた。

浅見:おおっと! 勘弁してくれないか~ 俺は警察は嫌いなんだよ~♪ ただ真実が知りたいだけなんだ。 浅見光彦は真実を追究するルポライターだからね捕まる訳にはいかないのさ~♪
 少し先から歩いてきた二人組みの巡回中の警官にサングラスを外そうとした麗華に浅見は仰天して外すのを止めさせた。
 
麗華:お巡りさん! 助けてえぇ! 強姦魔です! 逮捕してえぇ!!
 一瞬両手に拳を握って俯いた麗華だったが、警察官が傍に来るなり大声を上げて浅見の右腕を両手で掴んで叫んだ。
 警官達は麗華の顔を見るなり突然、浅見に掴み掛かって暴れる浅見に手錠をかけ麗華はサッと身をかわすと、警官達は「麗華様、お怪我はありませんか!?」と、浅見の頭をグイッと押さえつけた。

浅見:畜生! いいか! 必ず尻尾を掴んでやるからなあ!!
 頭を押さえられて連行される浅見は悔しそうに麗華を怒鳴りつけると警官に頭を小突かれた。

麗華:お巡りさん! ソイツを刑務所に閉じ込めて一生出さないで! この街の平和を守ってちょうだい!
 麗華の言葉に警官達は大きく頷くと浅見はそのまま連行された。

 麗華は二人の警官に連行される浅見を見送ると、無実の者を陥れた後味の悪さに落ち込んでの帰宅となった。
 そしてリビングの窓から夜の街を見回しながら浅見がバーで何を自分に解らせようとしたのかを考えながらも、居なくなった土偶と埴輪を思い出して寂しさに涙を頬に伝えた。
 だが、その頃大学病院では本人の自尊心を傷つけないようよ、ベッドに寝かせた奇病患者たちを麻酔で眠らせてペニスをだけを医学的に勃起させ、その上に同じく眠らせた般若を大勢の医師や看護師たちで抱きかかえての同性アナルセックスが極秘で進められていた。
 麻酔で眠る患者の肉棒の上に体育座りするように大勢で抱きかかえた般若の肛門をあてがい、二人の男の本人不在のアナルセックスは祭りの神輿のように上下運動を繰り返した。
 そして神妙な顔をする医師と看護師たちはいつのまにか「ワッショイ! ワッショイ!」と、掛け声をかけあって見た目が八十代の男が射精するのを汗だくで待った。
 

 全てを知られている麗華の運命はこの先どうなるのだろうか! そして無実の罪で捉えられている浅見光彦はどうにるのか! 更に病院で行われている奇病対策の奇策はどうなるのか! そして土偶と埴輪はどうなったのか! 全ては後編で徐々に明らかになる!! 


【前編・完結】

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