2019年6月16日日曜日

正月帰省

正月帰省

縄奥 作

 
【帰省】 


【一話】


 正月休みで帰省していた俺は、親戚周りをすると言う両親と妹を見送った後、帰省時に持って来たスホーツバックの中から、普段着ている女物の服を取り出すと着替えた。
 カツラをかぶり薄化粧をした俺は前夜の睡眠不足もあって、学生時代に使っていた学習机に向かうとそのまま寝込んでしまった。
 女装子(おんな)になったまま机に上半身を投げ出して眠る俺は、家族が帰宅したことも知らずに眠っていた。
 そこへ、帰宅した母が何も知らずに入って来た。
 母は息子の学習机で眠っている大柄な女を見て直ぐに俺だと気付いたようだった。
 黒いタイトスカートにクリーム色のブラウスを着て、足元を黒いパンティーストッキングが包む後姿を見て、母は何と思ったのだろうか。
 
「鉄夫! 鉄夫!」
 夢見心地の俺は真横で背中を軽く叩く人の声で目を覚ました。

 母親だった……

 俺は真横に並んだスーツ姿の母の顔見た瞬間、仰天して声も出ず心臓が口から飛び出しそうになった。

「母さんねぇ、貴方にどんな趣味があってもいいと思ってるの… でもね、せめて実家に帰省してる間だけは、母さんの知っている貴方でいて欲しいの… 正月休みで帰省してまだ二日目でしょう、今日見たことは誰にも内緒にしとくから早く着替えて頂戴… お化粧落し持ってる? 持ってないならお母さんの貸して上げるからね…」
 母さんは寂しげに語ると俺の部屋から出て行った。 

 俺は良心の呵責に苛まれた。

 俺は朦朧(もうろう)としながら、カツラを取り女装子(おんな)から男姿に戻ると、携帯用の化粧落しで顔を元に戻した。
 一階からは妹の声が聞こえ、笑う父親の声が俺を攻め立てた。
 六畳一間の狭い部屋は、牢獄のように俺を閉じ込めた。
 不通なら、お帰りー♪ とか言って降りていくのだろうが、母に女装子(おんな)の自分を見られた今、一歩も部屋を出れずに居た。
 そして三十分後、下から迎えに来た母に俺は顔を上げられずに居ると、母はニッコリと微笑んだ。


「女性になりたいの? 年前に貴方が隠れるようにお風呂入った時、膨らんだ胸が見えたから…… 手術、したんでしょ…… ヒゲもきれいに無くなってるし変だなって思ってたけど、母さんはねえ、貴方が元気なら男でも女でもどっちでもいいの♪ 気にしなくていいのよ♪ でも帰省してる間は昔の鉄夫に戻って欲しいの。 お願いね♪」
 母は俯いて椅子に座る俺の前で無理して微笑んで俺を元気付けた。


 俺の名前は前田鉄夫、二十六歳で自宅から大学に通った後、卒業と同時にとある都市の会社へ就職し一人暮らしを始めた。
 子供の頃から家族に隠れて弄っていた乳首の快感が元で大学を卒業する頃には乳輪だか乳首だか区別が付かないほど大きくなっていた。
 そして就職と同時に始めた一人暮らしでと、ある事情から女物の下着と服を纏め買いしたことが結果的に女装に走った要因であった。
 俺は就職して三年が過ぎた昨年の夏、思い切って豊胸手術を受けた。
 本当はBかCカップをと考えていたが、隠せない大きさからAカップにとどめ、乳輪の形成を同時に行うことで一人前の見栄えを手に入れた。
 そして乳首の官能は男以上、女未満と言うところで俺としては満足している。
 元々、女装には興味は無かったが、敏感になりすぎた乳首をガードする目的で大学時代に買ったブラジャーを肌に着けたことで、ブラジャーに合う下着が欲しくなり、スリップなどを一点買いしていたが、面倒になった俺はアパートでの一人暮らしを機に纏め買いをした。
 本来、身体に必要だと思って買ったブラジャーから現在の女装子(おんな)の道に入ったのだが、豊胸はやり過ぎだったかも知れない。
 そうは言う物の実際、アパートでブラに合うスリップを着ている内に、今度はスリップに合う下着が欲しくなり、男として申し分の無い一物を無理に詰め込んで履いているフリルのパンティーが可愛くて堪らないのは間違いない。
 そして纏め買いした衣類を仕舞う箪笥から取り出したパンティーストッキングを履いた瞬間、心は既に女化し気付けば鏡の前に一人の女装子(おんな)が居た。
 男姿で居るのは会社にいる間だけで、日々の暮らしを女装子(おんな)で過ごす俺に女物の衣類に嫌らしい気持ちは一つもなく、むしろ男姿をしていることに罪の意識を感じることが多くなった。
 子供の頃からもっぱら俺のオナニーと言えば、乳首を弄る女オナニーでペニスを肉棒化させてのマスターベーションは殆どしなかったから、世の中に溢れている女装子(おんな)達とは一線を画している。
 女装子(おんな)になって頃合を見計らって肉棒を扱き射精するオナニーとは違い、俺のオナニーは射精を伴わないオナニーであった。
 とは言え、当然のこと射精はするが、俺の場合は溜まったものを排出するというレベルでしかなかった。
 世の中に溢れている女装子(おんな)と言えば、玉や竿が役に立たないと嘯(うそぶ)き、様々なコスチュームを着ては他人に見せて興奮をし、影に隠れて肉棒を扱いて射精を導く者や、ファッションとして着ているのよと、これまた嘯き一人コソコソと射精に辿り着く者ばかりだ。
 だから俺は射精する時は全て男姿で行い、女装子(おんな)になっている時は全く射精はしないのだ。
 それは俺には女にも負けない敏感な乳首と触っただけで反応する身体があるからだ。
 ただ、俺は性同一性障害者でも性転換願望者でもなく、女も好きな一人の女装子でしかなかった。
 敏感な胸を覆う下着であるブラシャーの着用から女装するようになった立派な男であることは間違いない。
 まあ、自己紹介はこのくらいにして話しを勧めることにしよう。

 
【二話】
 


 俺は母に元気付けられ、勇気を持って一階で正月番組を見て大笑いしている父と妹の前に姿を現した。
 父は手酌で日本酒をチビチビやり、妹はテレビ雑誌を片手にミカンに舌鼓を打っている中で、母は台所に立ち夕飯の支度に取り掛かっていた。
 何処にでもある風景だった。
 そんな光景の中、俺は母の顔が急に見たくなり台所に立つ母の横に移動した。


 すると……


「母さんねぇ、本当は貴方が生まれる前にお腹の子は絶対に女の子って祈ってたのよ♪ でも貴方は長男として生まれてきた… だからさっき貴方を見た時、嬉しくて泣きそうだったのよ~♪」
 料理を皿に盛り付けながら、母は嬉しそうに声を放った。

「ちょっ! 母さん聞こえる! みんなに聞こえちまうってぇー!」
 俺は母の突然の言動に声を絞って母の耳元で慌てた。

「あら! アタシったらぁ~♪ ゴメンコメン~♪」
 母は慌てて止める俺をチラッと見て照れ臭そうに笑った。


 俺は母の傍に居るとヤバイ気がして逃げるように母から離れ、床に座る父親と妹の間に腰を下ろした。


「アレ? なんかお兄ちゃん、女の人の匂いがする~♪ 気持ち悪ーい♪ うん?? そういえば何かそんな匂いがするなぁ~♪」
 妹は俺の方を向いて鼻をヒクヒクさせると、父親も俺を見て鼻をヒクヒクさせた。


 すると……


「アッハハハハ♪ それはねぇー! 鉄夫ちゃんたらねぇー♪」
 父と妹の会話が聞こえたのか、突然台所から出て来た母が嬉しそうに声を弾ませた。


「あああああああーー!!! 母さん! ああああああー!!」
 俺は咄嗟に機転を利かせ嬉しそうに近付く母さんの声を掻き消した。


 何事かと静まり返った我が家で、父と妹は唖然とした顔をして見せたが事なきを得た俺は、歌を歌って誤魔化した。
 親子四人で正月の二日目の食事をしたが、俺はいつ母が何かを喋るんじゃないかと生きた心地がしなかった。


 そして食事の後、父が風呂に入り続いて妹が出た後、母さんが俺に入れと勧め、俺は母の言動が心配だった。
 その後直ぐに飲み疲れた父が寝ると言い出し寝室に入り、ゲームをすると二階に妹が上がったことで俺の不安は解消され、俺は心置きなく風呂に足を運んだ。
 脱衣場に入り、外の足音に気を配りながら服を脱いで裸になれば、豊胸したAカップの乳房がプリリリーンと顔を出した。
 そんな俺が風呂へのドアを開けて中に入れば開いた窓から月が見え外の冷たい風が中に入り込んでいた。
 ブルルルっと身体を震わせシャワーの湯を出すと、冷え切った風呂場はたちまち湯気で覆われ、勢い良く窓に吸い込まれて行った。
 俺はそんな中で頭を洗うべくシャンプーで頭を泡立てていると、突然風呂場のドアが開いた。
 俺は心臓が泊まるほど驚いて乳房を両手で覆い隠した。


「鉄夫ちゃん、母さんよ… 心配しないで…」
 突然の母の声に驚いた俺は乳房を隠し鏡の前に蹲った。

「な! 何で入って来るんだよ! か! 母さん!」
 俺の驚く声が風呂場に響いた。

「鉄夫ちゃん! そんな大声出すとみんなに聞こえちゃうでしょ~♪ 静かにしないと~♪ 時間も時間だから母さんも入れてねぇ~♪ 女同士仲良く入りましょう♪」 
 母は鏡の前で乳房を隠し蹲る俺に嬉しそうに小声を弾ませた。

「女同士って! 俺は女じゃないしー!! とにかく母さん出ていって! 早く出ていってくれよ! 俺は男だって~!」
 慌てた俺は小声を上ずらせた。

「あらあら… 可愛いのねぇ~ 恥かしいのかしらぁ~♪ 鉄っちゃんは子供の頃から恥かしがりやさんだったからねぇ~♪」
 母は俺を子供扱いし一向に出て行く気配を見せなかった。

「なら俺が出るよ! まったく! 何考えてんだよ!」
 俺は乳房を隠す両手のうち片手だけ外してシャワーをこっちに向けようとした。

「アレ!? 無い! 無い! 無い!」
 シャワーが無いことに驚いた俺は気付かぬうちに乳房を隠していた片手までも外して手探りしていた。

「あらあら、可愛い胸だことぉ~♪ ちゃんと膨らんで乳輪も乳首も大きいのね~♪ これで御婿さんを入れられるわね~♪」 
 母は晒された俺の乳房を見て楽しそうに微笑んだ。

「キャッ!」
 俺は咄嗟に実の母親の前で女らしい小さな悲鳴を上げると慌てて両手で乳房を覆い隠そうとした。

「スーッ… 可愛い胸♪」
 後に居た母の両手が後ろから俺の乳房に這わせられた。

「ぅあっ! あひっ!」
 突然、後から這わせられた母の手の平に、乳首が反応した瞬間、俺の口から恥かしい声が奏でられた。

「可愛い娘♪ ちゃんと感じるのね~♪」
 母は自分の手の平で俺の左乳房を揉みまわし、右手の指は俺の右乳首に絡められ弄り回した。

「あひ! あひ! やめてぇ! あひっ! やめてぇー!」
 俺は初めて他人にされる乳房の官能に声を裏返しヨガリ声と母を制止することを重ねた。


 生まれて初めて他人にされる官能は俺から全ての力を奪い去り、両手はダラリとし椅子に座っているのもヤットの身体は頭を支えられずに、鏡の前の台にある石鹸の上に俺の額を置かせた。
 やめてぇを繰り返すものの、乳房の心地よさと乳首から来る壮絶な官能に俺の言葉はロレツが回らず全身をビクつかせる動きしか出来なくなっていた。
 母はと言えば、何を考えているのか全く止める気配を見せず、ヨガリ声と身悶えを繰り返す俺を後から見て無言で両手を動かし続けた。
 俺は実の母親に官能させられている事実に悲しさが込み上げてくるものの、脳天をブチ抜く凄まじい官能に感情が負け成す術もないまま乳房を弄ばれた。
 

「あん… 母さん! あひぃ! やめてえぇ! あああああぅ! 母さん! あひぃ! お願い! あん!」 
 俺の意思を無視して母は俺を官能し続けた。

 そしてグッタリする俺が椅子から床に落ちると、母は仰向けになった俺の乳房に突然吸い付いて来ると、右乳首に吸いつく母の片手は左乳房を手の平で揉見回し続けた。

「あひっ! あひっ! ちゅぱちゅぱちゅぼちゅぼ! あひっ! あひっ! あひっ!」
 激しい官能は止まることをせず俺の脳天に次から次へと押し寄せた。

「はうっ! はぁん! はぁ…あっ… はひぃ!」
 母のネットリした女の舌は俺の乳房を勃起させコリコリとその音を喘ぐ俺の脳に伝え続けた。

 グッタリして動かない俺。

「可愛い娘… これなら立派に御婿さんを迎えられるわね… 一人前の女性だわ…」
 突然、母は俺から離れると独り言を呟いて、湯船のお湯をタライに組み上げると、身体を荒い始めた。


「ぅぅぅうう… ぅぅぅうう…」
 俺は実の母に辱められたことに酷い悲しみに包まれ身体を洗う母の横で咽び泣いた。


「ホラホラ♪ いつまでもそんなところにいたら風邪引いちゃうでしょ♪ 早く身体を温めなさい♪」
 母は何事も無かったかのようにグッタリして咽び泣く俺に微笑んだ。


 起き上がろうと自分の下半身を見た時、俺のペニスの先っぽからオビタダシイ量の愛液が溢れていたことに気づいた。
 母はそんな俺にお構いなしに身体を洗うと、さっさと湯船に入って肩まで浸かった。
 
「何で… 何でこんなこと… いくら母さんでも酷いよ… ぅぅぅううう…」
 俺は起き上がって湯船に浸かる母を見たが、母は黙って目を閉じて俺を見ようとはしなかった。

 
 俺は実の母の前で官能したことを恥じて逃げるように風呂場を後にした。

 
【三話】



「なっ、なんだあー!」
 脱衣場にもって来た替えのトランクスが無くなっていて、そこには見覚えの無い新品のパンティーが置かれていた。


 俺は自分のトランクスを辺り構わず探したが、あるのは母の着替えの下着と、この新品のパンティーだけだった。
 新品のパンティーはLLサイズで母のとも妹の物とも違っていて、前側に<これでもか! と、フリルがタップリ使われている見ていて恥かしくなる程のものだった。
 俺は仕方なくタオルで前を覆うと一目散に自室へ移動した。
 そして、再び自室で飛んでもい物が目に飛び込んで来た。
 
「まさか…… 母さんが俺に??」
 ベッドの枕元に置いてある青味かがったバイオレットとでも言うのか、薄いナイロン生地で出来たネグリジェと、風呂場で見た白と同色のフリルがタップリのスリップが置かれていて、浮き上がった枕を持ち上げてみると、そこには黒いガーターベルトと同色のガーターストッキングが丸められて置いてあった。


 そして小さなメモが置いてあった。


「若い頃、お父さんに買って貰ったのだけど、何か恥かしく使えなかったから、貴方にあげるわ♪ 鉄夫ちゃんなら似合うと思うわ♪」
 おっとりした性格と天然がかった母さんの筆跡だった。


 俺は得体の知れない恐怖に背筋に寒気を感じた。


 そしてこの夜、俺は母さんが夜中に俺を襲ってくる夢を見てうなされて早朝の四時に目を覚ました。
 外はまだ暗くカーテンを開ける気にもなれず起き上がってボンヤリしていると、ドアの向うから階段を登る音が聞こえた。
 ギシギシギシと古くなった階段の音が静まり返った部屋の中にいる俺の耳に刺さった。
 
 足音は俺の部屋のドアの前で止まると、突然、今度は階段を下りる音がした。

「何だろう…?」
 俺はベッドから静かに降りると自室のドアを内側に開いた。


「何だこれぇ?」
 
 床に置いてある衣類を手に取ると、それは色とりどりの未使用のパンティーとスリップで、前夜の脱衣場にあった白いフリルのパンティーまであった。


「何年も前から福袋に入ってた物を仕舞って置いたんだけど、母さんにはどれも派手で使えない物ばかり… 鉄夫ちゃん良かったら履いて頂戴。 母より。」
 メモは下着の中に挟まっていた。


 俺はそれを取り敢えずベッドの布団で隠すと静かに一階へ急いだ。
 台所に立って前夜の片付けをする母の後姿を見た俺は近付いて母の両肩に手を置いた。


「母さん! もうやめてくれよぉ! あんなの里奈(いもうと)に見られたらどうすんだよ~! 父さんに見られでみしたらマズイってぇー!」
 俺は声を押し殺して母さんに声を震わせた。


「あら? 鉄夫ちゃん♪ おはよう♪ 鉄夫ちゃんなら早起きだし里奈はオネ坊さんだし大丈夫かなって思ったのよぉ~♪ うふっ♪」
 正月用に着ているのか、真新しいブラウスは母の背中にスリップとブラジャーを薄っすらと見せ、前を向いたまま母はオットリ口調で微笑んだ。


「とにかく、もう止めてくれよおぉ… 頼むよぉ… 折角実家に戻ったのにこれじゃビクビクしなきゃなんないだろぅ…」
 俺は母を自分の方へクルリと向けると母を説得した。


 そんな俺を見て母は寂しげな表情を俺に見せた。


「いや、だからさっ、母さんの好意はありがたいんだけどさっ、 ねっ! 解かるよねっ! みんなに知られたら俺、もう家に帰ってこれなくなるだろ!? 解かるよね?」
 俺は泣きそうな顔する母に何とか解かってもらおうと説得から頼みごとに口調を切り替えた。
 どうやら母さんは俺が性同一性障害者か、性転換願望者だと完全に勘違いしているようだった。


 俺はそれ以上は何も言えなくなってそのまま自室へ戻った。

 
 朝の八時、正月の三日目の朝食は何事も無く不通に終わり、二階の自室へと戻った俺の携帯に幼馴染達から集まりを誘うメールが着ていた。
 久し振りに会う幼馴染たちの顔を思い浮かべながら一つ一つメールに見入った。
 
「夜の六時か♪」
 
 俺は集まりをOKするメールをみんなに返信すると浮かれ気分で椅子に腰掛けた。


 時計の針が十時を回った辺りで、一階から妹の里奈が部屋にやって来た。


「お父さんの車でお母さんと私とで年始の御挨拶に行ってくるから、お兄ちゃん留守番しててね~♪」
 今年高校を卒業する里奈はオメカシして少しだけ大人の女性を演出していた。

 俺を残して家族が出かけたが、俺は罪の意識から女装子(おんな)になる気がせず、学習机に向かって携帯でウエブ作家の縄奥小説を読んでいた。


「アレ! 新作か??」
 帰省してから一度も開いてなかった縄奥公式サイトで見つけた作品に吸い込まれた。


 俺は諸説を読んでいるうちに女装子(おんな)になれずにいる自分が急に情けなく思え読むのを止めた。


「まだこんな時間か…」
 時計の針は一向に進まず、何気なく見た窓に映る男姿の自分から視線を反らした。


「女装子(おんな)になりたい……」
 そう思った瞬間、俺は凄い勢いで裸になると、母さんから貰ったフリルタップリの白いパンティーに脚を通し、お揃いの白いスリップでAかっぷの胸を覆った。


 そして窓に映った自分を見れば、ロングのカツラまで着用したワンピース姿の俺がそこに居た。
 椅子に座って足組して、黒いパンティーストッキングに包まれた片足を伸ばして見る。
 本当の自分に戻った気がして自然と笑みが零れた。
 母親から貰った下着を着けているという罪悪感もあったが、ある意味、母親公認のお墨付きを貰ったようでそれもまた嬉しい限りだった。
 無地の冬物のワンピースの淡いブルーが、六畳間を歩き回る俺を引き立てた。
 母親から貰ったスリップは少し窮屈だったが、その分、Aカップの俺の乳房をしっかりと固定してくれた。
 ワンピースのスカート部分の中に静電気紡糸スプレーを吹きかけた。
 腰を左右に振るとワンピースの裾部分と中のスリップの裾がフワフワと宙に舞った。
 腰ベルトがしっかりとワンピースのダブつきをサポートしてくれた。
 実家で女装子(おんな)になって自室を出るのは気が引けたが、俺は遂にドアを開け自室から出としまった。
 廊下の板の冷たさがパンティーストッキングに包まれた足の裏に心地よく感じられた。
 階段を下りた俺は玄関を通り居間へと足を伸ばし両手を伸ばして数回クルリと回った。
 外を通る車の音にビクつきながら何度も慌てて階段と居間を往復した。
 そんな俺がフッとテレビの上を見た時、家族で撮った額に入った写真を見つめた。
 俺は、女装子(おんな)になって嬉しさから居間で踊る自分が急に惨めに思えて二階の自室へと逃げ帰った。
 とはいいながらも、帰省して以来一度もしていなかった乳房(おんな)の部分が俺に胸元を開かせた。
 そして前夜の風呂場での有り得ない出来事が、俺に女の官能(よろこび)を思い出させた。
 小さなAカップの乳房に手の平を這わせ、軽く触れただけで勃起した乳首をコロコロと回させると全身は俺の意思とは無関係にビクついた。
 内側から込み上げる官能(よろこび)が全身の隅々に溶け込んで、俺の口から喘ぎ声を出させれば無意識に両足が絡み合い下腹の奥が熱くなる。
 実の母親にとは言え、後から揉まれ乳首を弄られた時の蕩ける官能(よろこび)が忘れられなかった。
 相変わらずパンティーストッキングに覆われたパンティーの中のペニスは勃起せず、乳首だけがピンと勃起して手の平の摩擦にコリコリ感を俺に伝えた。
 片手の手の平で乳房を回し、別の手の指でもう一方の乳首を抓めば、本物(おんな)のようなヨガリ声が部屋に響く。
 激しい感情が官能に変化した。
 ワンピースのスカートを巻くりあげ、パンティーストッキング越しに中指を滑らせれば、肌の敏感な女装子(おんな)にしか解からない、心地よさと快感が波ののように押し寄せた。
 頭の中が真白になって行く。
 我が身が椅子から転げ落ちたことにさえ気付かずに床の上で乳房を揉み乳首を弄り、スカートの中に入れた指を下半身に滑らせた。
 身体の中から押し寄せる巨大な渦に飲み込まれた時、俺は男とは違う女のエクスタシーを迎えた。
 エクスタシーの後の余韻を楽しんだ後に来る現実は俺を慌てさせた。
 ワンピースのスカートを巻くりあげパンティーストッキングを膝まで下ろし体育座りをする。
 股間を不安げに覗けばパンティーはグッショリと俺の愛液で濡れていて、表まで染み出していた。
 俺は快楽の夢から覚めたように、口元をへの字に女装子(おんな)から男に戻ると、慌てて一階で洗濯機を回し自室の押入れにパンティーを隠して干した。
 自宅アパートなら一日中、女装子(おんな)で時間を送り、翌朝の目覚めと同時に出勤のために男に戻るが、実家(ここ)ではそうも行かない。
 男に戻って一時間、程なく両親と妹が帰宅した。
 一階から賑やかな家族の笑い声が聞こえ、その声に俺は居た堪れない気持ちになった。
 

「ちょっと出掛けてくるよ…」
 
 俺は賑やかに会話する家族に一声かけると家を出た。


 何処へ行く当てもなかった俺だが、家族たちの笑い声から逃げたかったのだ。
 ブラリと出た外は冬の冷たい風が吹いていて、スボンの裾から入る風が汗ばんだ股間を急速に冷やした。
 相変わらず何も無い田舎町にはコンビニすらなく、正月ということもあって何処もシャッターを下ろしていた。
 やっているのは町で一軒しかない小さなスーパーと郵便局だけだった。
 幼馴染達とは、やはり町で一軒しかない幼馴染の経営する居酒屋と酒屋を兼ねる店だが、昼間ということもあってシャッターは閉じられていた。
 何処へ行く当てもないままに歩き回っていると、向うからボサボサ頭の男が一人歩いて来るのが見えた。


【四話】


「よお! 暫く♪」
 幼馴染の一人、タバコ屋の栄作だった。


 俺は暫くぶりに会った栄作と話しを弾ませ栄作の家に行くことになった。


「おじさん! おばさん! 明けましておめでとうございます♪」
 店の横の入り口から入ると栄作の家族と顔を合わせ照れながらの新年の挨拶を交わした。


 作りは古いがデカイ家ということで昔は大勢がこの家に集っていのを思い出した。


「さあ、入ってくれよお♪ お前が家(ここ)に来るのはお前が大学を卒業して以来だからな~♪」
 気さくな栄作はボサボサ頭を掻きながら俺を懐かしい栄作の部屋へ招きいれた。


 八畳の畳の部屋はタバコの焼け焦げの跡がアチコチについていて、完成したプラモデルが所狭しと壁の棚を埋め尽くしていた。
 そして栄作がタバコの煙を追い出すために幼馴染を招集して壁をブチ抜いて作った小窓も健在だった。
 何もかもが懐かしい栄作の部屋だった。

「よくここでタバコ吸ったよなぁ~♪」
 俺は床に直座りして、同じく直座りしながらタバコを吸い始めた栄作を見て笑った。

「これとこれと、そっちのは鉄夫が付けたもんだぜ♪ さっちのデカイのはガソリンスタンドの和夫が付けたもんだし、火事になるって大騒ぎしたことあったろう♪」
 一つ一つ指差しして笑みを浮かべる栄作は俺とは保育所時代からの付き合いだった。


 俺たちはしばし懐かしい話しに盛り上がって三十分くらいした時だった。


「俺はさっ、時代の波っていうか、流行とはチョイちがう人間の本筋とかは否定しないタチなのは鉄夫も知ってるだろ♪ てか、俺は性別を間違えて生まれてきた人達を肯定してんだよ♪ パソコンとか携帯とか出来て周りのことがいっぱい見えて来てさっ♪」
 栄作は冷蔵庫から缶コーヒーを二本取り出すと一本を俺に、もう一本を握って振った。

「どした? 栄作、急にそんな話ししてー♪ てか俺は回りくどいの嫌いなの知ってるだろー♪ ハッキリ言えよー♪」
 俺はカンコーヒーを振って栄作の顔を見た。


 俺の言葉に急に黙り込んだ栄作。


「じゃ、ハッキリ言うよ… 俺はさっ、子供の頃から、何でお前が男に生まれたのか、ずっと悩んでたんだ。 お前は気付いてないかも知れないけど、俺は、お前に限っては同性愛を肯定してるんだ! てか、解かりやすく言えば… 俺は… 俺は… 俺は子供の頃からずっとお前のこと好きだったんだ。 ずっと隠しておこうって思ってたんだ……  一生隠しておこうと決めてたんだ…」
 栄作は突然、真顔を見せ真剣な眼差しで一瞬だけ俺を見ると直ぐに視線をずらした。

「おっ、おいおい~ 何を言うのかと思えば、お前らしくない悪いジョークだぜえー♪ ぷっ! ぷっははははは♪」
 俺は前屈みの姿勢を緩め両手を後ろに着くと大笑いをした。


 静まり返った部屋に俺の笑い声だけが響き渡った。


「俺が何でこんな話をする気になったかって言えば、お前のことを知っちまったからだよ…… お前、女装子(おんな)らしいな…… お前んちの、家族が年始周りで来た時、お前んちの母さんが、うちの母ちゃんと二人だけになった時、話しているを聞いちまったんだよ、お前の秘密をさ… お前! 豊胸手術したんだったなぁ… 立ち聞きしちまったんだよ俺…… お前んちの母さんと俺んちの母ちゃんは俺たちと同じで幼馴染の仲良しだろ… それにお前、実家でも隠れて女装子(おんな)になってるって言うじゃないか…… 正直、俺はラッキーだと思った… 子供の頃からの胸のツカエを取れるって思った… だからお前に告白したんだ! もう一度言う、俺は鉄夫のこと愛してるんだ!」
 栄作は声を震わせて俺に視線を固定して青ざめた表情で語り聞かせた。


 俺はガチガチと歯を震わせ背中に氷の塊を入れられたように動けなくなった。


「俺はお前に乳房が出来たことを知ってるし、お前が隠れて女装子(おんな)になってることも知ってしまったんだ! いくらお前が女装子(おんな)になったからったって、俺を愛してくれるかは別問題だ。 ただ俺はお前に告白したかったんだ……」
 俺の脳天に栄作の声が次々に刺さった。

「鉄夫! 一生のお願いだ! 俺に一目だけ女装子(おんな)になったお前を見せてくれ! 頼む!! このとおりだ! その代わり俺は絶対にお前の秘密を口外しないと誓うから! 頼む!! この通りだ!!」
 栄作は真剣な表情で俺の前で土下座して頭を下げた。


 俺は追い詰められた現実に思考回路は麻痺した。

「ここに未使用の女物の下着とブラウスにスカートとストッキングがある! 爺さんと婆さんが買って来た福袋に入ってたのを、くすねておいたんだ! お前に会ったら頼もうと思って用意してたんだ……」
 栄作は固まる俺の前に買い物袋を差し出した。


 俺は否定すれば良かったものを思考回路が働かずに、黙って栄作の目を見て頷いてしまった。


「じゃ、用意出来たら呼んでくれ♪♪ 隣りにいるからよ♪♪ ヤッホォー♪♪ ウッホウッホウッホー♪♪」
 栄作は満面の笑みを浮かべ部屋を出て行った。

 俺は一人、栄作の部屋に取り残された。

「栄作(ヤツ)に女装子(おんな)を見せる事になるとは………」
 他人に話した母親を思いながら俺はうな垂れた。


 栄作(ヤツ)に渡された買物袋の中には黒いレースのパンティーに紺色のロングスリップの他に、何故かペチコート、そしてグレーのパンティーストッキングが入っていた。
 スカートはヒダヒダの花柄でブラウスと共に殆どが中年女性の身につける物ばかりだった。
 流石は福袋だと思った。
 

「逃げよう! 他人の前に女装子(おんな)の姿を晒すなんて俺には出来ん! 第一、幼馴染だぞ! アイツのことだ絶対にスカートめくりするだろうし、下手すれば胸を見せろなんていい出しかねない… だが、逃げればアイツはみんなに話すかも知れない、そんなことになったら俺は…… 大体何なんだよ! 母さんのヤツ!! てか、栄作(アイツ)がホモって何だよ!! 愛してるって何なんだー!!」
 俺は握り拳を握って床の畳みに苛立ちを吐き捨てた。


「だが、もしかしたらアイツのことだ! 女装子(おんな)の俺を見ただけでデレデレしてそれだけで御満悦するかも知れない……」
 俺は袋から出した黒いパンティーを見詰めた。 


 俺は悩んだ末に裸になると黒いパンティーとパンティーストッキングに両足を通し、紺色のスリップを、そしてヒダスカートで下半身を覆いブラウスを着込んだ。


「これで、承知してくれればいいが……」
 畳の上に斜め座りして着ていた自分の衣服を畳んで小テーブルの下に入れた。

「いいよ……」
 俺は隣りに居る栄作に小声を発した。


 栄作(ヤツ)は後ろ向きに居る俺を見て、声を裏返して大喜びし、急ぎ足で俯く俺の前に来ると拍手をして部屋の中をピョンピョン数回跳ねた。


「夢を見てるみてえだ♪♪ 夢にまで見た鉄夫の女装姿だぁ♪♪ さぁ、こっち向いて顔見せてくれよ♪♪」
 栄作(ヤツ)は俺の前で中腰になると俺の顔を覗き込んだ。


「もういいだろ! もう見たんだから出てけよ! 早く元の姿に戻りてえんだよ!」
 俺は栄作の視線が耐えられずに苛立ちを言葉に代えた。


 すると栄作は何を思ったのか、部屋のドアを半分開けて再び俺の後に胡坐して座った。
 俺は自分の背後に座った栄作に驚いて姿勢を変えようとしたその時、栄作は突然背後から俺に抱き付いてきた。
 当然のこと俺は栄作の手を振り払ったが、栄作はされを物ともせずにしつこく俺に抱き付いてきた。


「鉄夫、あんまり暴れんじゃねえって! 大声を出したり暴れたりしたら下に居る父ちゃんや母ちゃんがビックリして上に上がって来るだろう! 静かにしないと……」
 俺は何で栄作がドアを半開きにしたのかその意味がようやくわかった。

「放せ! 栄作! 放せってえ! 約束が違うだろ! 見るだけだろう! 見るだけ!!」
 俺は声を絞って後ろで抱きつこうとする栄作を制止した。


 すると栄作は俺の耳元に声を絞って言い放った。


「いいんだぜ、鉄夫… ここで俺が大騒ぎしたり大声をだしても… こんな姿、見られて恥をかくのはお前だぜぇ~ 俺は知らん顔してりゃそれで済むけど、お前はどうなるんだよ……」
 俺は耳を疑った。


 まさか幼馴染に脅迫されるなんて夢にも思わなかった。


「お前… 俺をハメやがったなぁ! 畜生!!」
 俺は栄作から逃げようと栄作の手を振り払った。

「バタンッ! ドスンッ!! うわぁ!」
 弾みで俺は床に這い蹲るように倒れた。

 その瞬間、下から栄作の父親の声が聞こえた。

「こりゃあー! 栄作!! 静かにせんかあぁー!!」
 俺はこの声に固まって耳を澄ました。


 すると栄作は囁くように小声を放った。

「だから言ったろう… 今、父ちゃん機嫌悪いんだよ~ 暴れるなってぇ~」
 栄作は真顔になって倒れた俺の後ろから声を掛けた。


 俺は栄作の父親が上がって来るのではとガクガクと身体を震わせた。

「それにしてもお前のパンスト姿も悩ましいなぁ~♪ 堪んねぇぜ♪ スゥー!」
 前屈みに倒れた俺の脚を見た栄作は嫌らしい笑い声を出して俺の左のフクラハギに手を滑らせた。


 俺は固まった。

「悪い事は言わねえ… 今は静かにしてたほうが鉄夫のためだってぇ~♪ クックククク~♪ お前さえジッとしてたら… なぁ♪ そうだろう~♪」
 栄作は固まって動けない俺の左フクラハギに手の平を押し付けると囁くように声を絞って嫌らしく笑った。


「女装姿を見るだけだって言ったろ…… 畜生…… こんな恥かしい思いさせやがってぇ… テメェってヤツは……」
 俺は栄作の顔を見ずに俯いたまま後ろに苛立ちを小声で放った。


 すると栄作は突然豹変した。


「おい! 鉄夫~ お前まだ自分の立場が解からねぇようだなぁ~! 何なら大声出してみようかぁ~! ホラよ! 顔見せろよ顔を! グイッ!」
 栄作は力任せに俺の背中に自分の身体を重ねると突然、俺のスカートの中に手を入れ太ももを触手し始めた。

「よせ! やめろ! 栄作! 触るな! 栄作! こら! 栄作!!」
 俺は背中に圧し掛かる栄作の手をスカートの中から振り払おうとしたが、体勢が悪すぎて払うことが出来なかった。
 栄作は鼻息を荒くして俺の太ももをストッキング越しに触り捲くり、尻までも嫌らしい手付きで何度も触った。
 俺は何とか逃げようとしたが大声を出すわけにもいかず、暴れるわけにもいかず、黙って栄作にスカートの中を触られるしかなかった。
 そんなことを繰り返しているうちに栄作は俺の身体を引っくり返すように仰向けにすると、俺の両手を床に押さえつけて充血した目で俺を見つめた。
 俺はそんな栄作から視線を外すために首を横に振った。


「こんなとこ他人に見られて恥をかくのはお前だけだぜ♪ 大人しくしてろ! 女のくせによおぅ!」
 栄作は俺の両手から自らの両手を離すと、俺の着ていたブラウスの襟元に手をかけ、力任せに左右に引っ張った。
 ボタンは切れて何処かへ飛び、俺の着ていたブラウスを栄作は両肩が見えるほど大きく開いた。
 俺は唇を噛んで栄作からの恥辱に耐えるしかなかった。

「ゴクリッ! 凄げぇ! スリップの下でプリンプリンしてやがる♪♪ いいかぁ… 動くんじゃねえぞおぉ! 少しでも動いたら俺は大声で叫ぶからなあ!!」
 栄作は喉を鳴らし両手で俺からスリップの肩紐を外した。


 生まれて初めて他人(おとこ)の前に乳房を晒された瞬間、俺は悔しさに目を潤ませた。

 栄作は俺の乳房を見るなり、乳房の柔らかさを確認するように俺の両肩を揺すった。
 そして、間髪いれずに乳房にムシャブリ着いて来た。
 唇を噛み締めて栄作から受ける恥辱に耐えようとしたが、栄作(おとこ)のザラついた舌は俺の乳首を瞬時にして勃起させコリコリさせた。
 俺は悔しさと恥かしさと怒りで狂いそうなほどだったが、一番許せなかったのは自分自身だった。
 女性(ほんもの)なら無理矢理味見されて官能するはずもないだろうに、俺の乳房も乳首も栄作の男の業(ごう)に反応して激しい官能(よろこび)を俺の脳裏に伝えた。
 人一倍感じる素肌に栄作の舌が滑り、勃起した乳首に舌が絡みつくと、俺は身体から力が抜け必死に耐えたのにも関らず、俺は栄作の前で身悶えをし、女の鳴き声を奏でてしまった。
 乳首を吸われ乳房を舐めまわされながら、パンティーストッキングに包まれた太ももに栄作の手と指が滑る度に、俺は全身をビク付かせ左右に身体を悶えさせた。
 止まることの無い女の官能(よろこび)は俺を飲み込んで行った。
 そして栄作の舌は乳房だけでは飽き足らないのか、俺の上半身を隅々まで舐め味わった。
 聞こえるのは栄作の荒い吐息と、必死に鳴き声を止める俺の唸り声だけだった。
 栄作の舌は俺の上半身を舐め終えると次第にスリップを下へ引き下げ、限界に達すると俺からスカートを奪うように脱がした。
 スカートを脱がされた瞬間、フワリと風が俺の下半身に漂った。
 栄作は俺の下半身を包むパンティーストッキングをビリビリと破くと、破れて晒された肌に吸い付くように唇を這わせ、舌を上下左右に忙しく動かした。
 俺の身体は栄作から味見に反応し電気ショックを受けたようにビク付きを繰り返した。
 そして栄作の両手が俺の下半身を包むパンティーストッキングの腰ゴムに掛かった時、俺は必死に力を振り絞ろうとした。
 このままじゃ、全てを晒されると栄作の舌に身体をビクつかせながら必死に力を振り絞ったが、結局俺は栄作に破れたパンストとパンティーを剥ぎ取られた。
 体温よりも低い室温がペニスを取り巻いた。
 捲り上げられたスリップの風が顔に当たった。
 
「凄げえぇ♪ ヌルヌルだぁ♪♪」
 一瞬、栄作の喜ぶ声が聞こえたが、それは俺を辱める言葉だった。


 そして悲劇は起きた。

「夢にまで見た鉄夫の♪♪」
 栄作は呟いた。

「かっぽ… ちゃぱちゅぱちゅぱ… レロレロレロレロちゅぱちゅぱちゅぱ…」
 突然、頭の中が真白になるほどの官能が俺を襲った。

「あひっ! あひっ! あひっ! あひっ! あひっ!」
 耐え切れずに発したヨガリ声は部屋中に響き渡った。

 俺は自分の鳴き声の大きさに驚いて声を出すまいと必死に喉の奥で止めようとした。
 身体は勝手に仰け反り首は左右に振られ続けた。
 投げ出した両手は畳みの上に爪を立てた。
 両足の爪先は伸び縮みを幾度も繰り返した。
 栄作は俺のペニスから溢れる愛液を喉を鳴らして飲み込んでいた。
 俺の両太ももを抱きかかえた栄作。
 激しく揺れる乳房。
 勃起した乳首。
 
「だめぇ… や! やめ… ぅぐう! ぁん! やめてぇ… あああんっ! 嫌… ぁんっ! ぅぐっ!」
 栄作を必死に止めようと口を開けば出る言葉は喘ぎ声ばかりだった。

 女扱いする栄作に抱きかかえられた太ももに快感を覚えながらも、何とか栄作を止めようとし起き上がろうとモガイタ。
 栄作の口は勃起していないペニスを根元まで銜えこみ、口の中で舌をペニスに絡みつけた。
 陰毛に覆われ素肌に栄作の唇の感触を感じた。
 生まれて初めてのフェラチオが幼馴染で、しかも男からだったなんて俺は信じられない気持ちになりつつも、激しい快感に仰け反っていた。
 やがて栄作の口はペニスから離れ玉袋に達すると、玉袋の裏側は栄作の唾液に塗れた。
 左右の太ももの付け根を入念に舐め続ける栄作は俺の尻を左右から持ち上げた。
 尻を押し付けるように開かれた肛門に栄作の舌を感じた時、俺は息も出来ずに歯を食いしばって突き上げる官能に上半身をっ目一杯仰け反らせた。
 言葉に言い表せない官能は延々と続けられた。
 そして身も心もグッタリ疲れ果てた瞬間、俺の両目を大きく開かれ激しい違和感と便意に襲われた。
 硬い異物が俺の肛門に入って来た。
 激痛とも違う鈍い感触だった。
 俺は余りの違和感に両目を閉じて出産女性のようにいきんだ。
 メンソレータムの匂いが漂い俺の身体が前後に揺れた。
 堪えきれない激しい便意は俺の居場所を天国から地獄に変えた。
 何かが尻肉を叩きつける音が聞こえた。
 薄っすらと瞼の向うに前後する影を見た時、俺は栄作が自分中に入っていることに気づいた。
 栄作の両手の指は俺の乳首を抓みながら乳房全体を回していた。
 栄作の俺の尻を打ち付ける肉音。
 抜いてくれと叫びそうになるものの、乳首から来る官能が俺の声を掻き消した。
 そして栄作の唸り声が幾度も連発して聞こえた。
 やがて根元まで俺の中に入った栄作はピクリとも動かなくなった。
 栄作が俺の中で射精したのだと悟った。
 その瞬間、俺の目から大粒の涙が溢れ左右の頬を伝った。
 まるで処女を奪われた本物(おんな)のように。
 首を左に傾けると左右の目の涙は一つになった。
 栄作の視線を感じた。

「お前、処女だったんだな…… すまねぇ……」
 栄作はポツリ呟いてようやく俺の中から出た。

 
 辺りには糞の臭気とが漂った。


「ぅぐううううー!!!」
 突然、腹に激しい便意の兆候が現れ、俺は身体を跳ねるように起こした。

「間に合わねえぇ!!」
 俺は慌しい声を発するとその場にシャガミこんだ。

「ズブィ!! ズバババババア!! ブッ! ブブブブブッ! ブオォー!」
 俺は栄作の部屋の中、栄作の見ている前で激しい脱糞を放った。

 部屋の中には激しい糞の匂いが漂い、俺の尻の穴辺りからメンソレータムの匂いが香った。
 帰省してから数日間、便秘気味で出ていなかった糞は勢いを増し止る気配が無かった。
 そして全てを出し切った時、フッと尻の下に視線を向けると、そこには栄作が吸殻を捨てるのに使っていたブリキのバケツが置いてあって、その中は山盛りウンコがトグロを巻いていた。
 飛び跳ねて起きた時の俺を見て栄作が機転を利かせたようだった。
 背中に栄作の視線を感じる。
 スリップ一枚でハゲツに跨る自分の姿は滑稽そのものだった。
 栄作は部屋の窓という窓を全開にすると、手ぬぐいを持って来ると言い残して部屋を出て行った。
 俺は自分が犯されたことを忘れていた。
 辺りを見回し女物の衣類が入っていたビニールの買物袋を見つけた時、再び大粒の涙が俺の頬を濡らした。
 泣きながらビニールの買物袋でバケツを覆って結んだ。
 そこへ栄作がお湯で絞った手ぬぐいを数枚持って来て、俺に無言で手渡すと今度は糞の入ったバケツを持って部屋を出て行った。
 栄作に泣き顔を見られた。
 部屋の中の糞の臭気と引き替えに外から冷たい空気が部屋を埋め尽くした。
 スリップ一枚の俺は慌てて栄作からの愛撫の形跡を手ぬぐいで拭き取り、激しい排便を終えた肛門を拭き取った。
 激しい脱力感に襲われながら男姿に戻った。
 辺りを見れば栄作にビリビリに破かれたパンティーストッキングが哀愁を漂わせ、剥ぎ取られたパンティーはグッショリと濡れたまま、しょんぼりしているように見えた。
 アチコチに飛んだブラウスのボタンを拾い集め、自分が犯された形跡を消そうとした。
 止まらない涙。
 痛む肛門。
 最悪、胸は味見されると心の中の何処かでは解かっているつもりだったが、貞操まで奪われるなんて夢にも思っていなかった。
 俺は自分の愚かしさに薄笑みを浮かべ泣きながら、拾い集めた女物を栄作の布団の中に隠すように入れた。
 数分後、俺は黙って栄作の部屋をでようと立ち上がった時、戻って来た栄作は突然俺の前に土下座した。

「お前が! お前が完全に女になったら! 俺と結婚してくれえぇ! 頼む! この通りだ! お前の両親には俺から話す! だから!」
 栄作は俺が今までに一度も見たことのない真面目な顔して下から俺を見上げた。

「栄作…… 俺はさぁ… 性同一性障害者でも性転換願望者でも無いんだよ…… ただの事情があって……」 
 俺は真面目に頼む栄作に真実を伝えようとした。

 すると栄作は俺に……

「鉄夫が単に女装好きの変質者なら俺はこんなこと頼みもしないし、お前を自分の物にしようなんて考えなかった。 お前の母さんが嬉しそうに俺の母ちゃんに話しているのを聞いて、俺はお前が男に生まれて苦しんでいるって自分のことのようにお前の苦しみや辛さを感じたんだ! ただの変質者なら軽蔑して口も聞く気にもなれなかったし、噂話しの種にでもしたかも知れない…… でも、お前が苦しんでいると解かったから、俺も長年苦しんできたことをお前に話す気になったんだ! 俺はお前を愛している! 結婚してくれ! 頼む鉄夫!!」
 栄作は完全に俺を誤解し、俺は真実を打ち明けられなかった。


 立っていられずに床にヘタリ込んだ俺を駆け寄った栄作は正面から抱き締めた。



【五話】


 
「こっちに居る間、男姿が苦痛ならいつでもここへ来て女装していいからな♪♪」
 栄作は想いを遂げたことと俺に結婚を申し込めたことで吹っ切れたように明るい笑みを見せた。


 そんな栄作の家を肛門を庇うようにヘッピ腰で俺は後にした。


 だが、本来なら、この野朗! と、殴りかかっているところだが、勘違いとはいえ誤解の発端は俺の母さんにあることは明確だし、痛い思いはしたが、他人(おとこ)から女として扱われ愛欲されたことには身体が感謝しているよう思えた。
 乳房を揉まれ吸われた時、栄作(アイツ)を拒絶することよりも先に女の官能が来たことは何よりも俺が、ある意味で女である証だった気がしている。
 誰かに揉まれて見たい、誰かに吸われて見たい、誰かに身体を味見されて見たいという願望がまるで無かった訳ではないが、誰かに入られて見たいという願望は無かったように思える。


「やった♪ 誰も居ない…♪」
 
 栄作に味見された身体が自宅に帰った今でも冷め遣らぬ感覚で若干の興奮状態にあったが、俺は全身に残った栄作の唾液を洗い流したくて自宅でシャワーを使った。
 外から戻ったシャワーは勢い良く栄作の乾いた唾液を洗い流してくれた。
 
 鏡に映る胸の膨らみは、それでも尚も栄作からの舌と唇の感触を忘れず瞬時に乳首を勃起させた。

 
 栄作の手が指が唇が目を閉じる俺の全身に思い出させた。
 そして栄作(ヤツ)の触ったところに自分の手を重ねシャワーに打たれながら思い出す。
 何気なく触れたペニスの先っぽから溢れた愛液はシャワーに洗い流された。
 
 シャワーから出て自室に戻った俺はベッドにゴロンと横になり再び栄作から愛撫を思い出した。


「セックスは嫌だけど愛撫だけならもう一度されて見たい……」
 
 俺はモンモンとした気分で自分勝手な言い分を呟いた。


 パンティーストッキング越しに触られ続けた太ももや尻の感覚を思い出しては、一人でベッドの上を左右に転げまわった。


「もう一度女装子(おんな)になって栄作に…… ハッ! 何考えてんだあぁー俺はー!!」
 ニコニコして考えている俺の手に携帯電話が握られていた。


 そうこうしている内に太陽はドンドン傾いた。、


「集まりがあるから俺、夕飯いらないから~」
 時計の針が五時を回った辺りで俺は男姿で二階の部屋から降りた。
 当然豊胸した胸を隠すためにサラシを巻いていた。

 幼馴染のやってる居酒屋を只管歩いていると突然、携帯にメールが飛び込んで来た。
 開けて中を見てみると栄作からだった。

「鉄夫! お前、来るな! 居酒屋には近付くな! 何だか知らんがお前が女装子だって話しが幼馴染(ヤツラ)に知れ渡ってる!! 今、開店準備に入ったら店に大勢いて、その話で持ち切りだ!! 一体どうなってんだぁー!? 後で連絡する!!」
 居酒屋まであと数分というところで俺は青ざめた。

「かっ! 母さんだ!! そうに違いない!! 畜生!! 何てこったぁ!」
 俺は携帯を仕舞うと、辺りに知る人間が居ないか様子を覗って来た道を慌てて戻った。

 俺は小さな街で隠れるようにして実家へと逃げ帰った。

「あらぁ♪ どうしたの鉄夫ちゃん♪」
 玄関を開けた中に入った瞬間、二階から降りて来た母さんと出くわした。
 俺は大声で叫びたかったが、居間から父さんと妹の里奈の声が聞こえたことで、握り拳を握って我慢して無言のままで二階の自室へ向かった。

 するとソコには……

「何でこんなことすんだよおぉ!!!! 勝手に俺のバック開けて何してんだよおおぉ!!」
 
 部屋の壁の端っこと端っこに物干し竿が掛かっていて、そこには俺がバックに忍ばせてきた女物の下着やストッキングが洗濯して干してあった。
 叫んで大声を上げたかった俺は心の中で半狂乱のように叫んでいた。


 
「母親(あのひと)おかしいよ! 絶対におかしい!! 何もかも変だ!!」
 俺は干してある洗濯物を回収すると大急ぎで押入れに干しなおして、尚も嫌な予感がして箪笥の前に立った。

「畜生おおおおー!!! 何てこったあぁぁぁー!!」
 引き出しを次々に開けて見ると、男物の下着も靴下も無くなっていて、女物と全部が入れ替わっていた。

 何処でどう調べたのか、引き出しに入っている女物の下着は全部、俺のサイズになっていてブラジャーさえもピッタリフィットする物ばかりだった。
 LLサイズのパンティーは丁寧に丸められて小箱に入れられいて、パンティーストッキングは五足組の色違いが六種類も詰め込まれていた。
 恐らく風呂場で後から俺の乳房を揉んだ時に計測したんだろうことは薄々解かった来た。
 パンティーにガードルに意味も無く生理用のサニタリーショーツまで丁寧に入れられ、引き出しごとに種類が整えられていた。
 
「これだけの量を一度に買ったてことは、もしかして親父や里奈にも……… うわああぁぁ! 身の破滅だあああー!!」
 俺は両手で頭を覆いながら床に両膝ついてベッドに顔を埋めた。

「もう駄目だ! ここには居られない!! 早く逃げなきゃ! こんな小さい街で噂にでもなったら俺は物笑いの種にされちまう!!」
 俺は慌てて時計を見て最終電車に間に合うことを確認し荷物を纏めとした。

 すると突然、妹の里奈が部屋に入って来た。

「どうしちゃったの? 怖い顔して~♪ ああ、そうそう、このニーソックス可愛いからお兄ちゃんの分も買って来たからあげる♪ 里奈とお揃いのだからねぇ~♪」
 妹の里奈はニコニコ嬉しそうに笑みを浮かべてキャラクターの入ったニーソックスを俺に手渡した。


 俺は里奈の顔を見れず視線を壁に向けたまま、涙がツーッツツツツと頬に伝わった。


「うそぉ! お兄ちゃん、そんなに嬉しいのぉ~♪ ねぇ! 里奈とお揃いのニーソックスが嬉しいのおぅ♪ 何か感激しちゃった~♪」
 妹の里奈は完全に俺を誤解していた。

「里奈…… まさか、お前、母さんから……」
 俺は恐る恐る里奈の顔を見ずに声を絞って聞いてみた。

 すると、里奈はニッコリと微笑んだ。

「うん♪ 知ってるよ~ お兄ちゃん、女性になるんだよねぇ~♪ 里奈ねぇ、ホントはちょっとお兄ちゃんじゃなくなって寂しいんだけどさ♪ でもお姉ちゃんも欲しかったしぃ~♪ 最初は驚いたけど、お兄ちゃんて女顔だしねっ♪」
 両手を後に組んで照れ臭さそうに腰を左右に振る里奈は淡々と話した。

「だからさっ♪ 気にしないで実家(ここ)に居る間は、女の人の服装していいからねっ♪ じゃ、また後で♪」
 俺は放心状態のようにベッドの前で壁を延々と見詰めていた。

 どうやら母さんの勘違いは家族全員はおろか街中にもその話しを広めたのだと俺は思った。
 とは言え、諸事情はあるものの今更、趣味ですなんて言える訳もなく、下手に言ってしまえば変質者のレッテルを貼られることは間違いなかった。
 街中が親戚、或いは何らかの関係で繋がっている小さな所だけに、それなりに理解者は多いが、それはあくまでも真剣に悩んでいるとかそう言う事情でのことで、ブラジャーの着用から女装するわうになりましたなんて言っても通用しない訳で。
 確かに女装する者にとってはいい環境なのかも知れないが、おれは不通に女の子が好きな訳で、将来は女の子と結婚して不通の暮らしをしたい訳で、そりゃ、将来の奥さんに隠れて女装するかもしれないけど、性転換して男と結婚するなんて考えらない訳で。
 でも、もし本当に街中が理解してくれたんなら、一度くらいは女装子(おんな)として外を歩いて風に吹かれて見たい訳で。
 風でスカートが捲くれあがって、キャァー♪ なんて言って見たい訳で。
 もしも、自由に女装子(おんな)として歩き回れるならそれはそれで楽しい正月な訳で。
 
 俺は夕飯も忘れて自問自答のように繰り返し続けていると再び栄作からメールが届いた。


「鉄夫! 街中がお前の性転換の話しでごった返しているぞ! 今、役場で働いてる勇太郎も来てて店は珍しいことに超満員だ! オマケにお前が豊胸手術してることもバレてるぞ! 今夜、家から一歩も出るなよ! その方がいい!」
 栄作からのメールは俺を更に追い詰めた。

 そして続け様に二十数件のメールが俺の携帯に押し寄せた。
 それは全てが性転換に対する祝福の内容で誰一人として誹謗中傷する者はいなかった。
 強いて言えば女共が乳房が見たいとか乳首は感じるの? その程度の内容だった。
 幼馴染(ヤツラ)は酔っているのだろうか、一方的なメールは次から次ぎに携帯を鳴らし続けた。
 誰かが家に押し掛けて来るんじゃないかと不安は募る一方だった。
 そして夜の十時過ぎ、俺はドンドン不安になって栄作にメールをした。


「怖いんだ… 誰にも気付かれずに来てくれないか。 頼む…」
 俺は手を震わせて携帯を操作した。

 メールを送ると栄作からOKの返事が直ぐに来たが、俺は怖さから部屋の明かりを消して窓越しに座りカーテンの隙間から外を何度も見張った。
 だが、時間が十一時を過ぎても栄作は現れず日付が替わろうとした十二時頃、外の街灯に一瞬だけ照らされた人影が見えた。
 俺は栄作だと直ぐに気付きホッと胸を撫で下ろした。
 栄作は家のチャイムを鳴らさずに、裏の勝手口へと回るのが見えた。
 1階の明かりが窓から漏れていた。
 そして数分たったが栄作は一向に来る気配が無かった。
 母さんに捕まっていると俺は確信した。
 そして十数分した頃、階段を駆け上る栄作の足音が聞こえた。


「すまんすまん♪ 幼馴染(ヤツラ)が中々帰してくれなくてさっ♪ でも安心してくれ! 一応、例の噂は掻き消して置いたから♪♪ この街の情報通として知られる俺の話をみんなは信じてくれたと思う♪」
 栄作は息を切らして説明しながら床に時下座りした。

 そんな栄作は買物袋からビールや、居酒屋で買って来た焼き鳥類を取り出すと俺の前に差し出した。


「ところでその金色の箱は何だ? 新しいタバコか?」
 俺は栄作の逆の手に持たれている物に視線を移した。


 すると栄作は突然、慌ててズボンのポケットに隠そうとして俺はそれを取り上げた。


「あっ! あ… そ、それは… 今、勝手口から入ったらお前の母さんが持って行けって…… 優しくしてあげてねって… その… 俺にくれたんだよ……」
 栄作から取り上げた金色の箱を見る俺に、栄作はオドオドしながら俯いてボソボソと話した。


 それは紛れもないコンドームだった。


「畜生!! 母さんのヤツ!! こんな物までえ…… 畜生!! 何て親だ!!」
 俺は悔しさに涙を滲ませ目の前の缶ビールを開け喉に勢い良く流し込んだ。


「すまんっ!! 鉄夫! 勘弁してくれ!! 今、お前の母さんに捕まって… それで… その… お前を嫁に下さいって!! お前の母さんと父さんに土下座したら!! そしたら… その… 不束な娘でございますがって…… お前の両親も俺の前に土下座して! すまん!! 勝手なことして! この通りだ勘弁してくれ!! そしたらお前の母さんが、お前の父さんの見ている前でコレをくれたんだ! 里奈ちゃんも下に居て、邪魔したら悪いからって今夜は下で寝るって…… 一応、お前の両親からはOKの返事は貰ったけど…… 本当ならお前と二人で頼むのが筋なんだろうけど…… 怒らないでくれ鉄夫!」
 栄作は俺の前で土下座して詫びた。

「謝るところが違うだろおおおぉぉー!!! おい!! てめぇ! 何てことしてくれたんだあぁ!!」
 俺は声を絞って低い声で吠えながに栄作の胸倉を掴んだ。

「何で俺がテメェと結婚せにゃならねえんだよおおぉー! いいかあ! 俺はお前ともだが、男とは結婚しねえぇからなあぁ!! 解かったかあぁ!!」
 俺は大魔神のような形相で栄作を攻撃した。


 すると栄作はニコニコして小さな声で呟いた。


「俺はお前に童貞を捧げたし、お前の処女も俺が貰ったんだ…… 今更俺たちの間に愛が存在しないってのも… ナハハハ… なぁ~♪♪♪」
 栄作はデレデレして鼻の下を伸ばし赤面させた。

「愛も何も、お前が俺をレイプしたんだろお!! 忘れたのか!? お前が無理矢理、俺を犯したんだ! 何処に愛があるんだよ、愛が!!」
 俺は栄作の胸倉を掴むと前後に激しく揺すった。


 すると突然栄作は真顔になって俺の両手を振り払った。

「いい加減しろ! 鉄子!! 照れる女は可愛いが度を越したら可愛くないぞ!!」
 栄作は俺に真顔で熱い視線を送った。

「誰が鉄子だ!! 俺の名前は鉄夫だ、鉄夫!! それに俺はまだ女じゃねえぇ!! 男だ! これからも男のままだ!!」
 再び俺は栄作の胸倉を掴んで前後に激しく揺すった。


 酒の入っていた栄作はニコニコするばかりで一向に問題は解決しなかった。


 俺たちは無言のまま焼き鳥を肴にビールを飲み続けた。
 そして時間が深夜の一時を少し回ると、栄作は突然、服を脱いでトランクス一枚になると俺のベッドに入った。


「鉄子、そろそろお前も来いよ……」
 俺は栄作の行動とその言動に唖然となった。

「下着とか男のままだろ、鉄子! 着替えて早くここにおいで~♪ 俺たちはお前の両親公認の仲なんだから恥かしがることは無いんだ♪ さっ、ここにおいで……」
 栄作は完全に出来上がっていた。

 とは言え、俺も酔いが回っていたが、まさか実家で一つのベッドで男同士寝るわけにも行かず、俺は暖房をしたまま毛布に包まって眠ることにした。
 俺は明かりを落として小玉に切り替えると、ベッドに居る栄作から少し離れて服を着たまま寝ようとしたが、居酒屋に出かけようと乳房を包んだサラシが窮屈で一旦、服を脱いでサラシを外し始めた。
 その様子を栄作が見ていたことは知っていたが実家で襲われるなんて考えもしていなかった俺は、スルスルと音を立てサラシを外した。
 Aカップの小さな膨らみがプリリーンと揺れた。
 俺は栄作の視線を感じながらも後ろ向きに服を着始めた。
 栄作がベッドから起き上がる音が聞こえた。
 俺は咄嗟に栄作に身体を向け防御体制をした。
 栄作の目がギラギラしていた。
 俺は咄嗟に栄作に近付いた。


「このままじゃ、い・や…… 女装子(おんな)になるから待ってぇ♪ 後を向いてて~♪ お・ね・が・い……」
 俺は栄作の耳元で愛らしく囁いた。

「いまだ!!」
 俺は栄作が後ろを向いた瞬間、栄作の両手を後ろに縛り上げ、ヤツの口を粘着テープで塞いだ。

「これで安心して眠れる…」
 俺は栄作に布団を掛けると一気に寝入ってしまった。


【六話】


 何かに圧迫されて目を覚ました俺は、つくづく自分の甘さを反省させられた。
 栄作を縛る紐に緩みがあったがキツク縛ると痛いだろうと少し緩めにしたのがマズかった。
 剥ぎ取られた毛布の上には栄作が居た。
 まるで小説の御約束のような展開だった。
 恐らく眠っている間に暑くて自分で脱いだであろうポロシャツ。
 圧迫を感じて目を覚ました時は既に遅かった。
 自力で脱出した栄作の両手がランニングシャツの上から俺の乳房に這わせられていた。
 シャツの上から回される栄作の手の平は的確に俺の乳首を捕捉していた。
 布一枚挟んだその官能は直接触れる時の数倍に匹敵し俺は抵抗する間もなく栄作の餌食になった。
 全身の力が抜け動けなくなった俺は栄作にシャツを捲り上げられた。
 乳首に感じた栄作の唇と舌の動きに思わず喘ぎ声を奏でそうになって、必死に喉の奥で出すまいと堪えた。
 栄作の手が、俺からスボンを奪い去り間をおいてトランクスを剥ぎ取った。
 この時点で客観的に見れば男同士の愛欲だろうか。
 栄作は一通り両方の乳房を味見すると、両手で俺の乳首を弄りながら俺のペニスにムシャブリついた。
 首を左右に振る俺は口元にあった毛布を銜え漏れる喘ぎ声を抑えた。
 仰け反って身悶えする俺は一階にいる家族に音を聞かれまいと抑制し続けた。
 栄作の口は休むことなくペニスと玉袋を味見し、時折俺から溢れる愛液を思い出したように啜り舐め取った。
 あとはお決まりのコース、最後は肛門に執着し時間を掛けて俺を辱め、最後は正常位で栄作は俺の中に入って来た。
 母さんから渡されたコンドームでだ!。
 ゼリー付きのコンドームはスルリと俺の中に入ると、栄作はゆっくりと腰を振った。
 激しい便意と肉棒の違和感に、早く終って欲しいと心の中で願いながら唇を噛み締めた。
 ただ、一回目と違っていたのは、栄作は俺の中に入り腰を振っている最中、俺のペニスを優しく丁寧に揉みながら扱いていたことだった。
 俺から溢れた愛液はペニス全体に行き届いて、栄作の手から摩擦の痛みを消してくれた。
 ニィチャニィチャと嫌らしい音を漂わせた。
 そして別の手は俺の乳首をリズミカルに弄り回した。
 栄作は俺の両足を肩で担ぐようにして両手を使い分けた。
 激しい便意と違和感に襲われながらも少しずつ俺のペニスが硬くなるのが解かった。
 そして栄作に扱かれたペニスが大きくなった時、俺の顔の間傍の所に俺の肉棒の先がこっちに向いているのが解かった。
 俺は戦々恐々としていた。
 このままもし俺が射精すれば間違いなく、俺は自分の精液を自分の顔に発射することになると。
 俺は扱かれる肉棒から気を反らし乳首に気を集中させた。
 徐々に俺の肉棒は縮み始めた。
 すると栄作(ヤツ)は慌てて扱くスピードをアップさせ再び俺のペニスを肉棒化させた。
 俺の中を出入する栄作のスピードが増した。
 出来る物ならおれは栄作に叫びたかった。
 やめろおおおお!
 だが栄作は残酷にも俺の肉棒の性感を高め続けた。
 打ち付けられる俺の尻肉が揺れた。
 便意は益々高まった。
 乳首の官能も限界に達した。
 栄作の肉棒が根元まで俺に入って動かなくなった瞬間。
 俺は女のエクスタシーと男のオーガズムに略、同時に襲われた。
 顔に飛んで来た粘りのある液体は俺の顔を直撃した。
 俺は失神した。
 
 朝、目覚めた時には栄作の姿は無く、ベッドの上の布団は床に寝ている俺に掛けられていた。
 顔に粘りついたであろう、俺の精液はキレイに拭き取られていた。
 そして一枚のメモに呆然となった。

「俺の愛する鉄子へ。 鉄子の精液の味と匂いは絶対に忘れないよ。 美味しかったよ。 今度はちゃんと女の服着てる時にセックスしたいな♪ そして出来れば直接口をつけて鉄子の精液を飲んで見たいな。 濃くて美味しかったよ。」
 
 栄作が俺の顔に出した精液を舐め取って飲んだのだと知った。


 二日酔いでもないのに突然の嘔吐が俺を襲った。
 そして俺は激しい自己嫌悪に襲われていた。
 同級生で幼馴染の男に自分の精液を飲まれたのだから。
 自分の身体の中の液体をだ。
 しかも失神している最中に。
 朝の七時、俺が居た堪れない気持ちで布団を片付けていると、下から妹の里奈がやってきた。


「お兄ちゃん、昨日、栄作ちゃんとセックスしてたでしょ♪ 床がギシギシ鳴ってたもん♪♪ もう処女じゃないんだね…♪ うふふふ~♪」
 里奈は嬉しそうにいい放つと、直ぐに部屋を出て一階へ戻って行った。


 俺は叫びたい気持ちで一杯だった。
 
 
 栄作にレイプされたのに、家族はまるで俺たちがラブラブの関係のように思ってることに、怒りを通り越して悲しくて涙が溢れてきた。
 俺は心の中でどうにでもなれと言う感情に襲われた。
 
「そんなに! そんなに俺に女になって欲しいのかよお!! 畜生!!」
 声に出せない心の叫びだった。


 俺は頭に来て裸になると箪笥から白いパンティーを出し両足を通すと、黒いパンティーストッキングも取り出して下半身を包んだ。
 黒いブラジャーで乳房をガードし、その上から黒いレース付きのスリップを纏って、黒いタイトスカートで下半身を覆い、スリップの色が透けるであろうことを承知で白いブラウスを着た。
 襟元にリボンをつけて黒いジャケットを着た俺は、そのままの姿で自室を出ると一階へと降り立った。


「ザマアー見ろ!! こうして欲しかったんだろう!! アンタらはよおう!!」
 俺は独り言のように呟きながら父親と母親とそして妹の里奈のいる一階の居間へ入った。


 ところが……


「あぁ、鉄夫ちゃん、おはよう♪ まだ寝てても良かったのに~」
 母さんは俺の姿を見ても顔色一つ変えずに朝食の準備に追われていた。

「あ、そうそう今日は町内の年始の集会だろ、俺が行ってくるから母さんは家にいなさい。」
 ソファーに座り新聞を手に、俺をチラッと見たはずの父親も驚く様子もなかった。

「お兄ちゃん♪ せっかくオメカシしたんだからお化粧くらいしたら~♪ てか、顔洗ってないでしょ♪」
 妹の里奈までもが驚く様子をみせなかった。

「こいつら家族そろって異常だ!! 絶対に頭がどうかしてやがる!!」
 俺は口元を固く閉じて心の中で叫んだ。


「散歩にいってくる!!」
 俺は苛立つ心を抑えきれずに、自宅をそのままの姿で出ようとした。


 すると母さんが俺に声を掛けた。


「鉄夫ちゃん! 運動靴はダメよ♪ せめてパンプスにしなさいね~♪ 鉄夫ちゃん足に合うの買ってあるからそれを履いて行きなさい♪」
 俺は用意されていたパンプスを見て一瞬フラついた。


「畜生! ドイツもコイツも頭が腐ってやがる! これでも家族か! 何だその格好は!! 何て激怒しねえのかよ!!」
 俺は母さんの用意してくれたパンプスを履いてスーツ姿で外へ出た。


 頭に血が上ってたとは言え、やはり女装子(おんな)の姿は恥かしく、辺りに人気がない事をチラチラ確認しながら足を進めた。
 スカートの下から入る風は冷たくて、ペニスを覆うパンティーは一瞬にして熱を奪われた。
 歩く度に風に舞うスカートの裾。
 ある意味、夢にまで見た女装子(おんな)としての外出。
 姿かたちは遠目には女でありながら、スッピンの顔は男そのものだろうか。
 
「やっぱり戻ろう… こんな姿他人に見られたら元も子もなくなる!」
 俺は家から数百メートルの地点でクルリと自宅方向へ身体を回した。


 するとそこに一人の男が居た……


「鉄夫か~♪ おい! 鉄夫だよなー♪♪ おいおい見違えちまったよお~♪ お前が女になるって話し、本当だったんだな~♪」
 突然、声をかけられ恥かしさに俯いた俺は、その声が農家の定吉だと直ぐに解かった。
 定吉は俺を見回して嬉しそうに歓喜し肩に手を掛けた。

 定吉は幼馴染の一人で栄作達と前夜、居酒屋で集っていたうちの一人で、田畑を耕している農家の長男坊だった。。
 
「そうそう♪ 良かったら俺んち来ないか♪ 話したいことも山ほどあるし! なあいいだろ♪♪」
 定吉は満面の笑みで俯く俺の顔を下から覗き込んだ。

「やぁ、恥かしいいぃ~♪ あんまり見ないでよおぅ~♪」
 俺は咄嗟にジョークのつもりで鼻声で恥らって見せた。

「可愛いー!!! 凄げえぇー!!!」
 定吉は俺のジョークをジョークとは受け止めずピョンピョン飛び跳ねて大喜びした。

「さあ、入れ入れ!! いやぁ♪ しかし、お前が女になるなんてなぁ~♪ 都会じゃ今、ブームなんだろぉ♪ てか、お前、マジで可愛いなぁ~♪ いや、俺も実はな、お前ってどう見ても女顔だよなーって子供の頃から思ってたんだわ~♪♪」
 定吉は玄関先で定吉の両親を呼びつけると一人で喋り続けた。

「あれえー!! 鉄っちゃんでないのおぅー♪ まあまあーベッピンさんになっちゃってぇ~♪ 若い頃のお母さんそっくり♪」
 定吉の母親は女装子(おんな)の俺を見て手を叩いて一緒に出て来たサダ吉の父親のと俺の顔を見往復して歓喜した。

「うむ… 確かにベッピンさんだけど、化粧とかはしないのかい鉄夫くんは…?」
 定吉の父親は俺の顔をマジマジ見ると心配そうな様子を見せた。

「もう! お父さんてば♪ 若い娘はね! お化粧なんかしなくてもそのままが可愛いのよ♪ お化粧は肌も弱くなるからね~♪」
 定吉の母親は俺の肩に手を置いて俺を庇った。


 俺は定吉の部屋のある二階へと通された。


「なあ、定~ 俺ってそんなに女顔してたんか~? てか、何でみんな女装してる俺見て驚かないんだあ~? 不通は驚くだろ??」
 三人掛けのソファーに斜め座りする俺は、目の前の小テーブルの向うに居る定吉に疑問をブツけた。

「てか、今だから言うけど、元々、鉄夫はさー 子供の頃から周りは、ある意味で女って意識が強かったんだよな~♪ 誰も口にしなかったけどさ、俺たち男もどうやって接していいか正直わかんなかったとこもあったよ。 一時、髪を伸ばしてた頃あったじゃん、あん時は、お前をオカズにしてオナニーしてヤツも少なくなかったはずだよ… てか、多分、この町じゅお前のこと男じゃなく女って思ってた人の方が多いんじゃねえかな~ だから女装してるお前見ても違和感ないし、普通なんだと思うよ。」
 定吉は椅子に座って両腕で両膝を抱いて照れることなく淡々と語った。


 俺は初めて聞かされる周囲からの反応に言葉を失った。


「だから、昨日もお前のことで盛り上がったけど、誰も悪く言うヤツは居なかったし、むしろこれで普通に接すること出きるって、みんな大喜びしてたんだぜ♪ チョイこれ見てみなよ… 小学校に中学校に高校… どう見てもお前、女だろ! 男子といても女子といても、いっつもお前が真ん中に写ってるし…… 高校の時の担任なんか、お前の傍から離れなかったし♪ 担任(アイツ)はお前に気があったってのは有名な話しだしな♪」
 定吉は不思議な気持ちで聞きいる俺に懐かしそうにアルバムを開いては指差しして話した。


「それはそうと、性転換すんだろ♪ この町のモンは全員、賛成してっからさ♪ 心配すんなよ♪」
 一瞬、定吉が照れたような表情を見せた。


 俺はそんな定吉の前で斜め座りから足組をした。
 定吉の視線を太ももに感じた。
 定吉は俺の視線を感じて直ぐに視線を外した。
 
「なあ、定~ 幼馴染として聞くけど… いや、定吉を男として聞くけど… 俺、いや… 私は魅力あるの… かな……」
 俺はあげていた顔を俯むかせながら上目遣いで聞いた。


「あ、うん♪ 魅力的だと思う♪ うん… うん…」
 定吉は急にモジモジしだして声をうわずらせた。


 俺は定吉の視線を胸元に感じた。


 俺は子供の頃から自分の知らなかった周囲からの反応を、定吉自身を含めて話を聞いた。
 小学校の遠足の話しから始まって、中学での様々な出来事や高校の学校祭での仮装大会で、俺がセーラー服を着た時のことになると定吉は顔を真っ赤にして照れながら話をを弾ませた。
 
「いやぁー♪ あの時の哲夫のセーラー服姿見た時は男たち全員が、哲夫のスカートの中に顔埋めたいなんて思ったもんだよー♪♪」
 定吉はロレツが回らないほど、俺の前で照れまくった。


「俺…… いや、私ねえ…… みんなにそんな風に思われてたなんてちっとも知らなくて…… だからだったんだね~ 修学旅行の時、私がお風呂入ったら男の同級生達みんなが、私に背中向けて一人も話し相手になってくれなかったし、担任(せんせい)が私だけ一人部屋にして、寂しいかったもん……」
 俺は辻褄の合う定吉の話しに高校時代の修学旅行の時のことを思い出していた。
 自分を俺から私に変えてみた。


「畜生! こいつら俺をそんな目で見てやがったのかぁ!! この変態共がああ!!」
 俺は心の中で怒り心頭だった。

 真実を知った俺はテンションが急に落ちたような素振りを見せ、組んでいた足を元に戻すと膝の上に両手を置いた。


「あぁ! いや、俺、余計なこといっちまったみたいで! 鉄夫、すまん! 勘弁してくれえ! 俺、そんなつもりで!」
 定吉は心配顔に豹変すると突然、気落ちする俺の真ん前に来て膝を床について謝り始めた。

「あ、うん… 大丈夫よ♪ 大丈夫だから…… 心配しないでぇ……」
 気落ちしながらも無理して微笑む女を演技をした。

 突然だった……

「俺っ! 俺っ! 俺さっ! 前から鉄夫のこと! 鉄夫に惚れてたんだああー! 鉄夫おおおおー!!!」
 突然、俺の両肩に手を置いた定吉はソファーに俺を押し付けた。

「ブッチュウウゥゥゥゥゥー!!!!!」
 ソファーに倒れた俺の上に身体を重ねた定吉は俺を押さえつけるように、俺の唇に巨大な口付けをした。

「ぅぐうう!! ぅぐううう!! ぷはっー!! はぁはぁはぁ! ドンッ! ドッスウゥーン!!」
 俺は力任せに俺に乗っかった定吉を跳ね飛ばすと、定吉は床に飛んで尻かに床に落ちた。

「おえぇ! な、何すんだ! 定吉!! おえぇぇ! ゲロゲロゲロォ!!」 
 俺は跳ね起きるとテーブルにあった缶コーラを手にブチ撒け、その手で唇を激しく洗った。


 定吉は放心状態に陥った顔して床に座ったままだった。
 そしてそこへ定吉の携帯がメールを着信し音を放った。
 携帯のメールに見入った定吉の目が大きく見開かれ様子が一変した。
 定吉は全身をガチガチブルブルと小刻みに震わせながら、大きく見開いた両目で俺を見ると、携帯を俺に投げてよこした。
 俺は定吉の携帯を手に画面を見た。


「定吉ー! お前の家に鉄夫が入るのを靴屋の妙子が見て俺に連絡くれたんだが、いいか! 定吉! 鉄夫はもう鉄夫じゃねえ! 鉄子だ! 俺は鉄子のフィアンセになって、鉄子の両親からも認められた仲なんだ! いいか! 定吉! 鉄子はもう俺が二度も可愛がった間柄だ!! 俺の鉄子に手なんぞ出したらテメェは村八分になるからなあ! 解かったかあ!! 鉄子の処女は俺が貰ったあ!!」
 俺はこのメールの内容に全身を激しく震わせ大魔神のよう顔つきになった。

「鉄夫…… 本当なのか!!! それ!!!! 本当にもう栄作と!!!!」
 定吉は俺を見てガチガチと歯を震わせた。

「違あああーーーうぅ!! 俺は!!! 栄作(ヤツ)に手篭めにされたんだあぁー!! 無理矢理なあぁー!!」
 ※手篭め=レイプ
 俺は激怒してその場に仁王立ちすると床で俺を見入る定吉を強烈に見下ろした。

 すると定吉は。

「なにおおぉぉー! 栄作(ヤツ)は俺の鉄夫を手篭めにしただとおぉー!!! 畜生ーーーー!!!!」
 定吉は両寺拳を握ると全身を奮い立たせ、仁王立ちになって顔を真っ赤にして超激怒した。

「俺はあ!! 無理矢理!! 栄作にいぃー!! 辱められたんだあぁー!!」
 俺は仁王立ちする定吉にスカートを少し捲り上げて、黒いストッキングに包まれた太ももをチラリと見せた。

「弩畜生ーーー!!!!!」
 定吉は物凄い恐ろしい形相をすると、頭から湯気を出して家を出て行った。

 静まり返った部屋の中で、俺は力尽きたようにソファーに崩れた。

「オジサン、オバサン、また近いうちに遊びに来ますね♪ お邪魔しました~♪」 
 俺は定吉の両親に女らしく笑みを浮かべ挨拶すると、定吉の家を後にした。


 小さな小川に掛かる橋の袂にシャガムと流れる冬を目で追って楽しんだ。


【七話】


 
 定吉から聞かされた話しに腹を立てていた俺は、寒い冬の風に頭を冷やされた。
 考えてみれば周囲がそう思ってるということは、俺にとっては女装して町を堂々と歩ける環境であり、多くの女装子たちの夢の世界だと悟った。
 本来なら社会からも家族や親戚からも白い目で見られ耐え忍ぶ女装子なのに、俺はなんて恵まれた環境にいるのだろうかと喜ぶべきものだと知った。
 それにしても、この町の変態共は揃いも揃って俺の貞操を狙っていたなんて夢にも思わなかったのは事実だった。
 しかもその変態の内の一人である栄作に二度もレイプされ、今度は定吉にファーストキスを奪われたことは女である俺にとって一生消え無い落ち度になるはずだ。
 とはいいながら、アナルセックスは嫌だが、男に味見されるあの官能は忘れずに身体の奥底に刻まれた気がする。
 定吉はどんなふうに俺の身体を舐めるんだろう、などと想像しながら俺は用事もないのに郵便局や雑貨屋やスーパーに足を運んで女装子(おんな)を楽しんだ。
 行き交う人の目も気にならず、俺は目一杯の女装子(おんな)を楽しんだ。
 
「栄作以外の男(ひと)に味見されてみたい……」
 俺は行き交う男達を見るたびに愛欲される自分を想像した。
 道具屋の前を通れば、荒縄で縛られて愛欲されてみたいと変態のような想像に浸り、バイクで通る工事現場のオジサンを見れば、何処かに引きずり込まれて恥辱される自分を想像していた。
 
 そんな俺はパンティーの内側を濡らしていた。

 スカートの中に入る冷たい風は、俺から溢れた愛液を冷たく冷やすことで、自分が濡れていることを俺の肌に伝えた。

 ただ、そんな町とは言っても、正常な人間も居たことは間違いなかった。
 俺が駅の方へ足を進めていると、遠くから鋭い視線を感じた。
 小さな子を連れた二十代の母親らしき複数の親が俺を凝視してヒソヒソと何かを話していた。
 間違いなく俺の話しだろうと思った。
 俺の目の前を男の子が数人走り去ろうとした瞬間、その子達は突然足をとめた。


「やあああーーい♪ オカマー♪ オバケー♪ やーいやーい♪♪」
 子供達は俺にケツを向けペンペンした後、大声で笑って逃げていった。


 俺は嬉しかった。


「俺は夢を見ているんじゃない♪ これは現実の世界なんだ♪ 同性愛や女装小説なら大抵は夢だったりするもんだが、これは紛れもない現実なんだ♪ その証拠に俺を知らない人たちは俺を冷たい目で見ている♪」
 俺は普通なら喜べない自分がからかわれた事を大いに喜んだ。


 小さな町を一回りした俺は帰路についた。


 鼻歌交じりで家の傍に来た時、後が騒がしいのに気付いて振り向いた。
 何でか知らないが俺の後ろを大勢の老若男女がゾロゾロと着いてきていた。
 振り向いた俺の視線を交わすように大勢の人達は何も無かったかのような素振りをする。
 俺は遊んでいるみたいで面白かった。
 突然、走れば走ってついてきて、止まればピタリと止まる。
 まるでゲームをしているようだった。
 俺はこのまま家に帰るのはマズイと思い、近くの栄作の家に足を切り替えた。
 大勢がついてきた。
 栄作の家の玄関を開けて中に入った俺は裏口から出ると、隣りの物置代わりに使っている古民家の中に入り、再びその古民家の勝手口から外に出た。
 遠くからチラっと見てみると栄作の家の玄関は結構な人だかりになっていた。
 俺は急ぎ足でイオに戻った。
 そんな俺が玄関で見た物は男物の運動靴が二つ。
 パンプスを揃えて隅っこに置くと二階の自室へ移動した。
 部屋に入って俺は仰天した。
 顔をボコボコに腫らした栄作と定吉が胡坐をして座っていた。
 喧嘩したのは直ぐにわかった。
 原因は俺だと思った。
 俺は二人の顔をチラッと見ると、ジャケットを脱いでハンガーに掛けた。
 ベッドに腰を下ろし二人の前で足を組んだ。

「でっ! 何してんの女の子の部屋で~?」
 俺はツンケンな態度をして見せた。


 二人は一瞬、俺に何かを同時に話そうとして俯いてしまった。


「あのさあー! 以前ならともかく今は女性の部屋なのよー! 幼馴染だからって常識ないのね……」
 栄作と定吉は俺の一言に一瞬顔を上げたものの、直ぐに再び俯いた。
 女口調の俺。


「俺は鉄夫を手篭めにしたコイツが!! 女を犯すなんて許せなかったからー!!」
 床に胡坐していた定吉が正座して背筋を伸ばして俺を見た。

「手篭めにしたのは事実だ!! だが俺はちゃんと鉄子の親から許しを貰った!!」
 同じく正座して定吉をチラッと見て直ぐに俺を見た栄作。

「親から許しを貰う前のはどうなんだ!! それに親の許しってのは鉄夫を無理矢理犯すことなんか!! 違うだろ!! 親が自分の娘を犯す許しを出すか!!」
 栄作は声を少し大きくして真横の栄作を睨み付けた。

「それは! だが、それは…… でもな! 鉄子は確かに俺の腕の中で女の喜ぶ声を出した! 可愛い声を俺に何度も聞かせたんだ!! だから鉄子は俺の!!」
 栄作は少し照れたような顔したが直ぐに顔を固くした。

「貴様ー!! 彼女を愚弄する気かああぁぁ!! この野朗ー!!」
 定吉は栄作の言葉に激怒して栄作に掴みかかった。

 栄作と定吉は俺の前で正座したまま互いに掴み合った。


「でもさっ、私のファーストキス…… 定が… さっき無理矢理、奪ったのよね…… もしあの時、私が抵抗しなかったら、きっと私の身体…… 味見してたよね……」
 俺は掴み合う二人の前で寂しげに囁いた。

 栄作の目が釣りあがった。

「てめえぇ! 俺の鉄子の唇を!! 人の女房になる女の唇を…… 弩畜生!!!」
 栄作は再び定吉を掴む手に力をこめた。

「てかさ、喧嘩なら何処か別の場所でしてくんないかな~ 私、着替えるんだけど…… それに私は誰とも結婚しないし、結婚なんて考えたこともないわ! 第一、まだ性転換もしてないんだから~」
 俺は敢て女口調で二人の顔を見ないようにツンツンした態度を見せた。


 二人はツンツンする俺を見ると一瞬だけ互いをチラっと見て、バツの悪そうな顔して立ち上がり部屋を出ていった。
 俺はブラウスとタイトスカートを脱ぐと、デニムのミニスカートに履き替えキャミソールを着てトレーナーを身に纏とうと、学習机の上に化粧道具を置いて薄化粧をした。
 気分を変えたかった。
 だが気分は変わらなかった。
 
「俺は本当に女顔なんだろうか……」
 薄化粧した顔を鏡に映してマジマジと見入る。

「どう見ても男にしか見えないんだが……」
 口紅を塗った唇に軽く右手の中指を当てて、鏡の中の自分のを再び見入る。

 
 暖房を入れている部屋とは言え、ストッキング一枚では肌寒さを覚えた俺は、黒いパンストを脱ぐとライトブラウンのパンストに履き替え、その上から黒いオーバニーを履き足した。
 デニムのミニスカと黒いオーバニーは下半身に可愛らしさを醸し出しながらも、しっかりと体温を維持してくれた。
 さすがに妹の里奈から貰ったキャクター物は恥かしくて履く気にはなれなかったから、母さんの用意してくれた物にした。
 しかし、実家の自分の部屋で堂々と女装子(おんな)になれるなんて夢にも思わなかった。
 まして衣類から何から全てを実の母親が用意してくれるなんて、想像だにできるものではない。
 俺は狭い部屋で腰をフリフリして楽しんだ。
 少し照れた。
 ただ、嬉しさに浸っていられたのは束の間だった。
 さっき部屋を出て行った栄作と定吉の二人が再び戻って来た。
 化粧して着替えた俺を見た二人は目を丸くして驚いた顔して見せた。
 二人を見た俺は一瞬にして憂鬱な気分になった。
 大きな溜息をして学習机の前の椅子に腰掛けようとした瞬間、突然俺は栄作に後ろから羽交い絞めされた。
 定吉は栄作に顔で合図されると、部屋のドアを閉め俺の両脚を両手で持ち上げた。
 突然のことに驚いて大声を上げようとした俺の口を後の栄作が塞いだ。
 俺は暴れて逃げようと試みた。
 二人は俺の身体をベッドにうつ伏せで放り投げた。
 俺はベッドの顔を押し付けられ、両手を後に何かで縛られた。
 仰向けにされた俺は粘着テープで口を塞がれた。
 犯されると思った俺はベッドの上を物凄い勢いで身体を跳ねさせた。
 だが直ぐに栄作と定吉に押さえつけられた。
 俺はベッドの上で二人を睨み付けた。
 すると栄作は息を切らせて定吉に声をかけた。


「はぁはぁはぁ… 定! 好きにしてもいいぞ! はぁはぁはぁ… 美味しそうな身体だろ♪ ホラ♪ 味見させてもらえ♪」
 栄作の手が俺のミニスカートを軽く捲り上げた。

「ぅぐううう!! ぅぐぅぐぅぐうう!!」 
 俺は粘着テープの下からヤメロと必死に叫んだ。

「定! 見てみろ、女が恐怖に抵抗する顔を~♪ 可愛いだろう~♪ さあ、遠慮すんな! 味見させてもらえ! 武田鉄也もドラマで言ってたろ! 分け合ってこそ人であろうもんってに~♪ 鉄子! すまねえな~ 俺たちはお前を分け合うことにしたよ… 二人の前で辱めを受けることになるが、我慢しろよ♪ あとは俺がお前を嫁にしてやるからよ♪ うっひょひょひょひょ♪」
 栄作は俺の太ももをニヤニヤしながらジロジロ見ると、定吉と俺の顔を見往復して笑みを浮かべた。

「堪んねぇ♪ 張りのある太もも! この太ももがぁ~♪ あぁぁーいい気持ちだぁ~♪ スリスリ… スリスリ…」
 栄作が俺の頭の上に来て俺の両肩を押さえると、定吉はミニスカートを捲り上げ、俺の太ももに頬擦りをした。

「さあさあさあー♪ こっちも楽しむかぁ~♪ ホラヨ! ホイホイっと♪」
 栄作は俺の着ていたトレーナーを頭の方へ巻くりあげ顔を交わした。

 上半身を包む黒いキャミソールが二人の前に晒された。

「定吉! この下にプリンプリンした乳房とピンク色の乳首があるんだよおぉー♪♪」
 栄作は俺からキャミの肩紐を外した。

「ぅぐううう!! ぅぐううううう!!」
 俺は塞がれた口でヤメロと叫んだ。


 俺はニヤニヤする栄作の前で定吉に乳房を揉まれ乳首を吸われた。
 悔しくて涙が滲んだ。
 定吉の左手は右の乳房を揉みまわし、右手は俺の左太ももをストッキングの上から撫でまわした。
 そして沙汰基地の唇は俺の左乳首にムシャブリついて、口の中で舌を絡ませてきた。
 開いていられずに目を閉じた俺は全身をビクンビクンとビク付かせ首を仰け反らせた。
 顔の上で鼻息を荒くする栄作と、首下にいる定吉の鼻息。
 俺の左太ももを触る定吉の右手がパンストに覆われパンティーに包まれた俺のペニスを手の平で撫で回した。
 泣き叫びたくなるほどの屈辱だった。
 そんな俺に更に追い討ちをかけた栄作。

「可愛いな鉄子♪ その恥辱される顔が堪んねぇ♪ 定吉にお前を味見させてる内に俺はお前にタップリとこれを味見させちゃる♪♪」
 辱めを受けながらも激しい官能に身悶えする俺の鼻を栄作は突然抓んだ。

「ぅぐうううううー!! うぐうぐうぐううー!! 苦しい息が出来ない!!!!」
 栄作は俺の鼻を抓んで俺の呼吸を無理矢理止めた。

「どうだあ! 苦しいべー♪ 鉄子~♪ お前の苦しむ顔も堪んねえぇ~♪ あっははははは♪ こりゃいいや♪」
 栄作は俺の呼吸を鼻を抓んで止めては、放すのを繰り返して大笑いした。

 俺は大粒の涙を零した。

 すると栄作は突然、俺の口を塞いでいた粘着テープを剥がした。

「ホリャア♪ テープの代わりだあぁ~♪ スポッ!」
 息をするのに開いた口にゴムゴムしい生暖かい何かが押し込まれた。

「これをシャブレやあぁー♪ あっはははははは♪ うぐぅぅー!! うげぇ! うげぇ! ぅぐうううう!」
 俺は口に入れられた物が栄作の肉棒だと咄嗟にわかって目を開くと、目の前に栄作の陰毛と玉袋が丸見えになっていた。

「おげえええぇぇ! うげえぇぇ! おえぇぇー!! ごふっ! ぐふっ!」
 激しい嘔吐に襲われた俺にお構い無しに栄作は俺の口の中に生臭い塩味の肉棒を入れて掻きまわした。

「ほりゃほりゃほれゃああー♪ シャブレー♪ 気持ちいいーー♪♪ 鉄子の口の中は気持ちいいべえぇ♪♪」
 栄作は獣のように定吉に乳首を吸われる俺を虐待し続けた。

 地獄のような時間の中で、定吉は俺の乳房を吸い舐めまわしミニスカートを巻くりあげると、オーバニーを膝まで下げた。
 定吉の嫌らしい舌は舐めながら乳房から南下し、腹の上に溜まったキャミソールを飛び越えると、パンストに包まれた俺の太ももにその上からムシャブリついた。
 パンストの表面に残る定吉の唾液は直ぐに冷えて別の場所へと移動しベト付かせた。
 両脚は開かされされようとした。
 俺が力任せに両脚をバラ付かせると、定吉は俺の右太ももに抱き付いて、左脚を両手で開かせた。
 左太ももの付け根に定吉の嫌らしい唇が張り付いてムシャブリ始めた。
 ストッキング越しに這いずりまわる定吉の嫌らしい舌。
 力任せに開かれる左太もも。
 定吉の全体重がかけられた右太もも。
 叫びたくても口の中にある栄作の臭い肉棒が邪魔した。
  
「あっはははは♪ 定吉! どらどら貸せよ!! グイッ!」
 栄作は俺の口に臭い肉棒を入れたまま、頭側から俺の両脚首を掴んで引き寄せた。

「ぁうう!!」
 俺は尻を定吉に突き出す後転姿勢にされた。


 定吉は、栄作に開かされて引き寄せられた俺の内モモにストッキングの上からムシャブリ付いた。
 パンティーラインに沿ってチュゥチュウと嫌らしい音を立て舐め啜る定吉からは激しい鼻息が聞こえた。
 定吉の両手が俺の腰に這わされ、パンティーストッキングのゴムにかけられた。
 まるで刺身イカの皮を剥ぎ取るように俺の下半身からパンティーストッキングがスルスルと剥かれた。
 
「ぅぐうう!! 痛い!!」
 俺の左脚の内モモに力任せにムシャブリ付いた定吉は唇の下で舌を這いずらせた。


 そして俺の口の中に栄作の汚いカウパー支線液がそのヌルミを伝え、俺は嘔吐を繰り返しながらも大粒の涙を零した。
 定吉の嫌らしい両手は俺の左右の尻肉に這わせられ撫でられ続けた。
 
「はぁはぁはぁはぁ… 定吉、見てみろよ♪ 鉄子のパンティーがグッショリ濡れてるぜ♪ はぁはぁはぁはぁ… 太ももばかり味わってねえで、鉄子のクリトリスも味わえよ♪ 愛液ダラダラだぜえ♪」
 栄作の激が定吉に飛んだ。

「俺は! そろそろ鉄子の口の中でぇ! はぁはぁはぁはぁ… イクからよ♪ はぁはぁはぁ… シュッ! シュッ! シュッ! シュッ!」
 俺の両脚を押えるのを栄作は手から自分の身体へと変えた。
 栄作は俺に汚い肉棒を加えさせたまま自らの手で肉棒を扱き始めた。

「タップリ飲ませてやるからなぁ、鉄子ー♪」
 栄作は休めることなく肉棒を扱き続けた。


 俺は肉棒を口に入れられたまま制止することも出来ずに息をするのがやっとだった。


「はぁはぁはぁはぁ… スルスルスルーッ!!」
 定吉は俺からパンティーを剥ぎ取ると、栄作の身体で押さえつけられている俺の両膝へと移動させた。

「堪んねえぇ!! 鉄子の使用済みパンティーの匂いだぜぇ♪♪ あっははは♪ はぁはぁはぁはぁ♪♪」
 定吉が両膝へ移動させた俺のパンティーの匂いを栄作が嗅ぎまわした。

「ぁううう!! ぅあっ!! ぁひぃ!!」
 突然、俺の縮んだペニスを定吉の口が吸い込んだ。

「あひっ! あひっ! あひっ! あひっ! あひっ!」
 定吉は俺のペニスを口の中で転がしチュパチュパと音を立てて味わい、俺は脳天が砕けるほどの官能を一気に受けた。


 身悶えと仰け反りを繰り返し大きくビクつく俺は栄作の射精に脅えた。
 肉棒を扱く栄作の息遣いにビクビクしながら定吉からの激しい愛欲に官能を続けた。
 定吉の唇と舌はペニスのみならず玉袋とその周辺にまで味わいを広げた。
 その度に俺は声にならない卑猥な喘ぎ声とヨガリ声を唸り声に変えた。
 そしてその鳴き声が絶頂に達したのは、定吉の舌が俺の肛門を直撃した時だった。
 俺は全身を痙攣させ頭の中が真白に変化した頃、栄作もまた俺の口に銜えさせている臭い肉棒を勢い良く扱いた。
 
 激しい噴射感を口の内側に感じた。
 苦味のあるヌルヌルドロドロした生暖かい液体が俺の口いっぱいに広がった。
 喉に流れ来るオゾマシイ液体を吐き出すことも出来ずに、後手にしばられたままの俺は首を左右に振って栄作の肉棒から逃れようと必死になった。
 歯茎に絡みつく汚い液体と肉棒から次々に流れ出る液体が口の中で合流し喉をヌルヌルドロドロと目指していた。
 激しい嘔吐は繰り返されながらも栄作の放った液体は少しずつ俺の喉の奥へと消えて行った。
 ヌルヌルした液体を喉に感じながら、肛門に押し付けられる定吉の舌に絶叫を繰り返した。
 やがて栄作の肉棒は俺の口の中で徐々に縮んでいった。
 そして、ようやく栄作のペニスが俺の口から引き抜かれた時、俺の唾液と混ざり合った栄作の精液は俺の顔にポタリポタリと滴り落ちた。
 ポタリポタリと精液を顔に落とされながらも、俺の鼻の穴を塞いでいた栄作の玉袋が離れた時、俺は大きく鼻で深呼吸をしたが、そけも束の間、今度は激しい痛みが俺の肛門を襲った。
 栄作が俺から離れる瞬間、俺の両脚の内モモに定吉の両手が掛けられ、勢い良く自らのカウパー支線液を使ってか、定吉の肉棒が入って来た。
 ズブリウゥゥー! ヌプヌプヌプと入って来た定吉の肉棒は激しい便意を催す俺の中で前後を繰り返した。
 グッタリして抵抗する気力も無い俺の両脚を抱きかかえながら、定吉は前後を繰り返し、俺の内側にその男の硬さを伝えた。
 定吉の肌が俺の尻肉を連続して叩きつけ肌と肌の当たる音が部屋の中に響いた。
 首を左右に振って大きな便意と痛みに耐える俺を見た栄作は、縮んだペニスでピタピタと俺の顔を何度も叩いて笑い声を出していた。
 俺は悔しさを我慢出来ずに咽び泣いた。
 そして数分後、俺の中に入っている定吉の獣の雄叫びが発せられた時、グイッと俺の肛門に肉棒を押し付けた定吉の動きがピタリと止まった。
 肛門に僅かに感じる定吉の肉棒の太さが変化することで、俺の中に定吉が射精した事を物語った。
 そして定吉が俺から肉棒を引き抜いた時、ドロドロした液体が絞まりの悪くなった肛門から滑り落ちた。
 全身を震わせ咽び泣く俺の頬を栄作はニヤニヤしながらペニスで何度も叩いていた。
 そして遂に俺は放心状態に陥った。
 そんな俺の上でニヤニヤしながら栄作はペニスを肉棒化させ俺の乳房めがけて二度目の射精をし、感化されたように再び硬くなった肉棒を定吉は挿入して来た。
 栄作は射精して直ぐの肉棒を俺の顔に擦り付けた。
 唇は栄作の精液に塗れた。
 定吉は二度目の射精を俺の身体の中にではなく俺の顔に放った。
 俺の顔は二人の精液にドロドロヌルヌルと塗れた。
 
「女装子(おんな)のくせに男を舐めるからこうなるんだ… いいか! 鉄子! お前はこれからも俺と定吉、二人の物だからな! まあ、お前が性転換したら俺の女房にして毎日楽しませてもらう! 解かったかあ!」
 栄作と定吉はベッドにいる俺を放置して、ニヤニヤしながら床に時下座りするとタバコを吸い始めた。


 両脚を開いたままの俺の目から溢れた大粒の涙が、二人から放たれた精液を洗い流した。


「定吉! また明日も味見させてもらうべー♪」
 タバコを吸いながら定吉に声かけた栄作。

「しかし~♪ コイツも泣いたり悶えたり忙しい女だなぁ~♪」
 ニヤニヤする栄作にニヤニヤして笑む定吉。

 二人は立ち上がってボロボロになった俺を汚い物でも見るような目付きで眺めると、学習机のペン立てにあったプラスチックの物差しで、俺のペニスを左に右にと弄って遊び、二人で顔を見合わせて爆笑した。


「ああーあぁー! こんな精液(ネタ)塗れの唇じゃ、キスする気も起きねえや~ あっひゃひゃひゃひゃ♪♪」
 定吉は俺を見て大笑いした。

「見てみろや! 定吉の精液(ネタ)が尻の穴から流れでてるぺえ~♪ あっひゃひゃひゃひゃ♪ ツンとしてお高くとまってるからこんな目に遭うんだ! ホラよここにハサミ置いとくから自分で解け♪ 汚くてお前にゃ触りたくねえからよー♪ 明日また来るからよ、キレイにしとけよ~♪」
 二人は俺を侮辱してから出て行った。


 俺は死んでしまいたいほど惨めだった。


【八話】



 俺は二人に犯されたショックから立ち直れなかった。
 二人に放置された後の俺は、レイプされた本物(おんな)と何ら変わりなく家族に隠れてコッソリと身体(よごれ)を洗った後、部屋の中で一人すすり泣いた。
 俺の心は何故か女そのものになっていたのかも知れない。
 
「お前の身体いい味だったぜ~♪ 明日行くからな! 逃げるんじゃねえぞ! 拒否したり抵抗したりすればお前が俺らに犯されたことを町中に伝えるからな!」
 心無い定吉からのメールだった。


 俺はこの夜、二人から受けた屈辱が頭から離れず眠れぬ時間を過ごした。
 泣いて顔を腫らした俺が朝方一階に下りると既に朝飯を済ませた親父が新聞を読んでいて、妹の里奈は母さんと台所仕事をしていた。
 
「鉄夫、ちょっとここに座りなさい…」
 俺を向かい側のソファーに座るように話しかけた親父。

 俺は何事だろうと、親父に言われるままテーブルを挟んでソファーに腰を下ろした。

「何だね! 女の子が! 人前で脚組なんてするもんじゃないぞ!」
 親父はソファーに座って脚組みした俺の膝を見て顔をしかめた。

 ブルーのデニムの膝丈スカートを履き、ショコラブラウンのパンティーストッキングで包んだ脚を元に戻した俺は、パステルパープルの長袖チュニックの袖を少し腕まくりした。
 親父は俺の元に戻した脚を見てから服をそして俺の顔を見上げた。
 
「そうやってると若い頃の母さんにそっくりだな♪」
 新聞を片手に持って老眼鏡を少しずらした親父。

「今朝、母さんが洗濯しようと洗濯籠を見たら、お前の履いたミニスカートに男の精液(アレ)がシミになってたようだ… お前はもう大人の女だから何をしようと理解はしてるつもりだが、実家に帰ってるときくらい慎むべきは謹んで貰わんとな… 母さんに余り心配掛けるんじゃないぞ! いいな!」
 親父は俺の方に身を乗り出すようにして小声で俺を叱りつけた。

 悔しかったが俺はアイツラにレイプされた事を言えず、親父に黙って頷くと親父は再び新聞に視線を移した。
 無言のまま立ち上がった俺は何も食べずにそのまま自室へ来るとベッドに身を投げ出して啜り泣きした。

「俺は… 俺は男なのに… 何でみんな女の扱いすんだよ!! 畜生!! こんなんなら帰って来なきゃよかった!!」
 ベッドに顔を埋めて苦しい心の内を布団の中に叫んだ。


 携帯にメールが入った。


「俺の家に来い。コンドームもゼリーも用意した。 化粧して女っプリ上げて直ぐに来い! 来なかったらみんなにバラす!」
 定吉は俺を犯したことで俺を自分の物のように思い込んでいるようだった。

 
 定吉に呼ばれた俺は、再び味見されることに顔を曇らせながらもヤツの家へと足を急がせた。


「抵抗されても暴れられても困るからな! 後手に縛らせてもらうよ…」
 定吉の部屋に入った瞬間、立ち尽くす俺の後ろに回った定吉は俺を後ろ手ロープで縛り上げた。

 俺は黙って縛られるしかなかった。

「こっちに来いよ鉄子!」
 定吉はカーテンで仕切られた奥の四畳半の中から俺を呼び、中に入るや否や俺をベッドに押し倒した。

「キャッ!」
 俺の身体は仰向けにベッドの上でバウンドした。

「おい! もういいぞ! 鉄子は抵抗出来ない!!」
 定吉は突然、隣りの部屋に声を掛けた。


 定吉の声に驚いた俺が隣りの部屋の方を凝視すると、ニヤニヤと薄笑みをした定吉の後輩達が数人ゾロゾロと部屋に入って来た。
 俺は慌てて大声で男達を激しく威嚇したが、男達には効果は全く無かった。
 そればかり男達はベッドにいる俺を定吉と一緒に取り囲んで俺の身体を見てニヤニヤした。

「コイツかぁ~♪ 定アニキのオモチャってのはぁ~♪ 中々いい女じゃねえかぁ~♪」
 男達は喉を鳴らして俺の脚と胸を見据えた。

「あなた達! こんなことして済むと思ってるのお! 栄作に知れてもいいのお!!」
 俺は恐怖に顔を引き攣らせて威嚇した。

「栄作の兄貴なら今頃、銀二のとこでエロビデオ見てマスでもしてんじゃねえかなぁ~♪」
 男はニヤニヤして俺の脚首を軽く触った。


「嫌ああああぁぁぁー!! 嫌! 嫌! 嫌ああぁぁー!!」
 泣き叫ぶ俺は俺に群がる男達にスカートを脱がされ、服を首へと捲り上げられた。

「いやっほおぉー!!!」
 男達は身動き出来ない俺のスリップの肩紐を外しパンティーストッキングをビリビリと引き千切りり始めた。

 男達はアッと言う間に俺からパンティーをも剥ぎ取った。

「さあ! タップリと味見させて貰おうかあ!!」
 一人の男が声を放つと、俺の身体に我も我もと群がり俺の身体には定吉を含め6人の舌と嫌らしい手が滑らされた。

 俺は声を限りに叫んだが誰一人として手を止める者なく、俺は一度に6人の男達に肌を舐めまわされ続けた。
 そして四つん這いにされた俺は6人に12回以上レイプを繰り替えされた上、顔を固定され6人の射精を一度に顔で受け止めさせられた。
 地獄のような数時間は俺を放心状態にさせた。
 静まり返った定吉の部屋、精液に塗れた俺の顔を覗き込んだ定吉は生臭い匂いに嘔吐し口を手で押えた。
 
「もう! もう許してええ! お願い…… ぅぅぅうう… もう堪忍してえぇ!」
 顔を精液で塗れさせた俺は顔の上で、マスターベーションする定吉に震える声で哀願した。

 定吉はそんな俺の顔に再び精液を射精した。

「こんな田舎の小さな町にゃ、嫁なんて何処からも来ねえのはお前だって知ってるだろ…… 元が男だろうと女顔して女の服着てりゃ、女として扱われるのは仕方ねえべ…… ましてや豊胸してオッパイまで付いてるとなりゃ尚のこと、お前が可愛らしく泣けば泣くほど、抵抗すればするほど燃えあがっちまうのは仕方のねえことだ…… それに、お前は隠しているつもりだろうが、お前の身体は本物(おんな)と変わらねえ感度の持ち主、お前はこの町じゃ女に登録されたようなモンだ。 もう取り返しはつかねえ… 次にこの町に戻った時は性転換して女になって来るか、さもなきゃ二度と戻らねえかのどっちかだな…」 
 
 定吉は俺の顔の上で精液のシズクを振り落とすように低い声で呟いた。


「今日は父ちゃんも母ちゃんもいねえから、下に風呂を沸かしてあるから入って来るといい…… 俺はお前を女として見ているから当然、扱いも女として扱う…… アイツラもあの年まで女を知らないで来ているからな、お前を抱いて一人前の男になった気でいるが、二度とお前には近付かせんから心配するな…… 今、顔を拭いてロープを解いてやるからよ……」
 定吉は俺の顔を丁寧に拭き取ると、俺を抱き起こしてロープを解いた。


 俺は定吉の家で汚れを洗い流した。


 定吉は風呂から出た俺の身体を大きなバスタオルで包むと二階の部屋へ連れて戻り、買って来たばかりの黒いタイツを手渡した。


「風呂上りは冷えるからな、パンストよりはタイツのほうがいいだろう…… 散々楽しんでから言うのも何だが、俺もお前で童貞を捨てさせて貰ったからな! 礼の印だ! お前、男に戻るなら明日からでも男に戻れ! このまま女で居るなら女でいればいい…… 男に戻るなら俺がヤツラを使ってお前の女になるって話し、打ち消してやっからよー! 折角、女になってるから勿体無いんだが、このまま行けばお前は間違いなく栄作の嫁にされちまう…… お前も知ってるだろうが、アイツは根っからのガチだからな~ 俺は両刀だからいいが、女を止めるなら今しかないぞ!」
 俺は定吉が入れてくれた甘いココアをのみながらパンティーをそしてタイツを履いた。


 定吉は着衣する俺から視線を敢て外してくれた。


「こっちの部屋のカーテン閉めとくかぁ……」
 定吉はさっきの修羅場の部屋をカーテンで仕切ると、向かい側のソファーに座って俺を見ていた。

「男に戻るなら来年の正月は、お前のこと男として向かえるが、女になるって言うなら、俺も栄作の恋敵になると思う。 俺だってお前を女房に欲しいと思ってるからな。 もっとも誰を選ぶかは決めるのは最後はお前だけどな……」
 定吉は無言でいる俺をみつめた。

「お前の母さんや父さんに里奈ちゃんだって、相当な無理してんだぜ! ショックだろうさ~ 長男が実家で女装してたら、お前のこと傷つけないようにって…… 何処の世界に居るんだよ、自分の息子が、自分の兄貴が女装して喜ぶ家族がさあ… まぁ、喜んだのは栄作と俺とアイツらだけだろうが…… まあ、良く考えろや~ メール待ってるからな~♪」
 定吉は淡々と語った。

 俺は定吉が買ってくれたタイツを履いて帰宅した。

「あら、お帰り~♪ ねえねえねえ♪ 性転換の話しなんだけどさ、母さんの若い頃のお友達でね~♪ 専門の」
 
 帰った瞬間、母さんがニコニコして玄関に居る俺に近づいてきた。
 そんな母さんに俺は大声で怒鳴った。

「もう勘弁してくれよおお!! 俺は別に女になりたい訳じゃなくて! ただのストレス解消の! いや、俺の身体が! いや、そうじゃなくてぇ! 俺はただの変態なんだよ!! もう放っといてくれよおー!!」
 俺の怒鳴り声に、母は一瞬ビクっとして作り笑顔を止めた。
 俺は出会った母さんに大声を上げて二階自室へと逃げ出した。


「こんなモン! くそ! こんなモン!」
 俺はスカートをだらしなく脱ぎ捨てるとタイツをも脱いで床に叩きつけた。
 ベッドに腰を下ろして服を脱ぎ乳房を部屋の中で晒した。
 畜生! こんなモンがあるから!!
 俺は豊胸したことを後悔した。
 両手で顔を覆い泣いた。
 身体中に残る大勢の男達の唇と舌の感覚が咽び泣く俺を追い詰めた。
 肛門が疼いた。
 顔から両手を避けると知らぬ間に内股でベッドに座る自分に驚いた。


「俺はもう男じゃないのかあ!!」
 咽び泣きながらも、身体中に残る男達の愛撫の感覚にパンティーの内側を濡らしていることに気づいた。
 そして無意識に勃起している乳首が顔の下にあった。

 無残に脱ぎ散らかしたスカートとタイツを見て唇を噛み締めた。


「男に…… 男に戻らなきゃ…… 俺が男に戻れば何もかもが上手くいく……」
 俺は内側から濡れたパンティーのままに、自分の服と下着を箪笥の中で探した。

「何でだよおー! 無い! 無い! 無ーい!!」 
 俺のトランクスも肌着も一枚残らず箪笥にも押入れにも何処にも見当たらなかった。


 俺の男物の衣類も下着も整髪剤までもが何も無くなっていた。


「母さんかあ!? 嘘だろおう!! これじゃ会社(しごと)へも行けないじゃないかああ!! てか、戻れないだろおおう!!」
 押入れに仕舞っておいた背広もスラックスもネクタイも何もかも消えていた。


 背広の場所には見たことも無い女物のスーツが掛けてあった。



【九話】



「母さん! 俺の背広、何処? 俺、明後日には向こうへ出発するからさー」
 俺は背広が無いことを知ると一階のリビングのソファーでテレビを見ていた母に声をかけた。


「あぁー♪ 鉄っちゃんの背広なら、もうとっくに処分しちゃったわぁ~♪ もういらないでしょう♪ それにもう会社勤めなんてしなくていいのよぉ~♪」
 テレビを見ていた母さんは俺の方を振り向いて嬉しそうに笑顔を見せた。


「何、言ってんだよぉー! 会社行かなきゃなんないだろおー! 冗談やめて早く出してよー!」
 俺は母さんの座るソファーり肘掛に手をかけ床に立ち膝した。


「女の子が一人で都会で暮らすなんて、お母さんは納得出来ないわ! いい! 鉄っちゃんは大切な我が家の長女として、これからもここで一緒に暮らすの! もう何処へも行かせないわ! 鉄っちゃんの性転換する準備も進んでるし、鉄っちゃんは何も心配しないで、ノンビリしてればいいの♪ ねっ♪」
 母さんは厳しい顔してその後、直ぐに笑顔に戻った。


「母さん! 大丈夫か!? マジ、母さん病気だよ!」
 俺は立ち膝して母さんの肩に手を掛けて軽くゆすった。


「鉄っちゃんの会社にはお父さんから連絡して退職させて頂いたから、安心してここで過ごしなさい♪ 向うの荷物は別のヒトを頼んだから鉄っちゃんは行く必要はないからね♪」
 母さんは立ち膝する俺の方に身体を向けて嬉しそうに語った。


「母さんは本気で俺を性転換させる気だ………」
 俺は嬉しそうな母さんの顔に不気味さを覚えた。


 俺は二階の自分の部屋へ慌てて戻ると、携帯から父さんに電話して母さんとの話しのやりとりを話し聞かせた。
 父さんは穏やかな口調で、母さんの話した通りのことをおれに繰り返し伝えると嬉しそうに笑った。
 
「狂ってる!! 俺の両親は完全に頭がイカレてる!!」
 俺は、自室で窓辺に立つと、隣りの部屋に居る妹の里奈のところへ足を進めた。


 俺が妹の里奈の部屋に入ると、里奈はヘッドホンをしてベッドの上で体育座りして壁に凭れかかり雑誌を読んでいた。
 デニムのバルーンスカートが可愛らしい妹を演出していた。
 妹ながらプリンプリンした太ももとパンティーの縦の道筋が見え俺をドキッとさせた。
 俺はベッドの前に両手を付いて里奈の顔を覗き込んだ。
 里奈は驚いて慌ててヘッドホンを外した。
 里奈のビックリした声が耳に刺さった。
 俺は声を震わせて里奈に母さんと父さんの話をした。
 すると里奈は驚く表情一つ見せなかった。
 そればかりではなく里奈の口から俺はとんでもないことを聞かされた。
 
「私もさっ、高校卒業したら性転換するんだよ♪ まだ話さないつもりだったけどね… 私、男に生まれたかったんだ~ 勿論、お母さんとお父さんとはお兄ちゃんが向こうに居る時に十分話し合ったし、二人の了解も貰ってるわ♪ 私が性転換して男になりお兄ちゃんが性転換して女になる。 本当なら私だけが性転換することになってた所に、お兄ちゃんが帰省して女装しているところを母さんに見られた…… 母さんも父さんも驚いたらしわ~ でも、これで辻褄が合う見たいだよね♪ お母さんの古いお友達で性転換に詳しい医者(せんせい)がいて、何とか兄妹揃っての性転換手術が出来るらしいわ♪ 私は既にカンセリングも終えてるし、お兄ちゃんに関しては医者(せんせい)が何とかするって言ってるようだし… うふふふ~♪ それにね♪ 世界初なんだって♪ 兄妹揃っての性転換ってー♪ しかも、もう一つ! 世界初があるの♪ 普通の性転換じゃなく、私の性器をお兄ちゃんに、そしてお兄ちゃんの性器を私にって具合の臓器移植見たいな性転換は世界初らしいわ♪ だから、お兄ちゃんは私の性器で官能するしオーガズムにも達するし、当然、女だから濡れる身体になれるらしいの♪ 私はちゃんと勃起して射精の出来る身体になるのよ♪ 世界初の兄妹性器移植転換手術♪ 成功する確率は99%以上で兄妹だから細胞も合致するようだし♪ これでお兄ちゃんも膣でもセックスが出来るようになるのよおー♪ 胸だって豊胸じゃなくて本物の乳房になるんだよー♪ 戸籍を変えて男の名前になるの、私~♪♪ もう生理からも解放されるのよお~♪ やっほー! な、気分よー♪」
 里奈は遠くを見てこれ以上の幸福は無いとばかりな顔して語った。


 俺は幸せ一杯の里奈に、自分はタダの変態だと明かせなくなった。


「私はもう、こんな物いらないんだけど、私が女の子として最初で最後におにいちゃんに見て欲しいの♪ これが妹、里奈のアソコだよ~♪」
 呆然としている俺の前で里奈はパンティーを脱ぐと体育座りして俺の、自分のアソコを開いて見せた。

「これが、お兄ちゃんの股間に移植されるの♪ ここを男達は舐めたがるのよねえ~♪ ふっ! こんな臭いとこなのに~♪ ここが尿道でここが膣… そしてここがクリトリス… 知ってると思うけど一応ね♪ これがお兄ちゃんに委嘱されたら、みんなお兄ちゃんのコレをペロペロ舐めるんでしょうねぇー♪ キャハッ♪」
 里奈の目は真剣だった。

「お兄ちゃんのも見せてよ… 里奈のも見せたんだから………」
 真剣で鋭い目をした里奈の前で、俺はヘビに睨まれたカエルのように動けなくなり、里奈は勝手に俺のワンピースの裾を捲り上げると、パンストとパンティーを一気に膝まで降ろし俺の竿に釘付けになった。

「これが…… 男の……」
 里奈は真剣な目で俺のペニスに見入った。


 そして里奈が伸ばした手で俺のペニスに触れた瞬間、俺のペニスは突然肉棒化し里奈のか小野前で聳え立った。
 俺の里奈のアソコを見させられ触れられたことで、実の妹に感じてしまったらしかった。


「里奈ぁ!! ガバッ!! それなら俺がお前の最初の男になってやるー!」
 俺は里奈をベッドに押し倒し、里奈の口を片手で押えると、里奈の太ももを撫で回し、服をまくりあげて里奈の乳房に吸い付いた。


 里奈は突然のことに放心状態になったように抵抗することなく、実の兄に身体を味見され続けた。
 俺は獣のように里奈の割目にムシャブリついていた。
 里奈は目を閉じてされるがままになっていた。
 俺は実の妹の身体を味わいそして里奈の処女を奪った。
 俺の精液が里奈の中に撃ち放たれた。
 里奈は両目を見開いたまま何が起きたのか解からない状態で、里奈から離れた俺は自分のしたことに全身をガクガクブルブルと震わせていた。
 里奈は涙を流して泣いていた。
 俺は里奈の顔を見ることが出来ずに床にヘタリこんだままだった。
 身体の震えはおさまらなかった。


 
「お兄ちゃん… もう一度… もう一度里奈にして……」
 
 里奈は両目を開いたまま仰向けで俺に囁いた。


 俺は処女損失で血生臭くなった里奈の割目の中に半立ちの肉棒の先っぽを入れるとゆっくりと腰を前後させた。
 里奈の幼い乳房とピンク色の乳首が目の前で揺れた。
 里奈は開いていた両目を閉じた。
 俺は傍にあった里奈の匂いと味が滲み込んだ純白のパンティーの匂いを嗅ぎ、汚れている部分に舌を滑らせた。
 里奈は里奈の中に入っている俺の肉棒が大きくなるにつれ、顔の表情を変え痛みに耐えていた。
 俺はパンティーを味わうと里奈の両尻に手を伸ばし正常位で里奈の中を前後し続けた。
 二度目の射精を里奈のなかで終えた。
 
 里奈は啜り泣きしていた。


 俺は再び啜り泣きする里奈の横で再び身体を震わせていた。


 そして時間が経過した時、里奈は思わぬことを口にした。


「もうお兄ちゃんは拒否出来ないからね…… 実の妹をレイプしといて今更どんないい訳も通用しないからね……」
 里奈は呟くように静まり返った部屋で語った。


 俺は里奈の言葉に背筋が凍りつく思いがした。


「性転換したら、今度は私がお兄ちゃんのこと抱いてあげるから……」
 里奈はベッドに俺を残して降りると割目から流れる血糊をティッシュで拭きとって、箪笥の上から取り出した生理用ナプキンを別のパンティーに装着して履き替えた。


 里奈の目は恐ろしいほど据わっていた。


「この事は内緒にしといてあげるから…… こんなこと知れたら大変だもの…… お兄ちゃんが………」
 里奈はスカートを履いてオーバーニーを捲り上げると、服を着て部屋を出て行った。


 俺は脱いだパンティーとパンストを持って自分の部屋に戻るとベッドに座り頭を抱えた。


「もう性転換するしか無いのか…… 里奈とのことが知れたら俺は……」
 パンティーとパンストを履いた俺は再びベッドに腰を降ろすと里奈の言っていた性転換の件を思い出していた。


「里奈の性器(アレ)が俺の身体に移植されるのか…… しかも性感をそのままになんて可能なのか? 臓器移植なら聞いたことはあるが性器移植なんて聞いたことがない…… だから世界初なのか……」
 俺はパンストに覆われたパンティーの中で窮屈にしているペニスと玉を気にした。


「パンティーがスッキリ履けるのか…… 女装子の永遠の夢と言えば確かに夢だろうが、俺は女に成りたい訳では…… いや! 成りたいと思ったことは確かにあるど…… 何、贅沢言ってる! 誰かに怒られそうだが…… だからって性転換して女になるなんて…… でも濡れる身体になれるなら…… 乳房だって作り物じゃない本物が手に入るらしいし…… でも、俺は純粋に女も好きだ! まてよ… レズって手もあるじゃないか! レズなら女を味わえるし…… だが、棒はどうする! 棒がなきゃ貝合わせなんぞ気持ちいいのか!? いやいや待て待て! こんな身長じゃ! 俺まで性転換したら家は絶えてしまうじゃないか! 母さんや父さんに誰が孫の顔を見せるんだよ!? てか、俺は! 栄作なんぞに毎晩可愛がられるのは嫌だあ!! ヤツのことだ、跪いてシャブレ!! なんてことにもなりかねん…… でも待てよ! 戸籍も女になれるなら…… 待て待て! 女の下着も服も男のままでも楽しめる! 女になっちまったら普通のブスの女だ! しかもどうみてもオカマだ! 男だから女装して気持ちいいんだろ? バレバレなのに周囲にはファッションだとか言って実はせんずりのオカズにしてる男は多い…… だが、本当に性転換したらどうなる? 周囲はセンズリのための女装という見方はしなくなる…… 当り前か… センズルも何も棒が無いんだからな…… だが本物の膣になったらエクスタシーも感じられるんだろ? てことは女だってことだ… 普通の性転換ならエクスタシーなんぞあるはずがない…… いや、ネットに出てるのは嘘が多いからな! 結局、エクスタシーがあるとか嘘ついて性転換したことを後悔しながら、仲間を増やしたいってヤツも居ると聞くし… そうだよなー エクスタシーってのは男と女とは基本違うらしいし、結局は普通の性転換はペニスの皮で作るから形はマンコでも匂いと味は男のまんまだ! だから彼氏が出来ても彼氏は男のペニスをシャブッてるのと同じなんだ! だが、俺の場合は里奈の本物のマンコを使うから匂いも味も女なんだ! てことは、自分で履いたパンティーの匂いを嗅ぐ事も舐めることも俺は出来るってことか? てことは、俺の頭の中は男なんだから、ある意味、俺は男なのに女も楽しめるってことか? こりゃあいい♪ 本物の女ってことかぁー♪♪」
 俺は頭がパンクするほど纏まらない思案にくれた。


 ワンピースの裾を巻くりあげてパンティーの中で窮屈にしているペニスを見入った俺は、右手の指でパンストの上からペニスをなぞった。
 もし、本当に里奈の性器が移植できるなら、俺は一人でも生きて行ける、そんな気持ちに変化しつつあった。
 窓の外に見える冬枯れした木を見詰めながら自分の過去を振り返る。
 微かに映り込む自分の化粧顔を見て視線をずらす。
 セーラー服を着てみたいとずっと思ってた高校時代。
 スーツスカートに憧れた大学時代。
 OLに憧れた入社当時。
 誰かに触れられて見たいと思いながら受けた豊胸手術。
 仕事の時だけ男、自宅アパートに帰れば女装子(おんな)として生き続けた日々。
 それが一度の帰省で人生の全てが変わろうとしている。
 本物(おんな)になれるならと、思いながらも女になることで失う物を考える。


 迷う心。


 もう、こうなっては定吉にも相談できやしない。
 実の妹を味見したなんてこと、口が裂けてもいえることじゃない。
 とにかく一度会社(むこう)に行かなきゃ。
 行って退社するならするでちゃんと自分の口から伝えたい。
 会いたい同僚もいる。
 捨てられない現実もある。
 
 俺は定吉に電話した。
 背広とズボンを貸して欲しいと。
 母さんに処分されたことを話すと定吉は快く承知してくれた。
 
 その夜、俺は父さんが帰るのを待って、一度会社(むこう)へ行くことを説明した。


「お前も、もう気付いてると思うんだが、母さんな… 里奈のことでは相当まいっててな、医者は精神疲労が原因だと言っているんだ… 親として子供達の幸せを願うのだが、中々どうして… それでも自分を押し殺して里奈の思い通りにさせてやりたいってな…… そんな時にお前の、まあ~ その趣味と言うかを見てしまってな、まあ、お前には済まないと思うが、ずっと塞ぎこんでいたんでな、母さんの嬉しそうな顔見ていると、ツイ、父さんまで嬉しくなってな…… お前、乳首…… いや…… 身体、子供の頃から敏感なんだろ? 実はな、父さんもお前同様に感じる体質でな…… まあ、父さんの子だから何れは、お前もなんて考えたこともあるんだ…… 父さんもな若い頃、お前同様に、その… なんだぁ… 女装してた時期があって、だからお前が女装してた話を聞いた時は差ほどのショックは無かったんだ…… 来る物が来たと言う感じかな~ 母さんのことはもういいから、お前は自分の人生を考えればいいから… 女になりたければ成れるということを前提に、考えてみればいい。 母さんが処分したお前の背広やなんかは父さんが保管してあるから心配せずに一度会社に行きなさい。 母さんにはお前の会社に退社願いを出したと父さんが嘘を付いたんだ。 お前の人生はお前の物だ…… お前が自分で決めなさい。 いいね。」
 父さんは目頭を押えて母さんの話をしてくれた。


 俺は父さんの隠された秘密を知り、同時に母さんが病気であることも知らされた。
 そして俺は実の妹と男女の関係を構築してしまったことの三重苦に押しつぶされそうになっていた。
 もし、俺が性転換を拒めばどうなるだろう。
 
 病気になった母を助け、母を心配する父を助け、性転換を強く望む里奈を助ける方法はただ一つしかない。
 そして俺は侵した過ちを償える方法。
 だが、待てよ! 俺の股間に里奈の割目がつくとしたら、俺を抱いたヤツは里奈をも味わっていることになるんじゃないのか!? 
 
 俺は翌日、向うのアパートに一旦戻ることを家族に伝えた。
 母さんは大声で叫び俺を止めたが、父さんと里奈が必死に宥めてくれた。
 荷物の整理と同僚達に挨拶をしてくるだけだからと、母さんの目を見て話して聞かせた。
 
 
【十話】
 


 夜中、俺を呼ぶ声に目を覚ました俺は、ベッドの上から部屋のドアの方に虚ろな視線を向けた。
 開いたドアの向こうに誰かの姿が見え、俺はフラフラしながら身体を起こした。
 ドアが閉まり部屋に入って来たのは父さんだった。
 ワンピースのネグリジェの胸元のボタンを止める俺に近づいた父さんは、前屈みになって小さな声で話した。


「鉄夫、すまんなこんな夜中に… 実はな母さん連れて旅行に行こうかと思うんだ。 それでスマンがお前、正月休みの延長出来んかな… 父さんと母さんが留守の間、里奈が一人ぼっちになってしまうから心配なんだ。 何とかならんかな…… あと、ここにお前の背広一式、置いてくからな……」
 前屈みで囁くように話す父さんに俺は黙って頷くと、父さんはニッコリ笑って部屋を出て行った。


 翌朝、一階でバタバタする物音がしてこっそり階段から下を見ると、父さんと母さんが旅行カバンを玄関に運びしていた。
 父さんは真新しい背広姿で、母さんもスーツに身を包んでいた。
 俺は、肌寒さから一旦部屋に引き揚げるとネグリジェを脱いで、寒さから逃げるように布団の中でスリップを身に着けた。
 パンティーの上から薄手の黒いタイツを履いて、大き目のトレーナーを着ると、膝丈のデニムのスカートを履いた。
 

「里奈には話してないからお前から伝えてくれ、時間がないから出るからな。 一週間くらいで向うに着いたら連絡するから。 頼むぞ鉄夫!」
 ニコニコして嬉しそうな母さんを連れて父さんは車を発信させた。
 子供のようにハシャグ母さんが可愛いと思った。


 俺は未だ眠っている里奈をそのままに、母さんが用意してくれた朝飯を腹に収めると洗顔して自室に戻り化粧をした。
 寒い地方では髪の毛が伸びるのも早く、俺の耳は伸びた髪の毛が少しかかっていた。
 鏡の中に映る薄化粧した自分の顔を見る。
 携帯で上司に電話して休みの延長を申し出ると年明けから嫌味を言われた。
 ガックリして机にうな垂れた。
 再び携帯で定吉にメールした。
 事情を話すと定吉は栄作を近づけないからと俺を安心させる一方で二人だけで会いたいと俺を誘ってきた。
 俺は二人だけで会う事を受け入れた。
 定吉と会えば身体を求められることは解かっていたが、栄作にまで来られてトラブルのはゴメンだと思った。
 いつ会えるかとの問いに、俺は定吉に明後日と答えた。
 部屋のドアの向こうでドアの開く音がした。
 俺は里奈に両親の突然の旅行を伝えるべく自室を出た。
 長めのトレーナー一枚の里奈が階段を下りていった。
 ペッタンペッタンとスリッパの音がした。
 俺は昨日の深夜に父さんに言われたことを顔を洗っている里奈の横で伝えた。
 里奈は一瞬驚いた表情を鏡の中に見せた。
 グレーの長めのトレーナーは里奈のノーブラの乳房を浮き上がらせ、歯磨きのウガイで前屈みになる度に白いパンティーが見え隠れした。
 プリンプリンと揺れる里奈の身体。


「そっかぁ、今日から一週間も二人きりかぁ~」
 ソファーに座って両脚を投げ出した里奈のトレーナーが捲れ白いパンティーがモロ見えになった。

「仕方ないなぁ~♪」 
 里奈は大きなアクビをするとテレビのリモコンを押してテレビを点け音を消した。


 俺は里奈に朝飯を済ませるように即すと、自分の使った食器を洗い始めた。


「こうして見ると、お兄ちゃんも中々の女の子って感じだよねえ~ キャハハ♪ でも髪でも伸ばしてロン毛にすれば似合うかも♪」
 台所に立ち食器を洗う俺に、後から声掛ける里奈。


 静まりかえる家の中。
 水道の音だけが聞こえている。
 自分の使った食器を洗い終えた頃、近付く里奈の気配を感じた。

「お兄ちゃん…… ピタッ!」
 後から里奈に抱きつかれた。


 背中に当たる里奈の乳房と後から漂う女の子の甘い香りが俺を固まらせた。


「お兄ちゃん…… モゾモゾモゾ……  ぁんっ! ビクンッ!」
 後から抱きついた里奈は俺のトレーナーの中に両手を入れスリップの上から、俺の乳房を下から揉み回した。


 スリップに擦れる俺の乳首。
 膝がガクガクする。
 咄嗟の鳴き声。
 里奈の手の動き。
 俺は腕をダランとさせた。
 肩から外されるスリップの肩紐。
 トレーナーの中で下へ落ちた。
 
「ビクンッ! あん… あひぃ! あああああぅ!」
 俺の乳房を後ろから揉み回し両手の指で乳首を摘ままれた。


「よせ… ぁん! や… やめるん… ぁん! だ…… ぁん! ああああん!」
 俺は里奈を止めようとしたが、感度が高すぎて言葉にならず里奈は手の動きを早めた。


 俺は立って居られずにその場に崩れ落ちた。


「お兄ちゃん… 可愛い♪」
 台所の床に斜め座りした俺に合わせるように里奈は後に腰を下ろした。


 里奈は俺の左乳首を弄りながらスカートの中に手を入れると、タイツの上から俺のペニスを手の平で擦り始めた。
 俺は実の妹に恥かしい女の鳴き声を聞かれ全身をビクつかせた。
 里奈の絡んだ指に勃起する乳首。
 俺のペニスをタイツの上から擦る里奈の小指が太ももの付け根に滑るようにあたる。
 身悶えを見られ喘ぎ声を聞かれた。
 全身の力が抜け座っているのもやっとだった。
 やがて俺は里奈に床へと押し倒され、気づいた時には俺の乳首に吸いついて貪る里奈の唇の体温を感じていた。
 俺は止めろと叫ぶ余裕も無く只管、里奈の愛撫にヨガリ声を上げ身悶えし続けていた。
 里奈の手が俺からスカートを奪いタイツを脱がされかけた時、里奈は俺の乳首をクニュッと甘噛みした。
 首を全身を仰け反らせた瞬間、俺は下半身を包んていたタイツを脱がされた。
 太ももに這わせられた里奈の手は何度も俺の肌の上を行き来し、その手はやがて俺のペニスをパンティーの上から捉えた。


「お兄ちゃん… 濡れてるのね……」
 里奈は内側から溢れた俺の愛液をパンティーの上から感じ取った。


 里奈は乳首を舌で転がしながら俺からパンティーを剥ぎ取ると両脚を開かせ膝立ちさせた。


「お兄ちゃん… 可愛い… カッポッ! クウゥゥウー! ぅあっ! あひっ!」
 里奈の口が俺の愛液塗れのペニスを銜えた瞬間、俺の身体は限界まで仰け反った。


 実の兄妹とは言え、生まれて初めて異性からされたフェラチオは俺の身体と声を激しく震撼させた。
 狂おしいほどの身悶えを妹に見られながらも何一つ出来ずに、彼女にされるがままの俺は涙を溢れさせるのが精一杯だった。
 両手で乳首を弄られペニスを貪られる俺は、女のネットリとした舌に身も心もトロトロにさせられていた。
 里奈はペニスを銜え首を上下させる早さを増した。
 俺は里奈の口の中にコツコツと当たるペニスが肉棒化していることに気づいた。
 里奈は一心に大きく聳えた俺の肉棒を正面から、そして真横からと角度を変えて唇を這わせムシャぶり続けた。
 家の中には里奈の口から漏れる音と、俺のヨガリ声だけが空気を震えさせていた。
 そして里奈の両手が俺の乳首から離れた瞬間、里奈は自らのパンティーを脱ぎ捨てると、俺の両脚を伸ばさせ俺を包み込んだ。


「ヌプリッ! ヌプヌプヌプヌプ… クチュッ…」
 肉棒に里奈のヌメリと熱い体温を感じた。


 里奈は眉間にシワを寄せて身体を前後させていたが、その固い表情は徐々に和らぎ次第に可愛らしい声を俺に聞かせるようになった。
 上下する里奈の乳房がプリンプリンと縦横斜めに揺れ、里奈と俺の肌の当たる音が耳に心地よく聞こえた。
 里奈は俺の腕を片方ずつ拾い上げると、やがて両手をしっかりと繋いで俺の身体の上でリズミカルに身体を上下させた。
  
 やがて俺は男とも女ともつかない雄叫びを里奈に聞かせる、全身を痙攣させると熱い男の精液(たいえき)を里奈のからだの中に撃ち放った。
 そして俺の両手が里奈から外れると、里奈は未だ上下を続けながら自らの手で自らの乳房を揉みまわし、もう一方の手でクリトリスを弄り荒い吐息を起て続け、女の可愛らしい声を響かせた。
 里奈に入る俺の肉棒伝いに、里奈の身体からオビタダシイ量の液体が俺の陰毛に絡みつくのが解かった。
 

 里奈は俺の身体に自らを重ねグッタリし、俺の肉棒は里奈に入ったままペニスに戻った。


 二人の乳房が重なった。

「キャハハハハハ♪ ちょっとおー♪ お兄ちゃーーん♪ ぁん! だめえぇ! ソコはダメだってばあぁー♪」
 俺は里奈と二人、朝風呂を楽しんだ。


 里奈は固くなった俺の肉棒を湯船の横で銜え、俺は銜えられたまま姿勢をシックスナインに変えた。
 そして俺から放たれた精液を喉を鳴らして飲干す里奈を俺は舌で里奈の割目を愛欲し彼女をイカせた。
 二人は兄妹と性別の壁を越えたのだと思った。
 風呂から出ても里奈は俺にベッタリと張り付いて離れようとはしなかった。
 それはまるで恋人同士にも似た光景だった。
 ただ、違うのは男女ではなく女同士だっことだろうか。
 俺たちは兄妹の壁を越え男女の壁を越えたことで二人の意識から兄妹の言葉は消えた。
 俺の男としてのマスターベーションが見たいという里奈に俺は顔に火照りを覚えながらも、射精の瞬間を見せた。
 そして俺もまた里奈に女の自慰をさせ彼女のイク瞬間を目に焼き付けた。
 二人はヒマさえあればディープキスをし手を繋いで寄り添っていた。
 こんな二人は翌朝までに十回を越える女同士のセックスをした。
 その中で俺は里奈を後から抱きかかえ、肉棒が彼女の中に入っている所を鏡で見せてやった。
 里奈は頬を紅く染め里奈を支える俺の両手をしっかりと握り締めた。
 俺が彼女を抱き彼女が俺を抱く。
 どちらが男とか女とかではなく、その状況と雰囲気で互いの性を使い分けた。
 里奈は俺の精液を、俺は里奈の愛液を互いに喉の奥に感じた。
 そして二日目の朝を迎えた時、里奈の身体に変化が起きた。
 里奈の肌にホンの少し触れただけで里奈は激しいヨガリ声を発した。
 前日には考えられないほどだった。
 里奈は俺の絡んだ乳首一つで一分もしないうちにエクスタシーに達した。
 里奈の身体は幼子の身体から羽化して大人の女性になったのだと俺は思った。
 里奈は自分の身体の変化にオロオロしていた。
 そんな里奈を目の当たりにする俺は、感じすぎて恐怖を覚える里奈をベッドに押さえつけ貪り続け、里奈は全身トロトロになった。
 そして里奈は俺がイク前に腕の中で何度もエクスタシーに達した。
 俺はそんな里奈が可愛くて彼女の顔に精液を放つと、彼女の顔の上で腰を回し精液を満遍なく塗りつけた。
 里奈は自らの顔に放たれた精液を舌で舐めとった。
 正常位・横位置・バックと俺は様々な姿勢で里奈を愛欲した。
 俺の腕の中でエクスタシーに浸る里奈は完全に女になっていた。
 そして、里奈を愛欲する俺は完璧な男になっていた。
 両親が旅行に出かけた二日目から、俺は男として里奈は女として心の上で情を通じ合った。
 俺達はまるで新婚の夫婦のような時間を過ごしていた。
 里奈はデニムのミニスカートにオーバニーのスタイルで白いエプロンを掛け、俺もまた黒いタイツの上からデニムのショーパンを履いいてた。
 台所に立つ二人は後ろから見れば完全な二人の女だったろうが、心の中ではおれは男で里奈は女だった。
 だが二人が冬だというのにこんな短い物を身につけていたのは、互いが欲しくて求めた時に面倒くささもあったからだろうと思う。
 それほど、二人は結合し合ったということだろうか。
 
 両親が旅行に出かけ三日目の朝、俺も里奈も体力の限界に達していた。
 里奈はまだベッドの中でマドロんでいて、俺はフラフラと里奈の部屋から自室に携帯のチェックをしに来た。
 携帯を手にチェックをしていると定吉からのメールが入っていた。


「今夜、会うはずだったけど待ち切れない。午前十時に俺の家に来て欲しい。勿論女の姿で。」
 ネグリジェの胸のボタンを外しながら携帯を見た俺は、大きな溜息をついた。


 時計の針は午前八時、風呂で里奈の香りを消した俺は再び自室に戻ると、パンティーを履いてグレーのパンティーストッキングで下半身を包んだ。
 定吉が味見しやすいように箪笥の前で手にしたミニスリップを置いてカップ付きのキャミソールにした。
 下半身をデニムのショートパンツで覆うと、キャミの上からトレーナーを着た。
 ベッドに腰を下ろして窓の外を見た俺は、オーバニーを置いてサイハイソックスを片脚ずつ履いた。
 ショーパンの裾から露出するパンストに包まれた太もも部分は僅かな物だった。
 鏡の前で薄化粧して身支度を整えた俺は、里奈の枕元にメモを置いて出かけた。


 一発やられるために出かける……


 俺は寂しい気分になっていた。
 冷たい風がショートパンツの裾から入って来て中の体温を奪った。
 凍えそうな寒さは俺の背中を丸めさせた。
 頭を覆う薄ピンク色の毛糸の帽子と可愛い紫色の手袋だけが俺を暖め続けてくれた。
 凍てつく寒さは俺の足の動きを早めた。
 キャソールの下で乳房が揺れカップの中で時折乳首が擦れて身体をビクつかせた。
 腹の下に感じる淡い官能。
 定吉の家が見えてきて急ぎ足を下の早さに戻す。
 玄関を入ると丁度、定吉の両親が何処かへ出かけるところに出くわした。
 俺の太ももをチラ見した定吉の父親。
 
「オバサン、オジサン、こんにちわ~♪」
 両手を前にして女の子らしくナヨナヨして頭を下げた。

 定吉の両親はニコニコして定吉の部屋を指さして俺と身体を交わした。
 そしてその瞬間だった。

「!!」 
 俺は定吉の父親から尻を撫でられた。
 ショーパンの上に残る定吉の父親の手の感覚が俺の背筋を震えさせた。


 サンダルを脱いで揃えてから定吉の部屋へ通じる階段を登ろうとした時、突然上から定吉が声を掛けて来た。

「親父のヤツ! お前のケツ触ったろ! 全くアイツときたら、いい年して息子の同級生狙いやかって! 勘弁してくれや~」
 
 俺は定吉の後をついてヤツの部屋に足を踏み入れた。


「今日のお前、可愛いじゃん♪ コンドームとゼリー買って置いたから安心してくれや♪」
 定吉は缶ジュースを小テーブルに日本並べて置くと別室のカーテンを開けた。


「何してんだよ、座ればいいだろここに♪」
 定吉は自分の隣りに座れと、ソファーを軽く叩いた。

 定吉の左に座ると直ぐに俺は定吉に肩を抱き寄せられた。

「会いたかったぜ~♪ お前に~♪」 
 定吉は笑顔で話すと俺の右太ももに手を置いてスリスリ撫でた。


 やっぱり定吉の目的は俺の身体だけだった。
 俺は両脚を内股にして定吉の触手に耐えている。
 定吉の手がサイハイソックスとショーパンの裾の中間に張り付いた。
 パンティーストッキング伝いに太ももに伝わる定吉の体温。
 定吉の手は俺の右脚からサイハイソックスを捲くり下げていった。
 
「行こうか……」
 定吉は無言で俯く俺に奥の部屋へ移動するように即した。


「脱げよ……」
 俺は無言のままベッドの横で定吉の目を気にしながらショーパンとサイハイソックスを脱ぐとトレーナーを脱いだ。
 パンティーを覆うパンティーストッキングの切り替え部分が恥かしかった。
 黒いキャミソールの肩紐を直してベッドに仰向けになると、定吉はトランクス一枚になって俺を凝視した。
 
「ゴクッ!」
 定吉が喉をならして俺の膝辺りに跨った。
 
「何て可愛いんだ……」
 定吉は目を閉じる俺の両太ももをパンストの上から両手で指を滑らせた。


 くすぐるように定吉は両手の五本指を使って、蜘蛛の手足のように何度も上下左右、斜めにと優しく丁寧に滑らせると、俺は全身をビクつかせ開いた両手でベッドシーツを掴んで息んだ。
 パンティーストッキングの切り替え部分でユーターンするように指先のタッチを繰り返す定吉は、同時にパンティーの中の蒸れを定吉の鼻は勢い良く吸い上げた。
 両脚を内股に爪先を伸び縮みさせる俺は喘ぎ声を部屋中に響かせた。
 定吉の指先の動きは俺の呼吸すら時折止めさせた。
 両手の指を蜘蛛の手足のように動かしながら滑らせる定吉は俺の肩からキャミソールの紐を口に銜えて片方ずつ外すと、左肩にそっと口付けをした。
 嫌らしく舌を滑らせる口付けではなく、丁寧に唇を這わせるやり方だった。
 定吉の息遣いが聞こえる。
 定吉の両手が俺の両脚を膝立てさせた。
 パンストに包まれた両脚の内モモをヤツは再び両手を蜘蛛の手足のように操り滑らせた。
 深く重い喘ぎ声を俺から何度も放たれれると、ヤツは俺の腹の上に自身を重ね尻の左右を両手の指で滑りまわった。
 首を仰け反らせ大きな深呼吸にも似た喘ぎ声を放つと、ヤツは晒された俺の乳房を舌を何度も回すように滑りました。
 深い息を繰り返す俺はトロトロに溶けて行った。
 そして大きなビク付きが俺の全身を襲った時、ヤツの唇は俺の右乳首を口の中にスッポリと収めていた。
 パンティーストッキングの上から無作為に俺の左右の尻を滑りまわり、同時に勃起した右乳首にザラ付いた男の舌を絡み付けた。
 チュパチュパと俺を味わう音が静まり返った部屋の中に響いた。
 ヤツの唇は交互に俺の乳首を口の中に収めザラザラした舌は絡みつく強さを増していった。
 俺の両手はベッドシーツを鷲掴みしたまま動きの止めた。
 全身から力が抜けた。
 ヤツは俺の二つの乳房を味見し終わると、俺の左腕を上に移動させ舌を脇の下に滑らせた。
 全身が何度もビクつき、両脚の爪先が開閉を繰り返した。
 俺の首は激しく左右に振られ続けた。
 ヤツは俺の脇の下を徹底的に味わった。
 そして脇の下から二の腕にヤツの舌が移動した瞬間、俺は全身を左に右に激しく振って大きな喘ぎ声を立てた。
 ヤツは俺の性感を調べるように舌を無作為に動かした。
 そしてヤツは二の腕に舌で捕らえながら、右手だけで俺からパンティーストッキングをゆっくりと左脚だけ脱がした。
 ヤツの右腕が俺の太ももを抱き寄せた。
 無駄毛の処理されている俺のフクラハギを右手の平で入念に滑りまわした定吉は、そのまま太ももに移動すると俺の左の尻を手の平で滑りまわした。
 定吉の舌は俺の左脇の下を経由し二の腕を味わい終ると今度は脇腹を舐め始めた。
 俺はトロトロに溶けていた。
 

【十一話】


 今日の定吉は丁寧だった。
 まるでキャシャな花びらでも扱うように俺に優しく接していた。
 パンティーの上から滑る定吉の指は蜘蛛のように小さくそして小刻みに俺の右尻を歩き回った。
 布一枚距てた蜘蛛(ゆび)はむさき居に歩き回り、俺の意表をとことん突いた。
 下へ降ろしたキャミソールを再び上に巻くりあげ、ヘソの中に舌を押し付けまわすように滑らせる定吉の左指は俺の右脇腹を歩き回った。
 
 そしてヘソから出た定吉の舌はヘソました辺りを入念に舐め回しながら、定吉の右手が俺の白いパンティーに掛かった時、俺は無意識に尻を少し持ち上げた。
 スルスルっと剥ぎ取られたパンティーは太ももまで降ろされた後、左脚だけから外された。
 右脚に残るパンティーストッキングとパンティーが定吉からの味見にユラユラと揺れた。
 そして大きく開かされた俺の両脚の真ん中に定吉の舌がゆっくり移動すると、陰毛の上から地肌をピチャピチャ音を立てながら味わった。
 俺はその音と地肌に感じる官能に首を左右に振りながら開いた口から唾液を滴らせた。
 えも言われぬ官能。
 両手の指で二つの乳首を弄り同時に定吉の舌は、玉袋の真ん中を下からペニスの先っぽへと唾液を滑らせた。
 全身を仰け反らせながら首を後にのけぞらせた。
 息も出来ないほどの快感に苦しめられた。
 定吉は玉袋とペニスの先っぽを唾液を滑らせて何度も往復すると俺は呼吸を忘れた。
 そして定吉の舌は玉袋のシワの一つずつまで丁寧に舐め、時折口を寄せては玉袋の皮をシャブッた。
 左手で玉を左に寄せては右の太ももの付け根を舐め、右に寄せては右太ももの付け根をムシャブリつくした。
 そして優しく玉を上に押し寄せると、定吉の舌は蟻の戸渡りを何度も上下に滑った。
 大きく開かされた両脚の真ん中に定吉の髪の毛が揺れ動いた。
 全身が痙攣したように小刻みに揺れ動き乳房が無作為に震える。
 定吉の両手が下からクイッと俺の尻を持ち上げた瞬間、蟻の戸渡りから唾液を滑らせ肛門間近を踊るように滑った。
 そして数分後、唾液塗れの定吉の舌が肛門に達した時、俺の身体は最大限に仰け反った。


「あひっ! あひっ! あひっ! あひっ! あひっ!」
 両目を閉じて激しく左右に振る首の震動は俺の脳波を完全に狂わせた。
 
 定吉の両手が俺の肛門を左右に開き、奥のヒダをも入念に舐めまわした時、俺は腰を使いブリッジのように尻を持ち上げ身体を痙攣させた。


「ピチャピチャピチャ… チュッパチュッパチュッパ…」
 俺の肛門を味わう定吉の口元から放たれる甲高い音が俺の耳に突き刺さった。


 この時、俺の身体は既にエクスタシー寸前だった。


 定吉の唾液に塗れた舌が肛門を過ぎて尻の割目を往復し始めると激しい快感から突然、穏やかな心地よさに変化した。
 定吉の両手が俺の両脚を上に押し上げ、俺の身体を後転姿勢に変えた。
 尾てい骨の上に舌が差し掛かった瞬間、穏やかな心地よさは一転して激しい心地よさに素早く変化した。
 俺の身体は両脚を押さえつけられながらも無意識に悶えようと必死に尻を左右に振った。
 そして次ぎの瞬間、俺は大きな鳴き声を部屋に放った。
 定吉の舌が再び肛門に押し付けられた。
 
 俺は女としてのエクスタシーに達し失神してしまった。
 そして次ぎに意識を取り戻すと、俺の身体は正常位のままで身体の中に定吉の硬い肉棒の体温を感じた。
 定吉は無言でしっかりと俺の顔を見詰めながらゆっくり腰を前後させながら、俺のペニスから溢れたオビタダシイ量の愛液を親指に絡めながら回していた。
 定吉は時折自らの親指に絡んだ俺の愛液を舐め取るように口に銜えた。


 俺はいつしか定吉の視線に自らの視線を重ねていた。


「イッてもいいか……」
 眉間にシワを寄せる定吉は低い声を震わせ俺に言葉を投げてきた。
 俺は無言のままでゆっくりと頷くと、一瞬腰の動きを早めた定吉は、肉棒を一番奥へと押し込んだ。

 胸に滴り落ちる定吉のオビタダシイ汗。
 そして定吉がイッた瞬間、俺は自らの力を振り絞って上にいる定吉に抱き付いて自分に引き寄せてしまった。
 感動という言葉が俺を襲った瞬間だった。
 俺の背中に腕を回し再び俺を抱き締める定吉。
 
「鉄子… 本気なんだ… お前を心から愛してしてる…」
 耳元で囁く定吉。

「ごめんなさい……」
 俺は目を瞑って囁いた。


「くそおおぉー!!」
 突然、定吉は俺から離れると乳房を両手で激しく揉んで乳房の真ん中に頬を寄せて泣き声を漂わせた。


 定吉の目覚まし時計が音楽を奏でた。


 松任谷裕美のリフレインが叫んでる。


 定吉は何かを後悔するように俺の胸の中で涙を流し、その涙は俺の胸を伝いシーツに消えた。
 俺は定吉が余りにも哀れに思え定吉の顔を両手で抱きかかえると自分から定吉に口付けをした。


 定吉は俺から離れると無言のまま俺に大きなタオルを放り投げた。
 俺もまた定吉を見ることが出来ずに下着と服を両手に抱きかかえると1階の風呂に移動した。
 そしてシャワーの蛇口を回そうとした時、定吉の叫ぶ声が聞こえた。
 俺はその声をシャワーの音で掻き消した。
 
「タバコ頂戴……」
 俺は定吉の部屋のソファーに腰掛足組みすると手を伸ばした。
 定吉は俺に視線を合わせずにタバコに火をつけてから俺に渡した。
 
「俺のこと恨んでるんだろ……」
 定吉はガックリと肩を落として俺を大勢で辱めたことを後悔していた。
 俺は無言でタバコを吸い始めた。

「もう、昔のように戻れないのかな……」
 天井を見上げた俺は静まり返った部屋で囁いた。

「お前が… 男に戻れば戻れるかも知れないな… だから、俺はお前に男に戻って欲しかったんだ… 忘れられると思ったから……」
 一瞬、フッと俺を見た定吉は再び塞ぎこんだ。

「まだ… 迷ってるの、ホントはね…… でも、定は昔から男っぽい女が好きだったよね♪ ふふ♪ なんかゴチャゴチャになっちゃって… 私も良くわかんないんだ♪ ニャハハハハ♪」
 足組みをし直した。

「もう、戻るから……」
 タバコを消して口紅の付いた吸殻を見た俺はその場で立ち上がった。

「鉄子!!」
 定吉は俺を後ろから抱き締めた。

「もう、やめてよぉ~ 私は鉄子じゃなーい♪ うふふ~♪」
 照れながら笑顔になった俺は定吉の両手に手を重ねた。

 定吉に抱き締められて暖められた俺の身体は外の風が無情にも一気に冷ました。
 居た堪れない気持ちでいっぱいだった。
 俺は家路を急いだ。

 家に帰ると、里奈が洗濯をしていた。
 二人分の女物の下着とパンストが洗濯場の天井に所狭しと干されていた。
 黒いデニムのミニスカートに生脚のまま黒い薄手のオーバニーを履いた里奈は、その上に黒い長袖Tシャツを着ていた。
 後に束ねた黒髪が忙しく動き回る里奈に合わせて揺れ動いている。
 
「ああー!? お兄ちゃん! 石鹸の匂いがするうぅー♪ 昼間っから嫌らしいー♪ キャハハハハハ♪」
 洗濯場で俺の方に振り向いた里奈は可愛らしく笑顔を見せた。
 俺は一瞬ドキッとした顔して里奈を見詰めた。


 洗濯機の方を再びクルリと向いた里奈の太ももを見た俺は、突然里奈の後に跪くと里奈のスカートを押し上げ白いパンティーの上に顔を埋めた。
 里奈は一瞬、ドキッとした様子を見せたがそのままジッとして動かなかった。
 里奈のパンティーを通して彼女の匂いを嗅いだ俺は、そのまま白いパンティーを剥ぎ取ると里奈の尻を左右に開いた。
 後に両手を伸ばして俺の頭を手で引き離そうとした里奈は震えていた。
 俺は里奈の肛門の匂いを鼻を押し付けて嗅いでいた。
 気付けば俺の舌先は里奈の肛門を滑っていた。
 喘ぐ里奈。
 両脚を震わせ立っていられない里奈は洗濯機に身体を投げ出した。
 狂おしい程に声を放った里奈。
 俺は里奈の両脚を開かせ下半身をこちらに引き寄せた。
 後から見た里奈の割目から甘酸っぱい女の香りが漂った。
 上半身を捻り彼女の股下に入った。
 俺は我慢出来ずに後から里奈の割目に舌を押し付けた。
 里奈は洗濯機を上から抱きかかえながら首をいっぱいに仰け反らせた。
 俺は里奈のパンティーを膝まで引き降ろすと舌先を伸ばして擦りつけた。
 クチュクチュと愛液が溢れ舌に絡みついた。
 俺の両手は里奈を洗濯機から引き離し床に仰向けにさせた。
 大きく開いた里奈の太ももの真ん中に顔を埋め、左右に開いた割目の中に舌を押し付け里奈を味わった。
 尿道からツンと鼻を付くアンモニア臭がしたが女の甘い香りが直ぐにそれを打ち消した。
 里奈の内ももはトロケルほど柔らかかった。
 俺は自分が定吉にされていたことと同じ事を里奈にしていた。
 里奈の切ない女の息遣いは洗濯場を息苦しくさせた。


「ズブリュウウゥー!!」
 聳え立つ俺の肉棒が里奈に入った瞬間、里奈は一瞬両目を見開いて直ぐに瞼を閉じた。


 俺が里奈の中で動く度に四つの乳房が無作為に揺れ動いた。
 里奈は一人前の女性として官能し身悶えを繰り返していた。
 俺の両手の指が里奈の両乳首を絡めると彼女の両手の爪が俺の背中に突き刺さった。
 そして俺は里奈の顔に腰を回しながら射精すると、里奈は口を開いて精液を舐めとって飲み込んだ。
 
「お兄ちゃん…」
 
 切なげな表情を浮かべる里奈は二度目の結合を望んだ。


 俺は里奈をバックにすると彼女の乳房を揉み回しながら肉棒を前後させた。
 初めてのバックに戸惑った里奈は直ぐに順応した。
 里奈の揺れる尻を後ろから見た時、俺は食べてしまいたいと本気で思った。
 プルプルと揺れる里奈の尻肉は俺の目を釘付けにした。

 俺は二度目の射精を里奈の背中に放った。

 終焉を迎えた二人はそのまま移動するとシャワーの音の下で再び愛欲を重ねた。
 湯船に腰を下ろす俺の肉棒を里奈は銜えて貪り続け、俺は里奈の口の中で精液を放った。
 ゴクゴクと喉を鳴らす里奈は上目遣いに俺を見詰めた。
 
 そして俺たちは風呂から出ると腹ごしらえして二人で並んでテレビゲームに没頭した。
 一時間、二時間と過ぎて行き、気づいた時は外が暗くなり始めていた。
 二人で乾いた洗濯物を畳んで仕舞った。
 兄妹らしいイベント。
 
「よおーし! 今度は私が隠れる番よおぉー♪」
 里奈は張り切って目を閉じる俺に声掛けると勢い良く一階へと逃げて行った。

 二人だけの鬼ごっこ。

 百を数え終えた俺は静かに里奈を探しに一階へと降り立った。
 ドキドキと心音が脳に伝わった。
 玄関は隠れる場所が無いとすれば風呂場に台所に洗濯場にと指折りして隠れそうな場所を考えた。
 抜き足、差し足、忍び足で廊下を歩く。
 俺は静まり返った家の中を上半身を屈めながら探し回った。
 耳を澄まして辺りを探る。
 居間へ移動した俺は素早く辺りを見回したが隠れられそうな場所が見当たらない。
 息を飲んで台所、風呂場、洗濯場に耳を澄ました。
 後は両親の部屋と客間と納戸だけだった。
 俺は一つずつ探すつもりでまずは両親の部屋へ足を向けた。
 ドアを静かに開ける。
 真っ暗な部屋にカーテン越しに月明かりが入り込んでいた。
 部屋の明かりを点ける。
 抜き足、差し足、忍び足。
 ドキドキしている。
 里奈が隠れられそうな場所を先に特定する。
 大型の洋服箪笥が二つと、両親のベッドの下、まさか天井? ありえなかった。
 観音開きの洋服箪笥を静かに開く。
 親父の衣類の隙間にそっと手を伸ばした。
 次ぎは隣りか。
 静かに観音開きのドアを開いた。
 母さんの衣類がギシリ吊るしてあった。
 衣類の中にそっと手を伸ばすと何かが手に纏わりついた。
 里奈の頭だと思った俺は髪の毛をヒョイッと軽く抓んで引いた。

 
「うわあああああ!!!」
 俺は引いた手にぶら下がった物に驚いて心の中で叫んでその場に尻餅をついた。
 手にぶら下がったのは母さんのロン毛のカツラに震撼した。
 俺は再び手を伸ばし戦々恐々と衣類の奥の丸い箱の中に重ねられた無数のカツラに戻した。
 後はこっちだけか… ここに居なきゃ別の部屋だなと、息を飲んで衣類の中に腕を入れた。
 ヒンヤリしたバックのような物に指先が当たった。
 衣類を少しだけずらして奥を覗き込んだ。
 
「何で親父のバックが母さんの箪笥にあるんだ?」
 俺は何気なくそのバックを取り出して中を覗くと再びその場で尻餅を付いた。


「なっ! 何でこんな物が!!」
 それは決して息子として見てはならないものだった。

 手に取った物を蛍光灯に照らして見ると、何とそれはクリーム色した電動パイブだった。

「畜生!! 何でこんな物!!」
 顔の前に右手で握ったバイブを晒して俺は唇を噛んだ。

「親父のヤツ! こ、こんな物使ってたなんてぇ!! 畜生!!」
 俺は握ったバイブを慌ててバックに戻そうとした時、別の何かに手が当たった。


 俺は半ば諦め顔でバックの中の物を取り出した。
 それは黒い巨大なクリとアナル用が付いた3点式のバイブの他に、6本ものバイブだった。
 その他に母さんの身体を縛ったであろうロープと、鞭の他に低温とシールの貼られたロウソクが束になって入っていた。


「まさか自分の親が性玩具を使っていたなんて………」
 俺は意気消沈して玩具をバックに戻すと元の場所に戻した。
 
 その時だった!!

「見ちゃったんだね… お兄ちゃん……」 
 突然後から掛けられた声に俺は心臓が止まるほど驚いた。

 ゆっくり振り向くと後ろに里奈がいた。

「結構、その機械って音が響くんだよね。 ジーンジーンてさっ!  お母さん可愛い声だしてるよお父さんとしてる時…… それにこんなのもあるよ…」
 里奈は俺の目の前の洋服箪笥の衣類の中からセーラー服や看護師の着る白衣を取り出して見せた。

「今はお兄ちゃん帰ってるから無いけど、たまにお母さんの手足にロープの跡とかあるし、ホラ♪ こんな下着付けてるしね♪」
 里奈は平然と取り出した外人が使うようなガーターベルトやレースのストッキングを俺の顔の前でヒラヒラさせ、黒光りのするスリーインワンを何枚も取り出して見せた。

「もういい!! 里奈! 元に戻してここを出よう! こんな気分の悪い物、見たくも無い!!」
 俺は立ち上がるとその場を去ろうとした。


 すると里奈が呟いた。


「お兄ちゃんにも、お父さんの血が流れてるわ! 多分ね…… 女をロープで縛ってロウソクを垂らしたり鞭で打ったり…… でも、もう無いかな♪ お兄ちゃんは何れ女になっちゃうからロウソクを垂らされる側になるんだものね♪」
 里奈は妖しい視線で俺の身体を見た。


「試してみる? 里奈の身体で……」
 里奈の手が俺のショーパンの隙間から中に妖しい指使いで入って来た。


 俺はこの夜、里奈のベッドの上で彼女を後ろ手に縛り上げると、シックスナインの体位を取り里奈に肉棒を銜えさせ、母親に入ったであろうバイブを里奈の割目の奥に使った。
 里奈は激しい身悶えを繰り返しながら俺の肉棒に縛られながら貪りついた。
 目の前でバイブを出し入れしながら見る里奈の割目からは、ニッチャクッチャと嫌らしい音が漏れていた。
 割れている女の部分からは甘臭い女の香りが漂い、バイブ伝いに透明な愛液が外へと溢れだしていた。
 俺は里奈から溢れた愛液を忙しく舐めとり里奈もまた俺から溢れた愛液を飲んでいた。
 里奈の中にバイブを残したまま、彼女のプリンのように柔らかい太ももをハムのようにロープで縛り上げた。
 痛みに顔を顰める里奈を見た瞬間、俺は背筋がゾクゾクした。
 里奈の中に入っているバイブを付属のベルトで固定した俺は、縛られたままの里奈の身体をうつ伏せにさせた。
 両方の太ももに縛ったロープが食い込んだ。
 食い込む痛みに里奈の顔は悲痛さを訴えた。
 里奈の腹部に布団を詰め込んだ。
 布団の上に覆いかぶさる里奈は尻を突き出しての四つん這いのようになった。
 里奈の股間ではジーンジーンとモーター音が鳴り続けている。
 そんな里奈のプリンのような尻にポタポタと溶けてロウソクが落ちた。
 身体の冷え切っている里奈は一瞬、悲痛な声を発した。
 俺は里奈の悲痛な顔と声とプリンプリンと揺れる柔肌に興奮していた。
 そして四つん這の里奈に肉棒を再び銜えさせ、里奈の尻にロウソクを垂らしては鞭で打ちつけるのを繰り返した。
 里奈は涙声を出しながらも俺の肉棒をシャブリ続け、あまりの興奮に俺は里奈の口に一度目の射精を果たすと、里奈は喉を鳴らして飲干した。
 里奈の両脚を包んでいた黒いガーター用の網ストッキングが本来の揺れを抑止し、小刻みの揺れを大まかな揺れに変えた。
 俺はロウソクを垂らすのを止め、里奈の柔らかい尻をバシバシと鞭で打ちつけ続けた。


「ぷはぁっ! お兄ちゃん!! 痛い! もう! もうやめてえぇ! 痛い! 痛い! 痛いのーー!! やめてえぇー!!」
 里奈は俺の肉棒を吐き出すと、突然涙声になって俺に哀願した。
 

 俺は痛みに泣き叫ぶ里奈に興奮して里奈の尻を鞭で打ち続けた。
 鞭を振れば振る度に柔らかい尻肉が波打ち俺の目を釘付けにした。
 痛い痛いと叫ぶ里奈は尻を自ら揺らし、その揺れは太ももまでプリプリと揺らした。
 俺は里奈の尻を鞭打つのを止めると、今度は尻側へ回りこみ鞭打ちして赤身を帯びた肉肌にかぶりついた。
 大きな口を開けてムシャブリ付いて舌でベロベロになるまで舐め回した。
 痛みから解放された里奈はグッタリしていた。
 俺は里奈の中でモーター音を立てるバイブを引き抜いた時、そのバイブにムシャブリついた。
 そして里奈の愛液に塗れたバイブからはトロトロと俺の口の中に液体を流れ落とした。
 俺は里奈の中に入っていたバイブを銜えながら、肉棒を里奈の割目に後ろから挿入した。
 すると一瞬里奈は首をガツンと後に仰け反らせた。
 そして里奈の狂おしいほどのヨガリ声が部屋の隅々に行き渡った。
 俺は両手を里奈の尻に這わせ腰を前後させた。
 プルプル震える尻と太もも。
 
「パンパンパンパンッ! はぁはぁはぁ… 里奈! お前はもうお兄ちゃんの女(モノ)だから! パパパパンッ! いいなあ! はぁはぁはぁ…」
 俺は腰を振る度、大きな喘ぎ声を上げる里奈に言い聞かせた。

「ぁんっ! ああああああん! 私は! ぁんっ! 私はお兄ちゃんのモノよ! 一生お兄ちゃんの女(モノ)で居たいのおー! ぁんっ! もう、男になりたいなんていわない! だから! ぁんっ! だから里奈をずっと愛してえぇー!」
 里奈は苦しそうに喘ぎながら割目の奥に時折力を入れて絞めつけた。

 俺は里奈を縛っているロープを解いて自由にすると、間もなく里奈の中に精液を撃ち放った。

 
 あれから数ヶ月、里奈は目出度く高校を卒業すると俺の居る都会のオアシスに移り住んで来た。
 里奈は大学へそして俺は会社へそれぞれに別の意思をもって通っている。
 俺がこっちに戻った当初、里奈が妊娠しているんじゃないかと冷や汗ものだったが、無事に生理も来て喜んで居たのに、里奈からのメールには大学はそっちのにしたからヨロシクね♪ と、いつも通りの可愛い妹だった。
 そして里奈のことで病気を患っていた母さんも嘘のように元気になり、傍にいる父さんも声に張りが出たように思える。
 ただ、俺はと言えば会社が終って帰宅すれば、相変わらずの女装子(おんな)として暮らしているし、里奈は俺の奥さんを気取っている。
 有り得ない小説のような出来事は、子を思う母と理解のある田舎の周囲が生んだ物語りだったのかも知れない。
 ただ、里奈が俺と同居するようになってから、メッキリ俺の体力に陰りが出始めている。
 毎日朝晩二回のお勤めはかなり厳しいものがある。
 何とか週一にしてもらえないかと、今、目の前にいる里奈と交渉中だ。
 そんな俺は目の前の小テーブルの上に、新型のバイブを数本箱を並べて置いた。
 里奈は目の前の箱を手に取って中身を確認している。
 俺はあの時、両親の部屋で見て里奈にも使った例のバイブ、もしかしたら親父が楽しむために使ってたのではなく、お勤めから解放されたくて父さんが母さんに渡したのではないかと思っている。
 セーラー服や白衣も親父が用意したのではなく、親父を元気つけるために母さんが用意したのではと考えている。
 俺は親父を誤解してたことを深く反省している。
 何故なら、俺の住んでいるこの部屋にも、里奈が元々使っていたセーラー服やブルマや体操着の他に白衣があるからだ。
 そして俺の洋服箪笥の中には何故かSMグッズのバックが服の後に隠してある。
 里奈に言わせると何かあった時、俺の荷物の中にあるほうが自然らしい。
 恐らく母さんの洋服箪笥の中にあったの親父のバックもそういう意図があるのかもしれないと思った。
 だから俺は目の前でバイブを品定めする里奈に早く彼氏が出来るように心から願っている。
 因みに俺たちのセックスは、俺が受身で里奈がという具合で、殆どが里奈の騎乗位である。
 どちらかと言えば俺が味見される側が多いかも知れない。


 では、また来年の正月に続きがあれば話すことにしよう。


 あけましておめでとうございます。
 本年も縄奥をどうぞよろしくお願い申し上げます。
 
【正月帰省・完結】

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